逸木裕のレビュー一覧

  • 新世代ミステリ作家探訪

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    若林さんがガンガン踏み込んで面白い話を引き出してくださるので楽しかった。「こうではないですか?」と斬り込んで「そうじゃないですね」と返される場面も多かったけど、それはまあご愛嬌。

    印象に残っているのはこの辺▼
    ・円居さんの「推理漫画よりも早く展開する頭脳バトルやギャンブル漫画のテンポが求められていると感じている」という話や、FGO他ノベライズの裏話。

    ・SFミステリと特殊設定ミステリの違いと阿津川さん・逸木さん・方丈さんのスタンスの違い。

    ・澤村さんの「ジャンルの書き手でないからこそジャンルあるあるなシチュやキャラに頼りたくない」スタンスはそういう考えもあるんだと新鮮だった。

    ・呉さんの「理不尽な暴力そのものでなくそこに抵抗する人々の姿を描きたい」という話は直前に読んだ「爆弾」の答え合わせを見るような気がした。

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    2022年10月27日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    技術革新により職場が失われて行く。圧倒的な才能を持ち、AIに対抗出来ると思われていた斯界の第一人者も自らの命を絶った。昔の仲間に謎めいたメッセージを残して。。。

    名塚楽はなぜ自殺したのでしょう?岡部の得た結論はとても陳腐に感じられて名塚のイメージにそぐわないのですが…。天才の考えは永遠に凡人の理解の外にあるということで、詮索するのは諦めますけど。

    ところで、渡辺絵美子秘書はご無事でしょうか?

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    2022年10月30日
  • 空想クラブ

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    宮古島の祖母から祖父へ、祖父から駿へ受け継がれた「見る力」。小学生のときの親友の死、その葬式の帰り道、彼女が亡くなった場所で彼女を「見る」。彼女はなぜ亡くなったのか、その真相にたどり着けるか。かつての仲間たちとその真相に迫るミステリー。疎遠になっている仲間や不良グループに縛られ葛藤する仲間、駿との邂逅に戸惑いながらも信頼関係を築いてゆく。ミステリーなのですが内容はファンタジー要素を含み、壮大な物語へ。ただ、空想クラブのメンバーは気づかないうちに彼女「真夜」に永遠に縛られてしまったのではないのだろうか?

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    2022年10月23日
  • 風を彩る怪物

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    パイプオルガンの記述が半端ない。あまり知らなかったパイプオルガンの魅力が間違いなく増した。
    そしてソロ楽器としてフルートも知ることができた。
    主人公は前半と後半でそれぞれ二人の若い女性。お互いが近づきすぎない距離感覚で物語が進む。そしてそれぞれの音楽に対する悩みや、楽器制作に関わる悩みが語られる。
    大型のパイプオルガンを「怪物」と表現し、その手の込んだ構造や表現力を文字で伝えることは至難の技だったろうが、流れる音が想像できた。
    最後に小さな謎が解決されていくが、それが自然の中で起こる怪物的な音。
    構成にしても表現力にしても一級でした。

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    2022年08月27日
  • 風を彩る怪物

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    陽菜はフルートで音大受験したが失敗してしまった。田舎でカフェをやる姉のもとでしばらく暮らすことにした。するとオルガンを作る工房の人に誘われ、バイプオルガン作りに協力することになった・・・

    すごく面白かった。全く知らなかったパイプオルガンの世界の深いこと。楽器とか音楽に畏怖の念を覚える。

    そして挫折した陽菜や、オルガン作りに没頭する朋子の人生の物語もすごく読ませる。

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    2022年08月21日
  • 風を彩る怪物

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    ネタバレ

    コンテストで力の限界を感じたフルート奏者陽菜、姉のいる奥瀬見でオルガン製作者芦原と出会う。その娘の朋子もオルガンビルダーを目指し、陽菜と反発しながらすこじずつ歩み寄りお互いに成長していく。
    フルート奏者としての新たなる出発とパイプオルガンの完成にむかって進む物語。森の樹々を渡る風の音が聞こえ、バッハやサン=サーンスの響く読み応えのある1冊でした。

