逸木裕のレビュー一覧

  • 風を彩る怪物

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    音楽を題材にした小説は多々あるが、本作はその中でもオルガンに焦点が当てられている。
    オルガンの仕組みだけでも「こうなっているのか」「そうなんだ」と思える記述が続き、取材や膨大な量の資料と格闘した事を伺わせる。
    本作で何よりも胸を打たれるのは音楽に、楽器に真摯に向き合う人々の情熱である。様々な種類のある音楽だが、人を夢中にし、熱狂させる「魔物」のようなものが潜んでいるのではないか。そんな風に思わせる。もちろん音楽にそこまで興味がない読者でも十二分に楽しめる内容となっている。圧巻だった。面白い。

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    2023年09月19日
  • 銀色の国

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    死生観が変わる 月が溶ける、銀色のこころ、誰かにとっての正しいは他人にとっては狂ってるかもしれない ああ、幾らかで他人の人生を、価値観を、体験できる。小説のそういう醍醐味を逸木裕はいつもいつもさせてくれるので、ほんとうにだいすき!ミステリー好きじゃないけど!ほんとうにすき!

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    2023年08月21日
  • 風を彩る怪物

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    何となく聞いていた地元のFMラジオからふと流れてきた書籍紹介で出会った作品。すぐに題名をメモして、手に取り読み始めた。題名からは想像できないパイプオルガン製作を中心とした、物語。よく下調べがされていて物語に引き込まれる。展開も小気味よく、意外性もありながら気持ちよく読み進められた。遅読の自分としては手に取ったときは、1ヶ月位かかるかと思っていたが、毎日読み進めて思いの外早く読み終えてしまった。読みたりなさも感じず、過剰さもなくちょうどよい分量で、読み終わりも充足感を感じることのできる作品でした。

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    2023年07月13日
  • 虹を待つ彼女

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    最初からすごい引き込まれた。
    徐々に、水科晴がどんな人物なのか。なぜ、その生き方を選んだのか気になっていく。
    《虹を待つ》ってなんの事だろ?と思いなが読み進めると、最後は本当に素晴らしかった。

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    2023年05月26日
  • 風を彩る怪物

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    いやー、おもしろい。
    尻上がりにおもしろかった。

    序盤は知識不足から手が止まってしまうことも。
    でも第一章の結末から第二章
    ページを捲る手が止まらなかった。

    音楽って素晴らしい!
    自分に無いものを素直に心から尊敬して
    手を取り合えることも素晴らしい!

    パイプオルガンの音を聞く機会が、今までの私の人生の中にはなかったけれど
    チャンスがあればぜひとも聞きたい。

    コンサートに行きたくなったし
    森の中も歩きたくなった。
    海沿いの防風林の中を散歩するのが大好きな私。
    風の音、波音、鳥の声、自分の足音。
    いろんな音が混ざって、でも不快ではなくて。
    寧ろすべてが溶け合って、心地よい癒される音なのだか

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    2023年04月06日
  • 星空の16進数

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    ネタバレ

    ネグレクトされていた幼少時代に誘拐された経験のある17歳の少女、藍葉の元に、ある人から探偵と称する女性、みどりが100万円を携えやってくる。

    藍葉とみどり、二人の主人公目線で物語は進む。100万円は誰が用意したものなのか?藍葉を誘拐したのは誰なのか?

    ミステリーとして謎解き部分も十分だが、この小説の核心部は、藍葉がもともと持っていた色覚に対する才能がさらに鋭く開花成長していく様と、探偵みどりの破滅的ともいえる破天荒な行動っぷり。

    それ以外の脇を固めるキャラクターもいい。解説で似鳥鶏が記しているように、逸木裕のキャラクター作り込みがしっかりしているからこそ、そこに寄って立つことで小説に熱が

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    2023年02月16日
  • 風を彩る怪物

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    まるで自分がその世界に入り込んだかのように、音も、情景もありありと伝わってきてとても楽しかったです。作者が描いた陽菜と明子の物語を自分が追体験しているようでした。

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    2023年01月25日
  • 風を彩る怪物

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    蜜蜂と遠雷+鋼の森のような雰囲気の話でした。クラシックはほとんど聴かないけど、オルガンやフルートの演奏風景が眼の前に浮かんできて爽やかな気持になりました。

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    2022年11月18日
  • 風を彩る怪物

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    凄い良い作品に出会えました。
    演奏者の心理描写や音や自然の表現…素敵でした。
    登場人物の成長や、ひとつの事をやり遂げることの素晴らしさ。
    タイトルからさ想像がつかない、とても優しい作品です。

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    2022年09月29日
  • 風を彩る怪物

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    いやぁ…なんと言いますか。すっかりのめり込んでしまいました…

    映像として目の前に広がっていく感覚。
    本を読んでるはずなのに映画を観ているよう。

    セリフが聞こえ、音楽が聴こえてくる。
    奥瀬見の自然が迫ってくる。

    その中での人間の物語。

    私の今年のベストワンかな。

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    2022年08月31日
  • 風を彩る怪物

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    パイプオルガンは、確かに楽器の『怪物”かも。その製作者をビルダーと言うのも納得。多彩な音の表現に引き込まれ、荘厳な気持ちに。「羊と鋼の森」「蜜蜂と遠雷」以来の音楽小説。賞レースに名乗り出ろにはタイトルにもうひと工夫ほしいところ。

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    2022年07月14日
  • 少女は夜を綴らない

