逸木裕のレビュー一覧

  • Jミステリー2023~FALL~

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    アンソロジー作品『Jミステリー2023 FALL』を読みました。
    全篇書下ろしの短篇を収録した贅沢なアンソロジー作品です。

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    ミステリー界の最前線で活躍する作家陣による、全編書き下ろしの超豪華アンソロジー「Jミステリー」。
    この秋も誰もがよく知るあの作家たちが競演! 大好評だったあの作家の再登板も……これを読まずして日本ミステリーを語ることなかれ。
    『Jミステリー2023』もお見逃しなく。
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    2023年(令和5年)に刊行された作品で、以下の6篇が収録されています。

     ■どうして今夜の彼女は魅力的に映

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    2025年11月08日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    父と子の関係性、センシティブで極深い課題に挑戦した問題作 #森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

    ■あらすじ
    大手ホテルチェーンの創業者森栄莞爾。彼は生前に精子提供を行っており、百人以上の子どもを作っていた。ある日、転職活動中である三ツ橋健太のもとに、ラ・フォレの相談役の支倉から手紙が届く。森栄の子どもたち十二人が邸宅に集められ、とある提案を受けることになるのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    私は何故この世に存在するんだろう?

    物心をつくと誰もが一度は思い悩む疑問ですよね、でも結局は答えなんて見つからない。でも近くには両親や兄弟がいて、愛情に包まれながら楽しく過ごしていると、そんな

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    2025年10月05日
  • 五つの季節に探偵は

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    五つの短編のうち、『スケーターズ・ワルツ』が、日本推理作家協会賞(短編部門)

    初読みの作家さん。
    『彼女が探偵でなければ』という短編集の前編ということで読む。
    とても読みやすい文章でさらさらっと読み終えた。

    主人公のみどりは、高校生の時、あるきっかけから人間の裏側を暴く興奮にのめり込んでいき、京都大学卒業後、探偵業につくことになったのだが、誰かを傷つけることになっても、謎を解かずにはいられないという性癖を持つ。そこには思いやりなどない。
    みどりは好きになれないが、次作も読んでみたいと思わせられた。はたして、年齢を重ねて、みどりに人間味が出てくるのだろうか。

    『龍の残り香』という短編は、香

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    2025年10月03日
  • 五つの季節に探偵は

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    女性探偵もの。単に事件を重ねていく連作ものかと思ったら、五つの短編は2002年から2018年まで16年にわたり、主人公のみどりも高校生から、やがて子どものいる大人になっている。この小説で面白いのは、みどりの仄暗い性癖。ふだん他人には見せない、対象者の心の奥や裏の表情を垣間見ることをやめられず、そのお陰で友人を無くし、信頼関係を壊すこともしばしば。そんな性格は探偵業が天職なんだろうな。物語も殺人のような派手な事件はなく、いじめ、窃盗、ストーカーなど心の闇をテーマにしたものが多かった。謎はそこまで複雑ではないので、ミステリを読み慣れた人なら、だいたい解けるんじゃないだろうか。ともあれ、共感とかない

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    2025年10月03日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    育ての父と遺伝子の繋がった父。どちらが本当の父なのだろう。人はみな、自分の出自を知る権利がある。
    育ての親と生みの親が違ったとしても、あなたの存在自体を否定しないこと。それは生まれてくる子どもを守ることに繋がるりこどものアイデンティティの形成として。
    けれど、果たしてそれだけで本当に子どもは救われるのか。

    父とは、親とは、一体なんなのか。
    とても考えさせられました。

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    2025年09月23日
  • 森栄莞爾と十二人の父を知らない子供たち

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    精子提供で遺伝子的に同じ父親を持つ、年齢も境遇もバラバラな十二人の子供たち(高校生~30代くらい)が果たしてその人物を父親と認めるかの大金絡み議論バトル。
    最後のオチは不完全燃焼感はあったけど、議論シーンは個人的には好きだった

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    2025年09月21日
  • 彼女が探偵でなければ

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     連作集。全五篇。作中で時は二〇二二年の夏から二〇二四年の夏に向け流れていて、その時々の時事問題が各作品に取り入れられ、かつ、主人公であるみどりさんとその夫、そして二人の子供の成長が感じられるようになっている。巻末の参考文献一覧をみると、クルド人についての文献が圧倒的に多く、それらの文献の知見が活用された「太陽は引き裂かれて‐2024年 春」(pp181-270)はたしかに見事なんだけど、好みだったのは巻頭に置かれた「時の子‐2022年 夏」(pp5-68)。この連作集のテーマ(時間・周縁を生きる人びと・家族のあり方)が一番自然に描かれているように感じた。ついこの間、ある古本屋さんのエッセイで

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    2026年08月04日
  • 彼女が探偵でなければ

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    私立探偵の連作短編シリーズ2作目。主人公は2児の母の顔を持つ一方、真実を求めることに執着する性分であり、この危なさが本作の肝と言えます。端正な文体と言葉選びのセンスの良さで読ませる力があります。ただ、結末の方は(狙いは分かるものの)ピンとこない話もありました。未読の1作目も読んで、著者やみどりについて理解を深めようと思います。

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    2025年08月31日
  • 五つの季節に探偵は

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    高校生から大人になって出産後に仕事を再開する、探偵人生の物語という形式の連作ミステリー。設定自体どうということもないし、成長したからこその事件解決能力が上がっていくようでもない。そういう意味では物足りないこともないではないが、主人公の根本的なところは変わらないというのが話の根幹でもあるから、じっくりとこの探偵と付き合っていくための連作というところ。
    それぞれの話は面白くできているし、どんでん返しもあったりするので十分楽しめた。どうということのない高校生、自分を常温水に例えるくらいの無味無臭かもしれないが、どうしてどうして色々なところでいい味を出している。最初の話が高校生時代の探偵業に入っていく