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    2022年08月18日
  • 風を彩る怪物

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    陽菜と朋子、2人の心の叫びと紡ぎ出されていく絆とが、そのまま物語を彩る音色となって、読み終えたあともその余韻が心地良いです。

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    2022年08月10日
  • 風を彩る怪物

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    オルガンとフルート、音楽に真剣に向き合う人の物語。
    確かにオルガンや木管楽器の響きは、森の響きと似ているのかも。
    バッハを脳内再生しながら、心地よく読みすすめた。

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    2022年08月08日
  • 風を彩る怪物

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    タイトルだけではまったく想像もつかないが、素晴らしい音楽小説だった。
    フルート奏者の陽菜は、あることをきっかけに演奏することができなくなり、音大の受験にも失敗してしまう。失意の陽菜は、奥瀬見でカフェを営む姉からの誘いに乗りその地を訪れる。そこでオルガンを製作中の芦原と知り合い、協力することになる。
    前半は陽菜の、後半は芦原の娘でオルガン製作者の朋子の視点で紡がれる。オルガンという特殊な楽器の構造や歴史、演奏法など、初めて知ることが多くて興味深く読んだ。2人の主人公の成長譚としても読み応えがあった。
    いろんな楽曲が登場するが、オルガン=バッハとならない点も高評価。大好きだったサン=サーンスの交響曲第3番(オルガン付き)を久し振りに聴きたくなった。

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    2022年07月31日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    「Jing」というAIによって、これまでの音楽は全て喰らい尽くされていく。
    作曲家としての仕事が減り、安価に音を生み出す機械が重宝される時代の中で。
    ある天才作曲家が、「遺作」の一部を自らの指紋に残し、壁に貼り付けたことから、波が起こり始める……。

    AIが台頭する世の中では、これまでの「仕事」はなくなってしまう、そんな話を何度も耳にする。
    だから、私たち人間にしか出来ない創造的な内容や、答えが一つではない問題にトライしていくことが“必要”になってくるのだと言われている。

    けれど、この作品を読んでいると、仕事を「奪われること」の重みをとても感じる。
    それは、今までだって同じで、機械化・情報化されて「奪われた」ことも多くある。
    今の自分が、それを当たり前と感じているだけ。
    それは分かっていて、でも、少し寂しくもある。

    いつか、見えなくなって、当たり前になるんだな。

    扱いきれない膨大な情報を前にして、いかに、足元と目の前で良しと出来るか。
    高速を前にして、いかに深淵に留まれるか。
    欲望への抗いにこそ、生きることへの活路を見いださせるような、そんな矛盾した感想を抱いた。

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    2022年04月24日
  • 虹を待つ彼女

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    横溝正史ミステリ大賞受賞作だそうな

    なるほどミステリちゃミステリやな。意外と読んだことないノリな気がしました。「i」からファンタジー要素抜いた感じ??(違ったらすみません…)。おもしろく読めました。

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    2022年03月31日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    人工知能を用いて、ユーザーが好みの曲を自ら作曲していく。
    未来のようとも思えるし、近い将来実現しそうとも思える。

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    2022年03月26日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    すでに音楽の作り方が人経費を抑えるために打ち込みになることが多く、ループ素材を貼り付けて作品を作ることは一般的となっている。
    未来の話というより、そんな現在の世の中を揶揄しているのかもしれない。
    面白く読ませてもらえた。

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    2022年03月24日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    既読作家のインタビューは面白く読めたが、それ以外の方のは上滑りする感じで読んだ。しかし、作家さんたちや、書評家の方々は本当に本を読み込んでいるのだなぁと思う。澤村伊智と阿津川辰海は読もうと思っていた作家で、更に早く読まねば、と思った。あと、大学のミステリ研で、ミステリーよりも「ジョジョ」「カイジ」「ガンダム」が会話に出るというエピソードや、京大ミス研にはジョジョ全巻置いてあるのとか面白かった。デスノートもインタビューのあちこちにでてきたし、マンガ・アニメのストーリーがミステリー界に与えている影響も大きいのですね。
    今、高校生だったら賢い大学行ってミステリ研入る目標も楽しそうだなぁ。読み仲間が増えそう。

