エラリイ・クイーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メタミス的なひねりもあまりない、直球勝負なミステリで、長さも考えるとメイントリックがやはり軽い気がする。その分、読み物としては抜群に面白い。濃すぎる登場人物に、マザーグース殺人と仕掛けも派手。最後の拳銃が見つかってからの、罠と称するエラリイのドタバタなんて過剰サービスの気もする。巻末の解説ではラジオドラマとの関係が指摘されているが、なるほどなあという感じ。
個人的には生涯で初めて読んだエラリー・クイーン物で、多分中学生(ひょっとしたら小学生)の頃のことで、異様に面白かったことはともかく、終盤の展開(犯人が誰とか、署名を巡るあーだこーだ)をまるごと覚えていたのは、さすがに子供の記憶力。ひさしぶり -
Posted by ブクログ
記憶喪失に陥り、その間何をしているのかに不安を抱えるエラリイの友人・ハワード。彼の悩みを解決すべく再びライツヴィルを訪れたエラリイが巻き込まれたのは、ハワードの抱える秘密にかかわる謎の脅迫事件。とことん振り回されるエラリイがなんだか気の毒になってくる作品でした(苦笑)。
さまざまな秘密と謀略、不穏な気配は随所に漂っているし、物語としては惹きつけられますが。あまり大きな事件は起こらないのだろうか……と思っていたら、なんと八日目にしてとんでもない急展開が! これ以降については……語れません。読んでのお楽しみです。
ある意味これはもっとも恐ろしい事件かもしれません。そしてこんな目に遭わされてしまった -
Posted by ブクログ
評価高めなのは、全エラリー・クイーン作品の中で一番というか唯一気持ちが揺さぶられる「キャロル事件」が入っているから。「アメリカの悲劇」的なテーマで、恵まれない境遇から努力で這い上がった主人公が追い詰められる悲しさが胸を打ち、愛情と非情、大切な人達を守るための打算や裏切りなど人間の多面性が掘り下げられている。それら全てを受け止めて探偵がとった行動は、国別シリーズの頃から180度変わってフィリップ・マーロウに近い。
短編集のタイトルはクイーンにかけて五編でフルハウスというのが、お洒落で気が利いているけれど、どれがスリーカードでどれがワンペアか?長さ基準?この「キャロル事件」に寄席の小噺的「パラダイ -
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ネタバレ面白かった。クイーンは旧訳のドルリー・レーンものを四苦八苦しながら読んで以来なので、新訳の読みやすさに感動しながら読んだ。
エラリイが偽名で滞在するライツヴィルで、借りた家の持ち主の家族の中で計画殺人が??という話だけど、クイーンらしくとてもフェアだし、手がかりは全て読者に示されていて、そこそこミステリ読んできた人なら、なんとなくの真相の大枠は掴めるのではないかなと思う。
本が梱包されていた件にしたって、エラリイには最終盤になってパットから聞かされるまでわからないけれど、読者にはもう最初から詳らかにされていたわけだし。
手紙にしても現在進行形のものではないだろう、とか、ジムが不在の三年のうち -
Posted by ブクログ
エラリー・クイーンの短編集ばっかり読んでたけどやっぱり長編小説も面白かった。
国名シリーズの中でも傑作といわれている本作はタイトルと中身があんまり関係ないのだけ残念(笑)
私はエジプトとかが大好きやから、舞台はエジプトなのかと思って読んだけど違った。
エラリー・クイーンは本作では最後にはいつも通り素晴らしい働きをするけど最後の最後まで私たちと同じ全くの役立たずやったのが印象的。
短編では40ページくらいで終わらせる為に事件発生から謎解きまであっという間やったから、今回は一体いつになったらクイーンが事件を解決してくれるのかが待ち遠しかった。
あまりにも登場人物が多かったけどいつもながら皆そ