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    2025年05月25日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    絵を描くAIが普及しているが、音楽を作るAIは「まだ」。
    絵よりも娯楽として浸透している音楽がどう反応を受けるのか、楽しみでならない。

    AIが作ったといえど、そのAIを作ったのはヒトで、指示を出したのもヒトであり、答えを出すための材料を与えたのもヒトであることは忘れずにありたい。

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    2025年05月13日
  • 四重奏

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    部活や習い事でクラシック音楽の世界に片足突っ込んでいた私にとっては、内省的でとても響くテーマでした。火事で亡くなった知人の謎に関して言えば、結構あっさりめなので、ミステリー分野として手に取ると、拍子抜けするかもしれません。

    YouTubeを開けば、再生回数による良し悪しも測れるし、他人のコメントも、いいねの数も、指標になる。「私の感覚間違ってないよね?」と知らないうちに示し合わせていたかもしれないなと考えさせられた。名演奏に模倣も錯覚もきっとあると思う。それでも、いくつもの時代を超えて伝わってきた曲・作曲者が込めた思い・有名演奏者によるドラマ・聴いている自分、もしくは弾いている自分が繋がった

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    2025年05月11日
  • 四重奏

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    逸木裕なのでミステリとして面白いのはもちろんなんだけれど、音楽ってなんなのかなあ、とかちょっと考えちゃったり。そこに悩むのが芸術とエンタメの狭間にいるクリエーターの宿命なのかもね。

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    2025年05月04日
  • 銀色の国

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    ネタバレ

    VRで自殺を引き起こす。
    商品化実現の可否は別として、現実にも充分あり得そうで恐怖を覚えました。
    プレーヤーをじわじわと確実に死へ誘っていく手法も身の毛が立ちます。
    死を望んでいる人に手助けしてやっているという恐ろしい思想にも思わず引き込まれそうになるほどでした。
    リアリティがありすぎて夢中で最後まで読みました。
    終盤は周りに助けを求める事の大切さを軸に描かれていきますが、序盤中盤で誰もが人生一度は感じたことのある喪失感や孤独を描いているので、より身に染みて心に入ってきます。
    周りに助けを求められていたら苦労しないよ。とどこか批判的に思いながら読み進めましたが、誰かに少しだけ話してみるというだ

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    2025年03月04日
  • 風を彩る怪物

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    面白かった
    前からパイプオルガンのコンサート行ってみたいなと思いつつ、重い腰を上げずにいましたが、この本を読んで行くことにしました。楽しみです。

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    2025年01月22日
  • 五つの季節に探偵は

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    久しぶりに読むことができた逸木裕さんの本。今回は探偵もの。単なる謎解きとしても予想外に良くできていたけれど、僕が期待していた通りに、ちょっと変わった人間の性(さが)のようなものを背負った主人公の設定がいつもながらにとても面白かった。コンプレックスを抱えつつも、それを否定的にとらえるばかりではなく、自分の根底にあるものとして認め、つきあっていく主人公像はいつも興味深く読ませてもらっている。
    5つの短編がつまった連作集となっており、途中がちょっと中途半端になってしまっているきらいはあるものの、最初と最後がうまくまとめられているので読後感は極めて良く、感動すら覚えた。最終話がまさか別視点になるとは思

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    2025年01月19日
  • 虹を待つ彼女

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    人工知能に縋る事は倫理観に触れるのだろうか。
    人に与えられた期間楽しく過ごす手段として恋人を作ったり友人を作るのと同じなのではと思った。
    ただ耳障りの良い言葉に慣れて社会不適合者になると話は変わるけど。何でも塩梅が大切。
    そんな事を感じたお話でした。

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    2025年01月18日
  • 四重奏

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    音楽だけじゃなくて、解釈して錯覚してる事なんて沢山ある訳で、なんだか共感してしまった。
    読んでるこちらも取り込まれてる気分。

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    2024年10月23日
  • 風を彩る怪物

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    ネタバレ

    好きなものが多すぎて自分の個性がないことに悩むフルート奏者の主人公がオルガンビルダーの親子と出会い自分の個性に気付く物語と、父を失ったオルガンビルダーの娘が自分の『好き』に気付き、作りかけのオルガンを完成させる話。

    『好き』が分からない、自分自身が分からない現代をうまく表したようなないようになっていてとても読み応えがあった。

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    2024年10月15日
  • 少女は夜を綴らない

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    ネタバレ

    2024/9/24
    ヒリヒリする話。
    先が気になって止まらない。止めたけど。
    環境が悪すぎるけど子供は抜けれないよ。憂鬱になるよ。
    悠斗んとこは論外としても主人公のとこもひどい。
    やたら突っかかってくるクラスメイトの沙苗ってのもなんなんだ。その彼氏の意思のなさもなんなんだ。
    でもこんな人達おるんやろうな。存在してしまうんやろうな。
    中学生やしな。
    私だって中学時代には一番戻りたくないもん。
    でも大人はもうちょっとなんとかならんか。
    警察くらい呼んだれよ。
    主人公も悠斗も前途多難やけど成長して自由になって力抜いて生きていけるようになるといいよな。

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    2024年09月24日
  • 五つの季節に探偵は

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    主人公は最初おお話で探偵、というか他人の秘密を知らずにいられない性癖に目覚めます。主人公はプロの探偵になりますが、仕事の範囲を超えてでも真実に迫ろうとします。それによって友情が壊れても、相手を不幸にしても止められない。そんな主人公の成長を描く連作短編集です。
    探偵は謎を解くものですが、それは必ずしも誰かを幸せにしないことがある。それでも謎を解く。まさに探偵の物語だと思います。

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    2024年08月31日