ポール・オースターのレビュー一覧

  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)

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    読むのに時間がかかった。面白いのだけど全てが時系列順に書かれているわけではないので途中少し混乱した。

    第二次世界大戦後のアメリカで育ったアメリカ人少年としてのオースター、ユダヤ人としての自身と家族の心情を垣間見ることができたのは面白かったし、泣けるエピソードもいくつかあった。この当時のアメリカの文化や雰囲気をオースターの目を通して知ることができたとともに、オースターの良くも悪くも普通と違う面も知ることができてとても興味深く読んだ。

    やはり自分はポール・オースターが好きだ。

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    2024年02月11日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ニューヨークに暮らすダニエル・クインは、かつて探偵小説で名を馳せた作家だった。しかし今では、世間を驚かせるような作品を書く気力もなく、匿名でミステリーを書いて生計を立てている。そんなクインの元にある日、助けを求める電話がかかってくる。「探偵のポール・オースター氏に事件を解決してほしい」という依頼だ。しかし、ポール・オースターなる人物には全く心当たりがない。間違い電話だと思って切ってしまうが、その後も何度も同じ電話がかかってくる。仕方なくクインはポール・オースターという探偵のふりをして、電話の主に会うことにする。

    待ち合わせ場所でクインを迎えたのは、ヴァージニアという女性だった。彼女は依頼人の

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    2024年01月22日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    2つの世界線に生きるオースターさんの邂逅で笑った。ドン・キホーテ自演説を解説し始めた時はなんでわざわざここでそんなことにページ割くんだと思ったけど、最後まで読むとその意味がなんとなくわかった、気がした。
    序盤のピーター・スティルマンの独白がだいぶ狂っていた。

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    2024年09月06日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    ブルックリン・フォーリーズ訳すとニューヨークブルックリンの愚行。オースターの本は始めて読んだ。450頁ほどの本だけど最初本の世界に入っていくのは難儀でした。
    60過ぎて癌を患い、離婚して昔住んだ町ブルックリンでひとり余生を隠居しようとした町での、様々な人たちとの遭遇で色々な経験をしていく主人公を描いている、中高年の本です。

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    2023年10月10日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    ブルックリンで晩年を過ごそうと引っ越してきた、失意の男性。だけど…?
    ユーモラスに、成り行きが描かれます。

    60歳のネイサンは癌にかかって会社を辞め、妻とは離婚。娘とはうまくいかず、親戚ともほぼ音信不通。
    いくらか思い出があるブルックリンを終の棲家に選び、自分のこれまでの愚行を書き記して過ごそうか、などと考えていました。
    街の古本屋で、甥のトムにばったり再会。これが親族では一番気が合う甥だった。
    トムから繋がってご縁が転がっていき、トムの妹や娘や母、古本屋の主人など、思わぬ出会いと楽しみが増えていくのです。
    やや上手く行き過ぎ?だったり、中年?男の身勝手さが垣間見えたり、というところも、ユー

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    2024年01月22日
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)

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    写字室の旅。
    そんなにおもしろいとは思えなかった。いろんなふうに考えられる、奇妙な話で、評価しづらい。

    闇の中の男。
    こちらは割とよかった。映画のようだ。
    小津安二郎の東京物語を絶賛する数ページがあり、小説としてのおもしろさとは別かもしれないが、非常に興味深かった。ポール・オースター本人が言ってるように思えたから。

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    2023年01月17日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    魅力的でカラフルな人物たちが登場する。語り手がいるが、群像劇と言ってしまってもいいかもしれない。
    特に楽しみもなく暇をつぶしながら老後を過ごすつもりだった高齢男性が、甥に久しぶりに再開したことをきっかけに突如人間関係が広がり、さまざまな事件が起こり、考え方がポジティブに切り替わっていく。まあ、楽しみながら読める。
    フォリーズ(Follies)とは「愚行」という意味で、たしかに登場人物は愚かなことばかりしているように見えるが、愚かな行為は悪いことというわけではないよね。
    多様性に肯定的だが、唯一カルト宗教に関しては強い否定的な書き方をしている。

