【感想・ネタバレ】富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解くのレビュー

あらすじ

待機児童ゼロ、結婚した女性の離職率の低さ、 貧困の少なさ、公教育の水準の高さ……日本型「北欧社会」が保守王国で生まれていた! 富山県は県民総生産が全国31位の小さな自治体だが、一人当たりの所得では6位、勤労者世帯の実収入では4位に浮上する。背景にあるのは、ワークシェアリング的な雇用環境と女性が働きやすい仕組みだ。さらに、公教育への高い信頼、独居老人の少なさなど、まるでリベラルの理想が実現しているかのようだ。しかし、北陸は個人よりも共同体の秩序を重視する保守的な土地柄とされる。富山も例外ではない。つまり、保守王国の中から「日本的な北欧型社会」に向けた大きなうねりが起きているのだ。10年間にわたって富山でのフィールドワークを続けてきた財政学者が問う、左右の思想を架橋する一冊。 【目次】はじめに/序章 保守と革新、右と左を超えていくために/第一章 富山の「ゆたかさ」はどこから来るのか/第二章 どのように富山県の「ゆたかさ」は形づくられたのか?/第三章 家族のように支え合い、地域で学び、生きていく/第四章 危機を乗り越えるために「富山らしさ」を考える/終章 富山から透視する「歴史を動かす地域の力」/おわりに/参考文献

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Posted by ブクログ

ブックカフェにて流し読み

富山市在住です。
歴史的変遷や、統計の数字を並べながら、富山の住み心地の良さを分析している本。
そうだったのかー!とか、(他との比較で)そうなの?とか、色々な発見がありました。

スウェーデンは世にしれた高福祉国ですが、富山の在り方をスウェーデンと比して書いてあるのは、なんだか目から鱗な気分でした。

なーん、そんなことないちゃ
(いやいや、そんなことはないですよ)
と、自己肯定感が低めの県民性ですが、外側から客観的に見た豊かさの指摘は、なるほど!と思わされると共に、自信や心のゆとりにも繋がりました。ありがとうございます。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

1.なんで富山がスウェーデンなの?どういうこと?と思ったので読みました。

2.富山県は県民の幸福度や女性の正社員比率が高いという数値が出ており、日本の中でも住みやすい県となっております。寒い気候だからとか、東京からのアクセスが悪いからと言って敬遠されがちですが、侮れません。富山県は「このゆとーまれ」という事業を起こしたのですが、これは「金は出さないが口も出さない」という内容で、どこの行政も行っていないことです。このように、ユニークなアイデアが出せる行政と、共同体の名残が残り、人との繋がりを実感できる環境であることが住みやすさを生み出しています。このほかにも、富山県の魅力について本書は書かれています。

3.富山県の実収入や幸福度が高いことは衝撃でした。昔、日当たりが悪い地域ほど鬱病になりやすいという都市伝説のような話を聴いたことがあります。これはあながち間違いではないと思っていたので、信じていたのですが、この考えはすぐに捨てようと思いました。
そして、富山県は今、めちゃくちゃ発展した県になっていることが興味深かったです。現在、スマートシティ事業を推進している代表的な県で、行政の取り組み方が積極的な姿勢です。このようなに行政と民間が頑張っている姿を他にも示していることが本人たちのやる気も誘発しているのだと感じました。

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2022年02月21日

Posted by ブクログ

私の周りで話題になっていたので読んでみました。
外からみえる富山ってこういうようにも見えているのですね。
富山県民がよく言う「なんもないちゃ」じゃない、
魅力がたくさん詰まっている場所だとは県外出身者からみて感じていました。

保守とか革新とかで、私達がどちらかに当てはめようとしていること自身、
え直さなければならないというのは、なるほどと思いました。

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2018年11月04日

Posted by ブクログ

保守でもなくリベラルでもなく、普遍的。富山らしさは、家族。
大学の先生らしくよく調査されている。富山を保守かリベラルかという点から論じるのも、なんだかピンとこない。
富山は何なのさ。

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2018年09月30日

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