井手英策のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
はじめに(今野晴貴)
第1章 生活困窮者を絶え間なく生む社会(藤田孝典)
第2章 引き裂かれる日本社会(井出英策)
第3章 日本の「労働」はなぜこれほど苦しいのか?(今野晴貴)
第4章 身近な世界を政策につなぐために~「ベーシック・サービス」の提唱(井出英策)
第5章 限定的で狭小な社会福祉からの脱却(藤田孝典)
第6章 「職業の再建」で分断を乗り越える(今野晴貴)
第7章 未来を再建せよ(井出英策)
あとがき(藤田孝典)
<内容>
日本の現代社会の問題を示した本。この本の優れているところは、3人の知恵者が、彼らなりに解決策を提案していることだ。それも実現不可能な夢物 -
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大学の先生が、大人のために、個人主義とかGDPとか多数決とか公正や信頼などについて解説してくれる本。
多数決は何かを決めるときに必ずしもベストな手段ではないとか、なるほど。
利己主義は昔からあるけれど、個人主義は比較的新しいもので、国によって発生過程が異なり、「フランス革命に反対する勢力が、社会を解体する良くないものだと否定する文脈から登場し、19世紀半ば以降の英国では、個人の自由な経済活動が『小さな政府』とセットで強調されるようになり、哲学と文学が盛んだったドイツでは多様な個性を重んじる個人主義が重んじられ、アメリカでは他人の力を借りず一人でやりとげる『セルフ・メイド・マン』の概念と結び -
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現代社会の抱える課題について、経済学・歴史学・政治学・社会学の視点から考えている作品です。
経済成長の基準とされる「GDP」について、その数値が示すものの意味と、GDP値を上昇させることの意味。
また、日本において根深く残る「勤労」感(働かざる者食うべからず、として貧困層をかれらの努力不足と断じる姿勢など)がどのように醸成されてきたのか。
多数決で物事を決定してゆく民主主義が抱えているシステム的な「課題」や、また「社会福祉」として行われる弱者救済が「人びとのニーズ」に合致しなければならないことなど、「これから先の社会」を考える前提としての「現代の社会」について、どのような仕組みで動いているの -
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前々から気になっていた井出英策。今年一発目の本として「日本財政 転換の指針」を開き、ちょうど就任式を迎えたトランプ大統領の移民を排斥しようとする政策がなぜ得票に繋がるのか?の不思議に始めて明快な説明を受けたような気がして、講演会も聴きに行き、そこで民進党の前原誠司のブレーンとして研究だけじゃなく現実にコミットする!という宣言を聴き、著作も辿りながら、「財政」という自分にとっての新しいキーワードを手繰ってきた2017年は「大人のための社会科」を読んでの締めくくりとなりました。たぶん彼の案による「all for all」にも強いメッセージを感じ期待もしていたのですが、呆気なくテイクオフ出来ず瓦解崩
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なぜ、日本人は増税をこれほどまでに嫌がるのか。
今の日本の閉塞感はどこからきているのか。
研究者らしく分析していて面白かった。
日本の借金返済にはまだ余裕があるから、まずは普遍的な福祉を充実させてから増税につなげるべきという考え方。
どうしたら増税ができるのか、それを考えなくては、財政再建もままならない。
支出を切り詰めるより、収入を増やすことを考える、成長神話は終わってるという考えは至極納得できる。
ただ、じゃあ増税に納得できる福祉ってなんだ、という部分が少し弱い気もした。
そこを考えるのは、また別の人、もしかしたら私たちなのかもしれない。 -
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ネタバレ一刻も早い財政再建が望まれる日本。なぜ財政再建ができないのか。本書は、政府債務が対GDP比で200%を超えている日本の財政構造を明らかにする。
我が国民は痛税感が強い。なぜか。税が債務の返済や低所得者ばかりに費やされているからである。そのため、多くの中間層は、受益なき負担を強いられている。ここに日本が増税をできない理由がある。
日本は「公共投資偏重型財政システム」であり、ここに減税による中間層への所得配分が加わった、いわゆる土建国家であった。公共投資が雇用を生み出し、一定の生活保障の役割を果たしたほか、中間層への減税によって受益感を与えていた。しかし、この土建国家のフレームワークが今や破たんし