山本知子のレビュー一覧
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借りたもの。
西洋哲学とその歴史を分かりやすく、児童文学にした名著のバンドデジネ……コミカライズ版!30年越しの……
日本語訳版の、高橋 常政氏が描いた知性と神秘性を滲ませた少女の表紙絵のイメージとかけ離れた、普通の少女の姿。
原作小説の冒頭では、ソフィーは友人と「人間とロボットの違い」について話し合っていたが、こちらでは環境問題について議論していた。……時代の移り変わりを感じさせた。
そしてアルベルトからの手紙による無料の哲学通信講座は、ソフィーのくしゃみによって、ソフィーの世界に展開されるという、コミックの絵と文章を同時読み出来る特性?漫画ならではの演出になり、読み手を哲学の不思議と歴史と驚きの世界に引きずり込んでゆく。
上巻は自然哲学からバロックまで。
原作ではあまりイメージができず、「そういうものなんだ」くらいに読み流してしまった、中世ヨーロッパ……後世に暗黒とも言われた時代の哲学…停滞ともいえるその時代だが、ヴィジュアルを伴い雰囲気が理解できた。
コマを縦横無尽に動き回るソフィー。
原作でもキモになるメタ発言。
「この先もまだまだ驚きがいっぱいよ!」 -
購入済み
原子力潜水艦の名前にも
能力あるSF作家は未来の技術の予言者になりうる、という格言があるがそれの代表とも言えるジュール・ヴェルヌの作品である。本作品の潜水艦の名前が、アメリカ海軍が最初に作った原子力潜水艦の名前にも採用されているも宜なるかなと思わせる傑作である。
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Posted by ブクログ
もう増えるの?w
個性豊かな特別班の面々に早くも新たなメンバーが加わります
もちろん既存メンバーに負けない個性を持っています
2作目にしてメンバーが同僚から仲間になっているのが凄い伝わってきてなんだか嬉しくなっちゃいます
また巻末の解説にも言及がありますがこの作品の 魅力はなんといっても否定されない気持ち良さです
様々な個性が警察という組織の中で否定され続け疎外されてきた特別班のメンバーたちもここでは否定されずにそのままの個性を活かし持っている能力を最大限に発揮して活躍します
そしてそれはリーダーの主人公カペスタンが自然体で受け止め、受け入れ、信頼して任せてくれるからに他ならないのです
カペスタンは絶対に否定しません
そのままでいいんだと全身全霊で伝えてくれます
もちろんそれは特別班のメンバーだけでなく読み手にも向けられてる気がするのです
「あなたはあなたのままでいいんだ」と
自分を信じてくれるカペスタンを信じて今日もありのままの自分で生きていくぜ! -
Posted by ブクログ
発砲事件により出世の道を閉ざされた停職中の警視正アンヌ・カペスタンをリーダーとする特別班
集められたメンバーは
因縁浅からぬカタブツで警察内の差別に苦しむルブルトン警視
脚本家として大成功をおさめた大金持ちのロジェール警部
相棒となった者が次々と事故にあい“死神“と呼ばれるようになり人嫌いを装うトレズ警部補
アルコール依存症でおしゃべりなサボり屋“鉛筆おじさん“ことメルロ警部
ヴァイオリンの教師から転職した警察官の汚職を暴き続ける垂れ込み屋オルシーニ警部
ギャンブル依存症のブロンド娘エヴラール警部補
パンチドランカーの元ボクサーで元凄腕のサイバー犯罪捜査官ダクス警部補
スピード狂で警察車両を次々と破壊するレヴィッツ
巡査部長
そしてそしてロジェールの飼い犬ピルー(彼だけは辞令なし)
はい、もう面白い〜!
こんなんもう面白いに決まってるじゃん!
あとはもう作者が余計なことはせずに特別班の面々に自由にやらせるだけで至極のコミカル・サスペンスの出来上がり!というあんばいです
実際作者のソフィー・エナフの絶妙な舵取りでそれぞれに得意分野を活かして迷宮入り事件を追って行きます
もうね〜こういうの大好きです
★5じゃ足りない面白さ!!
