エラリイ・クイーンのレビュー一覧

  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕

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    ハヤカワの新訳、クイーンをこの頃読み続けてきたけれど、久々に(ゴメン)面白かった!
    と、いうか、やっぱり私は見立て、マザーグースが好きなのだと思う。
    題名からして、あ~『靴の中のおばあさん』なのねって(他の訳、多々あるけれど)思ったし、ちょっとアレ~な子ども三人って事も、不謹慎ながらもワクワクした。
    まさかのクイーンの嘘八百や、シーラの「え!」もコーネリアの、「わぁ!」も楽しめた。ライツヴィルシリーズ、国名シリーズよりもこんなに面白く読み終えたクイーンは他になかったかも。

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    2023年01月15日
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕

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    ネタバレ

    エラリー・クイーンの越前先生による新訳。

    ライツヴィルでの事件にまた引き込まれてゆくエラリー。迎えに来たのはなんと!穢れを知らぬ世間に染っていない女性、リーマ。

    この本の印象を一言で後々語るとしたら、
    連続殺人事件でもなく、童謡による見立て殺人事件でもなく、え?と思わせたおとり捜査でもなく、一言!リーマという女性の登場!でしょう。
    魅力的で理知的で妖精のよう。
    これまで読んできたクイーンの本に中にこれほどの女性、でてこなかったですよね。

    さて、事件はのことは、と言えばまた最後に切なさの残る…とだけ記しておきます。

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    2022年09月20日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    ライツヴィルでの事件を扱うエラリー・クイーン。三作目。
    大富豪とその若い妻、そして義理の息子、三人に瑣末な事柄までを解決して欲しいという探偵。読む側にしてみればそんな事まで引き受けて!と怒りたくなる。我らがクイーンが、なんと宝石泥棒の謗りも受け…
    でも、殺人事件にまで事態は悪化して、まさかの『十戒』にまでその構想は至る。
    クイーンの推理が冴え、謎が解き解され…

    そして一年後、クイーンは再びライツヴィルを訪れ、自分の推理が操られていた事を真犯人に糾弾する。
    結末、納得いかないけれど美学なのか。

    読んでいる最中はその推理力を堪能したけれど、そしてその中心人物の懐の深さ、寛大さに感動もしたけれど

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    2022年08月29日
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕

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    リーマという女性をこのお話の中でどういう風に動かすんだろう。それが、私の一番の興味でしたね。最後まで読んでみてどうだったか。始めから終わりまで出続け、途中で呆れながらも(君がエラリイに餌を与えたんだろう?と)、そううまくはいかないんだなあと思ってみたり。

    エラリイはほろ苦さと喜びをぐちゃぐちゃにしながら、半ば周囲を敵に回すように事件に取り組んだわけですが、なりふりかまわず真実を求めようとする姿は、痛々しさもあり、気がちがったように尋問する姿にはスポーツに取り組む汗臭さすら感じました。見立て引き摺り込まれたのか、それとも見立ての職業の連続性(風が吹いたら桶屋的な)が絶妙なのか!

    国名シリーズ

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    2022年08月27日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    共通点の無い連続殺人事件の被害者たちの深まる謎の数々。姉が殺されたことにより財産分与が多くなる二人の人物の事件への関わりでまたもや深まる謎。
    エラリー・クイーンの推理力と洞察力により微かな手がかりを見つけるが、おとり捜査による失敗。
    真犯人と思われる人間を拘束した後のエラリー・クイーンの懊悩…
    古典とも言われるこの一冊だけれど、何故だか犯人の異常性に現代も納得させられる一面もあり、長編なのにページを捲る手が止まらなかった。

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    2022年08月24日
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕

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    『災厄の町』のライツヴィルという町に、
    大戦の英雄が帰ってくる!というところからストーリーは始まる。彼、ディヴィーも、迎える家族同様に過去に受けた心の傷のため、今も心を病んでいる。
    そのためにほじくり返そうという過去の殺人事件が今回の大きな軸。
    ほじくり返されたら、出てくるのは悲しい真実の他にも沢山あった…
    登場人物に向けられるエラリー・クイーンの一種、冷ややかな視線など結構楽しみながら読むことができ、最後の最後まで真犯人はわからない…ということなど充分に満足出来る一冊だった。

