コナン・ドイルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前回ライヘンバッハで死亡したと思われたホームズの生還から始まる短編集第三弾。
ずっと角川文庫のを読んでたけど、この辺はまだ出版されてなくて、でも待てないので光文社に乗りかえ。
作者はホームズを復活させる気は当初なかったらしいので、生還できた理由のところは無理矢理感が凄いし、納得出来ないような部分もあるけど、それでもホームズを復活させてくれたことには感謝したい。
きっとファンの皆さんもそんな気持ちなんだろうな。
今回は『空き家の冒険』と『恐喝王ミルヴァートン』が好きだな。
二人が一緒に捜査するところがいい。
ホントいいコンビだなぁと。
あとは、『踊る人形』も暗号もので面白かった。
次はバスカヴィル家の犬読もうかなぁ… -
Posted by ブクログ
やっぱり面白かったですね。
これは、大人が夢中になるのも分かりますね。
当たり前ですけど、名探偵コナンはもちろん、探偵ものというよりヒーローものの原点ですものね。
ゴルゴ13だってルパンだって金田一だって、全部ここから来たんですねえ。
相変わらず光文社の新訳も悪くないです。
確かに初期よりかは、冒険モノ、アクションモノの要素が増えてはいます。
しかしまあ、犯罪者ミステリーの原点らしく、よく考えたら(例外はありますが)どれもヒトの業が描かれてるんですよねえ。
金銭欲と男女の愛憎のもつれ。
そんなヘドロのようなニンゲンらしいぐにゃぐにゃを、クールでそんなことに無関心なホームズがばっさり暴いて、場合によっては大岡裁き。
うーん。娯楽ですねえ。木枯し紋次郎も中村主水も、ここから来てますね。いやあ、脱帽。
残りも今年中に読むでしょう。
今年は個人的には、光文社新訳シャーロックの年だなあ。
本を読むのは愉快なモノです。
以下の12篇。備忘録。ネタバレです。
①空き家の冒険
変わった殺人事件がロンドンで。どうやらかなりの狙撃手の仕業。
そんなニュースを見ているワトソンの前に死んだはずのホームズ登場。
悪の組織の目をごまかすために世界を放浪していた、と。
ホームズを狙う悪者を、ベーカー街自宅の向かいの空家で待ち受けて逮捕。
特殊な銃の名手で、先行の事件の犯人でもありました。
ワトソンは詳細はわからないが妻と離別している。
ふたりはまたベーカー街で同居を始める。
②ノーウッドの建築業者
若い勤め人が、突然老人から遺産相続人になってくれ、と。
その夜、その老人が殺害、彼が容疑者に。
ところが真相は、その若者の母に恨みを持っていた老人の狂言だった。
壁に残された不自然な指紋から、ホームズが狂言を暴く。
③踊る人形
かつてシカゴの犯罪集団のボスの娘だった女が、イギリスで過去を隠して結婚。
昔の男が執念で言い寄る。暗号に使われた踊る一文字の解読が肝。
結局ホームズ微妙に間に合わず、夫は昔の男に殺されて、妻も瀕死のところで犯人を捕まえる。
④美しき自転車乗り
イギリスの植民地、南アフリカで、金持ちで死にそうになっている男。その男の娘がイギリスにいる。
悪党ふたりがその娘と強引に結婚しようと。
だが、一人が本気で惚れてしまう。
で、仲間割れ。殺し合い。
はじめはただのストーカー騒動に見えたが、ホームズが間一髪助ける。
⑤プライアリ・スクール
名士の子供が通う全寮制の学校から、子供がいなくなった。
追って出たらしき教師がひとり死んだ。
真相は、その子の親の貴族の、庶子の恨みの犯行。
味噌は馬のひづめが牛のように見えるという、地元の風俗。
⑥ブラック・ピーター
船乗りの悪党が、漂流者から株券を巻き上げて殺害。数年後、それを知ってる別の船乗りが強請に。
喧嘩、銛で殺害。
株券を巻き上げられた男の遺族が色々あって疑われるが、
銛の使い方から別の犯人と確信したホームズが暴く。
⑦恐喝王ミルヴァートン
強請屋のミルヴァートン。今日も名誉ある女性の不名誉な手紙でお金を要求。
