あらすじ
哲学の三大テーマが、この1冊で理解できる!
哲学の世界では2000年以上もの間、数々の哲学者が膨大な思想や哲学書を生み出してきた。しかし私たちは、それらがあまりに多様かつ難解で、どこから学び始めればいいのか分からない。そこで注目するのが、哲学の基礎をなしている三大テーマ、存在論・認識論・価値論。それらの領域を「はじまり」から紐解けば、驚くほど哲学が「分かる」ようになる。「哲学」という学問の特徴はどこにあるのか。プラトン、デカルト、カント、ヘーゲル、フッサール――哲学者は世界の何に疑問を抱き、その思想はどう展開されたのか。「NHK100分de名著」にて解説の鮮やかさで話題を呼んだ哲学界の俊英が描く、誰もが知識ゼロから学べる哲学の地図。
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Posted by ブクログ
「はじめに」に書かれている内容が、とても共感できるもので、哲学の楽しさ、魅力を語ってくれていて、興奮しました。
本論の内容も、大変分かり易い表現で哲学を解説してくれていて、この本1冊で、著者のファンになりました。
ただ、哲学は読んで学ぶだけではダメで、自分で考えないと意味がないという厳しい意見も、繰り返し述べられていました。
どこまで出来るか分かりませんが、哲学を学び続けて、考える楽しみを味わい続けていきたいと感じています。
美学に関しての考え方として、大きく自然美と芸術美の2つがあるという点については、自分も、人は自然に出来上がったものに価値を感じるか、人間が作り上げたものに価値を感じるか、2パターンに分かれるんじゃないかと考えたことがあったので、そこと一致していて面白かったです。
私は、昔は、自然に見事なものが出来上がることに価値を感じる一方で、人工的に作り上げられたものには今ひとつ価値を感じられませんでしたが、今は、人が意思を持ってものを作り上げることにも価値を感じるようになりました。どちらにも素晴らしさがありますね。
以下、印象に残った部分の引用。
「当たり前」を問い直す学問こそ、哲学に他なりません。
たしかに、哲学は日常生活の邪魔をします。でも私は、だから哲学はなくなってもよい、とは思いません。なぜなら人間は、「当たり前」に疑いを持つと、ついつい「本当はどうなんだろう?」と考え込んでしまう生き物だし、それはめちゃくちゃ楽しいからです。
西洋の哲学の歴史は紀元前にまで遡ります。そんな昔から、どう考えても日常生活の邪魔でしかない哲学がいまだに生き残っているのは、結局、考えることの楽しさが決して色褪せないからです。
哲学は自由でなくてはならない、ということです。「勉強しないといけない!」なんて義務感に駆られて哲学を学ぶのは、ちょっとおかしな話です。哲学は楽しんでこそ価値があります。わくわくするからこそ意味があるのです。
私たちは、つい、偉い哲学者が言ったことをそのまま信じようとしてしまいます。
でも、その言葉そのものには、正直に言ってあまり意味がありません。大事なのはあくまでも考えることなのです。
私が大切だと思うのは、書かれていることに対して問いを連想しながら読むことです。
果たして本当にそうなのか・・・?と、探偵になったつもりで文章を追ってください。
哲学をすることは合理的ではないように見えます。「なんでそんな生産性のないことをしているの?」と、他人から訝しく思われることもあるかも知れません。
でも、みんなと同じ「当たり前」に従って生きることが、私たちにとって幸せであるとは限りません。「当たり前」は、同調圧力となって、私たちから選択肢を奪い、可能性を制限するからです。
哲学は、そうした制限から、私たちを解放します。そこに哲学の最大の価値があるのでしょう。