逸木裕のレビュー一覧

  • 五つの季節に探偵は
    とある少女が探偵(役)として謎を「暴き立てる」お話。暴くのではなく暴き立てるが正しい印象。イヤミス・・・ではないのかな?とにかくそのあと周りや自分がどうなっても謎というか人の本性を暴き立てることだけに執着しているさまはそこはかとない不快感が。
    そもそもそういう作りの話なのかと思ったんですけどね。探偵...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    勉強でも仕事でもやる気がある時は楽しい。もっとこうしてみよう、こうしたらいいかもと真摯に向き合って上手くいけばさらに。
    この本の主人公にとって探偵業がまさにそれ。地道な努力も調査もその人間の本質が見えてくるまでやり遂げる。それが読んでいて楽しい。
    現実は結果を提示するだけで済まない感じがいい。
  • 星空の16進数
    みどりさんのご主人の司さん!グッジョブ!
    綺麗なもの。忘れられないくらい印象的で何度も夢に見たものは、本棚だった。
    沢山の本にさまざまな色の折り紙を巻いて、しまう。その景色、見てみたい。
    赤、緑、青。
    光の三原色をブレンドした16進数、
    これでたくさんの色を表現できる。
    でも、色を表現するのは和名が...続きを読む
  • 虹を待つ彼女
    ミステリ……の皮を被った本質は恋愛小説なのではないかと思います。

    人工知能のモデル(故人)に惚れてしまった男と、亡くなったモデルの女性、そしてその恋人の関係を中心に描かれています。モデルの女性は亡くなっているので、最初から報われない恋なのですが。

    主人公の男が本当に腹の立つやつで、斜に構えたプラ...続きを読む
  • 少女は夜を綴らない
    内容(「BOOK」データベースより)
    「人を傷つけてしまうのではないか」という強迫観念に囚われている中学3年生の理子。身近な人間の殺人計画を「夜の日記」に綴ることで心をなだめ、どうにか学校生活を送っている。そんな理子の前に、彼女の秘密を知るという少年・悠人が現れる。暴かれたくなければ父親の殺害を手伝...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    一人の探偵の人生をなぞる短編集。人を壊しかねない真実を暴いてしまう自分の性質が嫌だけどやめられないというジレンマが面白かった。探偵小説では探偵は称賛されるのに、彼女は批難される場面が多かったかな。
    サクサク読めて面白かったけど、なにかがすごく抜きん出てたとは思わなかったので星3。
  • 虹を待つ彼女
    虹の一言に込められた想いは感じられた。でも使い方が気に入らない。この本に限らないんだけど、気に入らない。AI絡みのところは、そうね、できたら面白いなと思えたので、よかった。
  • 五つの季節に探偵は
    「わたしはね、〈人間〉を見るのが好きなんだよ」
    他人が被った皮を剥いで、その奥にいる〈人間〉を探らずにおれない榊原みどり。

    高校2年、初めて探偵業の昏い楽しさに目覚めた「イミテーション・ガールズ」
    大学時代、人間の隠していたものを暴き、友を失った「龍の残り香」
    父の経営する調査会社に就職後、危ない...続きを読む
  • 星空の16進数
    どうして私を誘拐したんですか――? 色鮮やかな青春ミステリ。

    17歳でウェブデザイナーとして働く藍葉のもとを、私立探偵のみどりが訪ねてきた。「あるかた」の依頼で藍葉に百万円を渡したいというのだ。幼い頃に誘拐されたことのある藍葉は、犯人の朱里が謝罪のために依頼したのだと考え、朱里と会わせてほしいとみ...続きを読む
  • 虹を待つ彼女
    内容(「BOOK」データベースより)
    2020年、研究者の工藤賢は死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。モデルは美貌のゲームクリエイター、水科晴。晴は“ゾンビを撃ち殺す”ゲームのなかで、自らを標的にすることで自殺していた。人工知能の完成に向け調べていくうちに、工藤は彼女に共鳴し、惹かれていく。...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    人工知能の作曲アプリ「Jing」により作曲家が絶滅した近未来。元作曲家の岡部の元に、自殺した天才・名塚から指をかたどったオブジェと未完の傑作曲が送られてくる。
    彼の残したメッセージの意図とは――。名塚を慕うピアニスト・梨紗とともにその謎を追ううち、岡部はAI社会の巨大な謎に肉薄していく。
  • 電気じかけのクジラは歌う

    AIにより完成度の高いものが手軽に創造できる時代に、あえて人間がモノを生み出すの意味が希薄になる。
    いつか音楽に関わらずこういう時代が来るのだろうな、と思った。
    Jingやカイバなど、近未来の世界観が面白く没入できた。
    最後のJing社長の結末が気になる。
    人間がモノを作ることの意義は、作ること自...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    スケーターズワルツが頭から離れない。探偵を始めるきっかけの話が一番嫌かも。調査会社としての探偵って、喜々として謎解きをするのと違って人の嫌なとこいっぱい見るんだろう。
  • 五つの季節に探偵は
    【収録作品】イミテーション・ガールズ/龍の残り香/解錠の音が/スケーターズ・ワルツ/ゴーストの雫

    探偵の娘・榊原みどりが他人の隠している本性を知りたいという欲求に目覚め、探偵として生きていく連作。
    「イミテーション・ガールズ」みどり、高2。同級生から「教師の弱みをにぎってほしい」と依頼され、不本意...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    人の心を覗き見たい暴きたいという厄介な性質をもつみどりが、父と同じ探偵の道を歩んでいく。5話の連作短編集。「イミテーション・ガールズ」「龍の残り香」「解錠の音が」「スケーターズ・ワルツ」「ゴーストの雫」
  • 虹を待つ彼女
    ❇︎
    虹を待つ彼女/逸木裕

    第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作

    6年前に劇場型自殺事件を起こして死亡した
    ゲームクリエイター水科晴(はる)。

    人工知能会話システムの開発者 工藤賢は、
    システムの更なるユーザー開拓の一環として
    晴の人工知能の開発に着手する。

    晴の人工知能を作るために晴の情報を...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    AIに作曲家や音楽家の仕事が奪われた世界のお話。
    終始暗い雰囲気のまま、話が進んでいった。結末をどうするのかと不安になったが、その結末でパッと世界に色がつき、救われた気がした。
  • 電気じかけのクジラは歌う
    各人のキャラがブレブレで、展開も混迷を極めるけれど、原点に戻ってくるかのような帰着にはほっとさせられた。主人公を始めとした登場人物があまりにもひねくれているのがマイナス印象でもったいない。アコースティックから交響楽やテクノまで、歌や音楽を奏でることへの想いは伝わってくる。名声を残すために死を選ぶとい...続きを読む
  • 新世代ミステリ作家探訪
    読みたい本が増えた。
    ミステリー作家のトークイベントとインタビューをまとめてある。
    読んだことのある本には共感。読んだことのない本には興味津々。まだまだたくさんの知らないことがあるようだ。読んでいて楽しかった。
  • 少女は夜を綴らない
    イヤミスは読んでいてツラい。この本の主人公のような、状況から不幸の境遇に追い込まれていくだけでなく、自らの行動でも不幸の側へあえて進んでいくようなストーリーは、特にツラい。

    心の中の澱みがどんどん積み重なってしんどくなる。まぁ、それがイヤミスの醍醐味と言えばそうなんだけど、読み終わったらズンと疲労...続きを読む