エラリイ・クイーンのレビュー一覧

  • シャム双生児の秘密

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    さすがのエラリー・クイーンと言いたいですが、今回はさすが以上に良かった!
    山火事に閉じ込められるのはいかにもミステリにありそうな展開ですが、ここまで死んじゃいそうなところまで追い詰められるのは、クイーンでは珍しいかと。スリルとスピード感に満ち溢れていて、一気に読めました。
    構成のうまさには定評があると思いますが、こういうスペクタクル感もあるんですねー。
    幕切れがごくスッキリしてるのも、良き。ちょっと作風が変わったかと思うくらいの新鮮さでした。エラリーは大概おしゃべりが長いのですが、火事のことでアクション対応的な部分が多かったのと、いよいよ、というときに皆の心のことを考えていたのが、わ、エラリー

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    2025年07月15日
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕

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    ライツヴィルものの第4作目。クイーンは、執筆中だった「インド倶楽部の秘密」でやろうとしたプロットをクリスティの「そして誰もいなくなった」に先を越されてしまい、そのプロットを「ダブル・ダブル」で使ったといわれている。

    ニューヨークのエラリーのもとに届く匿名の手紙。郵便物はライツヴィルで起きる事件の新聞記事だった。病死した隠者、自殺した億万長者、失踪した飲んだくれの物乞い。そこへ父親の失踪を調べてほしいと魅力的な娘リーマが訪ねてくる。エラリーがライツヴィルを訪れ、事件を調べるうちに関係者の死が続き、この事件がマザーグースの童謡に合わせて起きていることに気づく。

    この話の前半の主役は妖精のように

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    2025年06月16日
  • 九尾の猫

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    劇的な終幕を迎えた「十日間の不思議」(1948)に続く1949年発表作。単なる〝思考機械〟から苦悩する探偵へと様相を変え、円熟味を増したエラリイ・クイーン中期を締めくくる傑作だ。

    正体不明の連続殺人鬼にマンハッタンは震撼していた。何れも絞殺で、犯行には絹紬が使われていた。性別や人種、年齢や家庭環境に共通点はなく、動機も解明されない。新聞は過激な記事で恐怖を煽り、殺人鬼を〝猫〟に見立て、新たな犠牲者をその尻尾に付け加えた。すでに尾は五つ。市民らは自警団を作り、不甲斐ない警察と市政を批判。父・リチャードに懇願されて捜査の陣頭指揮を取ることになったエラリイは手掛かり皆無の連続殺人事件に着手するが、

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    2025年06月11日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    ネタバレ

    とにかくサリーとハワードの愚かな思考と行動にウンザリ。それに付き合うエラリイにさえ苛立った。それだけ血肉が通った人物描写だったんだろう。結末は、犯人がエラリイの性格まで読み込んだ上での計画実行。最後に犯人を追い詰めたとはいえ、殺人に手を貸してしまったエラリイ。まんまと踊らされたエラリイは、これを最後の事件と言い切る。犯人は非常に魅力的だった。

    面白かったんだけど、もったいぶった感じが読みにくい。

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    2025年05月28日
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ライツヴィルで二人の男が死に、一人が失踪した。エラリーは失踪した男の娘リーマに請われ、捜査のためにライツヴィルに赴く。三人に関係する人々を当たったエラリーは、一連の事件は童謡になぞらえた見立て殺人であると睨む。最初の三人は「金持ち」「貧乏人」「物乞い」、新たな犠牲者は「泥棒」「医者」「弁護士」「商人」、そして最後の一人が「チーフ」だった。
    仲人役がすっかり板についたエラリー。警視や部下たちは登場せず、エラリーがデイキンやリーマとともに関係先を訪れる中で次々と殺人が起こる。「チーフ」の言葉が出た段階で結末は予測できたものの、それでも捻りが効いている。ライツヴィルには苦い思い出ばかりが溢れているの

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    2025年03月26日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    ネタバレ

