あらすじ
ある料理やお酒を口にするとき、ふと思い出してしまう“あの日、あの人”を描く。
人気作家・燃え殻氏初の長編エッセイ集。
読まれたい日記/浅煎りコーヒー
〈会おうか?〉/アスター麺
「ミャア」/生姜焼き定食
「美味しい」と彼女は言った/シーフードドリア
でたらめなおまじない/ピザトースト
「どうだ? うまいだろう?」/チャーハン
雨、しばらく止まないみたいですよ/ハイボール
きれいに騙して/風俗嬢のお弁当
ちょっと、上がっていかない?/おにぎりと味噌汁
子どもと大人の家出事情/チョコレート
「信用金庫のカレンダーみたい」/冷たい唐揚げ
有名になってどうするの?/チョコモナカジャンボ
フーテンのドゥ/ガパオライス
COLUMN/恋しくなる味 Q&A
Q 落ち込んだ日はなにを食べますか?
Q 定番の朝食は?
Q 特に思い出に残るレストランや食堂は?
Q “最後の晩餐”になにを選ぶ?
Q そば派? うどん派?
Q もう一度食べたい、忘れられない料理は?
「いや、お前は別だよ」/焼肉
全国まーまーな定食屋友の会/生姜焼き定食
「チョコミントみたい」/グラスホッパー
深夜の同志へ/牛丼
やり過ごすしかない時間/キーマカレー
八十三点と七十九点を彷徨う世界/シェフの気まぐれサラダ
「最後まで自分がついてます」/洋菓子『ハーバー』
ロマーリオにドリブルなら勝てる/冷えた焼きそば
あぶない刑事とジョン/ミートソースパスタ
デトックス、デトックス♪/精進料理
「みんなの分はないから、内緒よ」/いちごみるくキャンディ
「青春とは?」「笹塚」/カレーライス
季節のお便りおじさん/鍋
「イタダキマス!」/一風堂のラーメン
大人の約束は時間がかかる/餃子と高級鮨
今日は何日で、あなたはどなたですか? /サッポロ一番塩らーめん
大雑把な暮らしのススメ/卵かけごはん
「海でも行きたかったね」/高い海鮮丼
「コーコー、ひとつ」/パスタ
人生は何度かはやり直せる/味噌ラーメン
彼女は名物になびかない/『東京ばな奈』
母の涙/ミートソースパスタ
「よし、明日は海に行こう!」/金目鯛の煮付け
褒められて伸びるタイプです/鯵の干物
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ただ、ひたすらに好き。
情景が思い浮かぶところとか、終わり方の余韻とか、ご飯が美味しそうなところとか、全体的に切ないけど悲しすぎないところとか。
燃え殻さんの文章は長らく覚えてはおけないのだけど、読んだら確実に幸せになって、まあいっか、と生きていけるような気がする。
新刊が出たとのことなので買いたい気持ち。
Posted by ブクログ
燃え殻さんの思い出の食べ物と共に思い出される人との記憶。それは、バーだったり、キャバクラだったり、ラーメン屋だったり。食べ物と人の記憶が結びつくところが素敵。私だったら、この食べ物の時はこの人との記憶とすぐに出てくるだろうか。母との思い出を描いた「母の涙 ミートソースパスタ」は泣ける。悲しさや寂しさを表現し、受け止めてくれる人、感情を共有できる人がいるだけで少し生きやすくなること、そして何より燃え殻さんが人との出逢いを大切にし、人をよく観察していることが伝わってきた。妻との思い出を格好つけて語るマスターの話「読まれたい日記 浅煎りコーヒー」父の下手くそなチャーハン「どうだ?うまいだろう」死にたいイラストレーターと電話越しにアイスを食べる「有名になってどうするの?チョコモナカジャンボ」隣人の女性とカレーライスをシェアする「青春とは?」「笹塚」祖母との楽しい思い出、「褒められて伸びるタイプです 鯵の干物」が好き。食べ物を見る度にその人が思い浮かぶことが素敵なことであり、私も人に会いに出掛けたくなった。
Posted by ブクログ
燃え殻さんのエッセイには同世代の空気感を感じる描写が多い。青春時代を送った90年代や昭和の子どもの頃の話しは懐かしい、もう戻らない日々への若干の哀しみが思い起されてノスタルジックな気持ちになる。