代理人のホームズも歯が立たず。
とうとうワトソンとふたりでミルヴァートン邸に盗賊に入る。
たまたまその夜、ミルヴァートンさんは別の女性に殺害される。
ふたりは大量の恐喝素材を燃やして、警察を逃げ切る。
⑧六つのナポレオン像
盗賊が、警察に捕まる直前に高価な宝石をナポレオン像に隠した。
後ほど、候補の6つのナポレオン像を一つ一つ探して壊す。
それをホームズが逆算して暴いて逮捕。
⑨三人の学生
大学でテストの答案が盗み見られた。
犯人候補が三人の学生。
犯人の大学生を知っている小間使い?が匿おうとするが、
ホームズが推理で暴く。犯人改心して外国へ去る。
⑩金縁の鼻眼鏡
ロシアで反政府運動に関わっていたが、弾圧時に裏切って仲間を売った男。
今はイギリスで名を変え学者としてひっそり老いている。
そこに恨みつらみを抱えた老女?が復讐にやってくる。
ひょんなことから秘書の若い男性を殺害してしまう。
女性をかくまうしかない学者老人。書斎の隠し本棚の中にかくまうが、
老女が残した眼鏡からホームズがそれを暴く。
老女は告白して、服毒自殺。
⑪スリークオーターの失踪
大学ラグビーの名選手が実は身分違いの女性と秘密に結婚していた。
その妻が病に倒れたことから彼は失踪して看病。
その真相を暴く。
⑫アビィ屋敷
オーストラリアからイギリスに来て、今で言う酒乱でDVな男と結婚した女性。
その女性に惚れていた船乗りが、夫を殺害。
昔からのメイド女性と三人で作り話を。
それをホームズが暴くが見逃す。
⑬第二のしみ
政府高官が機密文書を自宅で盗難にあった。
実はその奥さんが、恐喝屋から、過去の恋文で恐喝されて、仕方なく盗んだものだった。
その恐喝屋が別線の絡みで殺されたことから事態が混乱。
殺害現場の血のしみがついた絨毯が動かされていて、床下に第二のしみが。
そこからホームズが真相にたどり着く。 -
Posted by ブクログ
多分、コナン・ドイルが書いて発表した順番で言うと、
①緋色の研究②四つの署名③~~~冒険
に続く四冊目。短編集。
面白いんですよね。
謎解きっていうより、やっぱり人間ドラマなんですねえ。
人の欲望とか業とかっていう、そういうダークサイドのお話。
それが当時のロンドンとかイングランドとか、海外とか、色とりどりに風俗も交えて描かれてますね。
それがでも、ホームズとワトソンっていうフィルター通しているから、
安心感も娯楽性もある。
ホームズの性格っていうか雰囲気、ワトソンとの掛け合い、信頼関係みたいなのが絶妙なんですね。もうキャラクターものですね。
「ルパン三世」が、1話1話はよく考えれば、無茶苦茶な話ばかりでも、面白い。というのともう、似てます。
「新宿鮫」シリーズともそういう意味では似ています。
きっと、アガサとかも同じようなことでしょうね。
メグレ警視シリーズもそうですから。
でも結構、えぐい人の欲望を描いているんですね。
資本主義、合理主義、宗教が規律とは、もう成り得ない資本主義都市社会のアノミー。というとちょっと大げさだけど、そういうことだから、今でも読めますね。
これ、ほんと、大人じゃないと味は味わいつくせないんですねえ。
この歳で再読して、魅力の深さに気づきました。
「キャラもの」としてのシリーズの面白味が際立つ短編集でした。
以下は、備忘録。ネタバレですので。
【名馬シルヴァー・ブレイズ】
競馬の名馬をめぐる犯罪。
愛人に金を使っていた調教師がイカサマをしようとした、という内容。
それにライバル牧場の思惑と、二重の偶然が絡む。
ちょっと話としては大らか?な偶然性があるけど、
イングランドにとっての競馬文化の雰囲気が感じられるのは楽しかった。
【ボール箱】
これはつまり・・・。夫婦がいる。幸せだ。
そこに妻の妹がやってくる。これが毒婦である。
夫を誘惑する。夫は突っぱねる。毒婦、怒る。妹に色々そそのかして、浮気させる。夫怒る。
浮気現場で、妻と間男を殺害。その耳を毒婦に送る・・・そういうお話。
