エラリイ・クイーンのレビュー一覧

  • 九尾の猫〔新訳版〕
    原題
    CAT OF MANY TAILS
    Ellery Queen
    1949
    このままで終わるのか、裁判か。お。
    荘厳なエンディング。どうだ、こうか。
    奇妙な違和感。
    大勢の兄弟。常に妊娠していた母。
    自分の子供は二人も死産。
    誰が犯人なんじゃ。ああ。


    こんなミステリー、小説、本を読むために読書...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    96点:「ぼくならできました」

    エラリイクイーンが単なる外部の観察者ではなく、事件の当事者として裁判で証言をする。名探偵というものと行動の不自然さ、一般常識とミステリロジックの衝突、世間からみた探偵のいかがわしさが裁判の中であきらかになり、ただそういったものをロジックで突破するところは大きな爽快感...続きを読む
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕
    製靴業で成功したポッツ家の強烈な女主人、イカれた3人の子どもとまともな3人の子ども。無茶苦茶な決闘から始まる連続殺人……

    ポッツ家のメンバーの強烈なこと!まともじゃない家族たちには『Yの悲劇』のハッター家を連想したけど、向こうよりなんだか魅力的だったな。
    ねじれにねじれた展開で、最後の怒涛の解決編...続きを読む
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕
    キャラクターが生き生きと動き回り、翻訳の妙もあるところと思うけれど、筆がのっているという印象。
    私の中では、「グリーン家殺人事件」「Yの悲劇」に続く館もので、名家やお金持ちは大変だなあ。と俗っぽい思いが湧くものの、閉鎖的な空間での濃密さがとても好き。
    これを読んで、やっぱりマザーグースを知らなければ...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    国名シリーズを読み終えてからの、災厄の町。
    キレッキレのエラリーに馴染んでいたので、しがらみに埋もれてなかなか動けないエラリーが、風采が上がらないように見えて、もどかしい。。

    ただ、背後に不穏な音楽がずっと流れているようでざわざわしながら、先へ先へとページを送りました。
    排他的な集団の結束や、親し...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    こ、これは面白い!
    ライツヴィルという町を舞台にしたシリーズの第一作目。田舎の空気と、名家の人たちのあれやこれやから、事件が起こり、エラリィは隣人として関わっていきます。
    お父さんがいないのが寂しい…ですが、エラリィの客観的立場の観察と、時々入れ込んでしまうところとか、絶妙な感じです。
    真相もよく練...続きを読む
  • 靴に棲む老婆〔新訳版〕
    ハヤカワの新訳、クイーンをこの頃読み続けてきたけれど、久々に(ゴメン)面白かった!
    と、いうか、やっぱり私は見立て、マザーグースが好きなのだと思う。
    題名からして、あ~『靴の中のおばあさん』なのねって(他の訳、多々あるけれど)思ったし、ちょっとアレ~な子ども三人って事も、不謹慎ながらもワクワクした。...続きを読む
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕
    エラリー・クイーンの越前先生による新訳。

    ライツヴィルでの事件にまた引き込まれてゆくエラリー。迎えに来たのはなんと!穢れを知らぬ世間に染っていない女性、リーマ。

    この本の印象を一言で後々語るとしたら、
    連続殺人事件でもなく、童謡による見立て殺人事件でもなく、え?と思わせたおとり捜査でもなく、一言...続きを読む
  • 十日間の不思議〔新訳版〕
    ライツヴィルでの事件を扱うエラリー・クイーン。三作目。
    大富豪とその若い妻、そして義理の息子、三人に瑣末な事柄までを解決して欲しいという探偵。読む側にしてみればそんな事まで引き受けて!と怒りたくなる。我らがクイーンが、なんと宝石泥棒の謗りも受け…
    でも、殺人事件にまで事態は悪化して、まさかの『十戒』...続きを読む
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕
    リーマという女性をこのお話の中でどういう風に動かすんだろう。それが、私の一番の興味でしたね。最後まで読んでみてどうだったか。始めから終わりまで出続け、途中で呆れながらも(君がエラリイに餌を与えたんだろう?と)、そううまくはいかないんだなあと思ってみたり。

