想田和弘のレビュー一覧

  • 転換期を生きるきみたちへ

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    (2016/10/15)
    中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
    物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。

    小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
    村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
    確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
    みな「会社員」として何とか生きている。

    白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
    本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
    そこにはまったら最後だな。

    戦争中における「国」とは、国民でなく国体

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    2024年05月28日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮

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    2024年05月21日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
     新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た

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    2022年01月10日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    数年前に1度読んだが、内容を忘れてしまったので再読。
    様々な立場の方々が、先の見えない転換期にあたり、中高生に向けて「根元的に物事を考える」ために書かれた本。

    刺さるメッセージはたくさんあったが、特に刺さったのは「13歳のハードワーク」だった。
    たしかに「夢=職業」にしてる人が圧倒的だなー、と思った。

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    2021年12月11日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。

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    2021年02月19日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限界があるものだと思うけど、その点本作は、根っこの部分でのブレをほとんど感じさせることなく、だけどそれぞれに違った見地からの論旨が展開されていて、感じ入ることしきりだった。

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    2020年12月14日
  • カメラを持て、町へ出よう 「観察映画」論(集英社インターナショナル)

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    これは非常に読みやすくて面白かった。

    ドキュメンタリーにかかるコストやメソッド、あるいは加害性について講義形式で解説されてるので、
    映画好きとしても裏側を知れてうれしいし、
    また自営で教育に携わる人間としても共通点やヒントがたくさんあって勉強になった。

    また観察映画を見直したくなった。

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    2020年09月11日
  • 精神病とモザイク -タブーの世界にカメラを向ける

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    映画『精神」を見て読んで、そして数年経ち、映画『精神0』を見るという今。山本先生の一貫した佇まいに感動する。そして勇気付けられる。

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    2020年07月17日
  • 精神病とモザイク -タブーの世界にカメラを向ける

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    “精神科”
    ストレス社会の中、この病気に対する偏見は少なくなってきていますが、それでも“精神科”について話すときは一段声が低くなります。そんなタブーの世界にカメラを向け、トキュメンタリー映画を撮った監督がいます。
    作り手の意図を観る人に刷り込まないように、テロップ・ナレーション・BGMを排除した「観察映画」という手法を使って撮られた映画です。観客がその映画を観てどのように思うか、自由に思考することを促します。

    舞台となったのは、“こらーる岡山”という外来専門の精神科です。古民家に少しだけ手を加え、居間のような待合室で、患者が寝転びながら、患者同士で談話しながら診察の順番を待ちます。
    この映画

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    2019年01月17日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    中高生に『ミライの授業』と併せ読んで欲しい。

    本書は、大人が読んでも考えさせらえるものである。
    「転換期を若い人が生き延びるための知恵と技術」について、親子で一緒に考えてみてはどうだろうか?

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    2018年10月12日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    『日本の反知性主義』の続編。うんうんうん、と頷きながら読んでました。そしてしみじみ、今は時代の転換期なんだなぁと思いました。

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    2018年05月18日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    まさに今、日本は転換期を迎えている。今こそ一度立ち止まって考えるべきときが来ている。中高生だけでなく大人にも、言葉そして考えることの大切さを問いている。超高齢化、少子化、貧困、格差社会、どれをとっても、その解決策は成長戦略では、ない。と。

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    2016年10月08日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    ネタバレ

    尊敬する内田先生が依頼した方々の中高生に伝えたい事の寄稿文。
    まさに言いたいことや、常日頃モヤモヤしてることが分かりやすく書いてあって、中高生に是非読んでもらいたいと思いました。
    平和を享受して大人(中年)になった私は子ども達や次の世代にも絶対残したい!

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    2016年09月27日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    鷲田清一氏の章を読んでいたら、涙が止まらなくなりました。白井聡氏の文章は痛快で、内容にも共感しました。中高生には、この二つの章は難しいかな。でも、読んでほしいなと思う本でした。大人にもおすすめです。

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    2016年09月13日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    本書は『街場の憂国会議』、『日本の反知性主義』に続くシリーズの3冊目。なぜ本作が編まれたかについては「まえがき」を読めば一目瞭然、これまでと違うのは「中高生を読み手に想定」したこと。
    若い人たちに向けた「贈り物」であるところのこの本を、「中年の危機」当事者である私も読ませていただいた。伝えなければならない「たいせつなこと」の多さに、平和を享受してきた世代としては焦りの気持ちを感じる。申し訳なく、そしておとなこそ読むべき、とも思う。
    「転換期」だからこそ伝えたい、たいせつなこと。
    この本が次世代への福音となりますように。

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    2016年08月26日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    内田樹『身体に訊く』-言葉を伝えるということはどういういことか
    加藤典洋『僕の夢』-中高生のための「戦後入門」
    高橋源一郎『表と裏と表』-政治の言葉について考える
    平川克美『人口減少社会について根源的に考えてみる』
    小田嶋隆『13歳のハードワーク』
    岡田憲治『空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて』
    仲野徹『科学者の考え方』-生命科学からの私見
    白井聡『消費社会とは何か』-「お買い物」の論理を超えて
    山崎雅弘『「国を愛する」ってなんだろう?』
    想田和弘『「中年の危機」にある国で生き延びるために』
    鷲田清一『社会に力がついたと言えるとき』
    以上11人の寄稿文
    内田樹氏の以下の呼びかけに対応

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    2016年08月17日
  • 精神病とモザイク -タブーの世界にカメラを向ける

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    映画「精神」と合わせて。
    正気と狂気の境目がわからんとずっと思っていたが、なるほどスロープか。
    境目なんかなかったのだ。
    斉藤先生の「病院に近づかない方がいい」に共感。
    病院と美容院は苦手やわ。

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    2013年08月27日