エラリイ・クイーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犯罪研究家エラリー・クイーン・シリーズ全33作中18番目の作品。『ローマ帽子の謎』が1929年の作品ですから、それから19年経っていますので、中期の作品ですね。
初読だと思っていたんですけど、エラリイが語る事件の説明まで進んで、「あれ? このシーンは何となく覚えている」と気づき、エラリイがアナグラムについて説明する段階になって、ようやく2度目と確信したぐらい、まったく事件の概要そのものは覚えていませんでした…。でも、トリックそのものは心理的なのですが、ひねってあってとても素晴らしいと思いますね。これが現代に翻訳されたら、ベスト10には入りますね。☆☆☆☆というところです。と思っていたので -
Posted by ブクログ
アメリカはウエスト・バージニアの片田舎で起きた凶悪な殺人事件に興味を抱いたエラリー・クイーン。その惨状は、T字路に立つT字型の道路標識に、首を切られた死体が磔にされており、被害者宅の扉にはTの血文字が残されていた。「T」とは何を意味するのか。やがて同様の殺人事件が離れた別な地域で起き、単身現場にかけつけるエラリーが事件の謎を解こうと推理を巡らせるが…。NYでの活躍が中心だったエラリーが、クイーン警視とは行動を別にし単身地域を駆け回るところがこれまでと違う点。前半は「T」をめぐっての宗教的象徴、タウ十字架と博学者らしい解釈、古代宗教的な狂信者、裸体主義者村など、事件の異常性を強調するような記述が