    エラリイはほろ苦さと喜びをぐちゃぐちゃにし...続きを読む
  • 九尾の猫〔新訳版〕
    共通点の無い連続殺人事件の被害者たちの深まる謎の数々。姉が殺されたことにより財産分与が多くなる二人の人物の事件への関わりでまたもや深まる謎。
    エラリー・クイーンの推理力と洞察力により微かな手がかりを見つけるが、おとり捜査による失敗。
    真犯人と思われる人間を拘束した後のエラリー・クイーンの懊悩…
    古典...続きを読む
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕
    『災厄の町』のライツヴィルという町に、
    大戦の英雄が帰ってくる!というところからストーリーは始まる。彼、ディヴィーも、迎える家族同様に過去に受けた心の傷のため、今も心を病んでいる。
    そのためにほじくり返そうという過去の殺人事件が今回の大きな軸。
    ほじくり返されたら、出てくるのは悲しい真実の他にも沢山...続きを読む
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕
     一九四五年発表の作品。デイヴィー・フォックス大尉ーー何人もの日本兵を叩きつぶした「英雄」ーーの凱旋を、ライツヴィルの人々が華々しく歓迎する場面から物語は始まる。しかし実際のところ、彼は戦場で心を壊してしまい帰還したのだった。ミステリー作家として、殺人事件が核となる娯楽小説をずっと書いてきたクイーン...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    エラリー・クイーンの1942年発表の本、その新訳。
    災厄の家、という話かと思ったら、災厄は町全体、その人々。
    銀行家のライト氏の美しい3人の娘たちと、
    偶然訪れた小説家、エラリー・クイーン(?都合良すぎ!)アメリカの田舎の富裕層の家庭が、推測ではあるけれど垣間見られて、長閑で平和だけれど悪意に満ちた...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    エラリー クイーン作品のなかでも話の展開が大きくてスピード感がありリズムよく読める一冊だった。
    トリック・犯人共に最後までわからなくて焦らしに焦らされた。なんとなく国名シリーズ内のエラリークイーンよりもアクティブな印象を受けた。ちょっと恋愛要素が強めだったのが意外。
  • 日本庭園の秘密
    恋愛関係のもつれと人の「欲」が2つの殺害事件へと繋がるのがこのミステリー小説である。この殺害事件の解決が実は最後の最後にことの熾りを作った「知能」犯人像が浮き上がる。それは癌の権威を盾に精神的苦痛を患者にすることで、人は精神的に脆弱な状態で癌「不治の病」だと言われるとどうなるのか、をこの小説では心理...続きを読む
  • 九尾の猫〔新訳版〕
    ライツヴィルシリーズの「十日間~」の次にエラリーが取り組んだ事件。いやあどこをとってもお見事。
    ライツヴィルでの苦い挫折の経験を経て、探偵の真似事を辞めると宣言したエラリー。彼を再び事件の現場へと引き戻したのは、ニューヨークでの無差別連続殺人事件だった。

    郊外の都市で起こったライツヴィルの事件とは...続きを読む
  • 十日間の不思議〔新訳版〕
    「自分はたびたび記憶喪失になる。その間、自分が何をやっているのか見届けて欲しい」と古い知人であるハワードに頼まれたエラリイは、三度ライツヴィルへと赴くこととなる。
    大富豪の父親のディードリッチ、若く魅力的な継母サリー、仲の悪い叔父ウルファート――そこでエラリイはとある秘密を知らされ脅迫事件に巻き込ま...続きを読む
  • 災厄の街〔新訳版〕
    ライツヴィルの名士の家で起こった毒殺事件。夫が資産家の妻を殺そうとしたという実に単純な、しかし考えてみれば奇怪な事件にエラリイ・クイーンが挑むミステリ。
    事件が起こって以降のライツヴィルが本当に嫌です。まあミステリではありがちなんですがこういう閉鎖的な村だとか町だとか。疎外されてしまうほうからすれば...続きを読む
  • 九尾の猫〔新訳版〕
    (電子書籍)とても面白かった。私にとってこれが初エラリイ・クイーンなので、これを読んで良かったと思った。
    正体不明の殺人鬼『猫』によって不安にさせられ混乱する市民はまさに現在のコロナショックと重なり、それもとても興味深かった。
    これが初めてなので詳細はわからないのだが、これより前に挫折を経験したらし...続きを読む