逸木裕のレビュー一覧

  • 彼女が探偵でなければ

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    初めて読んだの作家さんでした!
    推理物はやっぱり面白い。
    ちょっとした違和感から真実にたどり着くみどりさん。
    気になっちゃうと調べちゃうんだなぁ。

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    2025年12月12日
  • 銀色の国

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    死に導くVRの話。前に引きこもりの小説を読んで、優しいゆえに気を遣ってしまう子供の気持ちが分かった気がしたが、こちらも自殺に向かってしまう人の気持ちを描写しており、少しその気持ちを理解できたように思う。その気持ちを理解して企む人間がいて、怖いもんだと思ったが、なかなかリアルで引き込まれた。

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    2025年10月19日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    そんな議論ってある?と思いながら読み進め、
    なんだかとてつもなく深い問題提起をされている、と次第に怖くなった。いい意味で。
    自分が当事者ではないから、そこまで、と思うのだろうか。子どもも親も、深層的には救われない気がして辛い。
    ラストの展開はまさかまさかで、おお?!と声が出た。目がつい先を走るから、すごく我慢しながら読み進める。これも読書の楽しさだよなぁ。
    自分というアイデンティティ。遺伝するもの。育つ環境。…この本で読書会があったら、すごく楽しそう。

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    2025年09月27日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    題名から興味を持ち読み始め、面白くて一気読み。
    父とは何か、深く考えたこともなかったし、この本を通して分かったつもりもない。結局人それぞれということだろう。
    同じ血を受け継いだ彼らが過ごしてきたそれぞれの人生。そして、森栄莞爾とはどのような人物なのか。
    終盤は、自分の予想とは違う展開が多くて驚かされてばかりだった。他とは違うミステリーであり、家族について考えさせられる一冊であった。

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    2025年08月27日
  • 五つの季節に探偵は

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    『龍の残り香』作者の香道についての堅実な下調べや取材が物語の厚みにつながっている気がした。『スケーターズ・ワルツ』も同じく。

    『解錠の音が』高校生、大学生を経て大人になっても丸くなるわけではなくより刺激的な真相を求めている榊原みどりを見た。好奇心の獣。

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    2025年08月25日
  • 五つの季節に探偵は

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    謎を解くたびに、わたしは誰かに迷惑をかける。隠されているものを暴きたいーわたしの<熱中>は、多くの人を幸せにする音楽などとは違い、常に誰かを傷つける危険性を孕んでいる。
    (p.225)
    探偵の父をもつ高校2年生の榊原みどりは、あるとき同級生から、生徒に人気の男性教師の秘密を探るよう依頼される。教師を独自に尾行するうち、真相に気付いたみどりは自身の探偵としての才能とある"性質"に気づかされる。

    面白かった!
    ミステリーではたいてい、"

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    2025年07月15日
  • 四重奏

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    時折、感情が突き動かされる本がある。僕にとって、本書がそうだった。本や映画との出会いは、同じものと触れても、その時々の自分の環境だったり体調だったりタイミングによって受け止め方が変わってしまうものだと思うが、今日この本を読めたことはこの上ない幸運だった。特にこの内容に共鳴する何かが身の回りにあったわけでもないけれど、後悔や自己嫌悪や挫折や憧憬や希望が混ざり合うこの物語に、なぜかしらひどく惹き付けられた。
    まったく素養のないクラシック音楽の世界が舞台にも関わらず、それがかえって新鮮だったのか、とても面白く読むことができた。自省的な主人公 坂下英紀が、翻弄されながらも神秘のベールの向こう側にある黛

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    2025年07月02日
  • 彼女が探偵でなければ

