井手英策のレビュー一覧

  • 未来の再建 ──暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン

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    第一章〈生活困窮者を絶え間なく生む社会〉
    ①終身雇用と年功賃金による日本型雇用の崩壊、非正規雇用の拡大、ブラック企業の台頭etc.
    →貯蓄困難
    →病気などのリスク回避が出来なくなった。
    →困窮者が生まれる

    ②生活ギリギリの世帯に対する社会福祉が不十分
    →選別型社会福祉…条件を満たさないと救済無し

    ③こうした状況改善を訴えた際の風当たり強い
    →改善されず。

    第二章〈引き裂かれる日本社会〉
     税金からなる選別型社会福祉は、「みんなの利益」から「誰かの利益」となっている。
    →財政事情が厳しい
    →何処を削るかの争い勃発
    →世代間、性別などで引き裂かれる。

    第三章〈日本の「労働」はなぜこれほど苦

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    2021年07月31日
  • ふつうに生きるって何? 小学生の僕が考えたみんなの幸せ

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    すごく良い本だった。理由は分からないけど何度も泣きそうになった。公園のおばさんへの視線とか,すごく優しくて好きだった。
    小学生娘に薦めてみたけど,あんまりピンとこないみたいだった。いろいろ経験して考えられるようになる話なのかな。

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    2021年05月25日
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

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    若干筆者の意見が強く主張されている部分はあったものの、自分が知らない世界が広がる「格差」について考え始めるには良い本だったように感じる。

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    2021年01月10日
  • 欲望の経済を終わらせる(インターナショナル新書)

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    新自由主義って何?「私は新自由主義です」って言う人あまり聞いたことない。1937年にアメリカの評論家ウォルター・リップマンが著者「善き社会」で企業が利益を独占する古典的な自由主義を民主主義に反するものとして批判したのが始まり。企業や富裕層への負担を増やすことや鉄道の国有化など「大きな政府」を提唱する。しかし今言う「新自由主義」は、シカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマン。財政を小さくし、規制を緩和すればよいという単純な主張。序章、ややまぎらわしく、新自由主義が広がって格差が広がったかのように書くが、1980年代~90年代、イギリスでもアメリカでも日本でも所得減税を行って消費税のような付加価値

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    2020年08月30日
  • いまこそ税と社会保障の話をしよう!

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    SNSでは年収マウントを取ったり、弱者を見下したり踏み台にする論調を展開する人が散見されて、悲しくなっていた。しかし日本は日本国憲法の「勤労の義務」、「納税の義務」のもとの自己責任社会、強者の理論がベースになっているので、「働かざる者食うべからず」の思想が根底にあり、不公平感に嫉妬するのは当然の感情なのだ。社会構造が要因であり、彼らを一概に否定できないと本書で気付かされた。そして人口減少と経済衰退が既定路線の日本では、助けを求めたくても求められず貧しさから絶望の淵に立たされる人がますます増える。この構造に本書で気付かされ、強い危機感を覚えた。

    「成長は成長でいいんだけれど、成長が止まったら絶

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    2020年08月10日
  • ソーシャルワーカー ──「身近」を革命する人たち

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    介護の章が面白かった。危険が起こらないようにとひたすら利用者を管理する活動は、悪い意味での専門分化と同様に、老人福祉法時代の発想だとばっさり。Y問題や、社会福祉士、精神保健福祉士の分断問題ももう一度読み返したい。

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    2020年05月23日
  • 平成史【完全版】

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    日本の平成を、政治・経済・地方自治・社会保障・教育・情報化・移民政策・ナショナリズムの観点からまとめた本。

    総じて言うなれば、日本の平成とは、変化するさまざまな環境に対して、昭和の枠組みをその場しのぎで改変することで対応してきた時代であり、その綻びがあらわになってきた時代といえる。

    重要な観点は、ポスト工業化における個人化。昭和はある意味一定のライフコースしか想定しておらず、そこから漏れ落ちた人々に対しては想定をしていなかった。だからこそ、こうしてそれぞれの観点からまとめてみると、ちぐはぐな対応に見えてしまう。

    システムは入れた途端陳腐化するが、それは全ての精度に対しても言えるのかもし

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    2020年03月15日
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

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    内容は以前に読んだ『幸福の増税論』のエッセンス。税金はみんなから集めてみんなに還元していく(もちろん必要なところには厚く)、つまり「弱者救済社会」よりも「分かち合い社会」のほうが社会全体が住みよくなると説いています。
    無党派層や支持なし層とは「ムダの削減か」「弱者救済か」選択肢を迫られ我慢を強いられ続ける中間層の静かな抵抗ではないかとの著者の指摘のとおり、分かち合い社会は分断社会からの脱却の処方箋です。

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    2020年01月19日
  • リベラルは死なない 将来不安を解決する設計図

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    書いてある内容自体はとても真っ当なことだと思う。私自身もリペラルを自認しており、内容自体に異論はない。だけど、それは従来のリベラルの主張そのままということでもあって、「なぜマジョリティになれないのか」についての考察が欲しいなと思う。
    井手英策の税金社会保障と山内康一の教育論は「リベラルは死なない(まだ役目は終わっていない)」にふさわしい提案があるけれど、他の論文はマクロな視点が欠けていてわざわざ「リベラルは死なない」という大上段から振りかぶる意味があるのかと思ってしまう。

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    2019年12月10日
  • 幸福の増税論 財政はだれのために

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    支え合う社会、これまでのリベラル政党の政策で納得のいかない部分を、筆者は新しい社会のあり方として提示してくれた。
    新書という制約の中で書けなかったのかもしれないが、ベーシック・サービスの具体的な中身と、政策のコスト、税制の形と財政への影響について詳しい記載が欲しかった。

