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ふとしたきっかけで甦る記憶の数々。淀んでいた会議の空気を変えた女の子の大ネタ、僕が放った2点の答え(1000点満点中)、「串カツ田中」が恋しくなった縛りのキツい店、J-WAVEに寄せられたお悩み相談、母の決まり文句、祖母の遺言、柴犬ジョンの教え……ギスギスした日常の息苦しさを解きほぐす一服の清涼剤。
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Posted by ブクログ
燃え殻さんのエッセイ本はいつもおもしろい。 周りの人からみたら何でもない日々の出来事。鍵をかけていない日記のような文章と燃え殻さん自身も例えていたが、非常に的を得た表現だと思う。 共感できる話や、思わず声に出して笑ってしまうような話、なんだか寂しい気持ちになる話、昔のことを思い出して懐かしくなるよ...続きを読むうな話。一つ一つの話が濾過された水の一滴のように染み渡り、色々な感情が詰め込まれた一冊だった。自分の過ごす何気ない日々も、周りの人から見たら面白い日々なのかもしれないと思って、日記が書きたくなった。
花火の話で心を奪われ、スルスルと読み進めてしまった。くだらない思い出、どうでもいい思い出、そんな思い出こそ良い思い出なんだ。 サンダルを咥えたジョンの話がかわいい。 何より、僕が好きなかき氷の味もブルーハワイだ。
燃え殻さんのエッセイは、ドラマチックだったり、そうでなかったり。頭ごなしに否定をせず、包み込んでくれる優しい文体。諦めてきたことが多いからこそ滲み出るわき道の面白さも教えてくれる。僕も自分にとっての「エクレア詰め」や「チャイナドレス」を探したいです。 ◾️好きな言葉 人は何かしら得意なことがある、...続きを読むと言っていたのは高校時代の担任教師だった気がする。(中略)ただそれが金儲けに直結することなのか、日頃全く役に立たないことなのか、犯罪になりそうなことなのかは、自分では選べない節がある。(中略)僕にとっての「エクレア詰め」や「チャイナドレス」は何だろうか。きっとそれは彼らのように突然にして否応なく気づかされるものなのだろう。(「ブルーハワイ」49p)
夏の終わりの夕暮れ。涼しいというよりかは、ちょっと肌寒いなぁって、ザワザワして、茜色の空とひぐらしのなく音が切なくなる。そんな一冊でした。笑えるのに胸が締め付けられる
燃え殻さんのエッセイ好きです。小説も好きだけど、エッセイはもっと好き。 年齢は私より少し上で、若いころに聴いていた音楽などの話題が出てきたりするから、その当時の空気感とかも一気に蘇る。そういうところも好きな理由かもしれない。 1つのエピソードが数ページで終わるのだけど(挿絵もまた味があって良い)大...続きを読む抵のエピソードは、日々起こるドラマチックでも何でもない話で、乾いた哀愁が漂う。 現在の状況から過去の回想に移り、そしてまた現在に戻ってくることもよくあり、そこにノスタルジーを感じる。 日常を生きていても、そういうことってある。通りかかったお店を見て「ここあの人と来たことあったなぁ」と思い出し、そこから派生して些細な出来事を瞬間的に思い出したりする。 このエッセイの良いところはそこに意味を持たせようとしていない(と感じる)ところで、何か起きた出来事や過去のことに意味付けするのは案外簡単なのだけど、実際はそんなに意味のないこともある。 経験をすべて糧にしたいとは思っているけれど、明らかに経験しないほうがよかったこともあるし。笑 だから意味付けではなく「あんなこともあったねぇ」と、肯定でも否定でもなく事実をただ振り返る、みたいな空気感が心地良く感じるのだと思った。 印象的なエピソードを1つ挙げると「気に入って毎日行くようになったお店(本書の場合は喫茶店)で常連さん扱いされると途端に行きたくなくなる」というものだった。 私も飲食店をやっていたので、大抵の人は常連さん扱いを喜ぶのだけど、そうじゃない人もやはりいるのだな、と。 「認識されたい」という自己顕示欲が強いタイプが多い世の中で、認識されることに戸惑いや少しの嫌悪を感じる人もいる。 そんな風に、有名作家になっても変わらないスタンスだから、こういう空気感のエッセイが生み出せるのかな、と思った。
久しぶりに時間の経過を意識せず読書に没頭できた気がする。 読む時の文章との相性があると思うけど、燃え殻はそれが良い。 日常の切り取り方が好きで、そして今の自分に響く言葉が必ずある安心感。 「ずっと忘れられない思い出や出会いより、たまに思い出す人や出来事が、実は僕のほとんどなんだと思う」 「生きて...続きを読むいられさえすれば、迂闊に人は幸せになれることもあるんだ」 「どのみち後悔をするなら、自分で選びたいんです」 全部が響くんじゃなくて、どこかしらにはあるっていうちょうどいい信用度が、過ぎ去るエピソードも気負わずに、より気楽に読ませてくれる。 ずっとこの人の文章や生活に触れていたくなる。
とても楽しく読めました。 ちょっとひねくれた著者が時におもしろく、時に切なく、時にバカバカしいエッセイを書かれています。 ひねくれものの私には非常に楽しくよめました。 燃え殻さんの別の本も読んでみたいです。
ちょっと笑えたりしんみりしたり、そうそう…って共感できたり、力をぬいて好きな時に好きなページをめくっていく、心地よい感じ。 燃え殻さんのまわりにはたくさんの出来事や人々がいて、読んでいて楽しかった。
【あらすじ】 ふとしたきっかけで甦る記憶の数々。淀んでいた会議の空気を変えた女の子の大ネタ、僕が放った2点の答え(1000点満点中)、「串カツ田中」が恋しくなった縛りのキツい店、J-WAVEに寄せられたお悩み相談、母の決まり文句、祖母の遺言、柴犬ジョンの教え……ギスギスした日常の息苦しさを解きほぐす...続きを読む一服の清涼剤。 【感想】 燃え殻さんのエッセイはすべて読んでいますが、相変わらず最高で、忙しなく余白が持てない日常の中にしっとりと染み込んでくる感じでした。 かなり時間のあるふとした時にだけ読み返したくなるようなくだらない(かなり失礼)内容の中に、人間ってこうありたいなと思える割と真面目?な話もありすごくバランスが良いエッセイでした。 文章を読んでいるけど、ラジオを聴いているような心地の良さがあり、なぜか手に取ってしまっているそんな大好きな本です。
お初の作家さん。気になるペンネームで思わず手にした本。短いエッセイで、別段キラキラした話などではないがページを繰る手が止まらなくて一気読み。次もあれば読みたいな。
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