井手英策のレビュー一覧
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ブックカフェにて流し読み
富山市在住です。
歴史的変遷や、統計の数字を並べながら、富山の住み心地の良さを分析している本。
そうだったのかー!とか、(他との比較で)そうなの?とか、色々な発見がありました。
スウェーデンは世にしれた高福祉国ですが、富山の在り方をスウェーデンと比して書いてあるのは、なんだか目から鱗な気分でした。
なーん、そんなことないちゃ
(いやいや、そんなことはないですよ)
と、自己肯定感が低めの県民性ですが、外側から客観的に見た豊かさの指摘は、なるほど!と思わされると共に、自信や心のゆとりにも繋がりました。ありがとうございます。
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1.なんで富山がスウェーデンなの?どういうこと?と思ったので読みました。
2.富山県は県民の幸福度や女性の正社員比率が高いという数値が出ており、日本の中でも住みやすい県となっております。寒い気候だからとか、東京からのアクセスが悪いからと言って敬遠されがちですが、侮れません。富山県は「このゆとーまれ」という事業を起こしたのですが、これは「金は出さないが口も出さない」という内容で、どこの行政も行っていないことです。このように、ユニークなアイデアが出せる行政と、共同体の名残が残り、人との繋がりを実感できる環境であることが住みやすさを生み出しています。このほかにも、富山県の魅力について本書は書かれて -
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日本の財政の特徴や問題点をデータに基づいて解説しており、よくまとまっている印象だった。ただし、提示された疑問点に対する回答が少し曖昧だったり、解決策として提示されたものが今一つ根拠に乏しかったので-1点。
主だった問題点として、以下の3点が印象に残ったので、寄付や選挙、仕事を通じてこのような社会課題を解決していきたい。
①社会保障が高齢者に偏っており、現役世代や若年層への支出が低い
②公的な教育支出が低く、私的な教育支出を含めてもOECD平均に届かない
③実際の租税負担割合25%と低いため財政赤字が多額になっているにも関わらず、国民の税負担感が強い -
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「公」「共」「私」の新しい関係を提案し続けける財政学者、井手英策。「経済の時代の終焉」からずっと気になる論者でしたが、最新刊は、こどもたちに向けた本です。毎日小学生新聞の2018年4月から2020年3月までの連載をまとめたもの、ということでコロナ禍の小学生ライフには触れていませんが、アンダーコロナでの「ふつうに生きる」という視点も知りたかった。って、自分で考えなくちゃいけないんですけど…ずっと彼が語って来たことを、こども向けにわかりやすく落とし込んだ良書です。主人公の倫太郎が、あまりにいい子なのでこども的にはどうなの?とも思いますが、あとがきに書かれているように、著者が「なりたかった子ども」と
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ネタバレ第一章〈生活困窮者を絶え間なく生む社会〉
①終身雇用と年功賃金による日本型雇用の崩壊、非正規雇用の拡大、ブラック企業の台頭etc.
→貯蓄困難
→病気などのリスク回避が出来なくなった。
→困窮者が生まれる
②生活ギリギリの世帯に対する社会福祉が不十分
→選別型社会福祉…条件を満たさないと救済無し
③こうした状況改善を訴えた際の風当たり強い
→改善されず。
第二章〈引き裂かれる日本社会〉
税金からなる選別型社会福祉は、「みんなの利益」から「誰かの利益」となっている。
→財政事情が厳しい
→何処を削るかの争い勃発
→世代間、性別などで引き裂かれる。
第三章〈日本の「労働」はなぜこれほど苦 -
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ネタバレ新自由主義って何?「私は新自由主義です」って言う人あまり聞いたことない。1937年にアメリカの評論家ウォルター・リップマンが著者「善き社会」で企業が利益を独占する古典的な自由主義を民主主義に反するものとして批判したのが始まり。企業や富裕層への負担を増やすことや鉄道の国有化など「大きな政府」を提唱する。しかし今言う「新自由主義」は、シカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマン。財政を小さくし、規制を緩和すればよいという単純な主張。序章、ややまぎらわしく、新自由主義が広がって格差が広がったかのように書くが、1980年代~90年代、イギリスでもアメリカでも日本でも所得減税を行って消費税のような付加価値