あらすじ
ベストセラーになった『ボクたちはみんな大人になれなかった』の 燃え殻による、待望の第2作!
ほぼ忘れてしまった出来事だらけで、文章の途中で立ち止まってしまった。やっぱり書いておいてよかった。あの夜、編集のTさんに無理やり誘ってもらってよかった。だって良いことも悪いことも、そのうち僕たちはすべて忘れてしまうから。―――――本書より
いまはもうない喫茶店、帰りがけの駅のホーム、予定のなかったクリスマスイブ、入院した病院の天井、安いビジネスホテルの廊下、知らない街のクラブ、朝のコンビニの最後尾、新幹線こだまの自由席、民宿の窓でふくらむ白いカーテン、居場所のないパーティー会場――。
ふとした瞬間におとずれる、もう戻れない日々との再会。ときに狼狽え、ときに心揺さぶられながら、すべて忘れてしまう日常にささやかな抵抗を試みる「断片的回顧録」。
装画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家、長尾謙一郎
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Posted by ブクログ
キッパリ言い切ってしまうと哀しくなるけど、私は今の自分にさっぱり自信がない。
とにかくネガティブで何をするにも不安だし、キラキラ輝いてる同世代を見ては、どうせ私は…と卑屈になり、羨ましいくせに斜に構えた見方をして自己嫌悪したり。少しでも自分を好きになりたくて藻掻く日々だ。
この本は、そんな弱くて暗い、自分の大嫌いな部分もひっくるめて肯定してくれた気がした。
暗くて弱いのは仕方ない。前向いて、自分なりにぼちぼち頑張りましょうか。
そんな、ネガティブなんだかポジティブなんだか分からない気持ちだけど、とても希望を貰えた。読んで良かった。
⚫この二十年、社会の隅で仕事をしながら僕は、日々「漠然とした不安」を抱えて生きてきた。「これから一体どうなるんだろう」と思って生きてきた
「なーんだ、いろいろあるが、いつも通りの漠然とした不安じゃないか」
明日から仕事初めでザワザワソワソワしていたけど、この部分にすごく勇気付けられた。
「なーんだ、いつも通りの漠然とした不安じゃないか」精神で明日からまた頑張る!
挿絵も色遣いが綺麗でつい見蕩れてしまった。
薦めてくれた友に感謝。
⚫「逃げちゃダメだ!」は自己啓発本の常套句だ。それもあるひとつの真実だとは思う。だけど、「逃げた先に見付けられるものもあるかもしれない」と注釈でいいから書いておいて欲しい。
⚫他人に誇れる今かは、よく分からない。ただ自分自身には、何もなかったよりは良かったじゃないか、と言い切れる今がたしかにある。
⚫偉そうにするなよ。疲れるから。
⚫各々が無心になれる何かをずっと続けられることが、勝った負けたなんてチンケなことを考えなくてもいい状態を作ってくれるんじゃないのかな
Posted by ブクログ
必死になって頑張りすぎなくてもいいんだなと思えるような、肩の力を抜いてくれるような、そんな読後感。
くすっと笑える話やリアリティのある話、燃え殻さんの本を読んでいると「生きている」という感じがします。
Posted by ブクログ
燃え殻さんのエッセイは疲れているときにちょうどいい。考えなくても深く感じとらなくても、ただ読んですーっと心に沁みて去っていく。
私のモヤモヤとか悩みを解決してはくれないのに、ちょっとだけ心がかるくなったような気がする。
短くて、カラフルなのに決して明るくはないたまにエッチな挿絵があって、そういうのが疲れた心にちょうどいい。
Posted by ブクログ
約2年前、ふらっと立ち寄った大型の本屋さんで、偶然見つけてしまったときのことを今も覚えている。
目を引く表紙にどこか切ないタイトル。
エッセイだということも知らずにすぐに買ってしまった。
(普段エッセイはあまり読まない)
当初、タイトルの意味を、【どうせいつか忘れてしまうから、忘れないように書き記しておこう】だと思っていた。
でも読んでみると、【どんな嫌なことも忘れてしまえるよ。大丈夫。】という意味でもあるんじゃないかと思えてきた。
日常の不条理ややるせなさを、独特の視点で紡いでいく。
読んでいてやるせないのに、大丈夫だと背中を押してもらっているような気持ちになる不思議な本。