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    2022年08月17日
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕

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     一九四五年発表の作品。デイヴィー・フォックス大尉ーー何人もの日本兵を叩きつぶした「英雄」ーーの凱旋を、ライツヴィルの人々が華々しく歓迎する場面から物語は始まる。しかし実際のところ、彼は戦場で心を壊してしまい帰還したのだった。ミステリー作家として、殺人事件が核となる娯楽小説をずっと書いてきたクイーンだが、戦局が激しくなってきて、改めて「人が人を殺すとはどういうことか」をきちんと示したかったのかな…と思わせる冒頭。
     後半でも、ナチスの強制収容所の話が出てくるが、それ以外はいつもの謎解きエンタメ性バッチリ。ドラマツルギー的にだいたいこういう筋書きだろうなあとは予想ができるものの、どうやってその結

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    2022年08月16日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    エラリー・クイーンの1942年発表の本、その新訳。
    災厄の家、という話かと思ったら、災厄は町全体、その人々。
    銀行家のライト氏の美しい3人の娘たちと、
    偶然訪れた小説家、エラリー・クイーン(?都合良すぎ!)アメリカの田舎の富裕層の家庭が、推測ではあるけれど垣間見られて、長閑で平和だけれど悪意に満ちた物見高い庶民達の噂話が大きくこのストーリーを左右している。だけど、年代をみたら大戦前夜。
    この町も国も、そして我が国もやがて時代の大きな波に飲み込まれてゆくんじゃないですか!
    アメリカという大きな国のまた、その一部をみつけてしまった

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    2022年08月14日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    エラリー クイーン作品のなかでも話の展開が大きくてスピード感がありリズムよく読める一冊だった。
    トリック・犯人共に最後までわからなくて焦らしに焦らされた。なんとなく国名シリーズ内のエラリークイーンよりもアクティブな印象を受けた。ちょっと恋愛要素が強めだったのが意外。

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    2021年10月09日
  • 日本庭園の秘密

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    恋愛関係のもつれと人の「欲」が2つの殺害事件へと繋がるのがこのミステリー小説である。この殺害事件の解決が実は最後の最後にことの熾りを作った「知能」犯人像が浮き上がる。それは癌の権威を盾に精神的苦痛を患者にすることで、人は精神的に脆弱な状態で癌「不治の病」だと言われるとどうなるのか、をこの小説では心理的な人間の行先行動までを読み、間接的な犯罪を実現する。 興味をそそるのは日本の伝統「武士の切腹」と「武士の妻の自害」の違いが事件のヒントになる。

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    2021年08月11日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    ライツヴィルシリーズの「十日間~」の次にエラリーが取り組んだ事件。いやあどこをとってもお見事。
    ライツヴィルでの苦い挫折の経験を経て、探偵の真似事を辞めると宣言したエラリー。彼を再び事件の現場へと引き戻したのは、ニューヨークでの無差別連続殺人事件だった。

    郊外の都市で起こったライツヴィルの事件とは異なり、大都会NYでの事件の描写、特に市民が自警団を編成してパニックから暴動へと至る流れが、ここ2年のコロナでのパニックを見ていると頷ける所が多くて面白い。そしてさらに、探偵の背負う「業」について、精神科医と語り合うところ、シビれました…。

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    2021年06月01日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    「自分はたびたび記憶喪失になる。その間、自分が何をやっているのか見届けて欲しい」と古い知人であるハワードに頼まれたエラリイは、三度ライツヴィルへと赴くこととなる。
    大富豪の父親のディードリッチ、若く魅力的な継母サリー、仲の悪い叔父ウルファート――そこでエラリイはとある秘密を知らされ脅迫事件に巻き込まれるが――

    一言で言うと、とてもドラマチック。これはクイーンの作品の中でも上位に食い込むのが納得の面白さ。
    冒頭の登場人物一覧を見ると分かりますが、登場人物はアレだけしか提示されないけれど、そこで繰り広げられる物語がお見事でした。
    ライツヴィルもの3作目ですが、このラストの締め方のビターな感じも併

