逸木裕のレビュー一覧

  • 風を彩る怪物
    パイプオルガンは、確かに楽器の『怪物”かも。その製作者をビルダーと言うのも納得。多彩な音の表現に引き込まれ、荘厳な気持ちに。「羊と鋼の森」「蜜蜂と遠雷」以来の音楽小説。賞レースに名乗り出ろにはタイトルにもうひと工夫ほしいところ。
  • 少女は夜を綴らない
    クセがスゴい。恐るべし逸木裕。どの作品を読んでもそこには新しい概念との出会いがある。今回は「加害恐怖」とな。もしかしたら拒否反応を示す人もいるかもな異色な設定満載で進むこの物語、僕は夢中になって読んだ。初めから最後まで、巧みな構成と文章力が飽きさせない。本当にすごいと思う。
    それにしてもクセがスゴい...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    表紙からは想像できなかった、なかなかに内容の濃い短編集でした。主人公で探偵でもあるみどりが、高校生から大人になる、その成長も楽しめました。特に大人になって、高校の頃とは違う、心境や心構えとか、そういった変化が感じられます。

    推理内容もさることながら、みどり自身のアイデンティティが物語の軸かなと思い...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    面白さはもちろんのこと、著者である逸木さんの、人工知能への視点、人間への視点に感銘を受けた一冊でもありました。人工知能が労働を奪う、とささやかれる現代だからこそ、よりこの作品の世界観や主人公の心情がリアルに、そして切迫感をもって伝わってきた気がします。そういう意味ではSF要素がありながらも、社会派的...続きを読む
  • 空想クラブ
    ミステリーとジュブナイルと救済とSFと。
    いっぱい混ざっさた贅沢な物語。
    空想を見る力を持つ主人公と、ある事件がきっかけで亡くなった少女の邂逅。そこに、失われた絆をもつ仲間が再び集まって、最後は大団円。
    未来が明るい。
    想像力と空想力が掻き立てられて、本当に、こんな世の中が近いうちに訪れるのではない...続きを読む
  • 虹を待つ彼女
    多少強引で粗削りな部分も感じてしまうものの、それでもそれも含めてその強い想いに共感と感動を覚えた。冒頭に提示される魅力的な謎を追究、発展させていくストーリー展開はめちゃめちゃ上手だと思う。たちまちのうちに引き込まれ、続きが気になってしょうがなかった。人工知能という舞台設定も興味深かった。水科晴、雨、...続きを読む
  • 虹を待つ彼女
    主人公の独善的でステキな性格(←嫌味)に多少イライラしつつも、謎と伏線回収のバランスが良く、続きが気になりほぼ一日で読破。
    ラストで「ざまぁ!」と思うか「哀れ…」と思うか。
    それは読者次第。
  • 虹を待つ彼女
    この小説を読んだとき「ギアチェンジがスゴい」小説だと思いました。自分が強く感じたのは小説の半分ほどでまず一回、そして終盤にもう一回。ギアを変えたときの振動で、頭を車の天井にぶつけそうになりました(笑)

    一人の人格を完璧に再現する人工知能を作ることになり、そのモデルケースで既に亡くなっている女性が選...続きを読む
  • 風を彩る怪物
    どんな演奏なのか、何を感じるどんな音なのか…。
    これらを文字で伝え記すのは本当に難しいことだと思います。はじめましての作者さんでしたが、音を表す言葉のチョイス・表現の仕方に響くものがあり、前半部分一気読みでした(*°∀°)=3

    『闇の中に光を灯すようなフルートとは違い、オルガンは光の塊を放出してい...続きを読む
  • 虹を待つ彼女
    初逸木。少〜し読んだだけで、これは間違いなく面白いっ!と直感した本作。その結果……大当たりな作品でした(^^) ある(頭も性格もいい完璧な)男が、初めて愛した女性は残念ながらもう既に死んでいた——それを人工知能として蘇らせる話。究極の恋愛小説。星四つ半。
  • 四重奏
    面白かった。この世界にのめり込んで読みました。仕事中も続きが気になって仕方ないくらいに。音楽に造詣が深い訳でもないし、おそらく楽器の善し悪しも聞き分けられないと思うけど、悲しいかな「錯覚」はあると思う。でも音楽を聴くのは好き。小松さんの好感度が高い。
  • 四重奏
    音楽の素養は全くないが、良かった。
    チェロ奏者の話だが、どんな生き方を選んでも遭遇する普遍的な話だと思うので、幅広い層に読んでもらいたい。

    「人間は何も理解できない」──でも〈解釈〉し続けるしかない。
    絶望の中に一筋の希望を見出すようなラストに感動した。とても良かった。
  • 虹を待つ彼女
    ライトノベルのような昨日かなぁ〜と舐めてかかって読み始めたら,大パンチ喰らいました〜
    すごく良かったです。
    文章も上手でどんどん読み進めることができるし、ミステリー?サスペンス?な感じであっという間に作品にのめり込んでいました。
    恋愛,青春,ミステリー、と三つのテーマが一つになった一つで3度美味しい...続きを読む
  • 四重奏
    音楽の話かと思ったら、何か深い話になってた
    クラシックはわからない。
    確かに奏者がヨーヨー・マだったら、いい音、いい音楽だと思う。
    小沢征爾の指揮のオーケストラは、ゲネプロでも音が違った気がした
    最後に主人公の今後がどうなるかが気になる
  • 四重奏
    異端の楽団に入った知り合いの女性が死んだ。死の謎を解こうとまだプロになりきれていないチェリストが挑む。

    ミステリーとしては微妙。しかし音楽とは何かを大胆に解釈する様は最高。所詮この世は錯覚とバイアスで成り立ってるだけなのかも
  • Jミステリー2023~FALL~
    アンソロジー。
    ほんとは東川篤哉が読みたかったんだけど、他の作家さんも面白いねぇ。
    東川篤哉さんは星4つ。まさかの烏賊川市シリーズの番外編が読めて幸せでした。
    他の作家さんだと、逸木裕さん(いつきひろし かと思ったら いつきゆう だった)、太田愛さん、宮内悠介さんが面白かったです。特に太田さんのは星...続きを読む
  • 風を彩る怪物
    大学時代に付き合ってた彼女がピアニストでショパン弾きながらフォークの伴奏もしてくれた。繊細な感性と手先の技術が自分の心を表現する手段だとわかっている人は強いね。欲を言えば完成するまでの数ページを読みたかった、よね。
  • 電気じかけのクジラは歌う
    読んでいくたびに新解釈が出てきて物語の展開に右往左往してしまいました。
    序盤はどうなっていくんだろうとワクワクしたり中盤衝撃的な事実に驚いたり、主人公の人間的な弱さにイライラしたり…。著者の手のひらの中で転がされているようでした。
    テンポも良くなかなか面白かったのですが、最後の展開が自分的にイマイチ...続きを読む
  • 四重奏
    煌びやかな音楽を奏でる芸術家たちの厳しい現実と卑しさ… チェロに向き合う天才と凡才の物語 #四重奏

    ■あらすじ
    主人公である若き青年はチェリスト、実力はあったがオーケストラの正会員ではなく生活ができていなかった。ある日彼は、チェロを自由奔放に演奏する女性に出会い、すっかり魅了されてしまう。しかし彼...続きを読む
  • Jミステリー2023~FALL~
    手にしたことのない作家さんの作品が読めて、楽しみました。新たな作家さんとのであいに感謝ですね。
    このシリーズ、大好きなのでぜひ続けてほしい。