逸木裕のレビュー一覧

  • 彼女が探偵でなければ

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    森田みどり。今回も、感情、私情にとらわることなく真実をつきとめることに一直線。
    歳を重ね大切な家族ができても、彼女 は 探偵でなければいけない使命のようだ。

    このシリーズまだまだ続いてほしい。事件までいかず探偵が活躍できる範疇なのですが、ホー、と楽しませてくれる謎解きが心地良い。

    理くんが、お母さんと同じ仕事で活躍する日が訪れるのかも。

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    2025年06月28日
  • 彼女が探偵でなければ

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    軽めの推理小説の短編シリーズみたいな感じ。そこまで理詰めでこないから読みやすかった。
    なんで、を追求するのは面白そうだけど、怖さもある。

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    2025年06月21日
  • 五つの季節に探偵は

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    高校生から大人になって出産後に仕事を再開する、探偵人生の物語という形式の連作ミステリー。設定自体どうということもないし、成長したからこその事件解決能力が上がっていくようでもない。そういう意味では物足りないこともないではないが、主人公の根本的なところは変わらないというのが話の根幹でもあるから、じっくりとこの探偵と付き合っていくための連作というところ。
    それぞれの話は面白くできているし、どんでん返しもあったりするので十分楽しめた。どうということのない高校生、自分を常温水に例えるくらいの無味無臭かもしれないが、どうしてどうして色々なところでいい味を出している。最初の話が高校生時代の探偵業に入っていく

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    2025年05月25日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    絵を描くAIが普及しているが、音楽を作るAIは「まだ」。
    絵よりも娯楽として浸透している音楽がどう反応を受けるのか、楽しみでならない。

    AIが作ったといえど、そのAIを作ったのはヒトで、指示を出したのもヒトであり、答えを出すための材料を与えたのもヒトであることは忘れずにありたい。

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    2025年05月13日
  • 四重奏

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    部活や習い事でクラシック音楽の世界に片足突っ込んでいた私にとっては、内省的でとても響くテーマでした。火事で亡くなった知人の謎に関して言えば、結構あっさりめなので、ミステリー分野として手に取ると、退屈に感じるところがあるかもしれません。

    YouTubeを開けば、再生回数による良し悪しも測れるし、他人のコメントも、いいねの数も、指標になる。「私の感覚間違ってないよね?」と知らないうちに示し合わせていたかもしれないなと考えさせられた。名演奏に模倣も錯覚もきっとあると思う。それでも、いくつもの時代を超えて伝わってきた曲・作曲者が込めた思い・有名演奏者によるドラマ・聴いている自分、もしくは弾いている自

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    2025年05月11日
  • 彼女が探偵でなければ

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    前作を知らずに読んでしまった。
    2022年 夏を読み終えた時はあんまりかな〜と感じたが、以降の物語が深かった。
    有益だったし、論理的に導きだされる仮設に引き込まれた。
    〈答えを簡単に出す人〉にはハッとさせられた。
    派手な事件はないが、真相や結末がとても良かった。

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    2025年05月06日
  • 彼女が探偵でなければ

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    『五つの季節に探偵は』の続編! 少し大人になったみどりに会えて嬉しい。前みたいな凶暴な探偵性は少し顰めるのだけれど、やっぱりな〜みたいなところも好き。父親の殺害計画を交換ノートすることになる「陸橋の向こう側」がお気に入り。

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    2025年05月04日
  • 四重奏

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    逸木裕なのでミステリとして面白いのはもちろんなんだけれど、音楽ってなんなのかなあ、とかちょっと考えちゃったり。そこに悩むのが芸術とエンタメの狭間にいるクリエーターの宿命なのかもね。

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    2025年05月04日
  • 彼女が探偵でなければ

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    ネタバレ

    みどり。探偵。母親。謎を解き明かしたい。時計。父親。防空壕。自分が時計。父親を殺したい。千里眼。闇バイト。陸橋。渡ってしまう人。クルド人。探偵の子。子どもは親を見て育つ。

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    2025年04月18日
  • 彼女が探偵でなければ

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    ネタバレ

    ★4.5
    物語としては面白い、みどりさんの知りたがり癖のおかげで、いろんな謎や人の秘密に触れることができて大変面白い探偵小説。
    奥行き深くなるのは夫である司さんと、二人の息子の存在。知りたい欲求だけを突き詰めるだけなら普通の探偵小説だけど、家族がいることで生まれる葛藤がリアルで胸に迫る。
    333項「私とお前、ふたりとも大丈夫だったじゃないな。理もきっと、大丈夫だよ」大丈夫かもしれないけど、そこにいきつくまでに、司さんが大丈夫じゃないかもしれない未来も想像してしまう。シングルマザーの探偵小説が生まれてもおかしくない。が、どんなものになるか、心のどこかで期待してもしまう。

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    2025年04月14日
  • 彼女が探偵でなければ