これも、謎解きは手段で、目的は人間ドラマっていう感じで読ませます。
【黄色い顔】
アメリカで苦労して、実は黒人と結婚して黒人に見える子供を産んでいた女性が、イングランドに戻って過去を隠して幸せな再婚。
だが、娘のことを夫に言い出せず、それが疑惑を呼ぶ。
謎解きっていうより、心理描写が巧みだなあ、という一篇。
【株式仲買店員】
話の構造は、「赤毛組合」ですね。
株式仲買店員が、好条件でロンドン外に。
同時にその人を騙った悪党が株式仲買店に。
その構造をホームズが暴くけど、実は悪事の方は勝手にしくじって警察に捕まっていた、という。
【グロリア・スコット号】
ホームズ学生時代の最初の事件。
お金持ちの老人男、実はかつて別名で横領事件を起こして、
オーストラリアに遠島流刑に。
その船上で反乱に加わり、人も殺してた。
その過去を知っている人に脅されていた。
結局その人は、脅されて自殺的に死んでしまう。
実は謎も暴ききれず、人名も救えないという・・・。
でも味わいとしては「緋色の研究」「四つの署名」と同じ、
隠された海外系の暗い過去の話、というオハナシとしての面白味。
【マスグレイヴ家の儀式書】
ホームズの若き日の回想事件。
金持ちが居て、そこの執事がいるが、執事が失踪。
その旧家の歴史的な隠された財宝を盗もうとしていた。
古文書の文言文書に隠された秘密を暴く的な味わいで。
結論は、その男は共犯した、自分が棄てた女に復讐されて、
財宝の地下室で死んでいた。女は財宝を捨てて、どこかに去っちゃった。
謎は解くけど、犯人は捕まえないお話。
【ライゲイトの大地主】
田舎街。土地争いをしている相手の家から文書を盗もうとした、父と息子。
それを知られた家来を殺してしまう。
その父と子の陰謀を、死んだ男が手にしていた手紙の切れ端から、
筆跡鑑定的にホームズが暴く。
【背中の曲がった男】
現在中産階級でのほほんとしている当年男と妻。
実はその男の方はかつて、その妻を手に入れるために、ライバルの男にひどいことをした。
インドで従軍中にセポイの反乱の中、騙してライバルを死地に追いやった。
その被害者の男性が、艱難辛苦の末にイングランドに戻る。
偶然、その妻と再会。
復讐に訪れるが、悪い夫の方は心臓麻痺で死んじゃう。
経緯を暴くだけのお話。
【入院患者】
とある医師のところに入院している患者兼オーナーみたいな男が、
何者かに狙われている。
で、殺されちゃう。
実は強盗団の一人だった、というオチ。
実はホームズは何も解決も救済もできなかったという・・・。
【ギリシャ語通訳】
ギリシャから来た娘と兄が不良にひどい目にあう。
ホームズたちは、被害者は助けきれない。
でも巻き込まれた通訳の命は助けられた。
なんと言ってもホームズの兄・マイクソフト(だっけ?)の人柄雰囲気だけで楽しく読めてしまうけど、実は結構かわいそうな話。。。
【海軍条約文書】
文書の盗難事件。
被害者の婚約者の兄が犯人。
政治色で読ませるけど、オチとしては平凡かな。
【最後の事件】
モリアーティ教授が登場したら、
あっと言う間にホームズが死んじゃう。
この1篇だけ取ったら、別に名作とは言えないんだけど。
もうキャラクターだけで読んでしまう。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・ホームズとワトソンの絆を感じさせるエピソードが多くてじんわりする巻。『ノーベリ』のくだりもホームズがワトスンに寄せる信頼が見えるし、二人で公園を散歩して「気心の知れた同士、ほとんど口をきくこともなかった」のもとても良い空気だ。ホームズがワトソンとの会話で、「ぼくらの捜査」「ぼくらの考え」と「ぼくら」を使うのもいい!そして『最後の事件』でお互いがお互いのことを指して言う「真の友」「親友」には涙がこぼれる。
・ドイル先生は、善なる者が悪なる者を手にかけるのがお嫌いなようで、心臓発作や転んで石に頭をぶつけるなど、悪人が自分で勝手に死んでしまう設定が多いように思う。