    『九尾の猫』の前日譚にあたるこの作品は、エラリーが塞ぎ込み今後捜査には一切かかわらないと心に決めるきっかけとなった事件。
    記憶障害に苦しむ旧友ハワードに頼まれ、三度ライツヴィルを訪れたエラリー。ハワードは、父ディードリッチと、自分と同年代の若い継母サリー、意地の悪い叔父と四人で暮らしていた。一見平和に見える家庭だが、複雑な問題を抱えていた。短い滞在の中でエラリーは、ディードリッチがハワードの実の父親ではないこと、ハワードとサリーが恋仲になっていることを知る。そしてハワードとサリーの不貞が何者かの知るところとなり、恐喝されているということも。
    エラリーは二人に、正直にディードリッチに打ち明けるこ

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    2025年03月23日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ニューヨークで発生した連続絞殺事件。被害者に共通点はなく、捜査は難航する。そんな中、市長直々に特別捜査官の任務を拝命するエラリー。一人また一人と犠牲者が出る中、分かったことはターゲットの年齢がどんどん若くなっているということだけ。
    遅々として進まない捜査に業を煮やした市民は自警団を結成、混乱状態に陥ったニューヨークはさながらゴッサムシティ。
    エラリーはついに、犠牲者たちがみな同じ産婦人科医カザリスによって取り上げられていたことを突き止める。カザリスは、犠牲者の近親者として警察に接近していた人物でもあった。逮捕されたカザリスは全てを自供するが、実は一つ目の事件の際にはアリバイがあった。カザリスは

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    2025年03月11日
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ライツヴィルシリーズのエラリーは、感情豊かで心優しい青年。エラリーの心の動きも言葉ではっきりと書かれているので、それがしっかりと読者にも伝わってくる。そのため、前作に引き続きこの作品もどこか憂いや悲しみが漂っている。
    ほんの些細な好奇心が、大切な人の命を奪い、大切な人の人生を奪ってしまった。それを何とか隠し通そうとするエラリー。残酷な事実を覆い隠すために吐く優しい嘘。それでも、真実を希求するものにはきちんと伝える信念を持っている。
    推理小説としての要素の部分で言えば、「毒は誰が、どこに仕込んだのか」という点が最後まで残る謎となっている。エラリーは事件現場を舞台に、当時の状況を詳細に再現していく

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    2025年03月09日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    ネタバレ

    主人公は国名シリーズと同じくエラリー・クイーンで、作家で警視の息子という設定は共通している。だがこちらのエラリーは、皮肉屋で理屈っぽい国名シリーズのエラリーとは異なり感情豊かで思いやりがあり、ロマンチスト。さらには武闘派でもある。だからこそ、残酷な運命に翻弄される一家の悲しみがエラリーを通してダイレクトに伝わってくる。
    舞台となるライツヴィルはセント・メアリ・ミードのような、隠し事など決してできない小さな町。町の名士であるライト家をめぐる騒動は、ローマン・ホリデーよろしくあっという間に拡散する。口さがない人々はただ陰口を叩くだけでは飽き足らず、それが正義とばかりにまるで集団ヒステリーか魔女狩り

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    2025年03月08日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    なんだか釈然としないまま終わるなと思ったら、そういうことかという結末だった。総合的にはもちろん面白かった。犯人像も動機も悪くなかった。が、伏線の要素が弱かった気がする。あまり手掛かりの無かった状態から、ある情報の発見で急展開を迎えるので、細かいことを言えばちょっと強引に感じなくもなかった(事件の性質上そうならざるを得ないが)。

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    2024年12月02日
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕

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    靴の製造で財を成した、激しい気性のポッツ夫人。彼女の子供は3人は変人で3人はまとも。
    ある日兄弟同士で決闘騒ぎが起き、エラリイは愚行を止めようとするが…
    これは面白い。海外の小説は敬遠しがちだったけど、読みやすく引き込まれた。結末もお見事。

