燃え殻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の出来事から過去の自分に起きた出来事に繋げていく手法は面白い。
思いがけない話の展開があったり、ほろ苦い思い出や、自分を見直すような染み染みとした帰結にもっていく。
実に上手い。
不登校の同級生の花火、あなたとわたしだけの正解それを人は愛と呼ぶ、子供の頃駄菓子屋でくすねた分を大人になってかえす、生きていれば迂闊に人は幸せになれる、自分の身に起きた凡庸でかけがえのない出来事を記していきたい、よく見える楽しそうに見えるは相当の努力のもとに作り上げられる、等々。
過去の思い出と共に記されたこれらの言葉が、スルッと沁みてくる味わいがなんとも言えない魅力である。 -
Posted by ブクログ
『あのさ、やっぱり今日の夜さ---』
前作『ボクたちはみんな大人になれなかった』と同様に、なんか鼻の奥にツンと感じるようなノスタルジックさ。
あぁー、エモいなー。
きっと主人公にとっても、この過ぎ去っていった夏は、在りし日のセピア色に焼けた思い出として、先の未来でもふとした時に回想していくのだろうな。
それが自分にとって『これはただの夏』だと、言い聞かせたとしても。
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その瞬間、手にしたかったものが、目の前を駆け抜けていったような気がした……。
「普通がいちばん」「普通の大人になりなさい」と親に言われながら、周囲にあわせることや子どもが苦手で、なんとなく独身のま