出会いに感謝! -
Posted by ブクログ
「パリ警視庁迷宮捜査班」シリーズ2作目。
カぺスタン警視率いる、はみ出し者ばかりの特別班が活躍します。
アンヌ・カぺスタンは、優秀な刑事だがある事件の過剰防衛で休職、復帰後に新たな特別班を任されました。
迷宮入りした過去の事件を再捜査するのが専門ですが、今回は起きたばかりの事件の捜査にも加わることに。
なぜなら、被害者がカぺスタンの元夫の父親だったから。
元夫ポールは人気に陰りが見えているコメディアン、その父親というのは警視でした。
とはいえ、他の部署が資料をほぼ独占、特別班にはわずかな情報しか回ってきません。
カぺスタンは元夫に会うのも嫌だったのですが…
この気持ちが当初は暗く描かれているため、サイテーなやつで全然希望はないのかと思いきや、そうでもない?
部下たちの中でもしっかり者のㇽブルトンはゲイとカミングアウトしたら左遷され、ロジエールは警察の内情を暴露した内容の小説がヒットしたので睨まれた女流作家、若いエヴラールはギャンブル依存症の女性だが捜査はかなり地道。
パソコンに詳しいダクスが変わり者というのは他でもあるような設定だけど、やはり程度が違う。
スピード狂のレヴィッツ、危な過ぎ。
ペットの犬やネズミまで活躍する楽しさ!
そ、そして今回は~自ら銃士と名乗るアンリ・サン=ロウ警部が登場。
はい、「三銃士」なら大好きなので、わかりますが~
えっ、17世紀から生きているつもりなんですか?
それでよく警部でいられる…(笑)
これはもうドタバタに徹するのかしら?
と思うと、そうでもない。
舞台劇のような味わいと言いましょうか。
色々な要素を含み、事件には重さもあるがその描写に力点をおかず、創作なんだからこれぐらいぶっ飛んで面白くしなきゃ、でしょ?という余裕綽々なムード。
それぞれが爪弾きにされた理由をお互いに気にすることなく受け入れる空気を作りだしたカぺスタンの度量。
良さを引き出されたメンバーが、いざという時にけっこう一丸となるのです。
ゆっくり深呼吸したくなるような空気を醸し出して、おまけに死神とあだ名されるトレズの意外な出番まであり、笑顔で読み終われる。
今回も、面白かったです☆ -
Posted by ブクログ
「パリ警視庁迷宮捜査班」1作目にして、作者のデビュー作。
落ちこぼれ警官が集められ、迷宮入り事件を捜査することに。
これが面白くて~大歓迎!
アンヌ・カぺスタンは、パリ司法警察の警視正。
30代半ばにして出世しているエリートだったが、犯人を射殺した件が過剰防衛とみなされ、半年間の停職になっていました。
局長のビュロンに呼び出され、特別班のリーダーに任命されます。
ところが、職場は警察署内ですらない古ぼけたアパート、捜査員はまだ停職中だったり何かと問題がある人間の寄せ集め。
有能そうなのは、ルブルトンぐらい?
彼はカぺスタンの処分を担当した堅物で、体格のいいハンサムだが、ゲイであることをカミングアウトしたために部署で浮いたのだった…
警察内のことをモデルに書いた小説がヒットしドラマ化もされた女性ロジェールは、収入があるのでアパートに次々に家具を持ち込み、飼い犬まで連れてくる。
ギャンブル依存症だった若い女性や、スピード狂の若者などまで。
相棒が次々にひどい目に遭ったトレズは疫病神と敬遠され、自らも怯えて人に近づかない。
カぺスタンはそんなトレズを気にせずパートナーにし、変わり者の部下たちの特技を生かして、臨機応変に捜査を進めていく。
左遷される前のカぺスタンが精神的に限界だったことも優しさを垣間見せ、出来ることに手を付けて淡々と進んでいくさまが好もしい。
変わり者たちの奇行っぷりは笑えます。
「特捜部Q」フランス版ともいわれるようで、確かに左遷された刑事にポンコツな部下がつき、意外な活躍をする話で、ユーモアもある。
「特捜部Q」だと部下は警官ですらないのだが…背景が重いものを含み、よく書き込まれています。
内容的には、パリが舞台のこちらの方が軽やかな雰囲気ですが、それはいかにもパリっぽい洒落のめした楽しさがありますね。
