逸木裕のレビュー一覧

  • 空想クラブ

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    ネタバレ

    SF要素にファンタジー要素にホラー要素に貧困問題にミステリーに青春ジュブナイル…ちょっと盛りすぎた感があってやや粗っぽい感じがある。

    広げた風呂敷を綺麗にまとめているのは良いのだけど、空想(千里眼)の部分と青春劇の部分に特化しても良かったのかもなぁとは思うが、これは好みの問題かな。

    とはいえ、オーラスのクライマックスの一番盛り上がる部分は圧巻。ティーン世代の友情をこんな風に描けるのか。死後の世界にこんな解釈を持ち込めるのかぁ!

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    2020年12月25日
  • 空想クラブ

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    祖父から受け継いだ力により、見たい風景を「見る」事ができる主人公・駿。その彼に興味を持った転校生でクラスメートの真夜。いつしか「空想クラブ」を作るようになった。
    しかし、ある日を境に「空想クラブ」は解散。みんな中学生になり、メンバーはバラバラになっていた。
    そんな時、真夜が川で命を落とした。現場を見ようと駿は川へ。そこには、死んだはずの真夜がいた。

    主人公だけが真夜が見えることやバラバラだったメンバーを集結しようと試みるというキーワードを聞くと、どことなく「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」が浮かびました。設定はもちろん違いますが、この作品は、よりミステリー色が強い印象でした。真夜

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    2020年09月05日
  • 虹を待つ彼女

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    人工知能とか、電子用語あちこちとか、新時代のミステリ。読むのを止められない。
    雨のことは割と早い段階でわかるし、ハードボイルド的展開は中途半端な感じもするけど、読みやすい文体で爽やか。

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    2020年09月05日
  • 少女は夜を綴らない

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    買ってから8時間もしないうちに読み終わってしまった。

    愛読家(?)の人からするとこれは思われるか分からないが高校を卒業し2年半も小説に触れてこなかった私からするととても珍しい事だし驚いた。

    小説を読んでいると中盤で空きが出てくるがこの本に関してはそれを感じなかった。

    たくさんの本を読んできた訳では無いので、比べる対象が少ないのだが、スピーディに物語が進んでいくように感じた。

    だが、私の理解力や考察力が足りないのか題名の持つ意味がイマイチ分からないままなのが悔しい。

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    2020年08月31日
  • 虹を待つ彼女

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    SF+ミステリー+恋愛。
    しかしこのSF的な要素についてはかなりの現実味というか、現状AIの進化は驚くべきものがあるので、もうAIと恋愛をすることが不自然ではない時代が来るのでしょう。もしかしたら来ている???
    既にこの世を去っている見知らぬ女性をAIとして復活させる。しかも彼女は世間を騒がせた犯罪者で、自らを標的として自殺を遂げている人物。これだけで既に面白い話になりそうだなと想像させますが、正直ここまでSFとミステリーに振ってくるとは思いませんでした。表紙からするともっと恋愛感動に大振りしてくるのかなと。
    捻くれているうえに類まれなる頭脳を持っているが故に、生に倦んでいる青年が主人公ですが

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    2020年05月08日
  • 虹を待つ彼女

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    三十路のおっさんの初恋から失恋までを長々と読ませられるこっちの気持ちも考えてくれよ……。     
    いやまぁしかし随分とひねくれた恋愛小説だこと。    

    そして驚愕のオチ!     

    まぁまぁ面白かった。

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    2019年07月30日
  • 虹を待つ彼女

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    AI技術により死んだゲームクリエイターを蘇らせようとするが、誰からか脅迫状が届く。
    調査する過程がミステリっぽく面白い。また謎の人物が意外にもという感じだが無理矢理っぽい。時代に合わせた結果かな。

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    2019年06月15日
  • 虹を待つ彼女

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    自殺したゲームクリエイターの水科晴を人工知能として蘇らせようとする工藤。晴の過去を探るうち魅了され恋愛感情を抱く。誰かに命を狙われながらも調べることをやめない工藤。自分でも想像していなかった感情に囚われていくさまは狂気すら感じさせる。ゲームの世界とうまく絡めてあったり、人工知能の善し悪しなどもあってとても面白い。

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    2019年06月07日
  • 四重奏

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    クラシック音楽のこと、とりわけ演奏論にこだわって書かれているところは興味深く読んだが、登場人物の言動の不自然さが時に鼻についてしまうところもあった。
    ミステリーとしてのおもしろさは感じられたし、プロットもよく考えられていたと思われるが、最後の謎解きはいかにもあっけない感じで、まあこんなものかという印象だった。

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    2025年12月19日
  • 彼女が探偵でなければ

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    なんでしょ?さら~っと読める探偵5篇
    クルド人のお話で、いじめっ子が弱者家庭を助けるために‪✕‬書いたくだり?良い奴なのか悪い奴なのか?いじめてる事態、悪い奴やと思うけど、、、なんかそこ違和感

