あらすじ
「将棋×哲学」の知的異種格闘技戦!
これは哲学者と棋士という異色顔合わせによる哲学的対話の記録です。
棋士の糸谷哲郎さんは羽生善治さん他を下して竜王獲得、久々の20代タイトル保持者となった方です。
また現役棋士として初めて国立大学へ進学し、大学院ではハイデガー研究で修士学位取得。
当時同じ研究室で議論し合った哲学者の戸谷洋志さんは、ドイツの哲学者ハンス・ヨナスを研究する一方で、
アカデミズムにこもることなく市民とのワークショップ「哲学カフェ」を各地で開催してきました。
例えばいまAI(人工知能)を搭載した将棋ソフトが驚異的な進化を遂げる中、現場の棋士はAIと人間の関係をどう捉えているのでしょうか。
「人間」の自明性が問われる現在、1988年生まれの同世代の二人が勝負論や幸福論などを切り口に、「人間」を巡る様々な問いを考察していきます。
[目次]
1章 勝負論
2章 AIとどう向き合うか
3章 哲学と社会の関係
4章 僕らの幸福とは
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
哲学に興味があり、父の影響で将棋棋士についてはそれなりの知識を持っていて、さらに2人と同世代ということで非常に興味が湧き思わず購入。
三章、四章が同世代として1番興味深く読むことができた。充分面白い内容なのだが、飲み会の二軒目くらいで聞いたらこの上なく楽しい話しに思う。…ただ、二軒目だと、酔っ払って覚えてない可能性が高いか。
Posted by ブクログ
聡明で若い友達2人の対談という感じ。
たまにただの若者の馴れ合いみたいな。
後半ちゃんと哲学のパートになった時難しくて、今後少し哲学を追うのは諦めようと思った。
糸谷さんは思ってた「生粋の本能派」とは少し違って、色んな人間的葛藤を理性で理解してしまうことにより
人生や将棋の意思決定をシンプルにしてしまえてる人なのかな?と仮定。
(思ってたより楽観的で冷静で、世界を良い距離感で楽しめているような。)
だとしたら、確かにそのように「世界の”分からない”という不安に立ち向かい克服すること」が哲学の意義の一つなのだろうし、それを体現してくれてる気もする。
Posted by ブクログ
タイトルから「将棋の本?哲学の本?」と悩みましたが、内容は完全に哲学の本でした。とても興味深かったですし、お二人の会話の距離感が近すぎず遠すぎず、とても気持ち良かったです。
Posted by ブクログ
同世代の哲学者と棋士の対談.テーマは大きく戦いについてだが,個々の話題は多岐にわたる.
全く理解できないように思える他者であっても,その考えを理解しようと努力することが必要だ,というのは本当にその通りだなと思う.
国会のやり取りを見ていると,戦いの感覚が未成熟であることの問題は,同世代的なものだけではないのだろうな.
個人的には,もう少しボリュームを増やしてでも個々の話題のもっと深い話を読みたかったので,星4つ.