情報過多の毎日で少しでも他人より優れた何かを持っていないと社会から落ちこぼれたり、取り残されたような気になる今の世の中。
間違えている方に進んでいるのは、分かっているが進まざるを得ない。そんな時に燃え殻さんの書く文章を読むと、そうじゃないだろと諭されている気になる。
今作は、食べ物にまつわるエッセイをまとめた本だが、どれもやっぱり少し物哀しかったり、ユーモアにも少し陰があったり、表面上では分からない人の内面を描いていて良かった。
特に「母の涙 ミートパスタ」は泣けてしまった。
Posted by ブクログ
相変わらずのふわふわした文章の中に、ちょこと引っかかりをもったエピソードがたまらなく良い。
人は成功するためにいきてるんしわゃないんだよ。納得するために生きてるんだよ。
何度か作品に登場するイラストレーターの女性。
ミートソースパスタ。
迂闊に行動できる人にしか成功は生まれない。
生きていく恥ずかしさや痛いところを、暗くなく明るくなく漂う文章をまた読みたくなってしまう。
Posted by ブクログ
燃え殻さんの家族が出てくる話が特に好きで、「母の涙」は読んだら切なく苦しくなるくせにすでに何度も読み返した。
褒めまくるおばあちゃんの話も好き。燃え殻さんの子供の頃や若い頃の話を読んでいると、決して幸せとは言いづらいエピソードも沢山あるのに、こういう素敵な人がすぐそばにいたから、なんとなく全体がふわっと幸せに感じるのかなぁと思う。
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著者の食にまつわるエッセイ。
序盤から燃え殻ワールド全開で安心する。
同世代の共感でうなずきニンマリしてしまう。
行き詰まった時のエスケープ話も健在。
出会う人のキャラの濃さに驚く。
こどもの頃の話は毎回涙を浮かべてしまう。
Posted by ブクログ
【感想】
大好きな燃え殻さんのエッセイ新作。
今作は食と共に色々な人とのやりとりが掲載されており、燃え殻さんらしい心にスッと入り込んでくるエッセイ集で、心が疲れた時に読む一冊がまた増えた。
『会おうか』や『美味しいと彼女は言った』で描かれる関係性がとても好きで、白黒をつけたがる今の風潮の中で、グレーな関係や説明ができない関係が人には必要なんだろうなと本当に感じる。
【あらすじ】
いつかのあの人を思い出す“恋しくなる味”がテーマ
本作は、ある料理やお酒を口にするとき、ふと思い出してしまう“あの日、あの人”を描いたエッセイ。さまざまなメニューにまつわる味の記憶と、その食べ物から思い出される人とのちょっぴり切ない、まるで物語のような話を展開。
Posted by ブクログ
大好きな燃え殻さんのエッセイ。今回もとても良かった。
食に絡めて色々な過去を回想する。あーその感情...うんうん...いいなとなる。読みながら自分の思い出の味も思い出して温かい気持ちになった。
Posted by ブクログ
燃え殻さんの「食」をテーマにしたエッセイ。
「食」をテーマと言っても、「食べ物のメニュー」に
ちなんで思い出すエトセトラが綴られているので、
仕事や家族や友人、恋人や、それ未満などなど、
様々なお話が詰まっている。
どのお話も、ラストはちょっぴり切なかったり、笑えたり、希望が持てたり・・・と余韻がほどよく温かい。
同世代なので、感覚がとても近いのも、しっくりくる要素かもしれない。
肩の力を抜いて、友人と語り合っているような空気感が心地よくて、あっという間に読み終えてしまった。
でも、不思議とジーンとくる言葉もあったりして、やっぱり好きだなぁと思う。
以下、印象に残ったフレーズを幾つかご紹介
「冷たさもマズさもどうでも良くなるほどに、嬉しい食事というものがある。」
「結局、四十代半ばまで、父と酒を飲んだことは一度もなかった。大人同士の約束は、ときに月日を要する。果たされず、約束を交わした事実だけが標本のように大事に保管されることすらある。」