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    2024年11月17日
  • 九尾の猫

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    ネタバレ

    九人の連続殺人の犯人を追いかける。証拠も残さず動機も分からない殺人鬼、通称「猫」。
    無差別な殺人事件に最初はドキドキし、少し犯人が見えてきてハラハラし。最後の最後でまたどんでん返し。今回も悲しい結末でした。

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    2024年10月22日
  • Yの悲劇

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    大富豪ヨーク・ハッターの死体が港で発見されるところから物語は始まる。何度も命を狙われる盲目で聾唖の長女ルイーザ、そしてハッター家の支配者であるエミリイはマンドリンで撲殺される。
    ドルリー・レーンを探偵役とする「悲劇」4部作のうち、前作『Xの悲劇』に続く第2部。

    以前読んだことがあるが、凶器がマンドリンということしか覚えていなかったので再読。
    ドルリー・レーンが警部と検察官に事件の概要を説明している時の悲痛さが徐々に増していく雰囲気がとても印象的。『Xの悲劇』の続編だから『Yの悲劇』と言うタイトルなんだろうけど、物語に出てくる「これはまさに『Yの悲劇』だ」というレーンの言葉に深く頷いてしまう。

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    2024年07月20日
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕

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    ピストルによる決闘に立ち会う事になったエラリィ。なんとかやめさせようと策を講じるが、事件は起きてしまう。
    マザーグースの歌になぞらえてストーリーが進むので、独特の雰囲気を醸しだしていて、最後までドキドキしました。エラリィの最後の方の行動は、なかなか勇気がいるので私にはできないです。

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    2024年07月07日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    エラリー・クイーンなんて、いつぶりに読んだか分からないくらい。

    今回新訳版が書店の平積みになっていたので、衝動買い。

    日本で「配達されない三通の手紙」という題名で映画化されているらしい。
    (映画は愛憎ドロドロらしい)

    で、本書は正統派ミステリー。
    エラリー・クイーンが本人役で全編登場する。(他のエラリー作品もそうなのか?)

    舞台となる街ライツヴィル。三部作的な後書きがあったが、実際はどうなんだろうか?

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    2024年07月05日
  • 日本庭園の秘密

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    クイーンパパと、エラリイが対峙している状況に終始ハラハラしてました。次々と明かされる事実にビックリするばかり。

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    2024年05月24日
  • スペイン岬の秘密

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    黒い帽子、黒のマント、ステッキのみを身につけた被害者の謎にエラリイ・クイーンが臨む国名シリーズ第9作目。今回、パパは出てきません。寂しい。テンポ良く色んな事が起きたからか、今まで読んだ国名シリーズの中で1番面白いと感じました。

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    2024年04月21日
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕

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    ネタバレ

    クイーンを語れるほど読んでるわけではない、というひとの感想。コミカルな要素がたくさんあって、テンポよく、面白かった。変人を変人と最後まで書き切ったし、変人だなと受け入れられるほどの描写もあったので、読んでる側の納得感もあった。

    とある殺人事件のお話を途中で投げ出し中なのですが、人物描写や劇場感はこちらの方が好みかなとは思いました。変人一家は同じなんですが、人物側の描写が足りてないのか。そちらもいずれ読みますが。

    嵌められた人物の言動と結末、ああ、そうか、だから真っ白になってしまったのね、と。真相を知ればなるほど、とても巧妙でした!

    なんとなくエラリィが得した感もないわけではなく。いずれに

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    2024年02月18日
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕

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    12年前の事件を再捜査するクイーン。
    論理パズルと回想・記憶って噛み合うのだろうかと思っていたけど、さすがに上手いねぇ。ライツヴィルシリーズの中では好みの作品だ。

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    2023年10月14日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    「後期クイーン的問題」と扱われる作品。
    エラリイ・クイーンのひとりフレデリック・ダネイが「探偵小説と小説中の探偵を摘発する部分を持っている」とするエラリイ最後の事件。
     まるで自身の作風を否定するかのような作品だけど、パズルの限界を感じていたのかなぁ。もっと突き詰めるのは難しかったのでしょうね。

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    2023年10月07日