逸木裕のレビュー一覧
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SF+ミステリー+恋愛。
しかしこのSF的な要素についてはかなりの現実味というか、現状AIの進化は驚くべきものがあるので、もうAIと恋愛をすることが不自然ではない時代が来るのでしょう。もしかしたら来ている???
既にこの世を去っている見知らぬ女性をAIとして復活させる。しかも彼女は世間を騒がせた犯罪者で、自らを標的として自殺を遂げている人物。これだけで既に面白い話になりそうだなと想像させますが、正直ここまでSFとミステリーに振ってくるとは思いませんでした。表紙からするともっと恋愛感動に大振りしてくるのかなと。
捻くれているうえに類まれなる頭脳を持っているが故に、生に倦んでいる青年が主人公ですが、すでに死んでいる女性を復活させる為に次第に感情が白熱してくる所が面白い。
そしてサブキャラにもなかなか面白い人物がいるので、一過性の容疑者では片づけられない魅力が有ります。
AIとの恋愛というのは単純に人柄やその雰囲気に魅力を感じるという事でしょう。そこには肉体的接触も金銭的な含みもない、純粋な存在への欲求であると言えるでしょう。
純粋な愛を結晶化させたものに人間が食い込むのは非常に難しいので、本当にAIの中から理想の存在を見つけた人には心からの祝福を送るしかないでしょう。不完全な我々には完全で理想的な受け答えをするAIに勝つ術はないでしょう。
恋愛とは言わなくとも、年を取って一人になってからAIが救いになる事は大いにあるかもしれません。 -
Posted by ブクログ
最初の話は結構衝撃的だった。
そりゃないぜというか、自分がやられて嫌だからと言って、それを堂々と人に擦り付けようとする精神が理解できず、みどりも多少怒りはすれども一緒に解決してあげようなんて考えるなんてびっくり。
色々ツッコミどころ満載だが、こんなことがあった後に探偵をやってみたいと思うところも驚き。
私ならトラウマになりそう。
途中からはなんだか、人の秘密が暴きたくて仕方ないみたいに感じて怖かったが、だんだん塩梅みたいなものがわかってきたのかなと思った。
下ができると、自分の失敗を繰り返させないように気をつけようと思うのかもしれない。
人がなぜそんなことを調べてもらいたいのか、真相がわかった時は面白かったが、破天荒すぎて置いてけぼりになったのが感想だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ浮気調査でゴミ袋をあさったりするタイプの探偵の話
主人公はもともと親が探偵で高校時代に事件に巻き込まれたことで自分が探偵に向いていること、人間の裏の顔を見ることに異様な興味があることに気づく
連作短編でなんと最初は2002年の高校生時代から始まって2018年までの5つの話の中での成長を描いていく
こんだけ時間をかけられると主人公が自分の性情と向き合っていくのもそうですねと納得するしかない
話としてはちょっと日常の謎っぽさもある 2012年のスケーターズワルツが一番できは良いかな
シリーズにしないで一作で主人公の成長を全部書いちゃうのかと思ったらなんと続きが出てました -
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女探偵みどりさんのシリーズ。
今回は大人になったみどりの短編集で、いつの間にか子ども2人になってる…。
前作で、いつの間にか結婚してた!誰と?となったので、家族の描写や知り合ったきっかけも描かれていて、ほぉ…と思った。
自分の中で、みどりは結構葉村晶と通ずるものがあって(あっちの方がハードだけど)、だからみどりに惹かれるのかなとも感じる。
みどりが今作で、自分が結婚して子ども産んでなければもっと探偵の仕事が出来るのでは…と思うシーンがあり、そこで(そうしたらまんま葉村晶みたいになってただろうな…)と感じた。
どちらの方が幸せなのか…それは分からないけど。
みどりは、真実を探求することに執着してしまう自分のことを悩んでいるようだったけど、探偵仕事に没頭しても許してくれる夫がいて、子どもたちのことも大切に考えていて、意外とバランスよくやってるなと私は思った。 -
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エゴサーチとは、インターネットやSNS上で自分の本名、ハンドルネーム、または自身が運営するサイト名などを自ら検索し、世間からの評価や自分に関する話題を調べる行為です。略して「エゴサ」とも呼ばれます。
ゴーイングホットというのは、射撃場で使う「いまから撃つぞ!」という掛け声らしく、拳銃マニアの雁部社長がつけたらしい。
事件は十一年前、足立区の西新井で発生している。犯人は地元に住む梨本朱里という女性で、事件発生後すぐに逮捕されている。犯行時、二十六歳。
藍葉は六歳で、母親の香織とふたりで住んでいた。
「私を攫った梨本朱里さんを、捜してくれませんか」
梨本豊というのは、朱里の夫の名前だった
「ライター」という肩書きで、旧姓の榊原みどりという名前を記している。
キラキラネームって言って、変な名前ばかりで……」
百万円を送ってきたのは、朱里ではなく、豊なのではないか。歩きながら、わたしは考えていた。
探偵には、天敵がふたつある。警察と、やくざだ。
「朱里さんは、自分にあの部屋を見せるために、私を誘拐したんじゃないでしょうか」
両面提示。交渉をする際に、都合の悪い情報をあえてテーブルの上に晒すテクニックだ。
