戸谷洋志のレビュー一覧

  • 生きることは頼ること 「自己責任」から「弱い責任」へ

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    現代哲学を非常に実学として使った本。新自由主義を正当化する理論として使われる自己責任論。そこから導き出される個人主義、差別、思考停止の全体主義化。まさに、欧米の右傾化や日本の自己責任論に潜む危うさをわかりやすく、日々の思考にも活用できるレベルで説明してくれている。

    シンプルに 責任とは誰が負うべきかでなく、誰に対して何に対して負うべきかといえるもので、対象に目線を移さねばならない というメッセージは響く。

    自分もヒヤリとすることがあり、また辟易とさせられる政治や経団連、組織の論理などにも当てはまる。

    この本を読むかどうかは 終わりに を読んでみて、より深く知りたいと思うかで決められると良

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    2024年11月10日
  • 哲学のはじまり

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    哲学が扱うテーマについて存在論、認識論、価値論の3つの軸で説明されている哲学の入門書。読者に語りかけるような形式で、難しい専門用語などは避けて平易な文章となっており、哲学への入口としてとても良かった。巻末にはさらに哲学を学びたい人に向けてブックガイドも掲載されていて、そちらも手に取ってみたい。

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    2024年11月03日
  • 友情を哲学する~七人の哲学者たちの友情観~

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     時代と共にアプローチが変わっていった、友情に対する哲学的問い。アリストテレスから始まり、マッキンタイアで締める。それは友情への捉え方がどのようにアップデートしていったか、ではなく、どのような視点が増えていったか、をポイントにしてまとめている。全体の流れがわかりやすい。
     それぞれのセクションで参考とされるマンガも、理解を助けてくれる。これは著者の意図を感じるが、紹介されるマンガも、刊行順が古い→新しい作品となっている。雑に論じると、マンガの友情も時代と共に様々な視点を取り入れていった、とも言えるが、確実に言えるのは、表現の多様性は、フィクションというストーリーにて多くの人々に届けることができ

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    2024年10月16日
  • 悪いことはなぜ楽しいのか

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    ■自己中は生物の本能。
    ■ショーペンハウアーはエゴイズム、悪意、同情という三つを、人間がもつ根本的な衝動として説明。人間が何らかの衝動に駆られて行為するとき、それは必ずこの三つのうちのどれかである。この中で道徳的だと言える衝動は、同情しかない。
     なぜ人は他者に同情するのか。ショーペンハウアーは「同情は「私」と他者の区別そのものをかき消してしまう」という。

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    2024年10月09日
  • ハンス・ヨナスの哲学

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    理性(精神)と物体という二元論のわかりやすさに陥りがちな議論に「生命」という概念をどのように持ち込んだかが、詳しく語られる。現象学や実存主義、特にハイデガーについて少しは齧ってないと読み通すのは難しいかもしれないが、ヨナスの思想についてテーマを絞って本当に丁寧かつ誠実に解説してくれている。

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    2024年09月26日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    日常生活の中で、いや、日常生活を生きているからこそ見落としてしまうもの。これについて、深く再考させられる一冊だった。当たり前といえば、当たり前かもしれないが、当たり前を考えることに意味があるのだなと思う。反芻によって得られるものは、思ったよりも多い。

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    2024年09月24日
  • 生きることは頼ること 「自己責任」から「弱い責任」へ

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    ネタバレ

    ※何度もアプリが落ち、書きかけの感想が消えてしまった。TAKE3でようやく、別のメモに書き溜めてから投稿するように変更した。(かなり熱く語っていたのだが、だいぶクールダウンした感想になってしまった)

    強い責任と弱い責任を対比し、責任とは誰がとるものなのか?という話は一瞬で終わり、そもそも能動的と受動的だけでは語れないというところから國分功一郎さんの中動態の概念を引用し、前半の強い責任パートが終わる。

    後半の弱い責任パートから、面白く一気に読んだ。(と言いつつ、ところどころ、ページを閉じて連想したくなる場面もあった)

    第4章の傷つきやすさへの責任では、勝手な誤読連想として、亡き父を思い出し

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    2024年09月22日
  • 悪いことはなぜ楽しいのか

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    悪いこと、いいことにはどんな違いがあるのか。
    それは、どう判断されるのか。
    社会には様々なルールがあり、それに適合するか否かでジャッジされる悪いこと、良いこと。
    タメになる。

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    2024年07月28日
  • 悪いことはなぜ楽しいのか

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    版元からして比較的平明な文章になっているが、題材選びが筆者の他作品の中でもとっつきやすく優れているように思う。
    文芸作品からの例示が多く、自分の関心領野としても適っていた。

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    2024年07月21日
  • 親ガチャの哲学(新潮新書)

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    親ガチャの厭世観と、責任や自己肯定感、対話などを哲学の視点から検討するという内容。
    さらりと書いてあるが、それぞれが深い

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    2024年07月04日
  • 悪いことはなぜ楽しいのか

