あらすじ
伝説のフィギュアスケーターの真の姿とは?
日本のフィギュアスケーターなら誰もが目指す憧れの舞台、全日本フィギュア選手権。さらに、今回の大会はオリンピックの出場権がかかる、とても重要な試合。
そんな大切な試合の直前、男子ショートプログラムの2日前に、男子レジェンドスケーターが忽然と消えた。「ショートの試合の前には必ず戻りますから、探さないでください」という書き置きを残して……・。
レジェンドスケーターが全日本フィギュアを前に失踪!?
そこから物語はスタートする。試合のジャッジ、フィギュアを報道するアナウンサー、選手の身体をケアするトレーナー、選手にとって一番近い存在の母親、そして振付師。それぞれの目線から、彼について、そして今回の事件についての考察が始まる。次々とその波紋は広がっていき、それぞれの心に彼の姿、彼への想い、そして、新たな絆といえる感情が生まれていく。立場は違えど、共通するのは彼への熱い気持ち。また、「推し」をもつファンの心情も描かれる。
そして、渦中の彼の行方は……。
主役を支える人々のお仕事小説でもあり、人間ドラマでもあり、成長物語でもある。読後爽快な、スポーツエンタテイメント小説です。
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Posted by ブクログ
表紙を見てあの人みたいだなぁ…と思ったけど全然違った(笑)彼の周りにいる人達による彼に対する思いが鮮明に書かれていた。スケートにしては意外な曲、AKIRAの曲を滑るというのもモデルの彼を連想するなぁ。
Posted by ブクログ
フィギュアはたまにテレビで観て「すごいなぁ」と思う程度です。碧野さんの小説に出てくるフィギュア選手たちは皆「高みを目指しながらも葛藤を抱えている若者」で、テレビで見ている選手たちもきっとこんな感じなのだろうと没入させられてしまいます。
今回の作品は特に「有名なあの人」がモデルなんだろうと詳しくない私もピンときました。
主人公を取巻く人たちは皆一つの目標に向かっていて、周りから見ると不可解なことも純粋に彼を思うが故の行動で憎めない。「自分のために」尽くしてくれる皆のために理想とする自らを演じなければならない主人公の心情も見えてきてお母さん目線で「ああ、もうっ!」とヤキモキするシーンも多かったです。
巻末の槇村さとるさんのイラスト入り解説も見応えがあってお得な1冊でした!
Posted by ブクログ
トップスケーター光流を中心に彼の周りを守り支える人々の物語でした。どうしてもある実在するスケーターの顔が頭に浮かびながら読みすすめてしまいました。フィギュアスケートはあまり興味はなかったのですが、面白かったです。
Posted by ブクログ
槇村さとるのイラストが目に留まって、古本市で購入
スポコンものかと思ったら、全然違った。
日本を代表する天才フィギュアスケーターが、全日本選手権を前に失踪し、彼を取り巻く大人たちの、それぞれの目線からの考察が始まる。彼の母親、コーチ、審判、テレビ中継のアナウンサー、振付師など。天才スケーターを幼いころから見てきた大人たちの、それぞれの思いと彼への強い期待。
日本スケート連盟って、こんな風に運営されていたのかと驚くし、納得した。
槇村さとる氏のフィギュア漫画は大好きなので、小説の解説で槇村氏の文章とイラストを見られるのは格別な気持ち。読後感もよく、最後は少しウルっとくる、気持ちのいいスポーツエンタメ小説でした。
Posted by ブクログ
今年出たのか、表紙見て昔のだと思ってた。
まあ、羽生結弦さんを意識してるし、4回転なんて最近だし。
スケートボーイズの続編だったのは想定外。
良かったです。が、最近出たということは未だに作者さんスケートオタクってことなんだ。
Posted by ブクログ
全日本選手権の直前に失踪した天才スケーターを取り巻く人々の仕事と人生ドラマ
フィギュアスケート選手を支える人たちの想いや生活を生々しく感じられて、これまで以上にフィギュアを見る楽しみが深まりました
モデルは明らかに羽生くんなんですが、真央ちゃんを思い出してしまって、要所要所で涙ぐんでしまいました
彼らの演技後のインタビューにも様々な思いが込められていたんだという事がより実感できる作品
フィギュア好きならオススメです
あと槇村さとる先生の解説がイラスト付きで読み応えありました!
Posted by ブクログ
スケート選手の周りには、
こんな種類の人がいて、
こんなことを考えたりしてるのか。
何事も表舞台だけでなく、
必ず裏で動いている人がいる。
その人達がいるから、
表舞台はあれほど輝く。
モデルがリアル過ぎたのは、
ちょっと引いてしまったけど、
作品としては面白かった。
Posted by ブクログ
全日本フィギュア選手権の直前、男子レジェンドスケーターが行方不明に。
ジャッジ、アナウンサー、トレーナー、母親、振付師、それぞれの目線から彼について語られる。
羽生結弦さんを始めどの登場人物も実在の人物とリンクし、彼らに取材したのか、どこまで真実なのか疑問はあるが、物語として面白かった。
最後の「推し」に対する言葉、よく言われることではあるが、そのとおりであり、グッときた。
Posted by ブクログ
天才的スケーター・川瀬光流が大切な試合の前に突如失踪。そして、ファン、ジャッジ、アナウンサー、母親、振付師。それぞれの目線で光流への思いを考察する。
普通の家庭に育った光流が、フィギアと言うお金の掛かる事をするのは並大抵ではなかったと思う。だから、母親が光流に依存するのも仕方ないのかもしれないけれど、何ともやるせなかった。
光流もファン像を壊さない様に演じてる節がありそれこそ努力の人なんだと感じた。
一番のお気に入りは、ファン目線。看護師長の心意気がとても格好良かったです。やっぱり推しは強しですね。
周りに流される事なく、常に上を目指す光流の今後に期待です。