ポール・オースターのレビュー一覧

  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    作風としては好き。そして皆さんのおっしゃる通り、本当に難解というか、最後の方は何が起きているのやら分からなくなった。他の作品も読んでみるべきか…
    つまらなくはない。面白かったけど、意味は分かっていない。
    絶対違うと思うけど、ブラックを監視することによって自らがいない人間=幽霊になっていたブルーと、幽霊になるまいと自分の存在をブルーを通して知覚することに必死になっていて、最後にはリアルに幽霊になったブラック…ってこと?
    まあ私なら途中で仕事放棄してどっか行くね笑

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    2026年07月04日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    1947年ニューヨーク、私立探偵ブルーは、ホワイトという男からブラックという男を見張り、報告書を送るよう依頼される
    ブルーはブラックの部屋の向かいにあるアパートに住み、見張り始めるが、何も起こらない。監視を始めて1年が過ぎた頃ブルーは見張られているのはむしろ自分なのではないか、という疑念を抱き始める


    よく理解できなかったのでまた時間をおいて読み直したいと思う。そしたらまた違う解釈がでてくるかもしれない。
    私には難解でした。


    〈考察〉
    ブラックについて⋯
    ブラックは自分を見ているブルーを必要としていた。自分が生きているあかしとして。自分が何をしていることになっているか、自分自身が忘れない

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    2026年07月03日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    NYタイムズ「21世紀名著 100選」に入らないわけがない。
    間違い電話をきっかけに探偵を名乗ることになった推理作家が、NYの街を行く迷宮ミステリー。

    ザ・ポストモダン。反推理小説にあたるでしょうか。探偵行動を続けるほどに哲学的要素が積み重なり、言葉やアイデンティティが壊れてゆく。
    不条理がオモロ怖くなりつつ…なんというかオースターのペンがノっているような、キャラが縦横無尽に動いているような感覚も。

    ガラスのように脆いのは常識や自我や概念か。セオリーをあえて外すところも含め、オースターによる小説独自のアソビがただただ見事でした。

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    2026年06月19日
  • バウムガートナー

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    晩年の作品には、正しく晩年であることを表して(オースター作品らしからず)穏やかな場面が多いが、通底して、「人から見える世界は全てその個人の脳内にある」という世界観なので助かる。
    誰かから見える世界は、親しい人の死や社会を揺るがす事件と同様に、それに対して反応する個人の脳内のイベントに支配される。
    内面に閉じた世界観を描くということについて圧倒的な信頼があるため、オースターを好きで居続けてきた。
    そしてここまで期待を裏切らずに居続けてくれた作家は他にいなかった。

    本作でも、バウムガートナー氏の他に登場する人物はいるが、全て氏の脳のフィルターを通した描写のみで進む。
    重要に見えない細かい風景描写

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    2026年06月16日
  • バウムガートナー

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    アメリカの70歳の大学教授が主人公。
    妻を亡くした喪失感の中、身体も精神も衰えてくる。
    悲しみに沈んでばかりもいられず、日々の暮らしを送っていると、希望の光も見えてくる。
    若い頃のキラキラな回想や自分のルーツを巡る話も展開される。
    少し混沌としてるけど、これが生きてきた証のようだ。

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    2026年06月07日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    一人の老人の、生の記録
    といっても寂しさとは無縁の、にぎやかさに満ちたもの
    登場人物の誰もが生き生きとしていて、ブルックリンという街の息遣いも感じられた
    もう少し、歳を取ったら再読したい
    また違った感想を持てると思う

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    2026年05月29日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    それぞれの事情を持った4人がサンセット・パークで過ごす数ヶ月間の物語。
    学生の頃から、ポール・オースターが好きで、久しぶりに読みたくなり購読。

    “青春群像劇”とは銘を打っているが、いままで読んできた青春小説とはだいぶ趣がことなる。それもそのはず、この小説の名は『サンセット・パーク』、つまり日が沈みゆくような仄暗い背景を舞台にした物語なのだ。

    この本が書かれた当時、世界金融危機が起きた直後だった。先行きが不透明な社会情勢と、自分が何者になれるのか、あるいはなれないのかという将来への不安と希望を抱く若者達の心の葛藤が、同じような色調で物語に彩りを与えている。

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    2026年05月25日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    最初は一本の間違い電話から。小説の最後まで、「間違い」「選択」というキーワードがあったように思います。少し難解でしたが、三部作ということでゆっくりと他の二作も読んでみたいと思います。

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    2026年05月20日
  • バウムガートナー

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    なかなか読む覚悟を決められずに購入して5ヶ月くらい積読していたけれども意を決して読みました。

    第1章は読むのに少し根気を要したけれども、その後バウムガートナーとアンナそれぞれの過去や家族のルーツを遡っていく様はまさに自分が好きななオースターでした。



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    2026年05月19日
  • バウムガートナー

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    これが最後の長編小説という先入観があるせいか、喪失の悲しみと、老いやその先にある死への諦念が色濃く感じられました。再生とか、ここからもう一花、みたいな明るさを見出した人もいるようなのだけれど、わたしには人生の最終章という印象のほうが強かった。なんかずっと寂しかったです。たとえば秋の景色に対して、きらきらと日の光を受けて輝く紅葉や落ち葉のじゅうたんが美しくて好ましいと感じる人がいる一方で、冷たい風を受けて散っていく葉や道路をカラカラと駆けてゆく枯葉に心がざわついてうら寂しさを感じる人もいますよね。この本はわたしにとっては後者の景色。オースターはどんな思いで書いていたのだろう。

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    2026年05月07日
  • バウムガートナー

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    笑えるのに笑えない。泣けるのに泣けない。
    枯淡の境地なんてどこ吹く風の、初老の男を巡る物語。

