あらすじ
ふとしたきっかけで甦る記憶の数々。淀んでいた会議の空気を変えた女の子の大ネタ、僕が放った2点の答え(1000点満点中)、「串カツ田中」が恋しくなった縛りのキツい店、J-WAVEに寄せられたお悩み相談、母の決まり文句、祖母の遺言、柴犬ジョンの教え……ギスギスした日常の息苦しさを解きほぐす一服の清涼剤。
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Posted by ブクログ
私が今読み進めた中で1番好きだったのは
人間関係の果の果ての姿っていうやつ。
燃え殻さんの私と同じ時代に考えていたこと、
"僕はまだこれから何にでもなれると自分自身を買い被っていた時期だった。"
私がまさにそう思っていると思う。現在進行形で。
歳を取ってもきっと私は何も変わらないし、
何にもなれないと思う。海外で生活することだってないだろうし企業して社長になることだってないだろうね。
でもどこかで自分にもどこかの成功者みたいな
事が未来に起きるだろう、だから今その為に努力しなければならないと、と言うようなことを考えていたと思う。実際のところ、私は変わらずこんなんやと思う。そう思っている方が楽だよね。自分に期待を抱きすぎると苦しいから。
それから彼女さんの"つまらなくてごめんね。"
が苦しくなった。
私には凄く刺さるエッセイの1つだったなぁ。
Posted by ブクログ
昭和生まれの作者が見てきた時代の大きな変化と幸せの形。非日常や特別なことがとにかくいいねボタンにつながり、それが評価になる。特別なことはそんなにないし、だからと言ってすごくつまらないわけでもない。若い頃に苦労していたけれど、文章を武器に商売としての読者の読みたい文章を書くようになってきた作者。それぞれのエピソードは、あまり面白いものではないのだけが、昭和から平成、そして現代に向かって、若干のスパイスを効かせてくれる。
クルーズに乗りながら、のんびりとページを繰る。共感の声!という宣伝文句が並ぶけれど、人間的な深さなど、感じるものがあればよかったかなという気もする。