エラリイ・クイーンのレビュー一覧

  • 九尾の猫〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    「猫」と呼ばれる絞殺魔が出現し次々に絹紐で殺人を犯す、という物語の骨組みや、犯人の動機を精神分析からアプローチしていくところはサイコ・スリラーの先駆と言えますし、「なぜ被害者の年齢が若くなっていくのか?」、「なぜ既婚女性は狙われないのか?」、「なぜ電話帳に記載されている人ばかり狙うのか?」という謎が結びつく真相は鮮やかで、ミッシング・リンクものとしても秀逸です。スランプの名探偵が復活するまでを描いたドラマ的な側面もあり、非常に高い水準で纏っている作品だと思います。
    ただ、全体的に冗長気味なのと、容疑者が少ないためどんでん返しが分かり易いのが残念です。

    0
    2015年10月01日
  • 九尾の猫

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【あらすじ】
    ニューヨークで組紐による無差別連続絞殺事件が発生。警察やエラリーの必死の捜査にも関わらず止まらない殺人に、メディアはネコを模した犯人像を書きたて、市民は恐怖を募らせる。やがてエラリーは、被害者の出生にある共通点を見つけ出す。

    【感想】
    既に何名か殺人が起こった状態で始まり、そこにエラリーが投入されるという展開で始まる。犯人の顔も被害者の関連性もなかなか見えてこず、先の展開を期待しながら読める。
    被害者の共通点が判明してから犯人を追い詰める過程は緊迫感があり良い。あっさり終わったと思わせて捻りも用意されているので、読み応えがあった。

    あとがきによると、フレデリック・ダネイのベス

    0
    2014年07月08日
  • Xの悲劇

    Posted by ブクログ

    エラリー・クイーン初読!
    どうやら『Yの悲劇』の方が有名らしいですね。何も知らずに『Xの悲劇』を手に取りました……
    面白いッ!
    すごい描写が細かい。
    本当にあった話じゃないかと疑うほど。土地勘もないし、分かりにくい所もあるけれど、それに勝るレーン氏の推理、観察力‼︎
    ちょうど並行して、SHARLOCKを観ていたので、「ホームズだ!ホームズだ!」とワクワクしながら読みました。
    最後まで、レーン氏は種明かしをしないので読者も一緒に推理できるんですが、もう最初からダメでした。全く追いつけない……
    種明かし読んで、「そこかよー」となる。
    サム警部になった気分です。

    0
    2014年03月25日
  • 九尾の猫

    Posted by ブクログ

    クイーンファンを自認しながら、本書はその梗概すらすっかり忘れていた・・・・・・。もうほとんど初読のような感じで読んだのだが・・・。

    いやもう、完成度高い。
    パズラーとしてはちょっと薄いけれど、サスペンスとしては超一級。ぐいぐい読ませる。
    もちろん、中盤で「なぜこの順番で殺されていたか」を説明するシーンは冷徹なまでにロジカルで、読者はクイーンの真骨頂である論理の快感を味わうことができる。
    ラストもちょっと泣けるなあ。ほんと、そのまま法月綸太郎みたいだった。

    中盤から後半にかけて、少々間延びしている感はあるが、その瑕疵は本書全体の完成度からして、わずかなかすり傷でしかない。

    0
    2013年11月17日
  • 九尾の猫

    Posted by ブクログ

    本格というよりは警察小説の色合いが濃い作品。ミッシング・リンクものなのだが、同時に社会的テーマも扱っていて、既読のクイーン作品とはまるで雰囲気が違う。

    チームで捜査したり、また気の遠くなるような広範囲から犯人を絞り込んでいく様は正に警察小説の展開。でも推理のプロセスはばりばりの本格。エラリイが見つけた小さな手掛かり。読者でも容易に気付くそのヒントをどのように発展させるのかと思いきや──いや、参った。これだけきれいに繋がるとぐうの音も出ないわ。作家自身がベスト作品と評するのもわかる。

    異色の作品なだけに、生粋のファンから見ればそこが違和感だったりするのかもしれないが、クイーンの別の面を堪能で

    0
    2013年03月31日
  • 十日間の不思議

    Posted by ブクログ

    ライツヴィルという架空の街を舞台にしたシリーズ第三作。
    エラリー作品では異色の登場人物の少なさ。
    その分、人物たちの内面や行動が細やかに描かれてる。
    派手さはないが、心理的な描写でハラハラしながらドラマは結末へ。
    そして意外な幕引き。印象深い作品でした。

    0
    2013年03月10日
  • シャム双生児の秘密

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あらすじ:
    クイーン父子は、旅の途中に唐突に山火事に追われ、山頂に逃げる。
    山頂にはザヴィヤー外科医の邸があり、そこでひとまず難を逃れ、一夜を過ごす。
    しかし、翌日にザヴィヤー外科医が銃で殺害されていた。
    死体の手には破れたトランプカードが握られていて。。。

    ダイイングメッセージの謎を解いて行く内容。

    クイーン父子の推理が数回、ビシッと解決に導けていないのが
    読んでいてもどかしい(笑


    シャム双生児の秘密の発表が1933年。
    80年近く前の作品でも読みやすいのは、何度も翻訳されてきたのと
    エラリー・クイーンの文章自体が丁寧に違いない。

    0
    2012年12月18日
  • 十日間の不思議

    Posted by ブクログ

     お人よしのエラリィが、どうしたものか、面倒事に巻き込まれる話。まあ、「面倒事」で済ませられれば良かったのであろうが、ことはそんなにやさしいものではなかった。エラリィが最後に行う、犯人に対するアクションが意外だった。しかし、読む順番を間違えたなぁ。