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    クセがスゴい。恐るべし逸木裕。どの作品を読んでもそこには新しい概念との出会いがある。今回は「加害恐怖」とな。もしかしたら拒否反応を示す人もいるかもな異色な設定満載で進むこの物語、僕は夢中になって読んだ。初めから最後まで、巧みな構成と文章力が飽きさせない。本当にすごいと思う。
    それにしてもクセがスゴい。みんなひねくれている。ほんと大好きだ。

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    2022年06月08日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    面白さはもちろんのこと、著者である逸木さんの、人工知能への視点、人間への視点に感銘を受けた一冊でもありました。人工知能が労働を奪う、とささやかれる現代だからこそ、よりこの作品の世界観や主人公の心情がリアルに、そして切迫感をもって伝わってきた気がします。そういう意味ではSF要素がありながらも、社会派的な作品なのかもしれない。

    AIアプリが音楽を作曲する近未来を舞台に、元作曲家が自分の友人であった天才音楽家の自殺の謎を追うミステリー。

    作品に登場する音楽家たちの心情がリアルで、切迫感を伴って伝わってくるのがとてもよかった。自分の創るものは人工知能でも作れる、なんなら人工知能の作る作品の方が優れ

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    2022年01月30日
  • 空想クラブ

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    ミステリーとジュブナイルと救済とSFと。
    いっぱい混ざっさた贅沢な物語。
    空想を見る力を持つ主人公と、ある事件がきっかけで亡くなった少女の邂逅。そこに、失われた絆をもつ仲間が再び集まって、最後は大団円。
    未来が明るい。
    想像力と空想力が掻き立てられて、本当に、こんな世の中が近いうちに訪れるのではないかと思わされる。

    ヒールも人の心を持ついい人だった。現実はそんなに甘くないけど、たまにはこんな締めも悪くない。

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    2021年04月24日
  • 虹を待つ彼女

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    多少強引で粗削りな部分も感じてしまうものの、それでもそれも含めてその強い想いに共感と感動を覚えた。冒頭に提示される魅力的な謎を追究、発展させていくストーリー展開はめちゃめちゃ上手だと思う。たちまちのうちに引き込まれ、続きが気になってしょうがなかった。人工知能という舞台設定も興味深かった。水科晴、雨、そして工藤。時に性的に、時に狂気的に、暴走の気配も見せる小説だけれども、いやまてよ、恋は盲目、常識的な見境がなくなってしまうのも確かに恋の一面だったはずだ。
    打算的だったはずの男が落ちた狂おしいほどの初恋とその悲劇的な終焉。これは良し悪しを超えてその強い想いが伝わってくる新時代のラブストーリーの傑作

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    2021年04月23日
  • 虹を待つ彼女

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    主人公の独善的でステキな性格(←嫌味)に多少イライラしつつも、謎と伏線回収のバランスが良く、続きが気になりほぼ一日で読破。
    ラストで「ざまぁ!」と思うか「哀れ…」と思うか。
    それは読者次第。

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    2019年12月15日
  • 虹を待つ彼女

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    この小説を読んだとき「ギアチェンジがスゴい」小説だと思いました。自分が強く感じたのは小説の半分ほどでまず一回、そして終盤にもう一回。ギアを変えたときの振動で、頭を車の天井にぶつけそうになりました(笑)

    一人の人格を完璧に再現する人工知能を作ることになり、そのモデルケースで既に亡くなっている女性が選ばれるのですが、その人工知能を作ることになったプログラマーが主人公のミステリ。
    この亡くなった女性が、かなり個性的というか、とにかく強烈。彼女の自殺方法、生前の生活の様子は、まさに天才や異才の雰囲気を感じさせます。

    以前、北村薫さんは宮部みゆきさんの『火車』を恋愛小説としても読める、と評したそうで

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    2019年11月23日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    ネタバレ

    カリスマ経営者として皆に愛されていた森栄莞爾。
    だが彼は、精子提供で105人もの子供を作っていた。
    そのリストが出回ったことで、自分が莞爾の子供だと知った健太は、他のきょうだいたちと出会い、その場で大金が絡む、ある提案を受けることに……。
    育ててくれた人と、遺伝子が繋がっている人。
    あなたは、どちらを《父親》と呼びますか?

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    2026年01月29日
  • 星空の16進数

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    探偵・森田みどりが主人公の『五つの季節に探偵は』、『彼女が探偵でなければ』の間を埋める長篇小説だ。なのだが、刊行順から言えば本作のほうが先だ。調べてみるとデビュー作の『虹を待つ彼女』(積読中)にも登場するらしい。
    本作は幼い頃に誘拐された藍葉に謎の贈り物が届いたことから始まるミステリーだ。藍葉とみどりが交互に語るスタイルをとっている。
    藍葉は色彩に特異な感覚を持つが、人の気持ちがわからない。みどりは行動型の探偵で、人の本性を暴かずにはいられない。
    まったく異なるキャラクターが1つの真相を追いかけるのが読みどころだ。うまいなあ。

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    2026年01月25日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    ネタバレ

    登場人物たちの感情に沿った文章が読みやすくて面白かった〜!

    健太の出した結論は読者にとって気持ちよく受け止められるものとは言えないけど、
    自身の本質的な部分(家族/大切な人への強烈な愛情)に共通点を感じる森栄莞爾を父と認めたうえで"父と息子""血縁"を切り離して「健太という個人」の願いで「健一郎という個人」にこれからもずっとそばにいてほしいと願うラストがすごく美しいと思った。

    父と子/親子だから一緒にいるんじゃなくて、今まで積み上げてきた信頼と愛情があるからこそ役割に囚われずにそれぞれの自発的な意思でこれからも支え合う選択をした、そういうことだよね。

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    2026年01月22日