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    2022年12月19日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    いままでに読んだポール・オースター作品で、いちばんサクサク読めた。役者あとがきにある通り、軽いというか。
    帯には奇跡の物語とかなんとか書いており、まぁ間違ってはないのだが、しかしその言葉からイメージするような大感動の物語ではなく、やはりポール・オースターらしい奇妙な偶然の連続のお話。

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    2022年10月09日
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)

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    160「写字室の旅」
    もう時期死ぬと思っている人間は、書くことを許されたとたんにむねのうちを紙にさらけ出すものだ。

    204「闇の中の男」
    書物は読み手に、何かを返すこと、自分の知能と想像力を使うことを強いるが、映画はまったく受身の状態でも観ることがー愉しむことすらーできる。

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    2022年09月28日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    ブルックリンを終の住処にしようとする50代の男の主人公とその甥、その甥の妹の娘の3人で始まる奇妙な関係と暮らしと、詐欺まがいの事を企む古書店主…色んな話が絡んでくるけど、田舎のホテルに滞在するエピソードと、アクセサリーを作るとても美しい女性のエピソードが好き。

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    2022年08月28日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    様々な人生が凝縮されたような濃い一冊。

    六十歳を前に、妻と離婚して静かに人生の結末を迎えようとブルックリンに帰ってきた主人公ネイサン。
    街のの古本屋で甥のトムと再会してから、運命の歯車が回り始めます・・。
    アメリカらしい皮肉のきいた文章で繰り広げられる悲喜こもごも。
    タイトルの“フォリーズ”=愚行という事で、皆何かとやらかしています。
    ネイサンをはじめ、甥のトム、姪のオーロラ、古本屋のオーナー・ハリー等々・・。
    読みながら、“あぁ、アメリカの人も色々しんどいんだなー・・。”と胸に刺さるものがありました。
    内容的にヘビーな部分もあるのですが、ウィットに富んだ文体のおかげで重くならずにすんでいる

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    2022年02月27日
  • インヴィジブル

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    1967年の春に文学部の学生の私は、コロンビア大学2年生の時にフランス人客員教授のルドフル・ボルンと、その同棲相手のマルゴに出会った。
    親族から遺産を継いだというボルンは、一度しか会っていない私に雑誌を作る支援を申し出てきた。
    ボルンはその時35歳、皮肉さと頭の良さは持っていたが、どこかしら人と違うおぞましさのようなものを感じさせた。しかし私は魅力的なマルゴと、雑誌援助の話を手放せずそのままボルンとの付き合いを続ける。
    破滅はすぐにやってきた。ある晩道で銃を持った男に脅されたボルンは、迷わずナイフで男を刺殺した。
    私が警察に言うか言わないかで悩んでいるうちにボルンはパリに姿を消す。

    そして4

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    2020年08月07日
  • インヴィジブル

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    あることを中心に、たくさんの視点がそのことを語っていく、というスタイルの物語は何度も読んだことがあったけど、
    すごく久しぶりに読んだポール・オースターは、
    ことに関連して、少しずつ視点もずれていくし、
    語り手も変わっていく。

    読みなれなくて進むのに時間がかかったけれど、
    読後感は気持ちが良かった。
    (内容がスカッとする、ということではない)

    人の人生の、その時々の交友の厚みが伺える
    時にあれほど仲良かったのに、という人と疎遠になってしまった悲しみを感じる時があるけれど、
    それは先の人生や、極端な話明日にでも、
    全くそんなことを思う必要おもなくなってしまうほど、
    違う人生を歩み始めてしまう時

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    2019年05月27日
  • インヴィジブル

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    「不可視」とう言葉が繰り返し出てくる。
    誰の話が、どこまで本当なのか。

