逸木裕のレビュー一覧
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探偵が普通の女性で、家庭を持ち、子どもも2人いて、探偵社の管理職という、これまで私はあまり読んだことのないシチュエーション。
短編5篇からなる。とても読みやすかった。いろいろなパターンで現代の人間が描かれていると感じた。
短編のタイトルに西暦と季節が書いてあるのだが、なにか意味があるのだろうか。主人公の年齢をさりげなく示したい?あら、もしかして続編?
→調べました。「五つの季節に探偵は」を読まなきゃ!多分これの前の時代のみどりさんを描いている。
この探偵は確かにちょっと調べごとにかける情熱が尋常ではないのだが、探偵業を真面目にやるならそうでなくては、とも思う。
たとえ小説でも、働く女性よ、世間の偏見に負けないで!と応援してしまう。
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ネタバレ最近読書欲が落ちているので、ミステリーを読みたくて手に取りました。
「スプリット」という話しだけはスポーツ系の感動もの、という印象。他はミステリーだけど、色んな個性があって面白かったですね。
「どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう」はミステリーの内容はまずまず予想できましたが、タイトル回収と、キャラの個性が出てて面白かったです。読んだことはないと思うのですが、噂通りの東川篤哉作品!って感じでした。
「笑う君影草」は途中ホラー系!?って思ってしまったけど、ちゃんと読めば予想できた事で(笑)でも、私の好きなちょっと人怖系の落ちだったので良かったです。
「名探偵名前が適当」はタイトルからはオチが予想できませんでしたが、物凄く納得出来たし、着眼点が面白くて、最後は似鳥鶏先生らしさもあって好きでした。
「夏を刈る」 : 太田愛さんの作品は人気もあって、本を持ってはいますが積読したまま、まだ読めておらず。ただ期待して読みました。ちょっと切なげな、王道のミステリーとゆう印象でした。でも、良く出来ているなぁ、と正直思いました。
「最後のひと仕事」これもまたタイトル回収が秀逸でした。しかも最後の1文に一番痺れました!
短編集はだいたい好きな物が何個かあるっとゆう印象で、やはり好みでないものもあったりする中、今回全部好きでした! -
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ミステリー要素は少なめで、予想通りな感じでした。
チェロとなると大体『白鳥』か、『バッハ無伴奏組曲1番プレリュード』が出てきます。
この作品もやはり出てきます。本扉が半透明なプレリュードのデザインで素敵でした。
たしかに音楽には、奏者、師事奏者、使用楽器と言ったブランド的なイメージと、奏者の服装含めた外見、表情、視覚的イメージと言った〈錯覚〉はあるかもなぁと思いました。
あと、楽器演奏でそのまま〈模倣〉することってそんなに悪いことではないと思うんですよね。
そもそも楽器って、先生や、先生の先生から伝授されたことを受け継いでいくイメージですし。
かつてお師匠が「とある奏者のモノマネでモーツァルト弾いたらコンクールで入賞出来たんですよ…」と仰ってましたが、先生、凡人にはそんなモノマネすらできません。
テクニックがあって模倣できる主人公は実は凄いのに、全然自覚が無くて、もどかしかったです。 -
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以前から気になっていて文庫化を待っていましたが、表紙が変わっちゃって悩んじゃった。
装丁も大事。
アクション描写がお見事で、動きのあるもので見たいと思いながら読みました。
『ナイフで人を殺したとして、そのナイフを作った人を罪に問えるのか』
Winny事件を思い出す。
この作品は人が凶器な訳で、残酷であり、その彼らの未来を憂いてしまう訳です。
人間という個々が描かれていて、暴力という悲劇、絆という希望がありました。
ここまでいいものがありつつ、アクション描写に特化している印象が強く、もう少し被害者や加害者について、罪について、考えたくなるような展開が欲しかったかな。
最近はラノベ読んでたもので、読みやすくてありがたいですけどね。
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ある女性探偵の短編集。
『五つの季節』というタイトルの通り、全5話からなる。
1話目は、主人公みどりは高校生。
「親が探偵なんだから出来るでしょ」という無茶振りから調査を開始。そこで、自分の『他人の本性を暴きたい』という欲望に気づいてしまう。
1話目を読んだ時、高校生の1年ちょっとを描いた作品なのかな。他人の秘密を暴きまくっちゃう痛い女子高生探偵なのかな。と思っていたが、2話目で大学生になっていたのでちょっと寂しかった…笑
依頼なく勝手に他人の秘密を暴くようなことはしない。でも、依頼人の意図に反してでも真実を詳らかにしないと気が済まない本性を持っている。
そんな性を持つ1人の探偵の、16年間の軌跡だった。
みどりという人に不思議な魅力があり、一つ一つの話も面白くてとても良かった。
シリーズものということで、読み進めたい。 -
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同じ親でも、父と母は違う。
母は生むけど、父って何なんだろう。
これまで父だと思っていた相手が、
遺伝子的には他人だったとしたら?