    思い通りにいかない老いた体への諧謔と、縦横無尽に展開される思考の渦と、あたふたとした日常の瑣末時のごった煮の中に、失った人生の伴侶への愛、若き日々の一コマ、奇跡のような喜びの瞬間が、突然一筋の光として差し込まれる。

    そして、オースターが最後の一行に込めた力強い宣言は、逃れがたい現実に満ちた人生を、煌めくジョークとスリリングな冒険へと変えてくれる。


     “生きるとは痛みを感じることであり、痛みを恐れて生きるのは生きるのを拒むことなのだ。”

     “ある出来事が真実として受け容れられるためには、それが

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    2026年05月03日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    私立探偵ブルーは、明らかに変装しているホワイトという男から、ブラックという男を見張るよう、依頼を受ける。
    最近ブラウンから探偵事務所を受け継いだばかりのブルーは、張り切って見張るのだが……。

    依頼人が用意した見張るための部屋は、ちょうどブラックの部屋が正面から見張れるような位置にあった。
    充分に報酬が支払われ、見張り部屋の家賃も支払うって、どれだけ重要なミッションなんだよ!
    ところがブラックときたら、毎日窓辺のデスクで何かを書き、本を読み、買い物に出、たまに映画を観たり、飲みに行ったり。

    こんな生活が1年以上続く。
    一体ブラックは何者で、何のために彼を見張らなければならないのか。

    登場人

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    2026年04月08日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    一本の間違い電話をキッカケに自分がポール・オースターという名の探偵となる作家ダニエル・クイン

    自分の気配を消し、探偵のふりをするうちに、自分という個の意識から自由になるかわりに自分を見失っていく話

    探偵となった主人公が何かを解決することもなく⋯うっすら根底に不穏な雰囲気を醸し出している

    「何者でもない自分」を演じ、そのように振る舞い、それが継続されていくと自己は自分を認識できずに混乱していくのか?、と思い至った

    ほの暗い色彩のないグレーな印象で少々気分が下がるけど
    なぜかこの著者の本を他にも読んでみたいと思った
    あと柴田元幸さんの翻訳がうまいと思う

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    2026年04月07日
  • バウムガートナー

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    PAUL AUSTER 2024年に亡くなり、これが:最後の作品らしい。
     ニュ-ヨ-クで暮らしていた二人が、結婚に至った経緯、そして妻の海における事故死。10年後の私の生きざま。作家は実に物語をうまく作るのだ。なぜなら、PAULの奥様は健在だし、彼は肺がんでなくなっている。私は1年前妻を肺がんで亡くした。
     主人公と同じ状況で、おそらく小説の中の私と同年配。奥さんが私と同い年と思われる。10年後の自分がどう思っているか、小説に書けるものなら書いてみたい。
     世の中には夫又は妻と生き別れ、死に別れされた人も多いだろうが、皆さんどうされているやら、様々であろうがやはり残ったほうは、生きてゆかねば

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    2026年03月03日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ネタバレ


    感想書きにくい作品だよなあ。オースター作品は何年も前から読もう読もうと積読状態で、そもそも昔通ってた美容室のお兄さんが『ムーンパレス』を薦めてくれたのがきっかけだったのだ。それもまだ半分しか読めてないのだけど、これを機に読み進めたいと思う。

    ブラックを見張るブルー、そのブルーを見張る私たちという多重構造。ブラックは見張られることで自身の物語を形作り、そして終わらせようとしている。ブルーがブラックへ接触を図ろうとするところから一気に展開が出てくる。それまでは淡々と、色のない情景が続くように思える。派手なことは起きないけど、何か惹かれていく感じ。

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    2026年02月28日
  • バウムガートナー

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    バウムガートナーはなぜ喪失から立ち直れたのか。私は、奥様からの不思議な電話を通して、ポジティブな意味で忘れないで欲しいと言われたからだと思った。いつまでも過去の幻影を引きずるのではなく、新しい人、ことに接する中で、故人を再認識することなのかと、最後の若い研究生へのサポートを整えている様子から、そう思った。

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    2026年02月22日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    引力のように引き寄せられる不思議な縁。
    死を垣間見て生を実感、孤独と後悔、渇望の日々と心の充実が繰り返し描かれる内容は、描写がリアルでシーンが鮮明に思い浮かびます。なので、追い詰められる感覚のストレスに読者も苛まれます。

    フィクション小説ながら、20世紀後半のアメリカ(例えば書き出しが「それは人類が初めて月を歩いた夏だった」等)の当時のニュースが織り交ぜられ、創作と事実が上手く交差しているから、なんだか1人の実在する人物の話を聞いているようでした。
    情緒がありグッとくるとても美しい小説。

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    2026年02月21日
  • バウムガートナー

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    大きな出来事が起こるわけでもなく、妻を失った喪失感が漂い、大半は過去の回想で進んでいく。が、不思議と重くない。悲しみを抱えながらも、新たな人との出会いやかつて幸せだった記憶を支えにしながら、残された者は淡々と日常を過ごしていく。ポールオースターの遺作。

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    2026年02月11日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    舞台はリーマンショック後のアメリカ

    ブルックリンの廃屋に不法居住する若者三人を描いた群像劇。

    大不況の中で、もがき苦しみ懸命に生きる若者達のリアルな心理描写が心に沁みる。
    慣れない海外文学で苦労したが、この作品を読めて良かった。

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    2026年02月02日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    挫折と希望の繰り返し、偶然の連鎖
    主人公は寂しい人にも思えるけど、豊かな経験をしたんだと思う。ただ、大切なものを失いすぎた
    最後には希望を持っているところに救われる
    「見るということはなにか」というエフィングの言葉には考えさせられる
    ひとつの人生を語り終えたような壮大さを感じた

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    2026年01月29日