井手英策のレビュー一覧

  • 幸福の増税論 財政はだれのために
    支え合う社会、これまでのリベラル政党の政策で納得のいかない部分を、筆者は新しい社会のあり方として提示してくれた。
    新書という制約の中で書けなかったのかもしれないが、ベーシック・サービスの具体的な中身と、政策のコスト、税制の形と財政への影響について詳しい記載が欲しかった。
  • ソーシャルワーカー ──「身近」を革命する人たち
    《人を雑に扱う社会を「革命」する》

    国家資格である「社会福祉士」を英語で"Social Worker(SW)"、「精神保健福祉士」を"Psychiatric Social Worker(PSW)"と訳しカッコ内を略称として使用する。
    では2つの資格を持つものは「ソーシャルワーカー」なのか?
    「ソー...続きを読む
  • ソーシャルワーカー ──「身近」を革命する人たち
    とても読みやすかった。
    高校生や大学生などにも読んでもらいたい本だと思った。

    しかし、難しい。結局は何を働きかけても本人が変わらなければ事態は好転しない、というケースがある。馬を水辺に連れて行ったところで水を飲ませることができないのと同じだ。いつか変わる、気づく、と信じて伝え続ける必要があるのか。...続きを読む
  • リベラルは死なない 将来不安を解決する設計図
    若手の立憲民主党、国民民主党の精鋭が、それぞれの主張を展開している面白い本だ.発想の原点になっているのは、財界でも大企業でもない庶民の目線だと感じた.自民党の政策は多くの部分で現代社会に対してミスマッチの感が否めないが、安倍の発想からして野党の考え方は拝聴してみようというスタンスはない.もう退陣は時...続きを読む
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの
    読みやすく、わかりやすい、経済的側面からの格差論。

    私たちの間に引かれている「分断線」。
    私たちの見方に影響を与える3つの罠。

    「救いの手」が人を傷つけるという側面。

    「政治」からの解決策の提案。

    経済とか、政治とかが苦手な私にとって、問題の概要をつかむのに適切な一冊でした。井手さんの他の本...続きを読む
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの
    日本には大きな分断が横たわっている。これをなくすにはみんなを受益者にする。
    深く同意したけれど、実際にこういう社会に変えていくにはどうしたらいいのかな。
    経済を論じた文章で、著者の情熱?あたたかさ?を感じたのは今までになかった経験でした。
  • 未来の再建 ──暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン
    <目次>
    はじめに(今野晴貴)
    第1章  生活困窮者を絶え間なく生む社会(藤田孝典)
    第2章  引き裂かれる日本社会(井出英策)
    第3章  日本の「労働」はなぜこれほど苦しいのか?(今野晴貴)
    第4章  身近な世界を政策につなぐために~「ベーシック・サービス」の提唱(井出英策)
    第5章  限定的で狭...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    大学の先生が、大人のために、個人主義とかGDPとか多数決とか公正や信頼などについて解説してくれる本。

    多数決は何かを決めるときに必ずしもベストな手段ではないとか、なるほど。

    利己主義は昔からあるけれど、個人主義は比較的新しいもので、国によって発生過程が異なり、「フランス革命に反対する勢力が、社会...続きを読む
  • 富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く
    私の周りで話題になっていたので読んでみました。
    外からみえる富山ってこういうようにも見えているのですね。
    富山県民がよく言う「なんもないちゃ」じゃない、
    魅力がたくさん詰まっている場所だとは県外出身者からみて感じていました。

    保守とか革新とかで、私達がどちらかに当てはめようとしていること自身、
    ...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    現代社会の抱える課題について、経済学・歴史学・政治学・社会学の視点から考えている作品です。

    経済成長の基準とされる「GDP」について、その数値が示すものの意味と、GDP値を上昇させることの意味。
    また、日本において根深く残る「勤労」感(働かざる者食うべからず、として貧困層をかれらの努力不足と断じる...続きを読む
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの
    高負担高福祉ベーシックインカムの話。わりと見えにくいところに話が行く。税金上げても還元してないとか。これはこれでよく出来ている。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    公平、多数決にかかわるパートは共感。ただし歴史認識のところは、単純に現在の取り組みに対して批判的なスタンスに寄り過ぎな気がする。
  • 財政から読みとく日本社会 君たちの未来のために
    高校生向けにかかれているので、財政とは何か、税金がどのように使われているかがとてもわかりやすく書かれていた。
    「経済の時代から人間の時代へ」は正に、そうなんだ!と心に刺さった。税の使い道を政治家の好きなようにさせてはならず、そのためにも仕組みや現状をこれからの日本を作っていく若者が理解して、選挙に政...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    のっけから、「上から目線で書きます」んんん、何、上から目線?
    社会について本を書くというのは、もう言わなくても上から目線だろ。
    カチ~~ン。でも、おもしろかった。GDPもこんな風に考えたことなかった。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    前々から気になっていた井出英策。今年一発目の本として「日本財政 転換の指針」を開き、ちょうど就任式を迎えたトランプ大統領の移民を排斥しようとする政策がなぜ得票に繋がるのか?の不思議に始めて明快な説明を受けたような気がして、講演会も聴きに行き、そこで民進党の前原誠司のブレーンとして研究だけじゃなく現実...続きを読む
  • 財政から読みとく日本社会 君たちの未来のために
    1995年は財政危機宣言が出された年であった。それ以降医療、年金など社会保障、教育などへの国家支出はマイナスシーリングされ、それでも景気回復のために国債に依存したインフレ誘導が続けられた。それは間違っている。租税は高くなってもかまわない。互酬のサービスー教育、医療、介護、子育て、環境などに現物支給と...続きを読む
  • 分断社会ニッポン
    某所読書会課題図書.非正規問題,高齢者問題,子どもの貧困問題,税金問題など重要な解決すべき問題を最適な人材による鼎談で明確にしていくことを試みた好著だ.ただ,個々の問題の議論でお互いに強烈な個性派ばかりなので,敢えてかわざとか論点を微妙に逸脱させることがあって,読んでいたイラつくことがかなりあった....続きを読む
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの
    予想通り、『分断社会を終わらせる』の要約版だった。1時間もかからず読めてしまうので、誰にでもおすすめ。まずは、「増税前に公務員を減らして経費削減!」と主張する夫に読んでもらって、感想を聞きたいと思う。
    願わくは、みんなが必要とするサービスを提供し、将来的には借金も返済できるだけの財政と税収はどれくら...続きを読む
  • 分断社会を終わらせる ──「だれもが受益者」という財政戦略
    なぜ、日本人は増税をこれほどまでに嫌がるのか。
    今の日本の閉塞感はどこからきているのか。
    研究者らしく分析していて面白かった。
    日本の借金返済にはまだ余裕があるから、まずは普遍的な福祉を充実させてから増税につなげるべきという考え方。
    どうしたら増税ができるのか、それを考えなくては、財政再建もままなら...続きを読む
  • 日本財政 転換の指針
    タイトルが財政なので、経済の話が中心かと思って敬遠しそうになったが、どうして財政赤字なのか、何にお金を使っていくべきかが社会構造の変化と一緒に書いてあってわかりやすい。