七尾与史のレビュー一覧
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ネタバレ【収録作品】
傲慢 「罪の名は傲慢(プライド)」中山七里
怠惰 「手の中の果実」岡崎琢磨※7月7日生まれ
憤怒 「移住クライシス」川瀬七緒
嫉妬 「オセロシンドローム」七尾与史
強欲 「十五分」三上幸四郎
色欲 「父親は持ってるエロ本を子どもに見つからないようにしろ」カモシダせぶん
暴食 「最初で最高のひとくち」若竹七海
人を罪に陥れる七つの悪徳を「七」に縁のあるミステリー作家が描いたもの。
「罪の名は傲慢」 渡瀬警部・古手川刑事も登場。
「移住クライシス」ミステリ部分に目新しさはないが、老婆の存在がいい。
「最初で最高のひとくち」葉村晶も登場するが、脇役ポジション。なんなら彩り。冒頭から不穏でしかない語りだが、案の定グロい。 -
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司法試験に失敗した里見は、変なところに貼られた求人チラシを見て、オフィス油炭のアルバイトを始める。油炭の仕事は、人の行動をちょっとしたきっかけで後押しし、依頼人の望みを叶えること。ある日、電車で見た女性と付き合いたいという男性が現れ…。
偶然を装って後押しするというタイプの話っぽいんだけど、ほとんど偶然が出てこないという、タイトルが微妙にズレているような感じがある作品。というか、途中から偶然は関係ない。
相変わらずあらすじも何も読まずに読み始めたのだが、一章の途中でぜんぜん違う話が始まるわ、二章で突然人が死ぬわ、参照でも二章に出てきた人が死ぬわで、は?何の話?ていうか死ぬの?と引っかかること請け合い。
二章あたりで、ああなるほどなと本の組み立てはわかってきたが、章の途中から別のエピソードを語られるのはなんとも落ち着かないし、印象が悪い。
また、本ストーリーの方も無理やりあれもこれもあれもこれもとつなげすぎてしまって、多少の無駄な話もあってよかったのではないか。
裏の裏をかいてやろうという割に、登場人物がほとんど介入しないので、ある意味ドライに読み進められるが、つながりがどうだったかをつい忘れがちになるのでマイナス。
サブのストーリーの方が大きくなっていくところも、最終的にあまり収拾がついていないように感じた。
あっちに行ったりこっちに行ったりの、ジェットコースター的な話が醍醐味ではあるが、主人公たちが感情的についていけていないので、読者も取り残されがちな作品。ぜんぜん違うが、伊坂幸太郎と少しだけ似たようなものを感じる一冊。ただ、納得はしてない。 -
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久坂部羊、小松亜由美、中山祐次郎、七尾与史、南杏子『謎解き診察室、本日も異状あり』幻冬舎文庫。
5人の医師作家による医療ミステリー短編アンソロジー。
中山祐次郎と南杏子は初読みの作家。七尾与史が医師作家だとは知らなかった。
七尾与史の『患者は二度死ぬ』がピカイチで、後は並以下の出来だった。
久坂部羊『悪いのはわたしか』。そういうオチであったかと納得するも、真実は一体何処にあるのかと頭の中が混乱した。新聞で人生相談の連載を持つジャズピアニストにして精神科医である女性医師の元に怪文書が届く。怪文書が届いてから女性医師は次第に精神的に弱っていくのだが……
小松亜由美『半夏生のトルソー』。瓢箪から駒の迷推理。本作に描かれた殺人死体遺棄事件もそうだが、最近は身勝手で猟奇的な事件が多いように思う。トラックの運転手により山中で偶然発見された頭と手足が切断された胴体だけの男性の遺体。誰が何の目的で男性を殺害し、遺体を切断し、遺棄したのか。
中山祐次郎『クリスマスイブの診断書』。医療用語を連発し、どうだと言わんばかり。よく意味の解らぬストーリー。だからどうしたのという感じ。オーバードーズで病院に運び込まれた若い女性が手当の甲斐もなく、死亡診断を受ける。しかし、その後に女性の手が何度か動き、死亡していないことが判明する。
七尾与史『患者は二度死ぬ』。七尾与史は歯科医師であったのか。非常に巧く組み立てられたミステリーだった。そして、結末までも計算されているかのようだ。夜間の歯科医院に大金を持って、痛む親不知を抜いて欲しいと訪れて来た謎の男。
南杏子『サイレント・ペイシェント』。介護認定というのはかなり適当だと思う。ケアマネの胸算用で介護度が決まっているような気がする。この短編はその介護認定に関わる話である。母親の年金で暮らし、困窮する女性が介護保険金目当てに他人の認知症の母親を借りる。
本体価格630円
★★★