そのとき「父」という関係はどこに残るのか、
ずっと考えさせられた。
精子提供で生まれた子どもたち。
それぞれ違う人生なのに、
みんな苛烈さを感じるのが印象的だった。
真実のためならどんなに大事な関係だったとしても壊してしまう人。
自由であることを何よりも優先する人。
関係を壊さないために自分を壊してしまう人。
遺伝子が人を形作るのかな。
それとも関係が人を形作るのかな。
ラスト、ある人物がそれまでの意見を全く反対に変えてしまうシーンがある。
あれは真実を知ったからというより、
もともとの違和感がすとんと腑に落ちてしまっただけなのかもしれない。
うまく言えないけど、
自分的には怖さが残る終わり方だった。
健太それでいいんか?
やっぱり、逸木裕はすごい。侮れない。 -
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大手ビジネスホテルチェーン〈ラ・フォレ〉の創業者・森栄莞爾は、カリスマ経営者として多くの人に愛されていたが、精子提供で105人もの子供を作っていた。
彼が亡くなってからそのリストが出回り、12人のきょうだいたちが自助活動を目的に集まった。
そこで、莞爾を父と認める声明を出してほしいと言われ…。
12人各々の育った環境も違えば、考えることも違っているのは当たり前だが、共通しているのは父親が森栄莞爾だということ。
みんなは、父親として認めるのか…に始まったのだが、そう簡単に答えが出せる筈もなく、何回か会合で会うたびにその人となりがわかってくる。
血の繋がりよりも育てられた父のことを思うのか…苦悩していた三ツ橋健太の答えが、間違っているとは思えなく、どうしようもなく父だと思った理由に自らも恐れていたほどの過剰な家族愛を発見したからだということに言葉もなかった。
血の繋がりを重く受けとめるのは、男女で違うのだろうか…と考えてしまった。
きっと正解などなくて、その人だけが感じるものかもしれないが…。
ただ精子提供の意味を知ると、とても重くて深い問題だけに簡単に答えを出せるものでもないと感じた。
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高校時代、人の秘密を探る依頼をきっかけに“本性を暴く”ことへの衝動に目覚めた榊原みどり。やがて探偵となった彼女は、16年の歳月の中でさまざまな人間の秘密と向き合っていく連作短編集。
これは普通の探偵小説とは違い、事件の謎ではなく人間の心の謎を解き明かす物語だった。犯人は想像できても、なぜそこに至ったのか、その背景や真実が明らかになる過程が面白い。真実は必ずしも誰かを救うものではなく、暴かれることで新たな悲劇を生むこともある。その現実がリアルで、読後にほろ苦い余韻が残った。
主人公のみどりは中心人物でありながら前面に出過ぎず、調査対象となる人々の人生が強く印象に残る。真実を暴かずにいられない彼女の葛藤もまた人間らしく感じた。16年という時間の中での彼女の変化も含め、人間を描いた物語として深く心に残る一冊だった。