【感想・ネタバレ】ブルー ハワイのレビュー

あらすじ

ふとしたきっかけで甦る記憶の数々。淀んでいた会議の空気を変えた女の子の大ネタ、僕が放った2点の答え(1000点満点中)、「串カツ田中」が恋しくなった縛りのキツい店、J-WAVEに寄せられたお悩み相談、母の決まり文句、祖母の遺言、柴犬ジョンの教え……ギスギスした日常の息苦しさを解きほぐす一服の清涼剤。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

燃え殻さんのエッセイ本はいつもおもしろい。
周りの人からみたら何でもない日々の出来事。鍵をかけていない日記のような文章と燃え殻さん自身も例えていたが、非常に的を得た表現だと思う。

共感できる話や、思わず声に出して笑ってしまうような話、なんだか寂しい気持ちになる話、昔のことを思い出して懐かしくなるような話。一つ一つの話が濾過された水の一滴のように染み渡り、色々な感情が詰め込まれた一冊だった。自分の過ごす何気ない日々も、周りの人から見たら面白い日々なのかもしれないと思って、日記が書きたくなった。

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2024年02月18日

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花火の話で心を奪われ、スルスルと読み進めてしまった。くだらない思い出、どうでもいい思い出、そんな思い出こそ良い思い出なんだ。

サンダルを咥えたジョンの話がかわいい。
何より、僕が好きなかき氷の味もブルーハワイだ。

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2024年01月12日

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燃え殻さんのエッセイは、ドラマチックだったり、そうでなかったり。頭ごなしに否定をせず、包み込んでくれる優しい文体。諦めてきたことが多いからこそ滲み出るわき道の面白さも教えてくれる。僕も自分にとっての「エクレア詰め」や「チャイナドレス」を探したいです。

◾️好きな言葉
人は何かしら得意なことがある、と言っていたのは高校時代の担任教師だった気がする。(中略)ただそれが金儲けに直結することなのか、日頃全く役に立たないことなのか、犯罪になりそうなことなのかは、自分では選べない節がある。(中略)僕にとっての「エクレア詰め」や「チャイナドレス」は何だろうか。きっとそれは彼らのように突然にして否応なく気づかされるものなのだろう。(「ブルーハワイ」49p)

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2023年08月24日

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夏の終わりの夕暮れ。涼しいというよりかは、ちょっと肌寒いなぁって、ザワザワして、茜色の空とひぐらしのなく音が切なくなる。そんな一冊でした。笑えるのに胸が締め付けられる

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2023年08月08日

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人間って、過去を生きる人、今を生きる人、未来を生きる人に分かれるんじゃないかと最近思う。
過去、現在、未来のどれに重点を置いているか、という事なんだけど、燃え殻さんは過去なんじゃないかなぁ。
今まで体験してきた事、感じた事、消化しきれていない感情、心に留まっているセリフなんかが今の燃え殻さんを形作っていて、原動力にも、これからの指針にもなっている。
そんな勝手なイメージ。

特に好きだったのは「はい、百九十万円」「毎回同じで飽きませんか?」「僕たちには僕たちのルールがあった」の3つ。

最近燃え殻さんばっかり読んでる。
2025年は燃え殻year。

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2025年05月26日

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ネタバレ

私が今読み進めた中で1番好きだったのは
人間関係の果の果ての姿っていうやつ。
燃え殻さんの私と同じ時代に考えていたこと、
"僕はまだこれから何にでもなれると自分自身を買い被っていた時期だった。"
私がまさにそう思っていると思う。現在進行形で。
歳を取ってもきっと私は何も変わらないし、
何にもなれないと思う。海外で生活することだってないだろうし企業して社長になることだってないだろうね。
でもどこかで自分にもどこかの成功者みたいな
事が未来に起きるだろう、だから今その為に努力しなければならないと、と言うようなことを考えていたと思う。実際のところ、私は変わらずこんなんやと思う。そう思っている方が楽だよね。自分に期待を抱きすぎると苦しいから。
それから彼女さんの"つまらなくてごめんね。"
が苦しくなった。
私には凄く刺さるエッセイの1つだったなぁ。

