あらすじ
S・T・バウムガートナーは九年前に先立った妻アンナの不在を今も受け容れられずにいる。書斎で彼女のタイプ原稿を読み耽り、物忘れがひどいなか、ルーツの地ウクライナを旅したときの摩訶不思議な出来事を書き残す。そんな彼に恩寵が……来るべき日を意識していたとしか思えない、オースター作品のエッセンスが宿る名作。
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Posted by ブクログ
PAUL AUSTER 2024年に亡くなり、これが:最後の作品らしい。
ニュ-ヨ-クで暮らしていた二人が、結婚に至った経緯、そして妻の海における事故死。10年後の私の生きざま。作家は実に物語をうまく作るのだ。なぜなら、PAULの奥様は健在だし、彼は肺がんでなくなっている。私は1年前妻を肺がんで亡くした。
主人公と同じ状況で、おそらく小説の中の私と同年配。奥さんが私と同い年と思われる。10年後の自分がどう思っているか、小説に書けるものなら書いてみたい。
世の中には夫又は妻と生き別れ、死に別れされた人も多いだろうが、皆さんどうされているやら、様々であろうがやはり残ったほうは、生きてゆかねばならぬのだから、孤独な生活を凌いでゆかなければならない。
この作品は少し参考になったかな?
Posted by ブクログ
バウムガートナーはなぜ喪失から立ち直れたのか。私は、奥様からの不思議な電話を通して、ポジティブな意味で忘れないで欲しいと言われたからだと思った。いつまでも過去の幻影を引きずるのではなく、新しい人、ことに接する中で、故人を再認識することなのかと、最後の若い研究生へのサポートを整えている様子から、そう思った。
Posted by ブクログ
大きな出来事が起こるわけでもなく、妻を失った喪失感が漂い、大半は過去の回想で進んでいく。が、不思議と重くない。悲しみを抱えながらも、新たな人との出会いやかつて幸せだった記憶を支えにしながら、残された者は淡々と日常を過ごしていく。ポールオースターの遺作。