「寂しいときに「いま寂しい」と言えるのが、家族なんだと思う。悲しいときには「悲しい」と、不安なときは「不安なんだ」と伝えられるのが家族なんだと思う。いや、「家族」じゃなくてもいい。弱さを見せられる人がそばにいてくれたら、悲しみや不安をなんとか越えられるんだと思う。本当にそう思う。」
「大きい「報われ」じゃなくていい。日々の小さな行動を褒めたり、褒められたりするうちに、きっと、スッと挑戦できるようになる。応援できる人になる。迂闊に行動できる人にしか、成功は生まれない。失敗も生まれないが、なにもなかったよりはいいと思える日が必ずくる。」
Posted by ブクログ
料理にまつわる思い出を綴ったエッセイ。
特に子どもの頃の話が心に残った。
手間暇かけて作ったキーマカレーの皿を落として床にぶちまけてしまい、無言で怒る母の姿。
著者と妹だけで留守番中に起きた、切ない出来事。そして現在の母に対して抱く想い。
おねしょを治すためのおまじないを教えてくれた駄菓子屋のおじさん。
必ず大げさに褒めてくれるおばあちゃん。
その時は切なく悲しい思いをしたとしても、いつかは懐かしさと共に思い出せる日がくる。
だから大丈夫。
そんな優しさに満ちたエッセイだった。
Posted by ブクログ
料理にまつわるエピソード。料理とセットでふと思い出すあれこれ。燃え殻さんの文章を読んでいると良い出来事も微妙な出来事もクスッと笑える優しくて懐かしい思い出として蘇るのが素敵だな。
Posted by ブクログ
燃え殻さんのエッセイは心地いい。
今回は味と記憶のお話。
どのエピソードにも優しさと寂しさが共存していて切ない気持ちになる。
特に刺さったのは
「読まれたい日記」
「有名になってどうするの?」
「母の涙」
刹那的な生き様に胸が締め付けられた。
燃え殻さんと殆ど共通点がない私だが、サッポロ一番塩らーめんを作る時、途中で卵を入れて半熟にするのは一緒。
今度から卵を割り入れる度に思い出しそう。
燃え殻さんの作品を読むと、何気ない日常の大切さに改めて気付かされる。
今はもう口にする事が出来ない亡き父の手料理を思い出し胸が一杯になった。
Posted by ブクログ
生きるために私たちは食べることを積み重ねていく。きっと誰しも忘れられない味があって、その思い出の中でしか出会えない人がいるだろう。
苦々しかったり、しょっぱかったり、お世話でも美味しいとは言えない料理も特別だったんだと今なら思える。
Posted by ブクログ
はい、大好き燃えちゃん新作エッセイでございます
あいかわらず良き一冊(*´ェ`*)
くだらないこと、しょーもないこと、ウルッとくること、感動すること、笑えること…
燃え殻さんのエッセイは読む度に心を満たしてくれます
しかも、今作は長編エッセイ
Qちゃん満足です!
心を満腹にしたい人は一家に一冊燃え殻エッセイです!
最近、ちょっと忙しくてお疲れ気味です…
燃え殻さんでエネルギーチャージ!
さ、明日も頑張ろうᕙ( • ‿ • )ᕗ
そんなこと言ってる間にもう日付変わってるぞ!
疲れてるなら、はよ寝ろ!
Posted by ブクログ
燃え殻さんのラジオを拝聴してこの本を知りました。ラジオから聴こえてくる燃え殻さんの心地良い声で、この本が脳内再生されてとっても穏やかな時間でした。
食べ物にまつわる燃え殻さんっぽいエピソードたちに癒されます。
Posted by ブクログ
鬱々としているようで、どこかさっぱりしている感じに惹かれて、新刊を手に取った。
思い出の味を思い出と一緒に語っていて、センスあるなあと思う。
一番心に残って面白いと思ったのは、「丁寧な暮らしが、よく雑誌やテレビで取り上げられるが、あんなものでは荒んだ日常で疲れた心と身体は癒されない。」というところ。
人生の酸いも甘いもごちゃ混ぜになっているけど、一本筋が通っていて、元気づけられるのがいいのかなと思った。
Posted by ブクログ
文庫本が出てからでもいいかな、とも思ったけれど、誕生日に発売されるし、著者ご自身も集大成とおっしゃられていたので、単行本で購入。鉄板の面白さでした。
GWはこの本しか読み終わらなかった。ずっとプロレス観ていたGWだった。