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2025年05月11日

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現在の出来事から過去の自分に起きた出来事に繋げていく手法は面白い。
思いがけない話の展開があったり、ほろ苦い思い出や、自分を見直すような染み染みとした帰結にもっていく。
実に上手い。
不登校の同級生の花火、あなたとわたしだけの正解それを人は愛と呼ぶ、子供の頃駄菓子屋でくすねた分を大人になってかえす、生きていれば迂闊に人は幸せになれる、自分の身に起きた凡庸でかけがえのない出来事を記していきたい、よく見える楽しそうに見えるは相当の努力のもとに作り上げられる、等々。
過去の思い出と共に記されたこれらの言葉が、スルッと沁みてくる味わいがなんとも言えない魅力である。

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2025年03月19日

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燃え殻さんのエッセイ好きです。小説も好きだけど、エッセイはもっと好き。
年齢は私より少し上で、若いころに聴いていた音楽などの話題が出てきたりするから、その当時の空気感とかも一気に蘇る。そういうところも好きな理由かもしれない。

1つのエピソードが数ページで終わるのだけど(挿絵もまた味があって良い)大抵のエピソードは、日々起こるドラマチックでも何でもない話で、乾いた哀愁が漂う。
現在の状況から過去の回想に移り、そしてまた現在に戻ってくることもよくあり、そこにノスタルジーを感じる。
日常を生きていても、そういうことってある。通りかかったお店を見て「ここあの人と来たことあったなぁ」と思い出し、そこから派生して些細な出来事を瞬間的に思い出したりする。
このエッセイの良いところはそこに意味を持たせようとしていない(と感じる)ところで、何か起きた出来事や過去のことに意味付けするのは案外簡単なのだけど、実際はそんなに意味のないこともある。
経験をすべて糧にしたいとは思っているけれど、明らかに経験しないほうがよかったこともあるし。笑
だから意味付けではなく「あんなこともあったねぇ」と、肯定でも否定でもなく事実をただ振り返る、みたいな空気感が心地良く感じるのだと思った。

印象的なエピソードを1つ挙げると「気に入って毎日行くようになったお店(本書の場合は喫茶店)で常連さん扱いされると途端に行きたくなくなる」というものだった。
私も飲食店をやっていたので、大抵の人は常連さん扱いを喜ぶのだけど、そうじゃない人もやはりいるのだな、と。
「認識されたい」という自己顕示欲が強いタイプが多い世の中で、認識されることに戸惑いや少しの嫌悪を感じる人もいる。
そんな風に、有名作家になっても変わらないスタンスだから、こういう空気感のエッセイが生み出せるのかな、と思った。

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2024年05月23日

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久しぶりに時間の経過を意識せず読書に没頭できた気がする。
読む時の文章との相性があると思うけど、燃え殻はそれが良い。
日常の切り取り方が好きで、そして今の自分に響く言葉が必ずある安心感。

「ずっと忘れられない思い出や出会いより、たまに思い出す人や出来事が、実は僕のほとんどなんだと思う」

「生きていられさえすれば、迂闊に人は幸せになれることもあるんだ」

「どのみち後悔をするなら、自分で選びたいんです」

全部が響くんじゃなくて、どこかしらにはあるっていうちょうどいい信用度が、過ぎ去るエピソードも気負わずに、より気楽に読ませてくれる。

ずっとこの人の文章や生活に触れていたくなる。

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2023年10月29日

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燃え殻さんはなんてことない日常をなんだかエモく描くのがうまいな〜。もの悲しさがあるんだけど、どんよりしない、フフって笑えたり。自分にも起こっているはずのなんてことない日常をエモい感じに日記に残して数年後読み返すなどしたくなる。(続かないんだけど)

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2025年10月17日

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なんでもないとまでは言えないけど、THE日常のエッセイなのに、妙に味わい深い。
自分だったら通り過ぎてしまうような出来事なので、浅いような気がするけど、燃え殻さんが書くと見えなかった深さが現れるというかなんというか。