    本当のことなど不可視だということか。

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    2018年11月15日
  • インヴィジブル

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    ネタバレ

    こころ震わすような、とか涙滂沱、大興奮、という激しい読後感はポール・オースターにはないのだが、不意にある登場人物や場面がまざまざと浮かび上がって来て自分でもびっくりすることがある。
    もちろん、読んでいる最中は夢中になる。あちらの世界からこちらに戻ってくるのにちょっと時間がかかったりもする。
    『インヴィジブル』の各章はアダムが見たもの、アダムが見ようとしたもの、アダムが見たかったもの、アダムに見えなかったもの、が書かれている。
    でも、書かれたものが真実とは誰が言える?
    ボルンは少年を殺したのか、殺さなかったのか。
    セシルは島を去ったのかとどまったのか。
    見えたものが真実ではないし、見えないから存

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    2018年11月07日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    海外の現代作家の作品を読むことって、
    あまりなかったりませんか?
    何かと古典ばかり読むようにしていたりしがちなのは、
    僕だけではないはず。
    それで、じゃあ、現代の海外の作家にはどんな人がいるのかと調べてみると、
    いろいろ出てくるのでした。
    その中でも、新潮文庫のメールマガジンに載っていたのが本書です。
    よさげだ、と、びびびっと来て購入しました。
    思っていたように、やっぱり面白かったですね、現代作家の作品は。
    村上春樹さんだとか、日本の現代作家の本が面白いんだもの、
    外国人のが面白くないわけがない。
    とはいえ、本作は30年くらい前の作品なんですけどもね。

    探偵小説の皮をかぶってるオオカミみたい

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    2025年06月28日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

    購入済み

    やっと読み終えた…

    最初、内容の紹介文を読んだ時は面白そうだと期待した。しかし、実際に読んでみると、あまり面白いとは思わなかった。
    表現がまどろっこしく、時々( )や
    棒線で別の表現や背景的な説明が入る時があり、読みにくく、そこに対する違和感が最後まで拭えなかった。

    高評価のレビューも多いようだが、自分にはちょっと合わなかった。

    アメリカ史等の知識が少し得られたという点と、面白いと思えない本でもあえて読破するという経験ができたという点は良かったと思う。

    #タメになる

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    2026年04月26日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    取り立てて事件の起こらない本作は、「書くこと」について物語だと訳者らの解説にあるが、ブラックという鏡像関係にある他者を通じたブルーの内省や、何も起こっていないがあらゆる些細なことが起こっている現実のありようの頼りなさ、どこまでいっても手応えのあるものが得られない空虚さこそ、「書くこと」なのだとしたら、かなり恐ろしいような気持ちになる。

    言葉と事物の関係性への思索を通じて、ブルーが自らが物事の表面しか見ていないことに気づくところなど、近代文学に通じる終わりのない虚しさを読みながら感じた。

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    2026年04月17日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ◼️ポール・オースター「幽霊たち」

    再読。短めでさらっと読めて、小説的。オースター入門編には最適かもと今回思った。まあその、読後、「で?」というのは残るかも。

    1947年、探偵事務所に勤める青年ブルーは、ホワイトという依頼者から、ブラックという男を見張る仕事を受ける。ホワイトはブラックの部屋に面したアパートを手配した。仕事にかかったブルーだが、あまりに事態が動かないことに疑念を抱き行動に出るー。

    登場人物には色の名前が多いが、物語の大半はブルーとブラックの関係性。依頼人のホワイトへ報告書を出しながらも、いわば孤独を極める存在となったブルーの心情の描写が深まっていく。謎を解明しようと起こし

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    2026年04月11日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    タイトルがかっこいい。文章が現在形で、最近読んだ『海辺のカフカ』を思い出した。ブルーとブラックの関係は、小説を書くことにおける作者とキャラクターの関係を表しているのかと思いました。

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    2026年03月22日