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    2021年10月24日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    言い回しや考え方にそれぞれの個性や人柄を感じられ、同じ本をあげていても視点が違ったりする所があったりしたのが読んでいて楽しめた。

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    2021年09月30日
  • 少女は夜を綴らない

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    心に闇抱えてる人がなんといっても多い

    アドバイスが良いものになるか悪いものになるかっていうのは受け取り手の問題っていうのにはなるほどってなった。

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    2021年05月28日
  • 空想クラブ

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    ネタバレ

    死んでしまった友達を中心に話が進む青春ミステリ。
    読み終わった後に心が温かくなりました。また星座や宇宙に詳しくない自分には面白い部分がたくさんあり、思わず宇宙関係の本を買ってしまいました!

    空想は光よりも速いスピードで見たいもの感じたいものを経験させてくれる。
    大切なのは空想する為の素となる知識と空想する練習。
    それの最たるものは小説なのではと思いました。
    小説なら宇宙の果ても地底の中も見る事が出来ますしね。

    点と点を繋いで星座と考える様に人間の一番素敵な力は想像力なんだなと思いました。

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    2021年05月21日
  • 空想クラブ

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    ネタバレ

    SF要素にファンタジー要素にホラー要素に貧困問題にミステリーに青春ジュブナイル…ちょっと盛りすぎた感があってやや粗っぽい感じがある。

    広げた風呂敷を綺麗にまとめているのは良いのだけど、空想(千里眼)の部分と青春劇の部分に特化しても良かったのかもなぁとは思うが、これは好みの問題かな。

    とはいえ、オーラスのクライマックスの一番盛り上がる部分は圧巻。ティーン世代の友情をこんな風に描けるのか。死後の世界にこんな解釈を持ち込めるのかぁ!

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    2020年12月25日
  • 空想クラブ

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    祖父から受け継いだ力により、見たい風景を「見る」事ができる主人公・駿。その彼に興味を持った転校生でクラスメートの真夜。いつしか「空想クラブ」を作るようになった。
    しかし、ある日を境に「空想クラブ」は解散。みんな中学生になり、メンバーはバラバラになっていた。
    そんな時、真夜が川で命を落とした。現場を見ようと駿は川へ。そこには、死んだはずの真夜がいた。

    主人公だけが真夜が見えることやバラバラだったメンバーを集結しようと試みるというキーワードを聞くと、どことなく「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」が浮かびました。設定はもちろん違いますが、この作品は、よりミステリー色が強い印象でした。真夜の事故の謎だけでなく、メンバーが抱える問題がでてきます。なぜ、今こうなってしまったのか、主人公や真夜と共に謎を解いていきます。

    ミステリーとしても楽しめますが、青春小説としても楽しめました。メンバーとの再会やお互いの気持ちが甘酸っぱく、時にビターに描かれていて、青春っていいなとか仲間っていいなと思わせてくれました。
    他にも情景描写の描き方が多彩で、透明感のある雰囲気にさせてくれるので、ダークな部分もありましたが、終始どんよりとした気持ちにはなりませんでした。

    色んな謎が回収されてからのラストは、感動を誘いました。
    帯に書かれている「ラスト16ページの奇跡をあなたは体験する」は、今までの様々な話があったからこそ、グッと来るものがあるので、最後だけ読むのではなく、最初からぜひ読んんで見てください。

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    2020年09月05日
  • 虹を待つ彼女

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    人工知能とか、電子用語あちこちとか、新時代のミステリ。読むのを止められない。
    雨のことは割と早い段階でわかるし、ハードボイルド的展開は中途半端な感じもするけど、読みやすい文体で爽やか。

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    2020年09月05日