謎めいたモチーフの見え隠れする構成で、一見関わりなさそうな事件の重なり具合、迫力ある終盤、切ない幕切れと、面白く読めました。
カぺスタンは刑事を続けられるのかと自問し、上司の思惑も測りかねていたのが、ビュロンはただ厄介者をまとめて放り出したわけではなく、只者じゃないらしい。
そのあたりも~先が楽しみです☆ -
Posted by ブクログ
まさに手作りの警察チームがパリに誕生する。セーヌ川中州シテ島の司法警察局ではなく、古びたアパルトマンの最上階に。ヒロインは、発砲事件で進退を危ぶまれた挙句、半年間の停職処分と離婚の後、警察署の掃き溜めの任命されたリーダーのアンヌ・カペスタン。パリ警察の問題児ばかりをここに集めて世界から隠したい。それがパリ警察の狙い。カペスタンは明確にそう言われる。取り組むのは迷宮入り事件のみだ、とも。未解決事件の段ボール箱が積まれた古く黴臭い部屋。
対象警官は40名だが、ほとんどの者は停職中だから、勝手に集まってくる人間だけで遊ぶなり働くなり、勝手にやってくれ、という指示である。事件の解決など、はなから期待されていない。余計なことはせず、そこに隠れていればよい。そんな感じである。
フランス版<特捜部Q>シリーズとも言われているみたいだ。デンマーク・ミステリの代表格でもあるユッシ・エーズラ・オールスンの<特捜部Q>は、警察署の地下室で、やはり未解決事件のみの捜査を任され、どこからスカウトされてきたのかわからない謎の最小人数の部下とともに難事件に挑むカールの大格闘ミステリである。なるほど。確かに凶悪な犯罪に対し、コミカルでユーモラスで開き直ったリーダーの存在が、一見使い物にならぬような部下たちを纏めて、組織の鼻を明かしてみせるという構造は、類似するところがある。それに、何よりもいい構図ではないか。
花の都パリ。心に傷を抱えた部下たちとともに、本署が解決できなかった事件に立ち向かう部署。そんな設定の本書は、フランス国内で大いに人気を博し、現在のこの続編も既に二作が上梓されているらしい。本書は作家ソフィー・エナフのデビュー第一作であり、本シリーズの第一作でもある。だからこそ、新部署立ち上げの破天荒な様子が、まず奇妙で愉快だ。次々に登場する怪しい捜査官たちとその奇行には圧倒されるけれど、古いアパルトマンがどんどん風変わりな改装を施され、備品が思い思いに持ち込まれ、それぞれがコミュニケーションを重ねてゆく毎に、疑似家族を形成してゆく。それに捜査も何故か進んでゆき、出来損ないたちの表情も明るさを増してゆく。うーん、やはり、手作り警察、いいぞ!
さて段ボール箱の中の複数事件に、二人チームずつ当たって始まる捜査なのだが、実はここが凄い。入り組んだ、文字通り迷宮のような段ボール箱の事件が、実は本書の完成図を作る上で重要なファクターとなるのだ。事件は事件であって事件ではない。事件は、チームの存在や根幹に関わるものとなり、捜査は実はスケールの大きな風呂敷となって作品全体に広がってゆくのだ。あまりに核心に触れる部分なので、謎めいた表現になるが、要はミステリとしての根幹も素晴らしいのが本書なのである。
1991年フロリダキーウエスト島でのどう関連するのかわからない人物の旅行中のエピソード、1993年の船員銃殺事件、2005年の老女絞殺事件、2012年現在のどう関連するするのかわからない人物の婚約のエピソード、2012年現在、迷宮捜査班チームの始動。さらにいくつものこまごまとした捜査模様。まるでバラバラの破片だ。
しかし、それが見事に大団円に向けて、大きな一枚の画幅となってゆく。この仕掛け、凄い! コミカル・サスペンスとあるけれど、さほど軽くはないように感じる。むしろ、何らかの負の心を抱えた傷だらけの警察官たちが、互いに思い合える疑似家族の優しさの中で、徐々に再生を果たしてゆくヒューマン・ミステリとして捉えたい。傷を負った者たちが一丸となって事件を収束させる、言わば「やり切る」ことで癒されてゆく心と心の物語なのだ。とても良い読後感。人間中心のミステリって、やはりいい。ちなみに、登場人物表に犬が一匹紛れ込んでいるけど、この子も存在感があります(笑)。