ポール・オースターのレビュー一覧

  • ガラスの街(新潮文庫)

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    海外の現代作家の作品を読むことって、
    あまりなかったりませんか?
    何かと古典ばかり読むようにしていたりしがちなのは、
    僕だけではないはず。
    それで、じゃあ、現代の海外の作家にはどんな人がいるのかと調べてみると、
    いろいろ出てくるのでした。
    その中でも、新潮文庫のメールマガジンに載っていたのが本書です。
    よさげだ、と、びびびっと来て購入しました。
    思っていたように、やっぱり面白かったですね、現代作家の作品は。
    村上春樹さんだとか、日本の現代作家の本が面白いんだもの、
    外国人のが面白くないわけがない。
    とはいえ、本作は30年くらい前の作品なんですけどもね。

    探偵小説の皮をかぶってるオオカミみたいな作品かなあ。
    オオカミまで行かなくても、我が強くて人なれしないネコが
    正体として皮をかぶっているようなイメージでも持ってもらうといいのかな。
    本性としては、探偵小説ではないです。
    では、なにかと問われると、もう、ポール・オースターというジャンルだとしか、
    僕のように現代小説を読んだ経験の浅い人には言えないですね。
    アメリカ的な純文学とでも言えばいいのか。

    時折出てくる内面描写が秀逸で、
    「そういう気持ちわかるわー」と思う箇所がいくらかありました。
    なかでも、とある作家の家族と主人公が逢う場面で、
    家族という温かさに疎遠な主人公が、その作家の家族愛の幸福さを目にして、
    「食中り」ならぬ、「幸せ中り」を起こすところが僕には共感できてしまった。
    何気ない描写も、すんなり気持ちに入ってきて、
    著者は詩人でもあるとのことなので、そのあたりのセンスなのかもしれないです。

    本書の最初のほうに書いてあるセンテンスこそが、
    この物語の読み方を表していると思うので、
    それを抜き書きして終わりたいと思います。

    ___

    問題は物語それ自体であり、
    物語に何か意味があるかどうかは、
    物語の語るべきところではない。
    ___

    そんな小説でした。
    面白かった。

    0
    2025年06月28日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    なかなか掴みどころがない難しさのある作品でした。オースターってこうだよね、っていう世界観を理解してないと面喰らいそうです。

    自分ではない誰かを偽りながら、ある事件に介入していくことになります。その中で自分が自分でなくなっていく喪失感や、現実か虚構か曖昧な世界観が描かれていて、恐らくこれがオースターの味なのかなと感じました。

    独特な世界観にフワッとした読後感、そんな捉えどころが難しい作品でした。

    0
    2026年09月20日
  • バウムガートナー

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    オースター自身の心境などを反映した老境にさしかかった主人公の日常と走馬灯のような思い出や記憶が綴られるストーリーですが、やや単調。

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    2026年09月12日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    アメリカらしいとんでもな出来事の数々と何ってことはない日常が主人公と家族、親族、近隣の友人などと繰り返され、前向きに進んでいくストーリー。
    振り返って、全体的に主人公のあたたかみや優しさ、へんてこさに包まれた、ほんのり面白い世界だったのかなと。オースター1冊目だから、まだ確定はしないけど、そこまで刺さるものが分からなかったという印象はある。

    0
    2026年09月11日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    チラホラ見かけた、「脳がバグる」という感想の意味がよくわかった。
    …最初から「推理小説」ではなかったのか!と、終盤あたりで、はたと気がついた。
    某氏の息子君の独白シーンは、いったい何ページあるんだ…どんだけ喋るんだい…早く終わってくれ…と思いながらページをめくった。

    本書はアイデンティティの喪失の話、なんだろうなあ。
    そして、「オースターにしてやられた」感。
    (※推理小説ではないのに、そういう書き方になっている)

    おかげで読後はきわめてモヤモヤしたものだった。が、これが病みつきになる人の気持ちは分かる。

    ニューヨーク三部作、全部読んでみるかなぁ。

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    2026年08月17日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ひぃむずかし。
    導入部で考えてた結末と全然違う方向に進んでいく。道中もあっちへこっちへ思考が分岐する。
    迷子だ。ニューヨークだ。