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2025年10月11日

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ネタバレ

もう戻れない日々をただぼんやりと思い出すとき、「俺は生きてる〜」とうっすらとだが噛みしめる。(P、155)

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2025年08月06日

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作者の記憶の引き出しの多さに感心させられる。日常の些細な機微を捉えて記憶に落とし込む能力は、長年物書きとしてアウトプットし続けている賜物なんだろうな。自分も小学生くらいまでは先生や友達のの一挙手一投足、くだらないことも覚えられていたのに。その分嫌なことも忘れられないけど、濃い人生を歩める気がして羨ましい。燃え殻さん他のエッセイも読んでみたいな。

『結果と事実だけを求めるなら、たしかなのは、僕たちはみんな死ぬということだけだ。僕たちの人生は光と影の連続で、その醍醐味は日々のグラデーションの中にあるはずだ。」

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2025年07月19日

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暗くてときに不憫な燃え殻さんの話だけど、こんなにたくさんの小さな出来事で自分もできているんだなあ、自分の人生も悪くないなあ、と思える本。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ


燃え殻さん好きだな〜

さくさく読み進められるくらい日常的なのに
こんなに非日常みたいに鮮やかに表現できるの…
すごい…

すきなお話は
常連認定されると、行くお店を変える
という内容のもの。
わたしは常連認定されたい派だけど
認定されたくない気持ちも
このお話を読んでなんとなくわかった。

このワードセンス…手に入れたいな…

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2025年01月22日

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 ほぼ全てのお話しにオチがあって面白く、どんどん読める。そんななかでも「僕たちには僕たちのルールがあった」が深くてすきだった。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

とても楽しく読めました。
ちょっとひねくれた著者が時におもしろく、時に切なく、時にバカバカしいエッセイを書かれています。
ひねくれものの私には非常に楽しくよめました。
燃え殻さんの別の本も読んでみたいです。

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2023年10月02日

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ちょっと笑えたりしんみりしたり、そうそう…って共感できたり、力をぬいて好きな時に好きなページをめくっていく、心地よい感じ。
燃え殻さんのまわりにはたくさんの出来事や人々がいて、読んでいて楽しかった。

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2023年09月07日

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【あらすじ】
ふとしたきっかけで甦る記憶の数々。淀んでいた会議の空気を変えた女の子の大ネタ、僕が放った2点の答え(1000点満点中)、「串カツ田中」が恋しくなった縛りのキツい店、J-WAVEに寄せられたお悩み相談、母の決まり文句、祖母の遺言、柴犬ジョンの教え……ギスギスした日常の息苦しさを解きほぐす一服の清涼剤。

【感想】
燃え殻さんのエッセイはすべて読んでいますが、相変わらず最高で、忙しなく余白が持てない日常の中にしっとりと染み込んでくる感じでした。
かなり時間のあるふとした時にだけ読み返したくなるようなくだらない(かなり失礼)内容の中に、人間ってこうありたいなと思える割と真面目?な話もありすごくバランスが良いエッセイでした。
文章を読んでいるけど、ラジオを聴いているような心地の良さがあり、なぜか手に取ってしまっているそんな大好きな本です。

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2023年09月07日

Posted by ブクログ

お初の作家さん。気になるペンネームで思わず手にした本。短いエッセイで、別段キラキラした話などではないがページを繰る手が止まらなくて一気読み。次もあれば読みたいな。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

乾いているようで、優しい湿り気もあり。
淡々としてるようで、振り返り、振り返りしてくれる
優しさもあって。

すーっと読み終えてしまうのだけれど、
心にどこか寂しいような温もりが残る。

他人に期待しないけれど、冷たくはない
燃え殻さんのエッセイは、いつも読後
あたたかい気持ちになる。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

まず、「燃え殻」という名前に興味を引かれた。それから、「ブルーハワイ」という題名との組み合わせの面白さ。世の中を斜めに見ているような、そうでないような、面白い文体だった。その中でも、『「いま」を一緒に味わうことを考えたい。』というところが、いいことをサラッと言うなあと心に残った。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

初めての燃え殻さん。
エッセイが日記みたいだと言われて傷ついたという話があった。
エッセイって「こういう様式」みたいな定型があったんだっけ?
小川糸さんとかも日記みたいなエッセイ出してて面白いけど。だめなの?

