逸木裕のレビュー一覧
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タイトルだけではまったく想像もつかないが、素晴らしい音楽小説だった。
フルート奏者の陽菜は、あることをきっかけに演奏することができなくなり、音大の受験にも失敗してしまう。失意の陽菜は、奥瀬見でカフェを営む姉からの誘いに乗りその地を訪れる。そこでオルガンを製作中の芦原と知り合い、協力することになる。
前半は陽菜の、後半は芦原の娘でオルガン製作者の朋子の視点で紡がれる。オルガンという特殊な楽器の構造や歴史、演奏法など、初めて知ることが多くて興味深く読んだ。2人の主人公の成長譚としても読み応えがあった。
いろんな楽曲が登場するが、オルガン=バッハとならない点も高評価。大好きだったサン=サーンスの交響 -
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「私たち、本当は何になりたいの?」
音大受験に失敗した名波陽菜は自信を取り戻すため、姉の住む自然豊かな奥瀬見にきていた。フルートの練習中に出会ったのは、オルガン制作者の芦原幹・朋子親子。同い年の朋子と〈パイプオルガン〉の音づくりを手伝うことに。だが、次第にオルガンに惹かれた陽菜はこのままフルートを続けるべきか迷ってしまう。中途半端な姿に朋子は苛立ちを募らせ、二人は衝突を繰り返す。そんな中、朋子に思いもよらぬ困難が押し寄せる! 絶望に打ちひしがれながら、オルガン制作を続けるか葛藤し、朋子は〈怪物〉を探しに森の中に入っていくが……。果たしてオルガンを完成させることはできるのか? -
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既読作家のインタビューは面白く読めたが、それ以外の方のは上滑りする感じで読んだ。しかし、作家さんたちや、書評家の方々は本当に本を読み込んでいるのだなぁと思う。澤村伊智と阿津川辰海は読もうと思っていた作家で、更に早く読まねば、と思った。あと、大学のミステリ研で、ミステリーよりも「ジョジョ」「カイジ」「ガンダム」が会話に出るというエピソードや、京大ミス研にはジョジョ全巻置いてあるのとか面白かった。デスノートもインタビューのあちこちにでてきたし、マンガ・アニメのストーリーがミステリー界に与えている影響も大きいのですね。
今、高校生だったら賢い大学行ってミステリ研入る目標も楽しそうだなぁ。読み仲間が増 -
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祖父から受け継いだ力により、見たい風景を「見る」事ができる主人公・駿。その彼に興味を持った転校生でクラスメートの真夜。いつしか「空想クラブ」を作るようになった。
しかし、ある日を境に「空想クラブ」は解散。みんな中学生になり、メンバーはバラバラになっていた。
そんな時、真夜が川で命を落とした。現場を見ようと駿は川へ。そこには、死んだはずの真夜がいた。
主人公だけが真夜が見えることやバラバラだったメンバーを集結しようと試みるというキーワードを聞くと、どことなく「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」が浮かびました。設定はもちろん違いますが、この作品は、よりミステリー色が強い印象でした。真夜 -
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SF+ミステリー+恋愛。
しかしこのSF的な要素についてはかなりの現実味というか、現状AIの進化は驚くべきものがあるので、もうAIと恋愛をすることが不自然ではない時代が来るのでしょう。もしかしたら来ている???
既にこの世を去っている見知らぬ女性をAIとして復活させる。しかも彼女は世間を騒がせた犯罪者で、自らを標的として自殺を遂げている人物。これだけで既に面白い話になりそうだなと想像させますが、正直ここまでSFとミステリーに振ってくるとは思いませんでした。表紙からするともっと恋愛感動に大振りしてくるのかなと。
捻くれているうえに類まれなる頭脳を持っているが故に、生に倦んでいる青年が主人公ですが