    0
    2026年08月14日
  • バウムガートナー

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    肺がんの闘病中だったオースターが最も書きたかったのは亡くなったアンナからの電話だったのではないかと感じます。彼女は言います。「生者と死者はつながっているということ、一方が先に死んでも生き残った方が死んだ方を生と生ならざるもののあいだの一時的な中間地帯みたいな場所にとどめることができるから」。
    残される妻シリへの恋文のようです。
    ご冥福をお祈りします。今までありがとうございました。

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    2026年08月09日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ニューヨーク三部作と呼ばれる第一作で、現代アメリカ文学を代表する作家、ポール・オースターの長編デビュー作です。

    まず、お断りしておきます。
    小説の内容は何となく追えるものの、作品の構造や仕掛け、作者が本当に描こうとしたものは、正直さっぱりわかっておりません。

    shin様がおっしゃっていました。
    「最初の一行を声に出して読みましょう」と。

    「そもそものはじまりは間違い電話だった。」

    こう始まれば、誰だってミステリーを期待しますよね。
    装丁を見れば、8さんが好きそうなハードボイルドの雰囲気も漂っています。

    ところが、読み進めると、どうもそういう作品ではないようなんです。
    ミステリーの形を借りながら、どんどん別の場所へ向かっていくような。
    日本の小説で例えるなら、純文学ともエンターテインメントとも言い切れない、不思議な読書です。

    著者のポール・オースターと村上春樹氏は年齢も近く、デビュー時期も2年ほどしか違いません。
    二人は互いの作品を意識してたのでしょうか。

    そして、訳者の柴田元幸さんと村上春樹氏は親交が深いことでも知られています。
    そんなお二人が日本に紹介してきた現代アメリカ文学の入口として、本作はぴったりの一冊なのだろうと感じました。

    「ニューヨーク三部作」という呼び名は本作の発表後につけられたものですが、『ガラスの街』という題名からは、やはりニューヨークそのものがイメージされます。

    ちょうど最近、村上春樹氏の『街とその不確かな壁』を読んでいたこともあり、ニューヨークの壁の中といった印象です。

    作品の中では、作者自身が登場するような入れ子構造──今でいう「メタフィクション」と呼ばれる手法でしょうか──が用いられ、登場人物と作者、現実と虚構の境界が次第に曖昧になっていくような、不思議な感覚がありました。

    私はアメリカ文学にも疎く、作中で引用・言及される作品や人物に十分反応できなかったため、この作品の面白さを半分ほどしか味わえていない気がしています。

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    2026年08月05日
  • バウムガートナー

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    著者の作品は初読み。
    遺作の長篇小説から読む。

    若干コミカルに感じる序章から徐々にシリアスな展開へ。

    終末や死を連想させるが重苦しさは不思議と感じない。

    まるで著者自身の人生を振り返る回想録のよう。

    訳者の解説で腑に落ちる。

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    2026年07月27日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    少し長く、読み進めるのに疲れてしまう場面も
    でも不思議と、再び本を手にして続きを読んでしまった

    さまざまな人との出会い、すれ違いが印象的だった

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    2026年07月05日
  • バウムガートナー

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    先立たれた最愛の妻を悼む主人公バウムガートナー、物語は二人の出会いから、彼の子供時代、更には両親のヒストリーにまで遡って語られる。私が勝手に想像する映像はモノクロでもの悲しい。
    70クラブの正式メンバーになったことを恐れるバウムガートナーは、まさに作者本人のつぶやきだったようだ。

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    2026年07月01日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    どこか滑稽で台詞や地の文が長ったらしく、翻訳されたものということも相まって読みづらさを感じた。他方、逆説的に読者に迎合することなく書きたいものを純粋に書き上げたような作者の思いも感じる。一般的にはお勧めしないが、作者の熱量はとても好きだ。

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    2026年06月30日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    こういう作風なのか、とある程度わかっていないとラストがどういう事?ってなりそう。オースターってほかの作品もこういう感じなのかな?しばらく間を空けてまた読んでみよう。

