山本知子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーと診断され、余命2年を宣告された26歳の男性であるエミル。彼はすべての柵を取り払うかのようにキャンピングカーで旅に出る。ネットで同行者を募集(事情は詳らかにしたうえで)したところ、ジョアンヌという29歳の女性が応募してきたので一緒に旅に出ることとなった。設定だけでもワクワクしてくる。上巻ではエミルの病状はそれほど悪くならないので、周りが見る分には二人は幸せそうだ。ただし、ジョアンヌの背景が明かされないままなので、そのままハッピーエンドというわけにはいかなそうであり、これからの二人に訪れることが気になっているところで上巻は終わる。
-
Posted by ブクログ
もしジョアンヌがレオンと出会わず、ブルートムも授からなければ。エミルとの約束を破ってまで最期にエミルの母親に会わせることはなかっただろうなと思う。それ以前に、奇妙な旅の誘いにノコノコ着いて行ったりなんてしなかったはずだ。
過去は今に繋がっており、また今も未来に繋がってる。それを強く思わずにいられなかった。
「その子をとらえて離さなかったのは、特別な色やその動きじゃなくて...・もしかしたら、ただそういったものが映し出す無限の広がりや深さだったのかもしれないよね」
「だって、空と水の共通点はそこだよね?」
きみが言うように、過去や未来の不安のなかでばかり生きていると、すべてのもののなかに、あるいはほとんどすべてのもののなかに美しさがあるってことを忘れてしまいそうだよ。 -
Posted by ブクログ
上巻から一気読み。下巻では子供を作る決心をする2人とその過程での葛藤、エレオノールとフランソワ両者の立ち直りを描いており、最後はまさに心身共に「立ち上がって」いたのですっきりとした読後感だった。
自分が強く希望したわけではないのに子供を持つ、というのはかなり精神的にも肉体的にもしんどいだろうなと思ったら案の定で、不安定になっていくエレオノールには共感した。上下巻通して人の心の機微をかなり細かく描いており、登場人物が作者の意図通りに動かされているのではなく、自ら意思を持って動いていると感じるリアリティがあり、登場人物全員に少しずつ共感できた。
「空、はてしない青」の方が評価が高いようなのでそちらも読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「赤い水玉の白いワンピース」で星5。
これは、恋愛小説じゃなかった。
終盤は涙。
エミルは死んでしまうのだから、泣く覚悟はしていたけれど、思っていたのとは少し違う結末だった。
上巻では、ジョアンヌが謎めいていて、期待感が膨らむ。先を読み進めたい衝動にかられ、星5。
下巻では、次第にジョアンヌの物語が明らかになっていく。種明かしをされてしまうと、もしかしたらイマイチだったかも...なんて、がっかりしかけた。
アルツハイマーの解像度が気になったり、ジョアンヌの積極的な感じにちょっと引いてしまったり。
それなのに、最後まで読んで、やっぱり星5。
いい小説だった。
母親の愛に目を向けてくれて、ありがとう。