逸木裕のレビュー一覧

  • Jミステリー2023~FALL~
    手にしたことのない作家さんの作品が読めて、楽しみました。新たな作家さんとのであいに感謝ですね。
    このシリーズ、大好きなのでぜひ続けてほしい。
  • 四重奏
    ミステリとしては小粒だけど、芸術や音楽への視点としては面白い。世の中の全ては錯覚と解釈によるもの。完全に否定できないからこそ最後の鵜崎の模倣に心を打たれるのかも。
  • 五つの季節に探偵は
    普通のミステリーかと思いきや依頼者のほうも癖があり、物語が二転三転して面白かった!
    鍵の話はその後犯人は捕まったのかドキドキした展開。
    ピアニストの叙述トリックにはまんまと嵌められて悔しかった~。主人公の好奇心はまさに、深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいている でした。
  • Jミステリー2023~FALL~
    2023.10.28
    このアンソロジーはいつも待ち遠しい。
    ただし、さいごの宮内悠介の作品は音楽をプレイしたり、レコーディングの意味を知っている人にはすぐに推察できるネタだとワタシは感じた。ネタバレではないと思いますが念のため。
  • 少女は夜を綴らない
    先が気になって一気読み。
    中学生の二人がどうにもならない現実でもがくさま。大人の存在がまだ必要で一人で生きていくには難しい年齢。自分の正直な気持ちを言えない、自分は人を傷つけてしまうかもしれないという強迫観念、絶対に人には見せられないものを抱えて苦しむ理子。兄の疑惑、母親の存在、学校での出来事、抱え...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    日常の謎系はあまり得意ではないのだけれど、ここで出てくる謎は無理がなく、確かにあるかもという現実感があり、しかも謎解きの快感がちゃんとあるという、稀有な作品。しかもそれぞれの人物もしっかり描かれていて、主人公の女性探偵の成長も感じられるという、なかなかないですよ、そんなの。しかるべき賞をあげて欲しい...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    秀逸である。連作短編集の形式を取っていて主人公が次第に探偵という職業に目覚めていく姿が描かれている。
    ハードボイルド的なアプローチも面白いが、そこに本格推理の要素も加わって読む者を惹き付ける。それも殺人などといった大仰な事件でなく、日常の謎という趣でまた良い。
  • 虹を待つ彼女
    6月の合同サイン会のサイン本の一つ。
    若き天才的ゲームクリエイターの女性が,自分の作ったゲームと現実をリンクさせる仕掛けをして,ゲームに自分を殺させるという特殊な自殺を諮った。
    晴というその女性は伝説化し多くのファンを生んだ。AIの研究者である主人公・工藤はAIのキャラクターと人間とのように会話でき...続きを読む
  • 銀色の国
     自殺という重いテーマであるが故に「面白かった」と「心に澱が残った」が半々の読後感。フィクションとは言え、しっかり向き合うべき問題だからこそ、読むのがしんどくもありました。ただ、この手の話では絶対悪にされがちな「ゲーム」という存在を肯定的に扱っているのは印象的だったかも。
     主要人物たちがなんとなく...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    読んでる途中で感じたのは「好きを仕事にしたらダメなのかな」だった。岡部も益子も理沙もみんなみんな好きだったから音楽で生きていて、そのせいで絶望を味わった。でも最後はやっぱり音楽で希望があった。「好き」はずっとずっと大切にしていきたい。それが絶望をもたらしたとしても最後はきっと自分の支えになるから。
    ...続きを読む
  • 風を彩る怪物
    ごく短くまとめれば、壁にぶつかってもがく主人公が、様々な出会いの果てに新たな価値観を手に入れて再出発する物語なんだけれど、その過程がとってもリアルで、心に響いた。作者が音楽をやっている人かどうかはわからないけれど、いかにも音楽をやっている人たちが感じそうな悩みばかりだった。自己中な芸術至上主義の人た...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    生成AIが話題になってるので読んでみた。
    作曲領域でAIが活躍する近未来の話。主人公は夢やぶれて、AIへ取り込む情報の審査員へ身を落とした元作曲家。元バンドメンバーの天才作曲家の自殺から物語が動き出し、謎を解く過程でAIとはなにか、人とは何かが問われる。
    主人公が優柔不断で、そうはせんやろ…みたいな...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    相談相手は私立探偵
    世間は様々な悩み事で相談できる相手が必要な社会となりつつある。この書では「私立探偵」として人々の悩み、相談を解決していくが、ケースによっては依頼者が「被害妄想」から「偽装」させ、「優越感」を持つ様なものまであるのが現代だ。「独りよがり」で「自己満足」の目的で仲間でも犠牲にできる人...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    ーー大丈夫。世の中がどんなに変わろうと、私たちの行動は波及し、必ず誰かにつながっていくのだから。

    本作では音楽という題材が扱われましたが、イラストもCGも小説も例外ではなく、もっというと私たちの仕事ですらAIが代替していくかもしれない。そんなワクワクと同時に漠然とした恐怖も感じる現在だからこそ、こ...続きを読む
  • 銀色の国
    恐ろしい話で監禁暴力の話は何度も本を閉じて休憩した。だけど、病みと光を上手く描いているからこそ、最後まで読めた。初めての作家さんだけど、良い作家さんだ!
  • 五つの季節に探偵は
    5篇の連作短編集。全部面白かった。自身で〈常温の水道水〉という、何も夢中になることがなかった高2の榊原みどりが探偵業にはまり、探偵として生きる話。別の作品にも出てくるそうで読むのが楽しみ。すごい良くない結果になると分かっていても、真実を暴かずにはいられない、というエゴというかなんというか。そういう人...続きを読む
  • 銀色の国
    面白くて一気に読み切ってしまいました。

    中身としてはサスペンス色の強いミステリーです。

    そこにさらに主人公を軸とした人間関係などが更なる緊張感を生んでおり、続きが気になってページをめくってしまいます。

    作中にある緊張感を生んでいる一つは自殺という重いテーマです。自殺にまで至らなくとも悩みは尽き...続きを読む
  • 電気じかけのクジラは歌う
    近未来の音楽世界。究極までパーソナライズされた音楽はもはや作り手を必要とせず、音のタコツボ化が起こる。それでも音楽を作り続ける人間と区切りをつけて適応する人間。主人公岡部数人は、友人である名塚楽の死をキッカケに、音楽の本質的価値を苦悩しながらも理解していく。一人一人が持つ空港。音楽の波及。芸術の将来...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    『人の心の奥底を覗き見たい。暴かずにはいられない』
    主人公は、どこかサイコパスを思わせる榊原みどり。

    「イミテーション・ガールズ」「龍の残り香」「解錠の音が」「スケーターズ・ワルツ」「ゴーストの雫」5話収録の連作短編集は、みどりの高二時代から子を持つ母になるまでを追った成長譚でもある。

    5つの物...続きを読む
  • 空想クラブ
    楽しかったけど、中学生の話なのでちょっと子供っぽいなーと思うシーンが多々あった。

    けど、力を使って色んなものが見えるのはすごーーく羨ましい!!

    小学生の時に仲良かったメンバーが中学生になるとみんなそれぞれ変わっていって会わなくなるのは誰しもあることやなーと思った。

    真夜が死んだ理由が残酷だけど...続きを読む