井手英策のレビュー一覧

  • 分断社会を終わらせる ──「だれもが受益者」という財政戦略
    『幸福の増税論』と続けて読みました。選別的(救済的)な再分配から皆が受益者(共存的)な再分配へ。富める者への分配への疑問が起きそうだが、現に義務教育の無償は後者でありそれが日本の社会を今のような経済大国へと押し上げてきたことは確か。社会に生きる人間の基礎的ニーズは全ての人に提供し課税最低限の引き下げ...続きを読む
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの
    「必要の政治」とは,受益感を高めながら租税抵抗を緩和するという戦略である。サービスを分厚くするために負担から逃げない。みんなの利益を守るために中間層と貧しい人たちがサービスの安易な引き下げに手を取り合って抵抗する,そんな政治。
  • リベラルは死なない 将来不安を解決する設計図
    財政学者の井手英策が序章で方向性を示し,続いて旧民主党系の政治家が1章ずつ,政策を提言する。
    内容は至極もっともで,是非がんばって実現してもらいたいと応援はしたいんだけど,どうなるのかねぇ……。
  • 幸福の増税論 財政はだれのために
    20181127~ 1219井手先生には以前職場での講演会に着ていただきました。なかなか熱い志を持った先生でした。このタイトルは人によっては微妙かも。
    著者は消費税増税の必要性と、消費税が決して逆進的ではない公平な税制であることを丁寧に説いている。そして、すべての人々にベーシック・サービスを導入すべ...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    『運動が起き、それが広がるためには、「参加者の間で何らかの価値が共有されていること」そして「その価値が相手にも共有されていると考えていること」が必要』

    相手にも共有されていると考えていること、これが難しい。運動まで行かなくても、仕事の部下と上司の関係でも同じことがいえるんじゃないだろうか。多様な...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    大学教授等の専門家が、現代社会での事柄について、上から目線で述べたもの。本書作成の発想はとても良いと思うが、共著となっているので章によって、質にばらつきがあり、感動的な内容がある一方、読むに堪えない稚拙な部分もある。特に松沢氏の意見は、左翼的で賛同しかねる箇所が多く、また下から目線で本書作成方針に反...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    全体としての問いかけにはすごく共感できるものがあるが、いかんせん学者さんなのでソリューションがぼやっとしている感は否めない。また、章ごとに質が異なっていて、身近に感じるもの感じないもの、抽象的なもの具体的なもの、賛同できるものできないものとバラついている。勉強になったところもあるので、気持ち的には星...続きを読む
  • 富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く
    保守でもなくリベラルでもなく、普遍的。富山らしさは、家族。
    大学の先生らしくよく調査されている。富山を保守かリベラルかという点から論じるのも、なんだかピンとこない。
    富山は何なのさ。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    高校生でも十分に読める易しい語り口で、論点がすっきりと整理されている本。学問を通じて「世の中をちょっとでもましなものにしたい」という思いが前面に表れていて、好感が持てる。
    表紙もgood。
  • 分断社会を終わらせる ──「だれもが受益者」という財政戦略
    税金の集め方と再分配の方法への提案がわかりやすい。あるとこから集中的に徴収して、必要としている層に分配.....では、皆のコンセンサスを得にくい。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    日本の社会を、12のキーワードの切り口から、社会科学の手法により考察、分析している。ポストGNP、多数決の基準の取り方で変わる結果は考えさせられる。本書でも述べられているが、近代を主導する理念が、進歩から希望に変わり、未来への思考が楽観的から懐疑的に変わりつつある意見は一聴に値する。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    20180503 自分なりに今の政治にモヤモヤした気持ちを持っていた。そんな時にこの本を見かけた。そうだ、基本を理解していないから答が出てこないんだとの思いで読み始めた。各担当者の知識はもちろんだがテーマに発生するだろう疑問に対しての回答もわかりやすい。今をつかむために気になるテーマからでも読む事を...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    現代社会を切り込んでいるように思えて、そうでもない書きっぷり。SEALDSの運動が18歳選挙権を促したように書かれてあるが、そうとは思えない。
    章立てしてあるが、論点がいまいちわからず、読み投げ。
  • 分断社会を終わらせる ──「だれもが受益者」という財政戦略
    北欧型のすすめ、なんだが、人口3000万人超えて北欧型うまくやるのは相当難しい気がする。その辺の話があるとありがたい。
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    これからの社会をよりよくするためのヒントとして、一人一人が考えていかなければならないテーマを4人の著者が解説した本。取り上げられているテーマは、GDP,勤労、時代の分け方、多数決、社会運動、私、公正、信頼、等々全12項目。
    できるだけ平易に書いてくれているのだとは思うが、それでも筆者にとってはまだ難...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    GDPに代わるもの=HDI(ヒューマンデベロップメントインデックス)。概してGDPに比例する。
    国民総幸福量=GNH。

    功利主義基準(全員の効用の足し算)、ナッシュ基準(掛け算)、マクミラン基準(最低のレベルに着目)。
    どの基準が幸福の算定にいいか注意する。

    日本人には「働かざるもの食うべからず...続きを読む
  • 大人のための社会科--未来を語るために
    もともとあまり「社会科」は好きではなかったし,今でも「社会学」とか「社会学者」って漠然としてアヤシイと思っているんだけど,読んでみた。
    読みやすいし,「そうだね」「なるほど」と共感することは多いものの,結局「社会科」って何なのかはよく分からない。
  • 分断社会を終わらせる ──「だれもが受益者」という財政戦略
    消費税の増税が先送りされ、「税と社会保障の一体改革」は頓挫したと言われる。高い支持率を誇る政権でも増税は難しい。社会保障(再分配政策)が「バラマキ」と非難されることも少なくない。なぜか。それは、この社会の基盤となるべき「信頼」が脆弱で、不安や疑心暗鬼の中で自己防衛に走るほかない生き方を強いられている...続きを読む
  • 分断社会ニッポン
    民進党代表選挙に立候補した前原誠司が掲げたコピーは「All for All」だった。「全ての人が負担をし、全ての人が受益者となることで、分断を乗り越え希望を分かち合える社会」こそ、安倍政権との対立軸となる社会像だと主張した。
    「すべての人が受益者」というフレーズには、井手英策の影響が色濃い。保守派と...続きを読む
  • 18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの
    読んでて希望がある内容でした。ただ累進課税制度の導入に関しては一筋縄ではいかないような気がした。それでも哲学的に経済を読み解くと、人間として大事なものを忘れないで経済活動を行う必要性は伝わってきました。

    深澤義旻 「人間のうた」
    自分を大切にすることが同時に人を大切にすることになる生き方をなんとし...続きを読む