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    2025年12月13日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    ネタバレ

    途中までは良かったんだけど、最後で失速。主人公の出した結論が相容れなかった。
    12人の怒れる男のオマージュかと思うような、番号振られた12人で可否の投票。全会一致が条件。リーガルミステリー気分で入ったが、主人公の頭が硬過ぎて脱力。そこ含めての遺伝によるものは何より強いの主張になるのかな。
    ドナー云々で、あ、善人に見せかけてこれはダメなやつだと思ったら案の定。清水玲子さんの「輝夜姫」ではないですか!!活用まではしてないけど。

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    2025年12月11日
  • 彼女が探偵でなければ

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    軽い感じでサラッと読めました。
    この本の前が、米澤穂信さんの羊のやつで、暗くてウツウツ、高貴な闇の世界的な話だったので、中休み的な感じて、サラッと。重すぎたり残酷すぎるのもが嫌だし、軽すぎなのもなんか合わないし、読書って、その時の自分が反映されますね。

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    2025年12月09日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    これだけは言っておきたいのです。逸木さんが選択する挑戦的なテーマがいつも大好きです。小説の完成度とか、共感の有無とかに関わらず、これだけ毎回あっと驚くようなテーマを提示してくれる逸木さんの作品がいつだって大好きなのです。なにかしら他人との違いに劣等感を隠し持ってうじうじしてたりするけれど、普段はそれなりに真面目で真摯に生きている、なのにときとして激情を抑えきれない主人公が好きなのです。
    物語は突拍子もない設定と展開で、主人公がたどり着いた結論には正直共感しかねるのですが、そんなことよりもこのテーマそのものが意欲的であり、それだけで僕はもう満足なのです。
    父親とは何か?生物学上の父親と育ての親と

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    2025年12月05日
  • 五つの季節に探偵は

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    飄々としている主人公が良かった
    オーディブルで聴いた時の温度感もすごく良かった

    適温の水、水を差すという表現も好きだった

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    2025年12月05日
  • 彼女が探偵でなければ

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    『五つの季節に探偵は』の続編にあたるものとのこと。そちらは未読である。そもそもシリーズものだったと知らずに読んでいた。前作を読んだ方がみどりのひととなりについても深くわかるのか?

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    2025年12月03日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    ネタバレ

    さもありなんという結末。12人の怒れる男とカズオ・イシグロが脳裏よぎる。クローンでないのが、救いなのか?健太の思考にもついていけない、めんどくさい甘ったれ。「父とは何か」追求もいいけど、育ての親に感謝。は親に苦労してないから?

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    2025年11月19日
  • 彼女が探偵でなければ

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    ネタバレ

    森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の〈本性〉を暴くことに執着して生きてきた。
    気づけば二児の母となり、探偵社では部下を育てる立場に。
    時計職人の父を亡くした少年(「時の子」)、千里眼を持つという少年(「縞馬のコード」)、父を殺す計画をノートに綴る少年(「陸橋の向こう側」)。
    〈子どもたち〉をめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていく。
    謎解きが生んだ犠牲に光は差すのか。

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    2025年11月11日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    現代技術からそう遠くないような、近未来を舞台にしたミステリー。

    作曲をAIが代替する時代が舞台。天才作曲家の自殺を発端とする不可思議な出来事の真相を追う物語。

    最近のAIの進歩ぶりを見るに、この舞台設定もリアリティを感じるところ。というか、既に出来そうまである。そういう身近さもあってか、500ページ超の割に読みやすい。

    結末も綺麗な終わり方。何かと人との対立軸として設定されがちなAIへの考え方としても参考にしたくなるものでした。

    前半の主人公の、ウジウジっぷりが読んでいて少し辛かった笑

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    2025年10月29日
  • 風を彩る怪物

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    主人公2人とは悩むレベルが全然違うんだけど、読みながら「自分は何になりたいんだろう」とモヤモヤしていた時のことを思い出した。この作品でオルガン製作者のことをオルガンビルダーと呼ぶと初めて知った。オルガン制作の過程を追いながら、職人の熟練の技と知識に支えられたその深い音の広い世界を堪能。なんて奥が深い楽器なんだろう。


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    2025年10月17日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    育ての親か生みの親、精子提供した人を父親と呼べるのか、非の打ち所がない精子提供者が亡くなり親友である男から会社の信用問題に関わるので父親として認めて欲しいとの願いに家族について考えるのだが自分はどう感じるのだろうと考えながら読んでいたらその提供した理由が明らかになった時奈落の底に突き落とされた感覚を体験。
    唐突の、でもよく考えると子どもを亡くした事やさまざまなところでヒントはあったのだが血縁の問題が頭から離れなかったので一気に突き落とされた感覚を味わった。
    尊敬する父親を持つ健太目線で話は進むが健太の最終的な答えに賛同できなかった。

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    2025年10月16日