坂本眞一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ全巻のラストで文太郎が突っ伏しているシーンがあったので、新田次郎の「孤高の人」と同じく、そこで終わるのかと思いきや、再度の登攀へ向かう。やはり、そうこなくっちゃ。そして、そこから始まる登攀の描写がすごい。
カバーの折返にある作者の言葉で、
『僕は擬音を信用しなくなった。』
という記述がある。これを読んでから本巻を読むと、本当に作者が絵と、コマで音を出そうとしているのがわかる。
実際、わたしの頭にはシューベルトの『魔王』が浮かんできた。まあ、文字で書かれているし、コマのテンポはなしにして、絵を見れば誰でも連想するとは思うのだけど。