燃え殻さんは、自身のことをどことなく冴えないモブキャラみたいに書いている(ように感じる)が、友達が多く女性とのお付き合いも普通にしていて、色々な人生経験をしている味わい深い人。
そういう人だからこそ、エッセイが多くの人を惹きつけるんだなと感じた。

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2025年04月21日

Posted by ブクログ

日常の何気ないこと、何気ない記憶を面白い角度で教えてくれるエッセイ。

この優しい雰囲気のエッセイを他にも読んでみたくなった。

「とにかく体に気を付けなさい」「ドライブでもしようぜ」はしんみりくるもいい話だった

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

面白かった。日常エッセイ集。
日々の生活で出会う人たちのことが書かれている。仕事の人やタクシーの運転手ご飯屋喫茶店飲み屋などの店主との会話や思うところなど。
誰かに褒められると本当に嬉しそうなところが微笑ましい。文章を書くって目に見える評価がなく
不安なのかなとか考えてしまった。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

安心して読めるエッセイ。浅いんだか、深いんだかの絶妙さが心地好い。浅いようで深いのか、考えるポイントがいくつかある。とにかく面白い、独特な人達が沢山出てくるのが好き。

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2024年07月15日

Posted by ブクログ

タイトルのブルーハワイ、かき氷のシロップのことだったんだ。私は断然レモン味。
日記のようなエッセイのようなつぶやきは、真っ当で素直でそうなんだよなぁと思う。「来年になったら忘れそうな日しかないよね」と彼女は言ったという章、しみじみわかる。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和生まれの作者が見てきた時代の大きな変化と幸せの形。非日常や特別なことがとにかくいいねボタンにつながり、それが評価になる。特別なことはそんなにないし、だからと言ってすごくつまらないわけでもない。若い頃に苦労していたけれど、文章を武器に商売としての読者の読みたい文章を書くようになってきた作者。それぞれのエピソードは、あまり面白いものではないのだけが、昭和から平成、そして現代に向かって、若干のスパイスを効かせてくれる。
クルーズに乗りながら、のんびりとページを繰る。共感の声!という宣伝文句が並ぶけれど、人間的な深さなど、感じるものがあればよかったかなという気もする。

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

楽しみにしていた燃え殻さんの新刊。
本屋さんでサイン本に出会い、ほくほくしながら本棚にお迎えした。嬉しさ倍増。

燃え殻さんの作品を読むと「エモい」という感想が一番に思い浮かぶ。
なんでもかんでも「エモい」でまとめる風潮は好きじゃないのだけれど、とにかく燃え殻さんの作品は「エモい」。


エッセイを読んでいると、「え!ドラマみたい!!」と言いたくなる程、ドラマチックでユニークなエピソードが沢山。
ははあ~東京ってすごいなぁ~なんて思っていたけれど、
『「来年になったら忘れそうな日しかないよね」と彼女は言った』の章を読みながら、
すぐに忘れてしまうような些細な日常の一場面も、自分以外の誰かから見たら、または後々思い返してみたらすごく魅力的だったりするのかもしれないなぁ。などとぼんやり思った。
周りを羨んでばかりで、ついつい取りこぼして忘れてしまいがちな些細な幸せや面白さに気付けるように生きていきたいものだ。

クスクス笑える部分も多くて、とても面白かった。
それにしても、燃え殻さんひょっとしてかなりモテるのでは…!


⚫例えば、もし僕が漫画家を目指したいと思ったとする。ふとSNSを開いたら、自分と同い年、もしくは年下の衝撃的に漫画の上手い連中が、秒で見つかるだろう。若かりし頃に誰もが根拠なく抱く、自分への淡い期待。 他人への悪 意なき承認欲求。そんなものは、マッハで木っ端微塵になってしまう時代に僕たちは生きている。

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2023年08月19日

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