マイクル・コナリーのレビュー一覧

  • トランク・ミュージック(下)

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    1997年発表ハリー・ボッシュシリーズ第5弾。デビュー作以降は、己の過去と対峙し、そのトラウマを清算/払拭するための私闘を主軸としていた。母親の死を扱った前作「ラスト・コヨーテ」でそれも一段落つき、本作からは、殺人課刑事として犯罪者を追い詰めることに主眼を置いた警察小説の色を濃くしている。いわば、シリーズは第二期へと入ったのだろう。

    ハードボイルドのテイストが失われているわけではない。だが、一匹狼ではなく、捜査チームを取りまとめる長としての責任を優先するボッシュの姿に、正直物足りなさも感じた。時に暴走する危うさを秘めた孤高の男といったイメージは薄れ、サブストーリーとなる元恋人への執着など、ボ

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    2018年06月30日
  • 転落の街(下)

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    アーヴィング市議 息子 転落事件 捜査指示 昔の事件 コールドヒット 血痕 若すぎる容疑者 社会復帰訓練 新しいパートナー タクシー業界 収賄の可能性 崩壊した家族 転落の真相 コールドヒットの真相 児童虐待 連続殺人 真犯人 復讐 キズミン・ライダー ハイ・ジンゴ

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    2018年06月24日
  • 死角 オーバールック

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    ネタバレ

    展望台 射殺死体 殺人事件特捜班 初仕事 放射性物質 テロリスト? FBI レイチェルとの再会 棄てられた?セシウム発見 真相 射殺

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    2018年04月28日
  • エコー・パーク(下)

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    とりつかれた過去の事件 新事実 司法取引 現場検証 アクシデント 脱走 キズ撃たれる 新たな被害者 捜索 発見 射殺 真相 囮捜査 再度のアクシデント レイチェルとの別れ キズの復帰と別離

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    2018年04月08日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(下)

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    期待したマイクル・コナリーもの。著者は年1冊ペースで出しているらしいけど、翻訳が追いつかないから日本語訳は3年2冊ぐらいのペースか。期待が大きかっただけに、...。

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    2018年01月01日
  • エコー・パーク(下)

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    ボッシュのパートナーに仕事上でも私生活でもなるのは、清濁併せ呑む度量が必要なのだろう。レイチェルは潔癖すぎたか。恵まれた家庭に生まれ育っても、不幸な生い立ちでも、犯罪者になるのは関係ないのかも知れない。アメリカの警官は50才で引退しても、老後やって行けるのか。警察や検察の上層部が資本家や有力者のために殺人の隠蔽に力を貸すって、お話としては定番だが、実際にあり得るのか?

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    2017年11月30日
  • エコー・パーク(上)

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    レイナード(ルナール)狐って、子供の頃子供用の本で読んだゲーテのライネッケ狐と違うのかなとググってみたら、ゲーテはその伝承を元に書いたのね。子供の頃読んだ本で珍しく勧善懲悪で終わらない話だった。救いようのない展開にならねば良いが…

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    2017年11月25日
  • 死角 オーバールック

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    ニューヨークタイムスマガジンに連載されたものを改訂した作品であり、犯罪の原因があまりにも拍子抜けだった。コナリーがJAZZが好きらしフランク・モーガンのジャズ・スタンダードでのライブのオール・ブルースがいきなり出てくる。

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    2017年10月24日
  • ブラックボックス(下)

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    ボッシュシリーズとしては凡作ではないかなあ。特に上巻が地味で、いやまあ地味なのはいいんだけど、ちょっと退屈。とは言え、終盤のサスペンスとたたみかける展開は、さすがに読ませる。初期の作品に流れる暗い情念に引きつけられていたので、最近のものには点が辛くなりがちかも。

    政治的思惑から横やりが入る展開は、「ああまたそれか~」というお約束感たっぷり。犯人の一人による自白で背景が明らかになるというのが、なんだか安直な感じだし、真相も早くから見当がつく。コナリーだから、ボッシュシリーズだからこそのケチつけだと思うけど。

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    2017年07月25日
  • ブラックボックス(下)

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    2年ぶりのボッシュ・シリーズは、デビュー作から20年経った2012年に出版され、作品の舞台も同じ年。トラウマになっていた殺人事件を20年後に再捜査するボッシュの姿を描くというストーリー。タイトルの「ブラックボックス」は、飛行機事故の際のブラックボックスのように、すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるというボッシュの信念になったものを表している。

    上巻は「ブラックボックス」を求めての地味な捜査が続く。唯一の手掛かりである薬莢を手に右往左往するボッシュ。拡がりも展開も希薄なのでイマイチのれない感じ。凶器の銃を繋ぐ殺人事件。そこから細い糸を手繰っていくと事件は意外な展開を見せるが

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    2017年07月17日
  • ブラックボックス(下)

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    もちろんコナリーの作品なので一定のクオリティは保ってはいるものの、ストーリー展開の意外性も少なく、残念ながらいたって普通の出来。コナリーの作品として、だが。

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    2017年06月30日
  • 転落の街(上)