悲しみや切なさの中に、くすりと笑える箇所もある不思議な本。
2年前は知らなかった佐伯ポインティを今はばっちり知っている自分にも、くすりとしてしまった笑
あの時すぐに買ってしまったこと、今では誇りに思っている。
Posted by ブクログ
「逃げちゃダメだ!」は自己啓発本の常套句だ。だけど、「逃げた先に見つけられるものもあるかもしれない」と注釈でいいから書いておいてほしい。
「死にたい」は感情の中でメジャーです。でもあまりに無個性なので「死にたい」を「タヒチに行きたい」に変えてみるとどうでしょう。
ーーーあなたは死にたいんじゃない。タヒチに行きたいんです。ちゃんと飯を食ってますか?誰より長生きしてください。長生きって最大の復讐です。
生きていると全部が、元には戻らない。壊れた部分は壊れたまま、抱き抱えながら生きていくしかない。
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ココロをわずらうと、周りの風景(現実/心象)の見え方がガラリと変わるように思います。燃え殻氏の目で見て、燃え殻氏の言葉で語られる世の中は、私にとってはとても温かいものでした。苦(にが)くて、情けなくて、でも笑える。とりあえず、明日一日は生きてみようかな。──毎日、それを繰り返して“ボチボチ”生きてみよう。
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一つ一つの何気ないエピソードが、何故か既視感があると言うか、自分にも似たようなエピソードがあったような、そして自分も同じ事を感じたんじゃないだろうかと感じさせる不思議な一冊。
燃え殻さんの文章には謎の心地よさがある。
Posted by ブクログ
深夜、阿部寛さんが主演でやってた同名のドラマを見てこの本にたどり着いた。
小説じゃなく、エッセイ集だったんだね。
他人にはわからない、特に伝えるほどでもない位の自分の中の可笑しみだったり、やるさなさだったり、懐かしさだったり、そういう諸々を吐露してるって感じで面白く読めた。
特に面白かったのは「サービスの国の住人たち」匂い立つ香ばしさの嘘って!声出してわらっちゃった(笑)
その時の気持ちや感情もいつかはすべて忘れちゃうんだからこんなエッセイがあってもいい。
またいつか読み返してみたくなる一冊になるかも。
Posted by ブクログ
みんなの記憶のどこかに、ありそうでなさそうな断片的なコラム集。もちろん昼でも良いけど、なんとなく寝れない夜に読むのおすすめですね。
明かりを小さくして、ぼんやり読んでも良いと思います。
Posted by ブクログ
1話が4ページ(絵1ページ)で構成されていてスキマ時間に読みやすかった。(面白くて結局一気に読んでしまったけど笑)
漢字を使い分けていたり(哀しい(他人への他人と関わることで)、悲しい(自分自身))ひらがなと使い分けていたり(わかる、分かる)、気持ちが読み取りやすかった。
目次を見ていて内容は想像できたけど、読んでみると想像以上でエピソード濃すぎた。
クスッと笑ってしまうような話が多かった。和製マイク・タイソンの話のようにエピソードに微笑むものもあれば、作者の社会に対する疲労や自信のなさにこんなに素敵な文を書く人なのにとギャップの可愛らしさに萌えていた。
生きていてしんどい時、辛い時に読みたいと思いました。逃げてもいい、と励ましてくれる。けどあの世じゃなくてタヒチに行けといわれるのがいいな
苺の絵が多いけど、内容に苺が出てこないのはなんなんだろうかわいいからかな、あれ出てきたっけ?忘れてしまった
Posted by ブクログ
何冊読んでも心地良い燃え殻作品♪
叙情的、哀愁が漂う感じ、たまにユーモアを交えた自虐ネタなどもあり、燃え殻さんが書く文章はやっぱり良い!
本作は燃え殻さんがいつか忘れてしまう、でも心のどこかに留めておきたい記憶の断片を綴った一冊
特に気に入った一篇は、
『偉そうにするなよ。疲れるから』
スーパーマーケットを営んでいた著者の祖父
理不尽な文句を言ってくる客に対してもいつも深々と頭を下げて謝る
入院したときも、看護師さんに「ありがとうございます」と深々と頭を下げる
なぜここまで頭を下げる…?
