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気鋭の財政社会学者・井手英策が、新自由主義がなぜ先進国で必要とされ、広がり、影響力を持つことができたのか、歴史をつぶさに振り返り、スリリングに解き明かしていく。そして経済と財政の本来の意味を確認し、経済成長がなくても、何か起きても安心して暮らせる財政改革を提言。閉塞感を打破し、人間らしい自由な生き方ができる未来にするための必読の書! 市場原理を絶対視し、政府の介入を少なくすれば、富と複利が増大する、という新自由主義の考えは、80年代にレーガンとサッチャーによって実行され、米・英は好景気を迎える。日本では、外圧や、政財界の思惑と駆け引き、都市と地方の分断などの要因から新自由主義が浸透。経済のグローバル化も起こり、格差が広がる。勤労が美徳とされる「勤労国家」で、教育も医療も老後も、個人の貯金でまかなう「自己責任国家」、日本。財政が保障することは限られ、不安がつきまとう。本来お金儲けではなく、共同体の「秩序」と深く結びついていた経済。共通利益をみんなで満たしあう財政への具体策を示し、基本的サービスを税で担う「頼り合える社会」を提言。貯金ゼロでも不安ゼロ、老後におびえなくてすむ社会に!
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年10月26日
本書を読むと、経済・政治ともにどん詰まりの日本において、何をすれば現状を抜け出すことができるのかの「解」がようやく仄見える思いを持つ。やや硬い内容だが、パンドラの箱に残った「希望」に見えた。少なくとも現状の経済無策の自民党政治への対抗軸には充分なるだろう。
2000年代の自民党や民主党が改革を競って...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月15日
あとがきまでいって、著者が神野直彦さんの弟子であることがわかった。とすると書かれていることはさもありなん。師匠との連続性を感じる。新自由主義とリベラルが相反するものではなく、後者が前者を呼び込んでしまう、との指摘は鮮やかだった。政府の再分配機能への見解は、わたしはもっと懐疑的だが、方向性としては理解...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月30日
新自由主義って何?「私は新自由主義です」って言う人あまり聞いたことない。1937年にアメリカの評論家ウォルター・リップマンが著者「善き社会」で企業が利益を独占する古典的な自由主義を民主主義に反するものとして批判したのが始まり。企業や富裕層への負担を増やすことや鉄道の国有化など「大きな政府」を提唱する...続きを読む
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