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    前作よりも間違いなくこのシリーズ、磨きがかかっている。
    好みの問題と言われればそこまでなのだが、ビターな味わいといい、日常の謎の延長線にありそうな作風といい、ハードボイルド(それでいてステレオタイプになっていない)な描写といい、何もかもがぴったり揃うパズルのピースを揃えたかのようで最高なのだ。
    短編集だが連作のような雰囲気があるし、何よりトリックと人がきっちり描けている。ミステリというと大掛かりなトリックだけが独り歩きしがちだが、本作は事件を起こす「ひと」にも焦点が当てられている。これはいい。最高などという言葉ではもったいないぐらいだ。

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    2025年06月26日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    今年も面白かった〜。お気に入りは、似鳥鶏「名探偵名前が適当」と宮内悠介「最後のひと仕事」。どちらも読み応え抜群!
    「どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう」は東川篤哉楽して良き。

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    2025年04月30日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    推しの太田愛が書いていたので買った本。300ページほどなのに1200円+税。高え!
    6人の作家の書き下ろしミステリー、半分は読んだことがない。楽しみだ。
    まずは太田愛から。うーんいつもと違う。お嬢さまだのなんだのセレブなお屋敷舞台のミステリー。好みではない。
    東川、逸木、宮内の作は面白かった。
    アンソロジーは次に読む本の入り口になる。

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    2025年04月01日
  • 五つの季節に探偵は

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    ネタバレ

    おすすめされていた本なので。良くあるミステリ小説の探偵ではなく、我々の日常により近い感覚の探偵もの。女子高生だった主人公は、友人からとある依頼をされて以来、その人が持つ人間性を覗き見るのが好きになってしまう。それはどんな結末をもたらしても変わることなく、彼女を魅了していく。それでもそこまで罪深い話はないので、何というか、ちょっとした悪い趣味を見つけてしまったときの感覚に似ている。薬物はちょっとどころじゃなくヤバいか。でも殺人も無いので、ミステリ初心者や、猟奇ものじゃないのを読みたい人にはぴったりかもしれない。ひとつの話もそこまで長くないし。私は大満足だった。

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    2025年02月18日
  • 彼女が探偵でなければ

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    森田みどりは、二児の母で複数の部下も持つ中堅の私立探偵。家族を大切にしつつも、出会った相手の素性を執拗に追い求めてしまう好奇心旺盛な性分が故に、深みにハマってしまうこともしばしば。彼女が巡り合った少年達の内側に迫る連作短編集。

    「時の子」
    時計師親子の物語。
    私も腕時計をオーバーホールに出したことがある。安くはない金額だったが、精緻極まりない時計を扱う時計師の緻密な技能には払って然るべき費用だったかなと。本書も、時計さながらの緻密な伏線が紐解かれた後の意外性が冴え渡る。

    「縞馬のコード」
    “千里眼を持つ”という謎めいた少年に引っ張られてグイグイ読ませる。
    みどりの心理描写(下記)に大共感。

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    2024年12月15日
  • 五つの季節に探偵は

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    ★5 人間の本性に魅了された私立探偵みどり、バランスの優れた高品質な連作短編 #五つの季節に探偵は

    ■きっと読みたくなるレビュー
    すげー面白んだけど、いい連作短編集ですね。読み逃してたなぁ~、文庫で拝読します。

    設定自体は女性の私立探偵ものなんですが、ひとつひとつの作品に気品があり、味がある。各編の素材もセンスが良いし、取材も徹底的。謎解きとしても伏線の効かされた真相に驚かされるし、変に捻り過ぎず、物語とのバランスもいい。

    主人公みどりのキャラクター、人間の本性を見抜きたくなるという性格もいいんすよ。ミステリー読者であれば、誰もが思う現実的なあるあるだし、すごく身近に感じちゃう。彼女の成

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    2024年11月10日
  • 五つの季節に探偵は

