山本知子のレビュー一覧
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ネットの掲示板で知り合った二人。男は過酷な運命から逃れる旅に出るために、女は新たな運命の導きに従って、選択した結果だった。
主人公の若年性アルツハイマー発病という男側の背景が明かされ、物語が動き出す。旅はキャンピングカーでピレネー山脈を巡る、うらやましくもあるものだった。美しい景色、素晴らしい出会いと同時に若年性アルツハイマー病がこの旅の本質をつき付けてくる。旅の合間、病の合間に女性側の事情が自分語りで明かされ、男と読者は共にその人生を知ることになっていく。
男、エミルの症状が深刻になるに伴い、旅は移動から移住に近いものになる。女、ジョアンヌはエミルの希望する最期をかなえるため環境を -
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ネットの掲示板で知り合った二人。男は過酷な運命から逃れる旅に出るために、女は新たな運命の導きに従って、選択した結果だった。
主人公の若年性アルツハイマー発病という男側の背景が明かされ、物語が動き出す。旅はキャンピングカーでピレネー山脈を巡る、うらやましくもあるものだった。美しい景色、素晴らしい出会いと同時に若年性アルツハイマー病がこの旅の本質をつき付けてくる。旅の合間、病の合間に女性側の事情が自分語りで明かされ、男と読者は共にその人生を知ることになっていく。
男、エミルの症状が深刻になるに伴い、旅は移動から移住に近いものになる。女、ジョアンヌはエミルの希望する最期をかなえるため環境を -
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Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーで余命2年と診断された、26歳男性のエミルが、家族や友人、元恋人への未練など全てを捨てて、掲示板で出会った見知らぬ女性のジョアンナと2人で、人生最後の旅に出る、というお話。
本屋さんでめちゃくちゃおすすめされており、あらすじ等は全く見ずに、読み始めた。病気もののフィクションは絶対最後悲しい結末になることがわかってるので、あらすじを知っていたら多分読まなかっただろうな。。でもめちゃくちゃ良い本だった。
上巻は、エミルの視点で、所々過去の回想が入りながら、旅が進む。
エミルがこれまでの人生を見つめ直して、今を生きるために過去を赦す場面がとても印象的だった。
「もっとも偉大 -
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Posted by ブクログ
いわば幸福論の入門書のような一冊だと思う。
難解な議論ではなく、シンプルな言葉と分かりやすい喩えを用いながら、人が生きるうえで本当に大切なものは何かを率直に語っている。
この本は単なる禁欲主義を説いているわけではない
。物質的な豊かさを全面的に否定するのではなく、それに過度に依存する生き方を問い直す姿勢が貫かれている。また、精神的な学びのためにお金を惜しむ必要はないと書かれているところにも、現実に根差したバランスの良さを感じた。
「簡素であること」を自分の行動指針の一つにしたいと考えている自分にとって、この本の言葉はとても素直に胸に入ってきた。読み終えてすぐに、これは何度も読み返したくなる本だ -
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初めて読んだフランス人作家による小説。上下合わせて800ページを超える長編の感想をまとめて。
若年生アルツハイマーによって、記憶と生命が徐々に蝕まれていく青年エミル。
エミルが投稿サイトで募集した最後の旅のお供に唯一返信をした女ジョアンヌ。
それまで無関係だった2人がキャンピングカーでピレネー山脈への旅路を始める。
自分の死期がわかるのって、今までは絶望でやるせないことだと思っていたけど、それはひょっとするとこの上なく幸せなことなのかもしれないと初めて思った。自分の生き方(死に方)を決められるからだ。エミルは旅に出た。自分ならどうするだろうか。まだわからないし、想像もできない。後半に進む -
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Posted by ブクログ
『空、はてしない青』響きが良く、タイトルに惹かれました。画用紙に描こうとしたのは、色、そのものではなく、無限の広さを再現しようとして、無限の広さの謎を解こうとしていた・・・この場面の言葉たちは、心と生き方、記憶と心の関係を確かめようとするようだと思いました。26歳で若年性アルツハイマーとなったエミル。この事実ははじめから、明らかにされて、そこから近すぎる死への道を歩き始める物語。
自分自身を見つめ直す旅へと向かうエミル。
感情を持ち、自分の思考あり、それらが尊重されるべき『人間』としての生き方を考えさせられました。
激しさではなく、日々をゆっくりと確実に生きていく静かさこそが、波瀾万丈を乗り越 -
Posted by ブクログ
ネタバレお見事!!
上下巻800頁以上の大作。上巻は、現在と過去を行き来しつつの序盤の展開に、どうにも乗り切れないもどかしさがあったが、下巻に入ってからの加速度は他に類を見ないほどだったかも。
若年性アルツハイマー型認知症を患う主人公エミルが、人生最後の旅にでる。 旅のパートナーをネットで募り、一風変わった女性ジョアンヌが名乗りをあげる。
いわゆるロードノヴェルのスタイルで物語は展開し、ピレネー山脈沿いを北へ南へ、風光明媚だったり、歴史ある集落や、海辺での暮らし、どことなく優雅で気ままな旅だが、エミルの病状の進行に伴い失われていく記憶と、寡黙で謎めいた女性ジョアンヌの過去が明らかになる様子が -
Posted by ブクログ
余命を告げられたエミル。
掲示板で旅の同行者を募り、
ただ1人だけジョアンヌという女性が返事をくれた。
2人の独特な会話と、
アテもなくキャンピングカーで旅を続けていく様子、
新しい出会いや発見、
お互いが心許しあう様子がとても癒される。
エミルの元カノ、ローラとのエピソードは
心に響くものがあった。
結婚のタイミングが合わなかった2人。
子供が欲しいローラと、
子供に対して当時、絶対条件ではないエミル。
2人の傷をえぐり合うような、揚げ足を取る会話は
長い恋愛経験をしたことがある人に
ダメージとなるだろう。
お互いの気持ちがわかるもんだから尚更きつい。
ないものねだりだが、
時間は刻一 -
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Posted by ブクログ
食材についての科学的知見、歴史等のトリビア。経糸としてフランク・バックランド(医者・博物学者にして様々な食材を試す科学者一家の息子)のエピソードが貫く。
・チーズはショウジョウバエの齎した酵母菌が光緒
・ヨーロッパのナス科植物はぺラドンナ等有有毒であったので、トマトやジャガイモが忌避
・ライ麦とオート麦は小麦の雑草。小麦はヒトと共進化
・クローブは龍涎香、ナツメグは麝香の薫
・七面鳥はインドを含むトルコ以外ではターキー、トルコではヒンディー
・カカオは南米の大型ゾウと共進化したが、約1万年前にゾウが絶滅すると固く大きなカカオを丸呑みし、種を播種してくれる動物がいなくなった。単性生殖で生き延び、