・当巻は短編集。以下、各話のタイトルと、二人の生活に着目したポイントをメモしておく。
「名馬シルヴァー・プレイス」
p15 有名なディアストーカーとインヴァネスコート姿のホームズ挿絵
「ボール箱」
p59 相棒が考えていることを当てるなんてできるわけがないだろう、とワトスンに言われていたことを根に持って(?)、不意打ちでやってみせるホームズ。効果抜群に驚くワトスン。あら可愛い
「黄色い顔」
p98 語られるホームズの日常生活。重量級のボクサーでかなうものがない腕の持ち主だが、目的のない肉体労働をエネルギーの浪費と考える。ただしいざというときのために体調を万全に整え、食事も質素。おもしろみのない生活への不満で、たまにコカインを注射するのが唯一の悪習
p128 『ノーベリ』
「株式仲買店員」
「グロリア・スコット号」
「マスグレイヴ家の儀式書」
p205 奇人っぷりを表す名シーンのオンパレード。葉巻を石炭バケツの中にしまい、パイプ煙草をペルシャ・スリッパの中に入れ、未返信の手紙をマントルピースの真ん中にジャックナイフで刺す。部屋の壁に拳銃で弾を撃ち込んでV.R.と描く
p208 部屋の散らかりようを見かねたワトスンがホームズに片付けをうながす。立ち上がったホームズは片付けると見せかけて、過去の事件の資料をワトスンに見せ、まんまと事件の話へ気を引くことに成功する!語り始めるホームズ、「このまま散らかしっぱなしでかい?」このホームズのドヤ顔を見よ!
「ライゲイトの大地主」
p255 ホームズの神経発作演技シーン。ホームズは変装の名人だが、発作の演技の名人でもあった
p272 ホームズ「あんなふうにきみの心を痛ませたのは、すまなかったね」ワトスンを気遣うホームズ
「背中の曲がった男」
「入院患者」
p313 夜の二人の散歩シーン。挿絵で腕を組んで歩いているので目が点になるが、註釈に"この時代は仲の良い男性同士が腕を組んで歩くのはおかしくないこと"とあり、納得。(余談だが、この新訳シリーズは註釈が充実しており、当時の事情に明るくない者としてはとても助かっている)
「ギリシャ語通訳」
p346 ホームズの兄、マイクロフト登場!ホームズより才能は上だが、行動力がないとのこと。一切口をきいてはいけないディオゲネスクラブもこの話で登場
「海軍条約文書」
p382 "もちろん、ホームズは自分の仕事をこよなく愛していて、助力を求められるといつでも気持ち良く力を貸してやることを、わたしはよく知っていた"
p404 バラを手に取って語るホームズ。バラは人生にとって余計なものであり、余計なものであるからこそ神のなせる業でもある。「だからぼくらは花から多くの希望を与えられるわけです」
「最後の事件」
p452 ホームズのモリアーティ評が語られる。犯罪界のナポレオン。(犯罪の)巣の中心にじっとしている蜘蛛。自分ではほとんど何もせず、実際には手下が手をくだす
p476 モリアーティと共に、ライヘンバッハの滝壺へと姿を消したホームズ。ホームズがワトソンにあてた最後の手紙に書いた「真の友へ」、この顛末を書いたワトスンがホームズを呼称する「親友」に涙がこぼれる -
Posted by ブクログ
KiKi の記憶の中ではこの魔犬がもっと頻出していて、不気味さをかきたててくれちゃっていたように思うんだけど、今回再読してみたら実は最後の方にちょっぴり姿を現しただけで、「あれ?? こんな風に呆気なく出てきて、しかも呆気なくやられちゃうんだったっけ??」っていう感じ(苦笑)。
今にして思うと、ホウムズ・ワトソンコンビがこの魔犬の伝説を初めて聞かされるところから、まるで妄想のように自分の中でその犬のイメージを膨らませ、その後のバスカーヴィル館をとりまく荒涼としたムーアの描写の中で勝手にそのイメージをさらにおどろおどろしくしていたのは KiKi 自身だったのかもしれません ^^;
(全文はブログにて)