エラリイ・クイーンのレビュー一覧
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ネタバレクイーンを語れるほど読んでるわけではない、というひとの感想。コミカルな要素がたくさんあって、テンポよく、面白かった。変人を変人と最後まで書き切ったし、変人だなと受け入れられるほどの描写もあったので、読んでる側の納得感もあった。
とある殺人事件のお話を途中で投げ出し中なのですが、人物描写や劇場感はこちらの方が好みかなとは思いました。変人一家は同じなんですが、人物側の描写が足りてないのか。そちらもいずれ読みますが。
嵌められた人物の言動と結末、ああ、そうか、だから真っ白になってしまったのね、と。真相を知ればなるほど、とても巧妙でした!
なんとなくエラリィが得した感もないわけではなく。いずれにせよ、展開の割に後味はそこまで悪くない不思議。 -
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ネタバレ初めて読んだエラリイ・クイーンの小説。
前半では、田舎町の良い面も描かれるが、事件後は圧倒的に悪い面が多く描かれる。
登場人物たちの濃い人間関係によって拗れていく事件が、緻密な人間描写によって、なんの無理もなく展開されていく様子は、圧巻だった。
こうした、ドロドロとした関係のミステリ、そして、探偵が気付くのがあまりにも遅いミステリは、イライラして読むのが辛いこともあるのだが、今作は、エラリイの人柄もあって、スルスルと読めた。
真犯人が被害者となるはずだったノーラであることに関しては、状況的に考えて、わりとすぐわかるのだが、ジムの姉にまつわる謎解きは、最後までわからなかった。
何より、意外だったのは、ノーラが、夫を犯人に仕立て上げた事で、物語序盤から、魅力的なパットに感情移入させられてしまっていたので、読者もエラリイも、ノーラの狂気に気づくことができない、という仕掛けを、作者は作っていたのかなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエラリークイーン研究の新書で、エヴァンゲリオンに似ているという説を見て、興味惹かれて読んでみました。(とは言っても、エヴァと親しんだことがないので比較はできず。なんとなしのミーハー心です)
事件前のエラリーの感情が太字で書かれ、意味を勘繰っていたけれど、感情的に入り込むことで判断が鈍って犯人にミスリードされてしまったのかな、、
幕引きの仕方(自害を示唆する)がどこかドルリーレーンのような、自分で用意した舞台を終わらせた感じがしてしっくりこず。本人が法で裁かれることを望んでいないことは理解できたけれど、時代の法制度上、どのみち死刑になるということなのか?
それでも、難しくて正直さっぱりだった神学モチーフも、感情のもつれも気になって気になって一気読みでした。 -
Posted by ブクログ
一九四三年初版。国名シリーズ→ハリウッド→ライツヴィルときて、またここでニューヨーク市警レギュラー陣わちゃわちゃシリーズへ戻る。わちゃわちゃぶりはだいぶこなれてきた…ヴェリー部長刑事もよく喋るし(昔は影のようだった)、プラウティ医師も少ない出番ながら「(プラウティ医師、退場)」なんて太字の括弧付きで書かれたりするし…と思ったら、解説によるとこうした登場人物たちの性格や“ノリ”は一九三九年に放送開始されたラジオドラマ版エラリー・クイーン・シリーズに寄せたものだとのこと。
なるほど、それだけでもなるほど、なんですが、本作はさらにそのラジオドラマ版に登場するある人物の、前日譚まで兼ねているということだ。こういう演出は本当にクイーンの得意技だよなあと思うが、当時のラジオドラマファンの人はさぞかし喜んだだろう。論創社から四冊出ているというラジオドラマの脚本集、私もいずれ読まねばなるまい。
ミステリーとしてのトリックやらロジックやらについてのコメントは、すでに世にある解説や他の方のレビューにお任せして、私はやっぱり、『十日間の不思議』のレビューに引き続き、エラリーの恋愛について語りたい。ので語ります。
※他作品も含め、このあと事件の真相に関わるようなネタバレはしないつもりですが、そうでない部分についても先入観を持たされるのはごめんだという方はご注意ください。
今回のエラリーのロマンスは、エラリーがシリーズの主人公名探偵として到達できる最大限の「恋の成就」だったのではないかなあ。という話。(ど、どうでもいい!が続ける)
まず、エラリーは結婚する未来を封じられている(第一作『ローマ帽子〜』の序文では、後に妻子を設けイタリアに移住する未来が描かれていたのに、いつのまにかその設定は闇に葬られた)。そして、一九三八年『ハートの4』で初登場し、短編集『エラリー・クイーンの新冒険』に収められた一九三九年発表の四作品で甘々のイチャつきぶりを見せた相思相愛の恋人ポーラ・パリスは、その後姿を表さない(らしい)。やはり、探偵役にステディな相手がいると、作劇上何かと都合が悪いのかもしれない。“名探偵を結婚させると不自由”という言説は、以前『明智小五郎全集(講談社文庫)』の解説でも見かけた。
見えざる神の手によって結婚も恋愛も阻止される運命にあることを悟った(?)のか、エラリーは『災厄の町』でパティ・ライトといい感じになるも、“美女に惚れられても身を引いてしまう寅さん体質”(飯城勇三『エラリー・クイーン完全ガイド』より)を遺憾無く発揮。ポーラのときのように決定打をかましにはいかず、失恋といえば失恋に終わった。それに対し、今回の恋のお相手とは、飯城さんの解説によれば今後も“友達以上恋人未満”の関係が続くということだから、いわば“持続可能な男女関係”(←野宮真貴が横山剣とのデュエット曲に関して述べた言葉をお借りしました)に持ち込めたわけで、物語の都合を背負ったエラリーの立場としては最大限の勝利なのではないだろうか。私みたいな下世話な読者に対しても、楽しいニヤニヤを提供できるし。
エラリーがどれだけ熱をあげるかは色々だが、ある時期以降結構どの作品でも印象的なヒロインが登場するのもクイーン作品の面白いところだ。色んな美女が出てきて、まさに寅さん見てる気分。女性の台詞は特に古い訳だとどうも不自然に感じがち(「〜ですの」とか)なので、どんどん新訳が出てくれたら嬉しいなと思うけど、ちょっと古い日本映画の女優さんのあのお上品な話し方をイメージすれば良いと思えば、苦手意識が減るかもしれない!
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Posted by ブクログ
メタミス的なひねりもあまりない、直球勝負なミステリで、長さも考えるとメイントリックがやはり軽い気がする。その分、読み物としては抜群に面白い。濃すぎる登場人物に、マザーグース殺人と仕掛けも派手。最後の拳銃が見つかってからの、罠と称するエラリイのドタバタなんて過剰サービスの気もする。巻末の解説ではラジオドラマとの関係が指摘されているが、なるほどなあという感じ。
個人的には生涯で初めて読んだエラリー・クイーン物で、多分中学生(ひょっとしたら小学生)の頃のことで、異様に面白かったことはともかく、終盤の展開(犯人が誰とか、署名を巡るあーだこーだ)をまるごと覚えていたのは、さすがに子供の記憶力。ひさしぶりの再読に感慨深かかったり。