碧野圭のレビュー一覧
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ネタバレ遂に最終話。
ペガサス書房の閉店で始まり、櫂文堂書店の閉店で終わる。ずっと、本屋の意味・意義を問い続けてきた。同時に、ネット通販には勝てない現実も。
「モノではなく体験を売る」リアル店舗は語る。しかし書籍の場合、、店舗で売るものと、ネットで買うものに、恐らく違いはない。ホントの”体験”は、”買う”ことではなく、”読む”・”感じる”ことにあるからかもしれない。”買う”ことはその第一歩で。(自宅にも読まずに積み上がった本が…)
本屋の「体験」は、ブックリストの拡張版なのかもしれない。書店員・沢村さんが語るような、「お勧めの本」があれば足りるのか。無目的に本屋を巡って、偶然目にする手にする”本” -
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フィギュアはたまにテレビで観て「すごいなぁ」と思う程度です。碧野さんの小説に出てくるフィギュア選手たちは皆「高みを目指しながらも葛藤を抱えている若者」で、テレビで見ている選手たちもきっとこんな感じなのだろうと没入させられてしまいます。
今回の作品は特に「有名なあの人」がモデルなんだろうと詳しくない私もピンときました。
主人公を取巻く人たちは皆一つの目標に向かっていて、周りから見ると不可解なことも純粋に彼を思うが故の行動で憎めない。「自分のために」尽くしてくれる皆のために理想とする自らを演じなければならない主人公の心情も見えてきてお母さん目線で「ああ、もうっ!」とヤキモキするシーンも多かったです -
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ネタバレ「大丈夫、宮崎さんはどこへ行っても、何をやっても、きっと頑張れる」一番おいしい所を西岡さんが持っていった。今回も、頑張ってる姿に途中から涙が止まらない。
メディアミックスの難しさ、そして、奥深さが伝わる。
プロ、プロを知るではないけれど、クリエータを大事にする気持ち。それを大切にする関わる一人ひとりの想いに心揺さぶられる。だから、もの造りは止められない。だから、お金じゃないのかもしれない。
作品の持つ力と、メディア(媒体)の持つ力。本だけが全てではない。コミックも、アニメも、映画(アニメ・実写)も、挿絵も、音楽も。きっかけは何でもいい。作品に触れる機会があれば、あとは作品が引き込んでくれる -
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ネタバレ「作品の力ってヤツ」伸光が何度も口にする。
作品っていうのは不思議です。作家が編集者が、最良の作品を作ったと思っても、売れるものもあれば、そうでないものもある。売れる作品を読者が手にしても、嵌るものもあれば、そうでないものもある。
きっと、作品を作る時は、誰も(作家も編集者もイラストレーターも)手を抜こうとは考えない。読書子も、時間的・環境的・金銭的制約のため、すべての作品を読むことはできないゆえ、厳選を重ねて手にする。それでも、途中で投げ出すものも少なくない。
ラノベはわからないけど、発行時はそうでもなくても、何年かして爆発的なヒットになるものも少なくない。たまたま再読した時に、ぐっと”嵌 -
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ネタバレ「合わない手袋をするくらいなら、手袋を持たなくていい」向田邦子に全賛成と思っていたけど、否定する人もいるのですね。そういう時代だったのかも。手袋がなければ寒いし、多少合わないくらい…。
上梓が2015年。まだ契約から正社員登用があったのですね。「テンションを高く保つのは難しいかな」が印象的です。新店舗の一人店長。やっぱり、ある意味幸運だと思うし、学ぶチャンスと捉えた彩加の姿に、羨望を感じてしまった。人生無駄なことは無いよって。
愛奈の就活については、もし可能ならば、理子さんや亜紀さんの意見やコメントが欲しかったかな。書店員さんの”ありがたさ”は、とっても感じるし、読書子としては絶対なんだけ -
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ネタバレ高校入学前、引っ越してきたばかりで行き場が無かった楓は、ふと立ち寄った神社の弓道場で弦音を響かせる少年に魅せられる。その気はなかったが、なりゆきでそこの弓道会の体験入会をする事に。人見知りで流されやすい楓が、弓道との出会いによって少しずつ変わっていく…
「道」と付く物は、全て礼儀作法があると言うのは納得でした。弓を引く前に礼儀作法から。中々受け入れるのは難しいかもしれませんが、それが出来ている人の所作は美しいです。
流されやすい楓だけど、性根が素直だからこそ向いていたんだと思います。
一目惚れした乙矢と善美兄妹がどうして母に弓道を禁じられていたのかと言う理由も切なかったけど、それを乗り越 -
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面白かった。面白すぎた。休日に読み始めたのをいいことに、イッキ読みしました。面白かった…。
わたしは西日本の某県に住んでいるので、某事件を彷彿とさせなくもなかったんやけど、もしかして(恐ろしい話やけど)この手の少年犯罪ってわりとどこでもあるんかもしれへんな…。いやほんまそれ恐ろしい話やわ…。
著者の本はどれも好きやけど、今までにないタッチやったような気がする。そもそも、男性目線の本を読むのも珍しいかも? 違う?
たぶん、あのあたりが怪しい…、とか、こういうオチがくるかも…、とか、たしょう予想はできるし、また
「まさかそんな展開!?」
と、いうこともないねんけど、もうページをめくる手が止ま