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    自己チューはなぜ楽しいのか、いじわるはなぜ楽しいのかという、こどもでもとっつきやすいテーマから始まり、それぞれの章の中でカントやハイデガーなどの哲学・倫理学でよく扱われる思想家を紹介するという流れが、とてもよかった。それらに興味を持つきっかけになりうる本だと思う。

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    2024年07月03日
  • 哲学のはじまり

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    久々に読んだ哲学の本。
    色々な哲学者の考え方が、コンパクトに分かりやすく紹介してあってよかった。巻末のブックリストで気になった本も読んでみたい。

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    2024年07月03日
  • 恋愛の哲学

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    愛について考えたいのに普通に哲学者多すぎて何から読めばいいかわからない!ときに出会いました。助かるー
    めちゃくちゃ最近の本なので(2024年)、古い本特有の読みにくさもないし、例も容易く頭に入る。
    解説している哲学者の引用文(翻訳文)は全然理解できないんだけど、そのあとちゃんとわかりやすく言い直してくれるので有難きことこの上なし
    前にフロムの「愛するということ」を読んで自省したりしてたけど、なんかこれは哲学者を比較するという点で、本から自分へダイレクトに矢が刺さってギク!痛い!みたいなことがなかった。愛は一体化するものだし相互的なものだと思っていたのに、レヴィナスは反対だったのでレヴィナスの入

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    2024年05月05日
  • スマートな悪 技術と暴力について

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    良心を今自分が生きるシステム(社会)へ自動最適化してしまうこと(それも「無意識」に)。そして、その問題がとても可視化しづらいこと。そのことを忘れないで、自分という人間が背負う責任から逃れないで生きるために、どうすればいいのか。

    現時点での私の答えは、こうだ。

    今の地点(システム)に自分が存在しているという事実を意識しながらも、別の地点(システム)も、勿論この世界には存在し得ること、そしてそれは今自分がいる地点と代替可能な地点ではなく、同時に存在し得る地点であり、そこに自分が足を踏み入れることは自分自身が身軽(自分がいる地点にポジティブな意味合いで懐疑的)であり続ける限り、いつでも可能である

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    2024年04月19日
  • 親ガチャの哲学(新潮新書)

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    対話すること、話を聴いてもらう、話を聴く、簡単なようで難しい。だけど、自分の人生を引き受けるためには、自己肯定感を高めるためには、とても重要なこと。

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    2024年03月23日
  • 哲学のはじまり

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    勉強の哲学という本で、専門分野へは入門書から入るべきと書かれていましたが、これはその一冊になるだろうという視点で読ませて頂きました。

    どのくらいのことを知っておけば「ざっと知っている」ことになるのか、という範囲を把握する

    ためにちょうどよい印象です。
    また最後にブックガイドが載っているのも、入門を終えて次に進もうと思ったときに有用だと思います。

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    2024年03月18日
  • 友情を哲学する~七人の哲学者たちの友情観~

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    友情というシングルイシューから多様な時代の哲学者を取り上げるという試みは、新書の紙幅のなかで上手く機能していると感じた。
    サブカル批評に片足を突っ込む程度ではあるが、著名な漫画作品の一場面を例示することで、記憶の紐づけには役に立つ。
    ここで触れられる名高い哲学者には当然、専門の研究者もおり、考証としての正しさがどこまでかは、名前こそ知ってはいても「友情」という題材にいかに取り組んでいたか(そもそも取り組んでいたかのかすら)知らない身としては正否は出しかねるが、各々の哲学者あるいは友情そのものの哲学的探求の端緒として的確に仕立て上げられているように思う。

    再読。

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    2024年03月15日
  • 恋愛の哲学

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    私が常には「奢られる側」でいたくなかったのは、「守られるべき対象」として見られることに対して、強烈な違和感があったからかなと思いました。主体性を返してくれよ、みたいな。
    そして、常に「奢る側」として見られる人たちも、それはそれで、主体性が奪われているような…。

    社会規範でもって、相手が喜びそうなことを推し量るって、本当に良くないなぁと感じます。それが、する側の勘違いやエゴであっても、された側は喜んでいるふりをしなきゃいけない気がしちゃうもの…。

    人間関係において、「対等」とか「尊重」って、互いに簡単にはできない場合の方が多いのかもしれないですね。目指したいところですが。

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    2024年03月03日
  • 哲学のはじまり

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    今まで読んだ中で一番スッと入ってきた哲学入門。ハイデガーや現象学の説明も明快(カントの議論を踏まえて…という説明がわかりやすい)で、いわゆる哲学史的な倫理の授業では満足できなかった人もここから始めればよい。ブックガイドもあり、親切。

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    2024年02月27日
  • 友情を哲学する~七人の哲学者たちの友情観~

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    タコピーが大学入試で出題されたと聞き読みました。文章が読みやすい。
    自分たちの身近にあるものでたとえてくれる、前章で大切だったことを繰り返し言ってくれる。
    哲学者たちの友情に関する論をわかりやすく説明した後に知ってるマンガについて同じテンションで解説されて少し笑ってしまう。あとめっちゃネタバレするやんけ!
    エピローグのまとめ方が優しくて著者の他作品も読みたくなりました。

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    2024年02月26日