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    2026年06月21日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    経済危機の最中にあるアメリカ・ニューヨークで、金のない4人の若者が一軒の廃屋に不法に住み着いてシェアハウスする話。構造的には「万引き家族」や「パラサイト」のようであり、最後の読後感は村上龍のようでもあった。

    あと、魅力はやはり、舞台がブルックリンであること、ですよね。やはり。若者たちの不安や焦燥感、孤独や無力感が全体を通して強い話ではあるのですが、それが湿っぽすぎないのはやはり、舞台のオシャレ感、か。

    そして一番かっこよかったのはこのくだり。
    「私、会ったらあの子に何するかわからないわ。顔を引っぱたく?それとも抱きついてキスする? 両方やれよ、とモリスは言う。まず引っぱたいて、それからキス。」

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    2026年06月10日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    私の浅い人生経験と読書経験ではまだ完全に理解しきれず文章の意味に潜りきれないところがあった。
    また読み返すと思う。

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    2026年06月04日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    あらすじを読んで
    逃げて傷ついて、そこから再び
    前向きに進んでいく話だと思ってたよ。
    登場人物それぞれの傷や課題もそのまま
    細かく描写して切り取ったまま、物語を読みすぎて勝手に「良くなっていくもの」と思い込んでた。

    逃げたら、心に弱い部分が残ってしまうのかな

    なんか心が弱ってる時に読んでしまったが
    なぜ読み終えれたのかが不思議。

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    2026年05月17日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ニューヨーク三部作のうち『幽霊たち』を先に読んだ。『幽霊たち』同様、柴田元幸氏のあとがきにあるように透明な文章はすらすらと読めてしまうのだけれど、また状況は読者に向けて十分に開かれているのに、なぜこのような事態が、何の目的で遂行されているのかを掴むことができず、一体何だったのだろうという念が最後まで拭えなかった。整然としているのに、訳のわからないことになっていく変な感じが面白かった。

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    2026年04月30日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    何十年ぶりのポール・オースター。ニューヨーク三部作は20代頃読み、俺から数冊読んで以来、40年ぶりに。
    オースター晩年60歳代に書いた作品見たいですね。
    晩年書いたこの青春群像劇は、あのニューヨーク三部作とはテイストは変わってない。人間を見つめ、個人の生き様、様々な性格、男と女、家族を描き、日常を生きる登場人物達。

    帯にこんなことが書いてある。
    「もし世界に触れることが出来るとしたらそれは君の形をしてると思う」
    この文章は本編には書かれて無かったと思う。編集部の担当の人が書いかな?間違ったらごめんなさいm(._.)m

    読んだ俺ももう60代。基本俺もそんなには変わってない。変わったのは周りの環境。ただの日常を生きている。
    26/04/29 21冊目

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    2026年04月29日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

    購入済み

    やっと読み終えた…

    最初、内容の紹介文を読んだ時は面白そうだと期待した。しかし、実際に読んでみると、あまり面白いとは思わなかった。
    表現がまどろっこしく、時々( )や
    棒線で別の表現や背景的な説明が入る時があり、読みにくく、そこに対する違和感が最後まで拭えなかった。

    高評価のレビューも多いようだが、自分にはちょっと合わなかった。

    アメリカ史等の知識が少し得られたという点と、面白いと思えない本でもあえて読破するという経験ができたという点は良かったと思う。

    #タメになる

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    2026年04月26日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    取り立てて事件の起こらない本作は、「書くこと」について物語だと訳者らの解説にあるが、ブラックという鏡像関係にある他者を通じたブルーの内省や、何も起こっていないがあらゆる些細なことが起こっている現実のありようの頼りなさ、どこまでいっても手応えのあるものが得られない空虚さこそ、「書くこと」なのだとしたら、かなり恐ろしいような気持ちになる。

    言葉と事物の関係性への思索を通じて、ブルーが自らが物事の表面しか見ていないことに気づくところなど、近代文学に通じる終わりのない虚しさを読みながら感じた。

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    2026年04月17日