井手英策のレビュー一覧
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これまでの日本社会モデルは、勤労と倹約による自己責任で将来不安にそなえる社会を維持することを目標にしてきた.これからは税をつうじて「社会の蓄え」をつくり たがいに命やくらしのニーズをみたしあっていくのがベストチョイスだ.これが本書の要点だと感じた.それぞれに税金について次のような指標も参考になる.消...続きを読むPosted by ブクログ
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数多くの社会学や経済学の本を読む中でも、説得力抜群の書である。
実もふたもなくバッサリと切るような本書の言説は快い。現在の日本の姿を否応なくクッキリと見せつけてくれる書と高く評価したい。
「自分は中の下と信じたい人」というカテゴリー認定は実にリアルである。なるほどそう分析すると格差拡大の中でも安倍政...続きを読むPosted by ブクログ -
選挙や多数決、モノを「公正に」分割するにしろ、さまざまな方法がある。タルムード法、比例分配。ボルダルール、などなど。Posted by ブクログ
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前原さんの理念のバックグラウンドとなっていたのだろう考え方だ。王道のテーマがまた新しい視点で語られる。わかりやすく腹落ちもする。良い本だとおもう。Posted by ブクログ
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財政の状況を通して社会を読み解く良書。歴史的に生み出され今日に至った財政が「小さな政府による自己責任社会」「人間に共通する利益より仲間の利益を優先する社会」を創ったと主張し「誰もが受益者」という社会を創り出す財政戦略が必要と説く。「経済の時代から人間の時代へ」という主張には頷ける。Posted by ブクログ
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大佛次郎論壇賞で名前を知り、NHKスペシャルのマネーワールドの格差の回で顔を知り、いよいよ「経済の時代の終焉」を開く前に井手英策という財政学者を軽く知ろうと思って開いた新書です。でも全然軽くなくて財政という学問の重さに衝撃を受けました。ついついお金の問題としてしか受け止めて来なかった負担と受益の関係...続きを読むPosted by ブクログ
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日本社会は、格差、格差といいながら、所得格差が広がっている、かわいそうだ、何とかしたい、不公平と思うが、格差社会を是正したいと思う人は少ない。余裕のある、思いやりに満ち溢れた社会ではない。
税への抵抗が強い社会は誰かのための負担を嫌う。「冷たい社会」
今日の予算委員会を聞いていても、高齢者、低所得者...続きを読むPosted by ブクログ -
学者がその研究をふまえて、若者に持論を語り行動を促す。旗幟鮮明だが決して扇動的ではない。最近見ることがなくなったこうした本が、今こそもっとあってもいいし、それが読まれてほしいと思う。もちろん、私は著者の主張に納得した。この考えが広がっていくことを望む。Posted by ブクログ
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簡単に書かれていて、なおかつポイントを押さえながら説得的な内容となっており大変良い本だと感じた。格差論を社会の信頼関係と関連付けて論じているのはとても説得的に思えたし、同時にそのような観点は必要不可欠だろうと思った。著者の井出さんのファンになった。Posted by ブクログ
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日本の財政構造をわかりやすく時系列に述べられています。個人的にはとても「すっきり」しました。
そもそも、国が投資するのが何で公共事業ばっかりなの~?産業構造がこれだけ変わってるのに~。と、いつも思っているのですが、そのあたりも含め、現在の産業構成と、財政の使いかたがどうしてこうなっているのか?という...続きを読むPosted by ブクログ -
自分は財政学の門外漢であり、基本的なこともわからず、著者が財政学上では主流派の考えなのかわからない。しかし、戦後の歴史の中の社会や生活の分析、政治の分析、小さな政府vs大きな政府の対立などの社会の進むべき方向の示し方など共感することが多く、非常に好感が持てた。
他書のような数学的な手法を使った説明...続きを読むPosted by ブクログ -
確かに財政学の本ではあるが、財政学にありがちな技術的な話から出発していない。人間社会にとって財政はなぜ必要で何を目指すべきか、何に価値を置くべきかの議論を踏まえている。この点に非常に共感できた。標準的な財政学の教科書からすると、一段上がったメタレベルの議論を踏まえている印象を受けた。
そもそも、日...続きを読むPosted by ブクログ -
本書に考えさせられた記述が多々。
一つは、「働かざるもの、食うべからず」の価値観。我々は生活保護受給者を快く思わないが、それは不正受給への疑念もあるが、根底には、真面目に働く自分がバカみたいに見えたり、支給に対して感謝されるような実感がないからではないか。しかし、これは保険のようなもので、本当に困...続きを読むPosted by ブクログ -
友達に紹介されて読んでみました。
主人公は小学生。でも中身は、大人向きかも。と思いながら読んでいました。
大人じゃなかなか口に出せない疑問を
聞いてみる。考える。
世の中での不思議に思っていることを率直に聞いてみる。
大人として考えるさせられる本でした。
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助け合いは、多くの場合、人間に共通の必要を満たすために生まれました
税への抵抗が強い社会は、誰かのために負担を嫌う冷たい社会
貧困に喘ぐ人々を見て、見ぬふりをする社会を僕達は生きている
すごいのては9再生あると同時に、カーブドッチに、そして深く人間を傷つける
同情とは、愛する人を張りつける。十字架で...続きを読むPosted by ブクログ -
ブックカフェにて流し読み
富山市在住です。
歴史的変遷や、統計の数字を並べながら、富山の住み心地の良さを分析している本。
そうだったのかー!とか、(他との比較で)そうなの?とか、色々な発見がありました。
スウェーデンは世にしれた高福祉国ですが、富山の在り方をスウェーデンと比して書いてあるのは、な...続きを読むPosted by ブクログ -
設定は小学生ですが、大人向けの本。
やや社会主義的な感じがしたが、色々と考えるきっかけを作ってくれる。
大人も子供も正解がない中で悩みながら迷いながら生きているのです、ということが伝わればいいなと思いました。
息子たちに読ませたいが、勝手に興味をもって読みださないと読んでくれなさそうなので目立つと...続きを読むPosted by ブクログ -
人種や思想の違い、さらに政治的思惑によって分断が起きる。その結果誰が喜ぶのか?人々が分断で安心する、見下す、そして仲間内で結束する、集団のリーダーや為政者がこの企みで甘い汁を吸う。そこに私たちは気づくべきであろう。民主主義は思想の違いを乗り越えて共存していく過程がイデオロギーとして存続する。痛みが伴...続きを読むPosted by ブクログ