燃え殻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『あのさ、やっぱり今日の夜さ---』
前作『ボクたちはみんな大人になれなかった』と同様に、なんか鼻の奥にツンと感じるようなノスタルジックさ。
あぁー、エモいなー。
きっと主人公にとっても、この過ぎ去っていった夏は、在りし日のセピア色に焼けた思い出として、先の未来でもふとした時に回想していくのだろうな。
それが自分にとって『これはただの夏』だと、言い聞かせたとしても。
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その瞬間、手にしたかったものが、目の前を駆け抜けていったような気がした……。
「普通がいちばん」「普通の大人になりなさい」と親に言われながら、周囲にあわせることや子どもが苦手で、なんとなく独身のまま、テレビ制作会社の仕事に忙殺されながら生きてきてしまった「ボク」。
取引先の披露宴で知り合った女性と語り合い、唯一、まともにつきあえるテレビ局のディレクターにステージ4の末期癌が見つかる。
そして、マンションのエントランスで別冊マーガレットを独り読んでいた小学生の明菜と会話を交わすうち、ひょんなことから面倒をみることに。
ボクだけでなく、ボクのまわりの人たちもまた何者かになれず、何者かになることを強要されていたのかもしれない……。 -
Posted by ブクログ
本屋でなんとなく目に入りなんとなくページをパラパラとめくってみると、各エッセイのタイトルたちにとても心を惹かれて購入。(「おっぱい、足りてる?」「エッチ妄想の交換日記をしませんか?」など、ほほ〜面白そうだぞと直感で)
燃え殻さんのことは今まで存じ上げなかったのだが、感性がとても似ているというか共感できて、またひとり好きな作家さんを見つけることができて嬉しかった!
ひとつひとつのエッセイは短いのだが、ふふっと笑ってしまうもの、ウォッと考えさせられるもの、ちょっと切なくなるもの、どれも色んな感情になって読んでいて楽しかった。
ちょっとした言葉の言い回しとかがすごくツボだった。 -
Posted by ブクログ
ドラマ化もされた燃え殻さんのエッセイ「全て忘れてしまうから」の続編となる本作。
基本的には燃えさんの日常と絡めて描かれるエッセイなのですが、そこに時間軸は合ってないようなものです。過去や現在(数年間)を思い返し、繋げてエッセイとしてまとめられています。
どこかドラマ的で情景を思い出せるようにも思いつつ、脚色しすぎで恥ずかしくなるような気持ちになったり。(脚色などしてないのかもしれませんが)
一つ一つの出来事が美しく、面白くまとめられています。
一つの記事が2000文字程度なので集中しなくても読めるので久々の読書の方にもおすすめです。
私も33歳になり "この間”という言葉は先日や先週などではなく、いつの間にか数年前をさす言葉になっていました。
ただ、この作品を読むと自分の中に溜まっていた物語が少しづつ繋がっていくような気持ちになり、歳をとるのも捨てたものではないな、なんて思わせてくれました。 -
Posted by ブクログ
とてもとてもとても良かった。
読み終わってしまうのが勿体無くて、本を閉じたり、ちびちび読み進めたり。
クスクス笑えたり、心の痛いところをトン、と刺激されたり(上手く言えないがグサッではないのだ)。
燃え殻さんの文章と、長尾謙一郎さんのイラストが造る世界観がたまらなく美しい。
「すべて忘れてしまうから」と合わせて、大好きな本になった。
燃え殻さんの作品を読む度に「エモい」とはこの事か、と思う。
何でもかんでもエモいで纏める風潮は好きでは無いのだけど、燃え殻さんはエモい。
「エモ…(放心)」「エッモ…(絶句)」「エモ!!!(荒)」の繰り返し。語彙喪失。
読み終わった後の余韻もエモい。エモいに浸ってる。
いいなあ、大好きだなあ。
⚫あの頃の僕には夢も希望もカネもなかった。ただ有り余る時間だけはあった。もしかしたらその状態を、人は「青春」と呼ぶのかもしれない。
⚫この世に「生粋の社会人」なんているのだろうか。みんな「劇団社会人」に属していて、それらしく演じるのが上手い人と下手な人がいる、ただそれだけな気がしてならない。
⚫日常生活は、基本的に大事件は起こらない。盛大なオチとも無縁だ。だからといって、 日常がつまらないわけではない。過去に逮捕歴はない。過去に何かの受賞歴もない。でも過去がつまらなかったわけじゃない。僕たちの人生は、なぜか忘れられなかった小さな思い出の集合体でできている。 -
購入済み
あの頃に戻れた魔法のような作品
読んでる間にいつのまにか自分の過去と重ね合わせていて、自分にとっての90年代にノスタルジーな想い出を鮮明に蘇らせていた。涙なしでは読めなかったです。もう今日1日は過去に浸ろうと思います。
わたしは今は40半ば、、90年代後半は20代前半新宿を生活の場とし、当時の彼女と何をするにも共に過ごしました。あの時代の空気がこの作品には魔法の如く詰まってました。
そして今はスマホの時代に変わり、知らぬ間にLINEの友達に彼女と繋がりができてる、、もちろん連絡はできませんが、気にならないわけはないので、ごくたまにプロフィールまでは見てしまう現在。
あの時代あの場所に生きてた方にはぜひこの作品をオススメしたいです、あの時代を追体験できます。
しかし、逆に時代も場所もリアルがあってない方には、、共感できる部分も少ないかもしれないので特におすすめはできません。 -
Posted by ブクログ
キッパリ言い切ってしまうと哀しくなるけど、私は今の自分にさっぱり自信がない。
とにかくネガティブで何をするにも不安だし、キラキラ輝いてる同世代を見ては、どうせ私は…と卑屈になり、羨ましいくせに斜に構えた見方をして自己嫌悪したり。少しでも自分を好きになりたくて藻掻く日々だ。
この本は、そんな弱くて暗い、自分の大嫌いな部分もひっくるめて肯定してくれた気がした。
暗くて弱いのは仕方ない。前向いて、自分なりにぼちぼち頑張りましょうか。
そんな、ネガティブなんだかポジティブなんだか分からない気持ちだけど、とても希望を貰えた。読んで良かった。
⚫この二十年、社会の隅で仕事をしながら僕は、日々「漠然とした不安」を抱えて生きてきた。「これから一体どうなるんだろう」と思って生きてきた
「なーんだ、いろいろあるが、いつも通りの漠然とした不安じゃないか」
明日から仕事初めでザワザワソワソワしていたけど、この部分にすごく勇気付けられた。
「なーんだ、いつも通りの漠然とした不安じゃないか」精神で明日からまた頑張る!
挿絵も色遣いが綺麗でつい見蕩れてしまった。
薦めてくれた友に感謝。
⚫「逃げちゃダメだ!」は自己啓発本の常套句だ。それもあるひとつの真実だとは思う。だけど、「逃げた先に見付けられるものもあるかもしれない」と注釈でいいから書いておいて欲しい。
⚫他人に誇れる今かは、よく分からない。ただ自分自身には、何もなかったよりは良かったじゃないか、と言い切れる今がたしかにある。
⚫偉そうにするなよ。疲れるから。
⚫各々が無心になれる何かをずっと続けられることが、勝った負けたなんてチンケなことを考えなくてもいい状態を作ってくれるんじゃないのかな