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    上下合わせての感想。
    ハリー・ボッシュシリーズも何作目になるのやら。
    齢六十になっても全く枯れないボッシュ。仕事も恋愛も相変わらず熱い。
    しかしボッシュのパートナーにはなりたくない。チューが脱線したくなる気持ちも理解出来る。ボッシュなりの気遣いもあるが、チューにしてみれば、パートナーというより雑用係かよ、と怒りたくもなるだろう。
    今回ボッシュたちが抱えるのは二件の事件。どちらもからくりは複雑ではない。これまでのシリーズに比べればシンプルな方かも知れない。
    しかし長年の天敵・アーヴィングと長年の友人・ライダーとの関係がこうも皮肉な結果になろうとは。
    娘はまだ十五才、定年延長出来て良かったが、この

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    2017年06月11日
  • 転落の街(上)

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    ボッシュシリーズも歳をとったなぁ感が
    2つの事件を抱えても大丈夫かい?、な

    相棒もアジア系なのは時代の流れ

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    2021年02月20日
  • ナイトホークス(下)

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    犯人、黒幕は予想通りの人でした。
    しかし何で結ばれない人を好きになってしまうかなぁ…。
    結局の所、ボッシュが硬派なのか軟派なのか掴みきれず。

    シリーズ2作目も読んでみます。

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    2017年01月26日
  • ナイトホークス(上)

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    有名なシリーズモノの一作目。

    ベトナム戦争帰りの刑事、ハリーボッシュ。
    これぞハードボイルドという感じ。
    何だか非常に男臭くて、果たしてこれは面白いのか?と疑う序盤。

    巻の中盤くらいで少しスピードに乗ってくる。
    どうやら恋愛要素もあるみたい。

    何だかありきたりな展開だよなぁ、と今のところ思っています。
    下巻でどうなるか。

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    2017年01月25日
  • 転落の街(上)

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    <上下二巻を併せての評>

    『転落の街』は、ロス市警強盗殺人課刑事ハリー・ボッシュが主人公。下巻カバー裏の惹句に「不朽のハード・ボイルド小説!」のコピーが躍るが、御年60歳で、15歳の娘と同居という設定では、どう転んでもハード・ボイルドになるわけがない。事実、射撃の腕は娘にも負け、視力の衰えや観察力、推理力が以前ほど働かなくなったことを認めてもいる。なにしろ引退を考えるほど自信をなくしかけている。

    シリーズ物の作品をはじめから読まずに途中から読むのは厄介だ。キャラクター設定がのみ込めていないし、人間関係にも疎い。それでも、どうにか読めるのは、作家がそのあたりを配慮して、一話完結でも読めるよう

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    2016年10月25日
  • 夜より暗き闇(上)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ第7作。

    シリーズ作品とはなっているが、シリーズ外の主人公――『ザ・ポエット』のジャック・マカヴォイ、『わが心臓の痛み』のテリー・マッケイレブとの豪華共演。特にマッケイレブはボッシュと同じ比重で主要人物として登場する。

    気になったのはマッケイレブの言葉づかい。前作とは訳者が異なるせいか、別人物のように思えてしまうのが残念。ボッシュとの違いを鮮明に表すためにも、前作を意識した言葉づかいにしてほしかった。

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    2018年01月19日
  • ブラック・アイス

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    ネタバレ

    ハリー・ボッシュシリーズの2作目、「ブラック・アイス」、それは、冬の、雨が降った後、とても冷えこんだ日に起こる。
    雨が道路で凍り、黒いアスファルトの上に、氷が張っているのだけど、見えない。
    それが、ブラック・アイス。
    上に乗っかるまで危険に気づかない。
    一旦、上に乗っかったらもう手遅れで、スリップしてハンドルが効かなくなる。
    ボッシュはブラック・アイスの危険を回避できるのか?

    カル・ムーアの残したメモ、「おれは自分がなにものかわかった。」から、幼い少年がそれぞれ自分がなにものであるのか見いださねばならなかった場所に、ボッシュは辿り着く。
    事件の手がかりであると同時に、ボッシュ自身に突きつけら

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    2016年06月06日
  • ナイトホークス(上)

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    最近、昔はまっていた翻訳ミステリーが懐かしくなり、「夜より暗き闇」から再読しはじめたハリー・ボッシュシリーズはやっぱりものすごく面白くて、せっかくだから一作目から読み返すことに。

    P24で、一匹のコヨーテがボッシュの気を引く。小柄な獣で毛皮はみすぼらしく、ところどころ毛がすっかり抜けている。シリーズ初のボッシュとコヨーテの描写だと、心の中でメモをする。

    ボッシュの刑事としての優れた観察眼と推理力にFBI捜査官エレノア・ウィッシュ同様、ぐいぐいと引っ張られ、ボッシュサーガに引き込まれる。

    「偶然なんてものはないんだ」とボッシュが口にするたびに、これは誰かが仕組んだことなのか?
    何かの伏線な

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    2016年05月04日
  • 証言拒否 リンカーン弁護士(下)

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    シリーズ四作目は、コナリー最長となる大作。相変わらずストーリーが面白いので、ボリュームを気にすることなくさくさく読めた。

    検察側と弁護側のスリリングな駆け引きを絡ませた息詰まる攻防戦は“ザ・法廷劇”。ハラーは今回リンカーンを降りて事務所を構え、有能な調査員と共にチームで公判に挑む。弁護側の勝利とはすなわち、陪審員に無罪の印象を植え付けること。検察側の主張を踏まえた上で、弁護側のストーリーを上塗りする戦略は卑劣に見えるけれども、司法制度の中では正当なのよね。この辺りの認識のギャップにジリジリさせられながらも、それはそれで読み応えがあった。

    物語は法廷でのシーンが大部分を占める。検察、弁護側双

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    2016年04月09日