逸木裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の家庭とありさの家庭の結末が対照的だなと思った
ありさの母は自分の夫と娘の似てない部分を確認する度に血の繋がりがない事実を突きつけられて娘が異物のように感じてしまったのかもしれない
似てないという確認作業が血の繋がりがないからと結論付けられてマイナスな方に流れてしまう
でも血の繋がりがある母と娘でさえ感情的な母と理論的なありさは全然違うのにね……
主人公の決断は、育ての親は親ではないというものだったけれど
健太が健一朗を尊敬している感情の中に健一朗に育てられたから培った部分や似ている部分も確かにあるのだと思う
ただ、それ以上に健太の荒ぶるような家族愛の性質が莞爾にそっくりだったのだろ -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物たちの感情に沿った文章が読みやすくて面白かった〜!
健太の出した結論は読者にとって気持ちよく受け止められるものとは言えないけど、
自身の本質的な部分(家族/大切な人への強烈な愛情)に共通点を感じる森栄莞爾を父と認めたうえで"父と息子""血縁"を切り離して「健太という個人」の願いで「健一郎という個人」にこれからもずっとそばにいてほしいと願うラストがすごく美しいと思った。
父と子/親子だから一緒にいるんじゃなくて、今まで積み上げてきた信頼と愛情があるからこそ役割に囚われずにそれぞれの自発的な意思でこれからも支え合う選択をした、そういうことだよね。 -
Posted by ブクログ
みどりは父親が私立探偵をしている。
だからと言って自分にはそんなことできないと思っていた。
しかし、高校で友人から頼み込まれて探偵の真似事をすることになる。
その時に【人の本性を暴く】ということに快感を覚える。
5つの短編小説でそれは5つの季節というより、みどりの成長を描いている。最初は高校生、大学生とだんだん大人になり、最後は結婚までして子供もいる。
好きな話の一つが【龍の残り香】
この話は大学生の話でみどりの残酷さを描いて面白かった。人の本性を暴くために友達をなくす。切なかった。
そして【スケーターズワルツ】は賞をもらっているだけあり、複雑な話であったが面白かった。
みどりはちゃんと成長 -
Posted by ブクログ
前作の感想で「探偵は職業ではない、生き方だ」を引用したが、やはり本作の主人公・森田みどりに最も相応しい言葉だと思えた。
たとえみどりが職業探偵になっていなかったとしても、真実を求めるその生き方は変えられないだろう。
彼女自身はそんな自身の在り方を“人を傷つけてしまう良くないもの”とやましさを感じているようだが、部下の要視点で語られるみどりは“簡単に答えを出す人にならない”、“確信ができてもさらにその先を考える”ことを芯に据えた人間であって、いたずらに他者の秘密を覗き暴くことを喜ぶ人間ではない。
確かに真実はときに人を傷つけてしまうこともあるが、真実に正面から向き合ってこそ初めて前を向い