逸木裕のレビュー一覧

  • 五つの季節に探偵は
    連作短編集なので、読みやすかったです。
    いわゆる日常ミステリですが、人間の本性に焦点が当てられているため、謎を解くことが、必ずしも人の幸せにつながらないこともあります。
    それでも、人はそこから何かを学ぶんでしょうね。
  • 銀色の国
    テーマは自殺。
    自殺したい人、自殺を止めたい人、人に自殺するように仕向けてしまう人。
    自分の居場所がないと死にたくなってしまう。
    監禁して洗脳してそこに居場所を作って出ていかないようにする。なんでそうなってしまったのかががわかりやすくかいてある。
    死にたい人を救うのは難しいが勉強して事業を立ち上げて...続きを読む
  • 風を彩る怪物
    読みごたえのある一冊でした。
    パイプオルガンという、あまり描かれない舞台のお話だと思うので、とても新鮮であり、作者の題材に対するセンスの良さを感じました。
    随所にオルガンと「風」を例える場面があり、表現が秀逸だなぁと。
    ただ聴くだけ、見るだけだった楽器が、その裏側を覗いてみたくなるような、触れてみた...続きを読む
  • 風を彩る怪物
    うーん、オルガンにはとても興味が湧き、音や作成途中など面白いのだけど、物語全体としては好みではなかった。
  • 銀色の国
    自殺をほう助する地下VRゲームによる集団自殺が目論まれ、自死防止のNPO法人主催の主人公たちがそれを食い止めようとする物語。

    前半の地下ゲームに絡んだ謎の多い展開と、主人公たちの人間模様の描写がスリリングで次の展開が待ち遠しく、さすがは逸木裕と思わせる展開。

    しかし後半何故か失速。謎解きはなく、...続きを読む
  • 少女は夜を綴らない
    正しくあることが最重要だけど、それだけでは解決出来ない問題もあることを、狭い世界でもがきながら教えてくれる青春小説のように感じました。

    「外法を使わないとどうしようもない問題だって、あるでしょう」
  • 祝祭の子
    新興宗教モノは鬼門なのに読んでしまったが、やはり愉快でない。登場人物の動機もイマイチだし、驚きも小さいし、結局良い人いないんじゃん!テーマは何。赦し?と不完全燃焼。
  • 祝祭の子
    最後までよめた
    最後に戦闘シーンを
    沢山詰め込んできた印象があったが
    個人的にはもう少し内面的な事を書いてある方が好きだった
    これは好みの問題なので
    他の人が読んだらまた違うと思います
  • 虹を待つ彼女
    主人公の思想が気持ち悪い・・・。
    昔の偉人と話してみたい思いはあるので、
    このアイデアはいつか実現してほしいです。

    「人間は多彩だ。虹のように」
  • 星空の16進数
    2022年に読んだ本の整理を兼ねて。

    二人の女性視点で展開。
    タイトルについて色彩計画に関係するものの、マンセル表色系とは異なる指標で新鮮でした。
    みどりさんは、独特な性格。別の本で高校生時代で登場されてるみたいなので、文庫化されたら読もうと思います。
  • 五つの季節に探偵は
    派手な事件は起こらないけれども、みどりの欲求につい移入してしまい、真相を突きつける場面にドキドキしました。
  • 祝祭の子
    かつて、新興宗教団体〈褻〉で、同団体の幹部、石黒望が、コミューンの住民30数名を惨殺するという事件が起きた。しかも、実際に手を下したのが、彼女により戦闘訓練を受けた5人の子どもであったことが明らかになり、世間は大騒ぎとなる。当時まだ未成年だった子どもたちは、罪に問われることもなく、大人になった今、一...続きを読む
  • 祝祭の子
    腐った社会への怨恨で、そこまでしますか?子どもを兵士として育て…「自分と異なる考えを排除して自分と同じ価値観に染めるーそれが正義だ」気持ち悪さを押さえてなんとか最後まで読んだが、最後でまた外したか…「祝祭」も意味不明。
  • 電気じかけのクジラは歌う
    AIの発展に侵蝕される音楽業界で生きる人たちの物語。
    近い未来同じような変化がいろいろな文化や職業に起こるのだろう。最近も「昭和レトロ」ブームがあったように、いかに便利な時代になっても、旧き良き、人が創り出したものを愛する気持ちは、必ずや多くの人の心のなかにあり続けると思う。
    自分もいつまでもそうい...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    本格探偵推理小説ですね。
    「星空の16進数」の私立探偵みどりの五話の成長物語。
    高校時代に初めて探偵の真似事を経験。
    この頃から真相の究明に必要以上の好奇心に駆られることに気付く。
    二話の大学時代にも友達から真相の究明を頼まれるのを切っ掛けに乗り出すが、解決が人を傷付ける事になっても、謎解きの解明に...続きを読む
  • 祝祭の子
    最初からバイオレスシーンいっぱいで不安を抱えて読み始めた。が、元テロリストにより、宗教施設と言う名目の場所で洗脳され、軍事的に鍛えられて育った子らの、当時と現在が、交互に描かれる。
    あり得ない事件だが、不条理な現実が見え隠れして哀しかった。
  • 祝祭の子
    のっけからいろいろなことが起こるので、結構、”引き込まれ”系なお話でした。場所が山梨だし、どうしてもオウム真理教のサティアンみたいなものがイメージされてしまいます。でも、宗教や洗脳の話じゃなくて。。(ネタバレになるのでやめます)

    ところどころ予想外の展開もあって楽しめました。最後はどうなるんだろう...続きを読む
  • 祝祭の子
    話の展開は嫌いじゃない
    もっともっとグズグズなダークな宗教ものかと思ってだけど、意外と違った
    途中から少しだけ機龍警察を読んでる気になった
    気のせいです
  • 星空の16進数
    エンターテイメントサスペンスミステリーですね。
    この小説には主人公が二人います。
    十七才の藍葉、母親との関係がねじれて高校を中退してウェブデザイナーの仕事して一人住まいをしている。
    もう一人は森田みどり、育休中の私立探偵。
    藍葉のもとにみどりが顧客から依頼で奇妙な案件を抱えて訪ねて来ることから物語は...続きを読む
  • 五つの季節に探偵は
    連作短編5編
    高校生の時に探偵に目覚めたみどりの、手掛ける調査と謎の解決、そしてみどりの成長を描いている。「解錠の音が」が良かった。