答えは…
みなさん、「鼻を上にあげてみて」
(鼻の穴が丸見えになるくらい顔をあげてみて)
その体勢、疲れません?w
頭を下げる方が楽なんですよ
「いいか、偉そうにするなよ。疲れるからな」
「分かったよ」
これが、著者と祖父の交わした最後の会話だったそうです…
Posted by ブクログ
初読みの作者さんです。
多分私は同じ年代位です。
作者さんのお名前がなんとなく同じ世代な気がします。
作者さんのエッセイ、日常なんかが備忘録のように書かれていています。
読んでいると作者が話しているのを聞いているような感覚になります。
そうだった、そうだったとか、そんな事があるんだーと思いながら読み進めて。
感想はでもそう確かにすべてかは分からないけれども忘れてしまうかな…。
Posted by ブクログ
ふとした時に記憶の奥底から蘇る、
楽しかったこと辛かったこと嬉しかったこと悲しかったこと。。
人生って忘れたり思い出したり美化したり色褪せたり、
そんなことの繰り返しで作られていくんだろうなぁ。
ツタンカーメンの夜のエピソードがなぜだか心に深く刻まれた。。
Posted by ブクログ
燃え殻さんのイケてるとはいえない、中の下(あくまで私の感覚だけど)日常が、短いエッセイを読み進めるうちに、あぁこれもアリで、ある意味幸せなのかも。と思えてサラッと読める。
一話ごとの挿し絵が燃え殻さんの妄想オンリーじゃないかと思わせる所もふふっと笑ってしまう。
Posted by ブクログ
タイトルに帰着する。
そのときはなんでもないことやしょうもないことも、時が経って違う感情で迎え入れる出来事がある。
もう戻れないその一つひとつが、温かさをもって書かれた一冊。
Posted by ブクログ
ささっと読めて、面白かった
セックスしなくても幸せだった夜
偉そうにするなよ。疲れるから
この週刊誌、買いにくいわぁ
僕は今でもアイスは噛んで食べる
今夜は悪口かエロ話だけにしましょう
このあたりの話が好きだった
Posted by ブクログ
・大槻ケンヂ リンダリンダラバーソール
・浅生 鴨(あそう かも)
・ラビリンス…迷宮・迷路
・きっと今日も僕はリサイクルされている
・スタンダップコメディ…コメディアン一人で観客の前に立ち生でネタを披露するコメディ手法
・偉そうにするなよ。疲れるから
・知らない土地のレストランに当てずっぽうで入るの。そこで出てきたパスタを一口食べて、あまりのうまさに近くに住みはじめちゃうわけ
・糸井 重里(いとい しげさと)…コピーライター
・それがお金に繋がるか、繋がらないかはあるにしても、人は誰しも生まれながらにして、何かの天才だと思う。
・鼎談(ていだん)…三人が向かい合って話をすること
・この週刊誌、買いにくいわあ
・ヘラヘラ笑うことが、せめてもの抵抗だった
・記憶は優しい嘘をつく
・会議のための会議、目配せばかりの人間関係、普通を尊ぶ両親、満員電車からは解放された
Posted by ブクログ
タイトルから惹かれて手に取ってみた
エッセイとは知らず、エッセイは読まず嫌いなとこがあったけど嫌悪感無しでスラスラと読めました。
異性、年齢も違うけどあの時代この時代と重なる。
章の変わるタイトルも気に入りました。
Posted by ブクログ
初読み著者のエッセイ。
赤裸々な体験を淡々と語られるので、読みやすい。
そして、面白い。
中でも
「逃げて逃げて今がある」
「死にたいんじゃない。タヒチに行きたいんだ」
「偉そうにするなよ。疲れるから」
「やっぱりすぐ『わかる』って言う奴はダメだと思うんだ」が共感出来て良かったです。
Posted by ブクログ
燃え殻さんの本は初めて読みました。
とても感受性豊かで繊細な方なんだなという印象です。
日常のちょっとした出来事が、実はかけがえのないことだったり。
共感できることがたくさんあるエッセイでした。
Posted by ブクログ
ちょっと病んでて、さびしいようなおかしいような。一つの話が短くて、夜に少しずつ読むのによかった。このエッセイがあのドラマになったのか。覚えているエピソードがいくつかあった。
Posted by ブクログ
ただの日常も、なんだか愛しいと思える。
嫌なことも、よかったことも
ひとつひとつ、自分の一部なのだ。
よくなかったことは、ネタにしてしまえ。
よかったことは、忘れる前に書いておくといい。
人生、ま、なんとでもなる。
Posted by ブクログ
僕も死にたいと日に一度は思います。『つらい』、これに至っては日に一度では済みません。『死にたい』は、感情の中ではメジャーです。でもあまりに無個性なので、『死にたい』を『タヒチ行きたい』に変えてみるとかどうでしょう。バカ言ってんじゃねぇと思うかもしれませんが、僕はそうしてます。あなたは死にたいじゃない。タヒチに行きたいんです。誰よりも長生きしてください。長生きって最大の復讐です。
Posted by ブクログ
若い著者かと思いきや初老の方なのですね。
世代が違うため理解できないところも多々あり、特に昭和のバイオレンスな記述の部分は恐ろしささえ感じました…。
一つの小話が4頁くらいなのでサクサク気楽に読めると思いきや、先ほどの暴力や生死に触れている話も多くだんだん紙を捲る指が重くなるようでした。。昭和の濃い残り香を楽しみたい方は楽しめるのかも。人を選ぶかと思いました。
Posted by ブクログ
燃え殻さんのエッセイ50篇が収録。
合間に長尾謙一郎さんのイラストが挟まれる。
燃え殻さんの回顧録は哀愁が漂い、どこかおかしみもあるのだが、なぜだか寂しい気持ちになって来る。
作者のエピソードを読みながら、それに呼応する様に自身の記憶が刺激され、数々の出来事が蘇る。
嬉しかった事も楽しかった事もたくさんあったはずなのに、思い出すのは悲しかった事や辛かった事だったりしてなんだか切ない。
自分にとってかけがえのない大切な人が死んでも世の中は何ら変わりなく規則正しく過ぎて行く。
タイトルを見返し刹那の悲しみに浸る読書時間。
Posted by ブクログ
エロデューサー・佐伯ポインティが出てきた。
次女のお気に入り。
「今夜は悪口かエロ話だけにしよう」という項。
いいね。
悪口とエロ話。
本全体としては、まぁ読みやすくていい本かな。