「浅川さん」 わたしは立ってその男──浅川芳洋を迎えた。
浅川さんは、サカキエージェンシーの元社員で、わたしの先輩だった。
フロアの奥にいた、眼鏡の男。井ノ原鉄雄だった。わたしの姿を認めると、彼は表情を曇らせた。
女性は船木千帆、と名乗った。
CMYとRGB、色の三原色と、光の三原色の違いなのだろう。
『オーキッド』」ママ
女性は中丸志津香と名乗った。
「朱里は、確かにうちで働いていたよ。昔は、北野朱里って名前だったわ」
「男ですか」 「そう。加藤って男だよ、確か」
ノンバーバル・コミュニケーション(非言語コミュニケーション)とは、言葉を使わずに表情や視線、身振り、声のトーン、姿勢、対人距離などで意思や感情を伝える手法です。言
「返報性の法則(原理)」とは、他者から親切や好意、贈り物などを受け取った際に「お返しをしなければ申し訳ない」と感じる心理作用です 。
「噂ってのは、あれだよ。ひとつしかないだろ?」 おじさんは言った。 「人を殺したって、噂だよ」
「そうです。早見詩乃さん、ですね」
三瀬慎一郎という名前が書かれていた。
----「それは、狩野じゃないですか?」 「狩野」 「ええ。狩野照雄でしょう?」 |--------------------||----||--||--||||||-||-|-|
17歳でウェブデザイナーとして働く藍葉のもとを、私立探偵のみどりが訪ねてきた。「あるかた」の依頼で藍葉に百万円を渡したいというのだ。幼い頃に誘拐されたことのある藍葉は、犯人の朱里が謝罪のために依頼したのだと考え、朱里と会わせてほしいとみどりに頼む。藍葉は、誘拐されたときに見た色とりどりの不思議な部屋を忘れられずにいた。風変わりな人捜しを引き受けたみどりは、やがて誘拐事件の隠された真相に辿り着く。 -
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ネタバレ連作短編でどれも面白く読めた。
縞馬のコードは、子供の危うさが出てる感じで読んでて辛かった。
以前知り合いが意識高い系男子が好きなYouTubeってのが西野さん、中田さん、ひろゆきさんって香ばしいよねって言ってたのを聞いた時と同じ気持ちがする。(それで、香ばしいってどういう意味なんですかね?若者言葉なのかな?その時は聞けなかった。)
大人や企業はビジネスだったり、ブランディングの為に色々な事を言ったり演出したりするけれど、まだ子供だとそれが全てと思ってしまうんではないかなと。必勝法だったり絶対の正解があるのではと、誰かや自分自身を盲信しちゃうのかなと感じた。 -
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ネタバレ音楽でも芸術でも先入観とか情報に囚われてそっちばっかりに目を向けてしまうことってあるよね〜と。美術展でも、有名な絵にどうしても人だかりができてしまうこと、あるある。他にも素敵な物もあるけど。でも有名な物も有名じゃない物も、素敵だな〜って思う気持ちを持つことは良いことだとも思うけど。
火事に巻き込まれた原因、動機については「あぁ、なるほど…」と。両親が離婚して、お金に困窮している状態であることも知り合って数ヶ月の人に言えないよねぇ。
それにしても慕っているから、というだけで人の部屋に忍び込み、あまつさえ楽譜を探し音源を手に入れて人前で演奏するのはどうなんだろう。恩師の傷口に塩を擦り込む以上のことをしてないか??と思ってしまった。
主人公よりも、なんだかんだ言って見放さない小松先生や諒一、オーディションに残った梅木さんの方がキャラが濃くて良かった。
梅木さんみたいな苦労した過去もあるけど『成功できない人間は…なんとかやっていくしかないもんな。』で頑張ってる人を見てると「あ〜がんばろ〜」と思える。 -
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ネタバレ『時の子ー2022年 夏』時計職人の父を亡くしたばかりの高校生の元へ父の作った時計を持った女性が訪ねてきた…。
『縞馬のコードー2022年 秋』みどりの部下が失踪人の調査中に千里眼の持ち主という少年に出会ったと言い…。
『陸橋の向こう側ー2023年 冬』ある日みどりは父親の殺害を計画する少年に出会う。その少年はかつての依頼人の息子だった…。
『太陽は引き裂かれてー2024年 春』みどりは部下の要とトルコ料理店の店主から落書き被害の犯人を特定依頼を受ける。店主はクルド人だと言い…。
『探偵の子ー2024年 夏』みどりは父と夫・息子たちと父の故郷である茨城を訪れる。父の幼馴染の女性の家に泊めてもらうことになるが…。
『5つの季節に探偵は』の続編。森田みどりが遭遇した5つの謎と真実。相変わらず気になったことをそのままにしておけない性分で調べて答えを出してしまう。当人にとって知りたくなかったことを気づかせてしまうのも相変わらず。
印象に残ったのは『陸橋の向こう側』。この少年の今後がとても心配になる終わり方だった。ちゃんと生きていけるんだろうか。
今の時代に合わせた話が並ぶなかでも、『縞馬のコード』は今の時代っぽい話だなと思った。頭が良いと思っている子ほど騙されてしまう、みたいな感じなのかな。考えるって難しい。
『時の子』と『探偵の子』では、「ふつう」について考えさせられる。「ふつう」の型に収まらないことへの不安とか難しさ。みどり自身が探偵という職に取り憑かれているからこそ、自分と似たところのある息子の姿に心配が尽きない。今は多様性というけれど、逆に「ふつう」じゃないと生きづらい時代になっている気がする。