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    ネタバレ

    どの話しもとても面白かったが、特に「龍の残り香」が好きだな、香道に興味わきました。

    でも、みどりちゃんはいつ結婚して、結婚相手の森田さんはどんな人なんだろう?奥野さんと良い感じになるかと思ってたから、名字が森田でびっくりした。

    今後、新人探偵の要ちゃんの活躍も見たい。

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    2024年10月19日
  • 四重奏

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    ミステリー(特に死が絡むもの)は暗くてえぐいものが好きなので、その点でいくと物足りなさはあった。でもそれを凌駕するほどの『解釈』に圧倒されてしまった。音楽とは何か、演奏家の演奏はなんなのか、聴く側は一体何を鑑賞しているのか、という問いかけがとても冷たくて、かつてクラシック音楽に携わっていた身からすると、当時自分の演奏にああでもないこうでもないと言ったり言われたりしていたことに果たしてなんの意味があったのだろうか、という気持ちにさせられた。

    そしてこれは音楽に限った話ではないと思う。この世の全ての事象、表現する側とそれを受け取る側がいる限り付き纏う。私たちは世界の何を見ているのだろう。全くの私

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    2024年03月16日
  • 四重奏

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    〈火神〉の異名を持つ孤高の音楽家・鵜崎顕。彼の主催する鵜崎四重奏団で、団員の黛由佳が亡くなったため欠員補充のオーディションが開かれる。学生時代に彼女と親しかった坂下英紀は彼女の死に疑念を抱き、オーディションを受けることでその真相に迫ろうとするが……。
    ミステリーだと思って読むと肩透かしを食らう。本作で描かれているのはクラシック音楽や演奏を含めた“芸術”の本質だ。
    登場人物の1人が言う。「人間は、何も判らない」。この言葉が繰り返され、すべては〈錯覚〉だとされる。
    深い。そしておもしろい。年間ベスト入り確定の1冊。

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    2024年03月03日
  • 風を彩る怪物

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    大好きな作家さんの安定した面白さ!
    フルート奏者として悩む主人公の少女と、出会う人たちが抱えるそれぞれの事情や葛藤が丁寧に描写され、映画を見ているような気持ちになりました。
    夢が叶いそうにない時、誰でも理由をつけて他の道を選びたくなるものですが、この本を読んでいると頑張りたいと思えます。

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    2024年02月28日
  • 四重奏

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    本の雑誌3月号の新刊めったくたガイド(SF)を読み終えて、何の気なしに次頁をめくったら、推理小説のページに「音楽とは何か」を問う、逸木裕『四重奏』を推す!という見出しに釘付けとなった。いつきひろし?あの演歌の?ではない。「いつきゆう」とルビが振ってあった。そりゃそうだ、予備知識が無ければそう読むでしょう。約三段の解説を読み終えたら、この本を直ぐに手に入れたいという衝動にかられた。これは本当に推理小説なのか?内容が甘利にも次元の高い音楽の話をしている。今まで関わってきた私と音楽との関係を見直すきっかけになりそうなテーマに手が震えた。よほどクラッシック界の実情を御存じなのか?それとも緻密な取材に寄

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    2024年02月27日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    ネタバレ

    23/12/23〜24/1/2
    7月に『23春』、8月に『22秋』、10月に『22春』、今回12月に『23秋』。順番が入れ替わったりしたけど、やっと最新作に追いついた。『23春』だけ、あと4人分がまだ読めてないので、次はそれを。
    今回の『23春』は、今まで読んだ3つと比べてとても読み応えがあり、楽しめた。

    12/23〜12/27東川篤哉 ★★★
    『どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう』
    『謎解きはディナーのあとで』以来。
    おじさん作者らしいめんどくさい感じはあるものの、軽く読めて面白かった。トリックは想像通りだけど、まあ楽しく読めたのでよし。あるマイカの口調が楽しい。

    12/27逸木裕

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    2024年01月03日
  • 四重奏

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    音楽ミステリーだけではなかった。
    挫折や目標、やりたい音楽と向き合う人たちの事や、関わっている人間の心理描写が色々と考えさせられる。
    四重奏の世界にのめり込みました。
    面白かった。
    作中に出てくるクラシックを聴きながら読むと
    この事か。と理解が深まる気がしました。

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    2023年12月27日