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    2021年03月09日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    ライツヴィルの名士の家で起こった毒殺事件。夫が資産家の妻を殺そうとしたという実に単純な、しかし考えてみれば奇怪な事件にエラリイ・クイーンが挑むミステリ。
    事件が起こって以降のライツヴィルが本当に嫌です。まあミステリではありがちなんですがこういう閉鎖的な村だとか町だとか。疎外されてしまうほうからすればたまったものじゃないなあ。そんな中でジムの無実を証明しようとするライト家の人々とエラリイ。とはいえ傍から見ればジムが犯人で全然おかしくない、むしろそれ以外にどんな真相があるというのか、と決めつけたくなる気持ちもわかりました。だからこそその事件の後で起こる悲劇と明かされる真相にはやりきれないものが。

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    2020年12月30日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    (電子書籍)とても面白かった。私にとってこれが初エラリイ・クイーンなので、これを読んで良かったと思った。
    正体不明の殺人鬼『猫』によって不安にさせられ混乱する市民はまさに現在のコロナショックと重なり、それもとても興味深かった。
    これが初めてなので詳細はわからないのだが、これより前に挫折を経験したらしいエラリイ。シリーズの途中でそんな一面を出されると、次より前が気になるというもの。それが少し悔しいが読むと思う。

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    2020年03月28日
  • 最後の悲劇

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    最後の最後で…

    ミステリー小説でこんなに衝撃を受けたのは初めてです。
    最後の数ページは、目が画面に貼り付き、涙も出そうでした。(電車内なので我慢しました笑)
    結末は一言で悲しいとは言えない、色々な感情が渦巻くようでした。
    まさに最後の悲劇というタイトルがふさわしいです。
    Xの悲劇から読み続けてこそ、意味のある1冊です。
    この本含め、このシリーズは一生忘れられないものになりそうです。

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    2018年06月09日
  • 十日間の不思議

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    「名探偵の苦悩」「後期クイーン問題」の極地。なぜだろうこんなに胸が苦しいのは?そうか。エラリーが大好きで、彼は私のスーパーヒーローだったからだ。

    血まみれの友人が記憶喪失で、殺人を犯したかもしれなくて、とりあえずライツヴィルに同行したら、脅迫電話がかかってきて、さぁ巻き込まれて大変!?な話。

    人物紹介、家族関係、そしてライツヴィル。地味に物語は進み、突如破綻する。エラリーはいつもの調子で、論理的に解決する。

    先に待つのは、探偵の終わり。理性の終わりだ。
    エラリーの現実は、これまでの功績など無に帰す。

    知らずに「九尾の猫」を数年前に読んでいた私は、その先の苦悩を知っている。そして光も。

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    2018年11月21日
  • Yの悲劇

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    個人的にはすごく面白かった。
    おかしな一族とか、古典的なのが好みなので笑

    病気の扱いとか、時代遅れな感じはした。
    というか、一族で老婦人だけ陽性で、他はみんな陰性なのが不可解だった。
    病気は持っているのに、陰性なのか?

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    2016年02月14日
  • ダブル・ダブル

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    悪夢的。

    エラリイ・クイーン『ダブル・ダブル』再読了。中盤を過ぎても"何が起きているか判らない"五里霧中状態に、悪夢を見ている様な感覚に陥る。リーマをあんな処に潜入させたエラリイ、要反省。横溝正史の諸作品との関連も興味深かった。

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    2015年03月04日
  • ギリシャ棺の秘密

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    ネタバレ

    国名シリーズでは個人的に一番好きな作品。論理的になるほどと思わせる推理が三つも構築されていてボリューム感がある、かつ本格ミステリとしての針の穴ほどの誤りも許されない厳しさもあらわしている。

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    2014年01月09日
  • 九尾の猫

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    個人的にはクイーンの中で一番好きな作品である。
    推理小説としては正直それほどでもないと感じたのだが、
    後半のエラリーの苦悩、犯人が殺人を犯すまでに至った経緯の描写は圧巻。

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    2014年10月18日