ポール・オースターのレビュー一覧

  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    正月に読もうと思って古本屋で買っててやっと読んだ。
    ものすごく薄い本だからいつでも読めると思ってたのに大間違い。

    私立探偵ブルーが変装した男ホワイトからブラックを見張るように依頼されるが、彼の日常には何の変化も起こらない。
    ブルーは次第に不安と焦燥に駆られる…

    読み始めたらなんだかどんどんはまっていく、不思議な話。
    自分なりにいろいろ考えながら読むけど
    とにかくブルーの不安感がものすごく伝染する。
    なんだか落ち着かない、イライラしてくる。
    ちょっとしたブラックの動きがブルーだけでなく読んでいるあたしまでうれしくなる。
    読後はまた、少し考えてしまう。

    この話って、「ニューヨーク3部作」の2

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    2022年02月03日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    アメリカ文学に馴染みがなく、ポストモダンと言われても全くピンと来ない私。それ故に、難解なイメージが付き纏う「ムーン・パレス」以前の初期作品を敬遠していたが、<ニューヨーク三部作>の二作目にあたる本書は素直に楽しめた。終盤へ向かうに従い、不条理さを増す作風ではあるものの、読者を惹き付けるストーリーテリングの手法がこの頃から健在だったことが伺える。他者との関係性を以て、人は自身の実存性を認識するという件は後の「偶然の音楽」でもテーマになっていたが、個人のアイデンティティとは己が思う以上に脆弱で儚いものなのか。

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    2022年01月27日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

    購入済み

    おーん

    この手の作品が好きで何度か読むがいかんさん訳がわかりづらい。そのへんスルーできたらなぁ。原著で読めってことなのか

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    2021年06月06日
  • インヴィジブル

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    "同情なんて最低の、役立たずの感情だよ。"(p.111)


    "人が望むことと得られることはめったに同じにならないのよね。"(p.243)

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    2021年01月26日
  • インヴィジブル

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    1967年のニューヨークやパリを舞台に、一人の大学生が自分を巻き込んだ人物と対決する。
    40年の時を経て、当時の人たちがいろいろと証言していく。

    インヴィジブル具合が、ちょっと中途半端かなと思った。

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    2019年02月11日
  • インヴィジブル

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    オースターの初期作品において、「不可視(invisible)」であるということはイコール「非在」であるということだった、と思う。『見えない男の肖像』では、「不可視」な父親の「非在」が語られ、NY三部作では他者から「不可視」になることで主人公が非在者となって姿を消していく。しかし、そのものズバリ“インヴィジブル”というタイトルが付けられた本書では、不可視であることは必ずしも非在を意味しない。不可視であることが在/非在の境界を曖昧にしていったその先に、真実と創作、事実と願望の見極めがつかない物語だけがただ、在る。
    第一章では、語り手のアダムが経験した1967年春の出来事が描かれるが、この章の物語世

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    2019年01月22日
  • インヴィジブル

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    大学生アダムとコロンビアの客員教授ボルンの邂逅から始まる数奇な物語は、様々な語りを通して、はっきりとした真実がわからないままに語られていく。

    まさに〝Invisible〟.
    現実もこうなのかもしれない。

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    2018年10月24日
  • インヴィジブル

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    詩人を目指す大学二年生の「私」はパーティの席上でフランス人男女と知り合う。次に会ったとき、そのボルンというコロンビア大学の客員教授は「私」に雑誌編集の話を持ちかける。新雑誌の内容から運営まですべてを任し、資金は援助するという嘘みたいな話である。連れのマルゴが「私」のことを気に入ったのが支援を申し出た理由だ。最近、財産を手にしたので、女を喜ばせてやりたいという。

    信じられない話だが、ボルンは大金の小切手を用意していた。事件は前祝いの夜に起きる。夜道で黒人の少年が二人を銃で脅したのだ。おびえる「私」をしり目に、ボルンはしのばせていたナイフで少年を刺す。銃には弾が入っておらず、救急車を呼ぼうという

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    2018年10月24日