    ‐2012/10/29‐蕗屋は生きております

    0
    2012年10月29日
  • 犯罪カレンダー(7月~12月)

    Posted by ブクログ

    短編集☆ミステリー歳時記(´¬`)エラリー・クイーンとニッキィ・ポーター名コンビだょね。お父さんもいいキャラしてるし(笑)

    0
    2012年09月22日
  • ギリシャ棺の秘密

    Posted by ブクログ

    かなり凝った設定で、読み応えがあった。
    犯人は、やっぱりかーという感じだったが、そこに至るまでの二転三転が面白かった。エラリーが悩み、読者も同じ泥沼に嵌まるという。裏を掻いて裏を掻いて元に戻れなくなる、という。。。

    エラリー最初の事件、というのが一番の味噌かもしれない。エピソード1、というか、レジェンドオブ、というか。ある程度続いてきたシリーズの途中でこれを挟むというのも、ドラマ的だと思う。

    0
    2012年09月19日
  • 犯罪カレンダー(1月~6月)

    Posted by ブクログ

    短編もの☆1月から6月まで月ごとのイベントに合わせて事件を解決していく作り(^O^)/
    短編だからさくさく読めて持ち歩くのにちょうどいいかな。
    ニッキィって赤毛なんだねぇ。

    0
    2012年09月09日
  • Yの悲劇

    Posted by ブクログ

    異常な性癖の持ち主揃いとして有名なハッター家。その主人ヨーク・ハッタ―の自殺を発端に、少年の毒入り卵酒の誤飲騒ぎ、楽器を使った撲殺と不可解な事件が続き、ドルリー・レーン氏の出番となる。
    ***
    あまりにも有名な古典ミステリの傑作たる所以を思い知る一方で、評価されすぎでは?とも思った。
    真相を掴んだように見えながらなかなか推理を披露しないレーン氏、警部や検事を含め情緒豊かな登場人物に疲れたり、イライラしながら読み進めたのに、真相解明を引き延ばした理由が腑に落ちず。。
    当時、この点はすんなり受け入れられたんだろうか。

    0
    2012年03月12日
  • 九尾の猫

    Posted by ブクログ

    エラリイ・クイーンの数ある作品の中でも、自分的には三本指に入る大好きな作品です。謎解きとか、トリックといったものを楽しむというよりは、その「なぜ」の部分を深く問う作品だと思います。
    個人的には後期クイーン作品の中の傑作の一つだと思っています。

    今では「フーダニット」よりも「ホワイダニット」を問う作品が少なくないですが、この作品が発表された当時はもっと衝撃的だったんじゃないかと思います。「探偵」と「連続殺人犯」というありきたりの登場人物が、ありきたりではなくなる稀有なミステリ。

    0
    2012年02月29日
  • 九尾の猫

    Posted by ブクログ

    クイーン後期作品の中でも人気の一品。ミステリってよりはホラーとかサスペンスってジャンルの方が相応しい気がする。

    0
    2011年11月03日
  • Xの悲劇

    Posted by ブクログ

    バーナビー・ロスによる、ドルリイ・レーン四部作の一作目。って言うまでも無く有名な作品。エラリイ・クイーンとバーナビー・ロスはどちらも覆面作家として売り出していたので、両者による覆面会談なんて事をやったらしい。ご存知の通り中の人は同一(フレデリック・ダネイとマンフレッド・リー)なので、要するに自演乙。このレビュー、全然内容に触れてないや。まあいいよね。

    0
    2011年11月03日
  • Yの悲劇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    金持ちきちがいハッター家で起きる毒物を使った聾唖盲者殺人未遂や楽器マンドリンで撲殺された鬼婆。NYの港で溺死自殺したと思われるヨーク・ハッター(Y)が案出した探偵小説の殺人プロットどおりに犯行を行うのは意外な人。犯人の動機がいまいち説得力不足だけど、面白かった。

    0
    2011年10月13日
  • Xの悲劇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    外国物は人物名を覚えられなくて敬遠してたけど、さすが巨匠の作品だけあって面白かった。ドルリイ・レーンがサム警視に変装して調査をするところはちょっと現実離れしていたけど、論理的な推理はまさに奇跡。

    0
    2011年10月09日
  • エジプト十字架の秘密

    Posted by ブクログ

    “〜の悲劇”ものに比べれば、格段の面白さ。ミッシング・リンクものと思わせて、微妙に逸脱させている。解体トリックとうまく絡ませている。

    0
    2011年09月23日
  • Yの悲劇

    Posted by ブクログ

    一家通して個々に特異な特徴を持つハッター家で起こる奇怪な殺人事件及び殺人未遂事件。
    主人公は聾者の元俳優、ドルリー・レーン。前作「Xの悲劇」で鮮やかな推理を披露した彼が直面する底知れぬ悪意。相対した彼の苦悩と決断の様は事件の様相とはまた別の面白さをはらんでいる。

    0
    2011年09月09日
  • ドルリイ・レーン最後の事件

    Posted by ブクログ

    この作品単体で見ると星2がいいところ。この作品を真に楽しむにはXYZの悲劇の3作品が必須。

    事件はなかなか起こらないし、起きても地味。

    しかし、結末は…

    悲劇3作を読めば、このラストのための前作だったという感想を持てるでしょう。

    0
    2011年03月08日