逸木裕のレビュー一覧
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ネタバレ久々の逸木裕「森田みどり」シリーズ。過去のレビューを調べたら、「星空の16進数」も「5つの季節に探偵は」も2023年に読んでいるので3年ぶり。
みどりさんは本作では結婚して2児の母をしつつ、今もお父さんの探偵事務所で女性探偵として現役で働いている。前作では育児休暇中の彼女を描いた1作もあったが、本作では上の子はもう6歳になっていたり。
そんな彼女の活躍を描いた5編。どれも捨て作なしの読み応え、ミステリーとしても人間ドラマとしても質が高いねんなぁ。
理知的で美しい1話、デジタル社会への啓もうな2話、ドンデン返し連発の3話、クルド移民差別問題を扱う4話、そして短いながらもみどりの一家を丁寧に描 -
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時折、感情が突き動かされる本がある。僕にとって、本書がそうだった。本や映画との出会いは、同じものと触れても、その時々の自分の環境だったり体調だったりタイミングによって受け止め方が変わってしまうものだと思うが、今日この本を読めたことはこの上ない幸運だった。特にこの内容に共鳴する何かが身の回りにあったわけでもないけれど、後悔や自己嫌悪や挫折や憧憬や希望が混ざり合うこの物語に、なぜかしらひどく惹き付けられた。
まったく素養のないクラシック音楽の世界が舞台にも関わらず、それがかえって新鮮だったのか、とても面白く読むことができた。自省的な主人公 坂下英紀が、翻弄されながらも神秘のベールの向こう側にある黛 -
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ネタバレおすすめされていた本なので。良くあるミステリ小説の探偵ではなく、我々の日常により近い感覚の探偵もの。女子高生だった主人公は、友人からとある依頼をされて以来、その人が持つ人間性を覗き見るのが好きになってしまう。それはどんな結末をもたらしても変わることなく、彼女を魅了していく。それでもそこまで罪深い話はないので、何というか、ちょっとした悪い趣味を見つけてしまったときの感覚に似ている。薬物はちょっとどころじゃなくヤバいか。でも殺人も無いので、ミステリ初心者や、猟奇ものじゃないのを読みたい人にはぴったりかもしれない。ひとつの話もそこまで長くないし。私は大満足だった。
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★5 人間の本性に魅了された私立探偵みどり、バランスの優れた高品質な連作短編 #五つの季節に探偵は
■きっと読みたくなるレビュー
すげー面白んだけど、いい連作短編集ですね。読み逃してたなぁ~、文庫で拝読します。
設定自体は女性の私立探偵ものなんですが、ひとつひとつの作品に気品があり、味がある。各編の素材もセンスが良いし、取材も徹底的。謎解きとしても伏線の効かされた真相に驚かされるし、変に捻り過ぎず、物語とのバランスもいい。
主人公みどりのキャラクター、人間の本性を見抜きたくなるという性格もいいんすよ。ミステリー読者であれば、誰もが思う現実的なあるあるだし、すごく身近に感じちゃう。彼女の成 -
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ミステリー(特に死が絡むもの)は暗くてえぐいものが好きなので、その点でいくと物足りなさはあった。でもそれを凌駕するほどの『解釈』に圧倒されてしまった。音楽とは何か、演奏家の演奏はなんなのか、聴く側は一体何を鑑賞しているのか、という問いかけがとても冷たくて、かつてクラシック音楽に携わっていた身からすると、当時自分の演奏にああでもないこうでもないと言ったり言われたりしていたことに果たしてなんの意味があったのだろうか、という気持ちにさせられた。
そしてこれは音楽に限った話ではないと思う。この世の全ての事象、表現する側とそれを受け取る側がいる限り付き纏う。私たちは世界の何を見ているのだろう。全くの私