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    2019年11月06日
  • ソーシャルワーカー ──「身近」を革命する人たち

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    《人を雑に扱う社会を「革命」する》

    国家資格である「社会福祉士」を英語で"Social Worker(SW)"、「精神保健福祉士」を"Psychiatric Social Worker(PSW)"と訳しカッコ内を略称として使用する。
    では2つの資格を持つものは「ソーシャルワーカー」なのか?
    「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」での「ソーシャルワーカー」から『物申す』を引いたものが社会福祉士である。
    カリキュラムには政府の都合が良い仕事だけ覚えて仕事しろという意図があり『物申す』が省かれている。

    『物申す』ことこそがソーシャルワーカーには必要であ

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    2019年09月24日
  • ソーシャルワーカー ──「身近」を革命する人たち

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    とても読みやすかった。
    高校生や大学生などにも読んでもらいたい本だと思った。

    しかし、難しい。結局は何を働きかけても本人が変わらなければ事態は好転しない、というケースがある。馬を水辺に連れて行ったところで水を飲ませることができないのと同じだ。いつか変わる、気づく、と信じて伝え続ける必要があるのか。そこまでいくと、相手を救おうと伝え続けることはもはやこちら側のエゴにも思える。その線引きはどうするのか。

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    2019年09月19日
  • リベラルは死なない 将来不安を解決する設計図

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    若手の立憲民主党、国民民主党の精鋭が、それぞれの主張を展開している面白い本だ.発想の原点になっているのは、財界でも大企業でもない庶民の目線だと感じた.自民党の政策は多くの部分で現代社会に対してミスマッチの感が否めないが、安倍の発想からして野党の考え方は拝聴してみようというスタンスはない.もう退陣は時間の問題になってきたが、積みあがった難題は厳として存在している.与野党は柔軟な発想で問題解決の糸口を探ってほしい.様々な提案の中で、集合住宅型リバースモーゲージが面白かった.

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    2019年09月04日
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

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    読みやすく、わかりやすい、経済的側面からの格差論。

    私たちの間に引かれている「分断線」。
    私たちの見方に影響を与える3つの罠。

    「救いの手」が人を傷つけるという側面。

    「政治」からの解決策の提案。

    経済とか、政治とかが苦手な私にとって、問題の概要をつかむのに適切な一冊でした。井手さんの他の本も読みたくなりました。

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    2019年08月15日
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

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    日本には大きな分断が横たわっている。これをなくすにはみんなを受益者にする。
    深く同意したけれど、実際にこういう社会に変えていくにはどうしたらいいのかな。
    経済を論じた文章で、著者の情熱?あたたかさ?を感じたのは今までになかった経験でした。

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    2019年06月23日
  • 未来の再建 ──暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン

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    <目次>
    はじめに(今野晴貴)
    第1章  生活困窮者を絶え間なく生む社会(藤田孝典)
    第2章  引き裂かれる日本社会(井出英策)
    第3章  日本の「労働」はなぜこれほど苦しいのか?(今野晴貴)
    第4章  身近な世界を政策につなぐために~「ベーシック・サービス」の提唱(井出英策)
    第5章  限定的で狭小な社会福祉からの脱却(藤田孝典)
    第6章  「職業の再建」で分断を乗り越える(今野晴貴)
    第7章  未来を再建せよ(井出英策)
    あとがき(藤田孝典)

    <内容>
    日本の現代社会の問題を示した本。この本の優れているところは、3人の知恵者が、彼らなりに解決策を提案していることだ。それも実現不可能な夢物

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    2018年12月24日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    大学の先生が、大人のために、個人主義とかGDPとか多数決とか公正や信頼などについて解説してくれる本。

    多数決は何かを決めるときに必ずしもベストな手段ではないとか、なるほど。

    利己主義は昔からあるけれど、個人主義は比較的新しいもので、国によって発生過程が異なり、「フランス革命に反対する勢力が、社会を解体する良くないものだと否定する文脈から登場し、19世紀半ば以降の英国では、個人の自由な経済活動が『小さな政府』とセットで強調されるようになり、哲学と文学が盛んだったドイツでは多様な個性を重んじる個人主義が重んじられ、アメリカでは他人の力を借りず一人でやりとげる『セルフ・メイド・マン』の概念と結び

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    2018年12月02日
  • 富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く

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    私の周りで話題になっていたので読んでみました。
    外からみえる富山ってこういうようにも見えているのですね。
    富山県民がよく言う「なんもないちゃ」じゃない、
    魅力がたくさん詰まっている場所だとは県外出身者からみて感じていました。

    保守とか革新とかで、私達がどちらかに当てはめようとしていること自身、
    考え直さなければならないというのは、なるほどと思いました。

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    2018年11月04日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    現代社会の抱える課題について、経済学・歴史学・政治学・社会学の視点から考えている作品です。

    経済成長の基準とされる「GDP」について、その数値が示すものの意味と、GDP値を上昇させることの意味。
    また、日本において根深く残る「勤労」感(働かざる者食うべからず、として貧困層をかれらの努力不足と断じる姿勢など)がどのように醸成されてきたのか。
    多数決で物事を決定してゆく民主主義が抱えているシステム的な「課題」や、また「社会福祉」として行われる弱者救済が「人びとのニーズ」に合致しなければならないことなど、「これから先の社会」を考える前提としての「現代の社会」について、どのような仕組みで動いているの

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    2018年03月27日
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

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    高負担高福祉ベーシックインカムの話。わりと見えにくいところに話が行く。税金上げても還元してないとか。これはこれでよく出来ている。

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    2018年03月03日