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    ネタバレ

    闇バイトや移民問題といった現代の社会に絡めた話が興味深い。エンタメとしての面白さももちろんあるし、シリーズとしてまたみどりさんに会えたのも嬉しい。これまで多分みどりさんの家族の話はそんなになかったと…うろ覚えだけど思うので、謎を異常なまでに追ってしまうみどりさんの家族への思いが見られたのも良かった。変わってる、って社会で生きていくのが難しいので、理くんはきっと大丈夫ってお父さんに言われてすごく安心しただろうなと思った。

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    2025年04月13日
  • 銀色の国

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    ネタバレ

    VRで自殺を引き起こす。
    商品化実現の可否は別として、現実にも充分あり得そうで恐怖を覚えました。
    プレーヤーをじわじわと確実に死へ誘っていく手法も身の毛が立ちます。
    死を望んでいる人に手助けしてやっているという恐ろしい思想にも思わず引き込まれそうになるほどでした。
    リアリティがありすぎて夢中で最後まで読みました。
    終盤は周りに助けを求める事の大切さを軸に描かれていきますが、序盤中盤で誰もが人生一度は感じたことのある喪失感や孤独を描いているので、より身に染みて心に入ってきます。
    周りに助けを求められていたら苦労しないよ。とどこか批判的に思いながら読み進めましたが、誰かに少しだけ話してみるというだ

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    2025年03月04日
  • 風を彩る怪物

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    面白かった
    前からパイプオルガンのコンサート行ってみたいなと思いつつ、重い腰を上げずにいましたが、この本を読んで行くことにしました。楽しみです。

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    2025年01月22日
  • 五つの季節に探偵は

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    久しぶりに読むことができた逸木裕さんの本。今回は探偵もの。単なる謎解きとしても予想外に良くできていたけれど、僕が期待していた通りに、ちょっと変わった人間の性(さが)のようなものを背負った主人公の設定がいつもながらにとても面白かった。コンプレックスを抱えつつも、それを否定的にとらえるばかりではなく、自分の根底にあるものとして認め、つきあっていく主人公像はいつも興味深く読ませてもらっている。
    5つの短編がつまった連作集となっており、途中がちょっと中途半端になってしまっているきらいはあるものの、最初と最後がうまくまとめられているので読後感は極めて良く、感動すら覚えた。最終話がまさか別視点になるとは思

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    2025年01月19日
  • 虹を待つ彼女

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    人工知能に縋る事は倫理観に触れるのだろうか。
    人に与えられた期間楽しく過ごす手段として恋人を作ったり友人を作るのと同じなのではと思った。
    ただ耳障りの良い言葉に慣れて社会不適合者になると話は変わるけど。何でも塩梅が大切。
    そんな事を感じたお話でした。

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    2025年01月18日
  • 祝祭の子

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    現実感は持てない所もあるが、読み取れるテーマは重い。
    正義とか倫理感はいかに時代に左右され流動的なものかと思い知らされる。
    読み手の心を抉るような痛みを伴う読後感。

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    2025年01月05日
  • 四重奏

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    音楽だけじゃなくて、解釈して錯覚してる事なんて沢山ある訳で、なんだか共感してしまった。
    読んでるこちらも取り込まれてる気分。

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    2024年10月23日
  • 風を彩る怪物

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    ネタバレ

    好きなものが多すぎて自分の個性がないことに悩むフルート奏者の主人公がオルガンビルダーの親子と出会い自分の個性に気付く物語と、父を失ったオルガンビルダーの娘が自分の『好き』に気付き、作りかけのオルガンを完成させる話。

    『好き』が分からない、自分自身が分からない現代をうまく表したようなないようになっていてとても読み応えがあった。

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    2024年10月15日
  • 少女は夜を綴らない

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    ネタバレ

    2024/9/24
    ヒリヒリする話。
    先が気になって止まらない。止めたけど。
    環境が悪すぎるけど子供は抜けれないよ。憂鬱になるよ。
    悠斗んとこは論外としても主人公のとこもひどい。
    やたら突っかかってくるクラスメイトの沙苗ってのもなんなんだ。その彼氏の意思のなさもなんなんだ。
    でもこんな人達おるんやろうな。存在してしまうんやろうな。
    中学生やしな。
    私だって中学時代には一番戻りたくないもん。
    でも大人はもうちょっとなんとかならんか。
    警察くらい呼んだれよ。
    主人公も悠斗も前途多難やけど成長して自由になって力抜いて生きていけるようになるといいよな。

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    2024年09月24日
  • 五つの季節に探偵は

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    主人公は最初おお話で探偵、というか他人の秘密を知らずにいられない性癖に目覚めます。主人公はプロの探偵になりますが、仕事の範囲を超えてでも真実に迫ろうとします。それによって友情が壊れても、相手を不幸にしても止められない。そんな主人公の成長を描く連作短編集です。
    探偵は謎を解くものですが、それは必ずしも誰かを幸せにしないことがある。それでも謎を解く。まさに探偵の物語だと思います。

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    2024年08月31日