逸木裕のレビュー一覧

  • 電気じかけのクジラは歌う

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    技術革新により職場が失われて行く。圧倒的な才能を持ち、AIに対抗出来ると思われていた斯界の第一人者も自らの命を絶った。昔の仲間に謎めいたメッセージを残して。。。

    名塚楽はなぜ自殺したのでしょう?岡部の得た結論はとても陳腐に感じられて名塚のイメージにそぐわないのですが…。天才の考えは永遠に凡人の理解の外にあるということで、詮索するのは諦めますけど。

    ところで、渡辺絵美子秘書はご無事でしょうか?

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    2022年10月30日
  • 空想クラブ

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    宮古島の祖母から祖父へ、祖父から駿へ受け継がれた「見る力」。小学生のときの親友の死、その葬式の帰り道、彼女が亡くなった場所で彼女を「見る」。彼女はなぜ亡くなったのか、その真相にたどり着けるか。かつての仲間たちとその真相に迫るミステリー。疎遠になっている仲間や不良グループに縛られ葛藤する仲間、駿との邂逅に戸惑いながらも信頼関係を築いてゆく。ミステリーなのですが内容はファンタジー要素を含み、壮大な物語へ。ただ、空想クラブのメンバーは気づかないうちに彼女「真夜」に永遠に縛られてしまったのではないのだろうか?

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    2022年10月23日
  • 祝祭の子

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    宗教団体「褻」で生まれ育ち、洗脳された子供たち。団体トップの石黒に命令されて大量殺人を引き起こした彼らは無罪とされたのにも関わらず、世間からは冷たい扱いを受けて生きていた。ある日石黒の死を知らされた彼らに、何者かが襲撃を仕掛けてくる。刺客に対抗するため、彼らは協力して策を練ると同時に、自らの過去にも向き合うことになる。重苦しい読み心地だけれど、スリリングなミステリです。
    恐ろしい事件に「加害者」として関わったとはいえ、当時は子供でしかなかった彼らはたしかに「被害者」なのだと思いますが。しかし世間に受け入れられないという事情も仕方がない気がして。とにかく彼らの境遇が不憫でなりません。特に誰一人殺

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    2022年09月29日
  • 祝祭の子

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    14年前、宗教団体が運営する施設内で大量殺人が行われた。
    施設内ではトップの石黒望が、捨て子を引き取り森の奥で教育していた。
    そして、子どもたちを操り殺害を命じていた。
    洗脳されていた子どもたちは、加害者となりそれぞれ過酷な運命を生きていたが、石黒の遺体が発見され、彼らたちが何者かに襲われる。
    終わったはずの過去に再び向き合うことになる彼らたちの行先は…。

    すべては、石黒望の過去が起因する。
    子どもを育てる方向性が、間違っている。
    自分の復讐の手足に利用しているものであり到底許せるものではない。

    彼らに安らぎというものがなかったことに大人の身勝手さがどうしようもなく許せなく感じた。


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    2022年09月10日
  • 祝祭の子

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    熱い。逸木さんの最新作は、身も心も熱くなる活劇小説だった。
    14年前に宗教団体〈褻〉で起きた惨劇。逃げ場もないまま信者たちが一人、また一人と狩られていく。5人の殺人者は10代の少年少女で、団体トップの石黒望に戦闘術を仕込まれていた。そして現在、彼らの命を狙う〈刺客〉が現れた……。
    衝撃の冒頭から終幕まで、休む間もなく描き出される恐怖に圧倒された。彼らに罪はないのか。贖罪の意志はあるのか。犯罪者と犠牲者、狩る者と狩られる者の立場が入れ替わったとき、真実が現れる。

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    2022年09月08日
  • 風を彩る怪物

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    パイプオルガンの記述が半端ない。あまり知らなかったパイプオルガンの魅力が間違いなく増した。
    そしてソロ楽器としてフルートも知ることができた。
    主人公は前半と後半でそれぞれ二人の若い女性。お互いが近づきすぎない距離感覚で物語が進む。そしてそれぞれの音楽に対する悩みや、楽器制作に関わる悩みが語られる。
    大型のパイプオルガンを「怪物」と表現し、その手の込んだ構造や表現力を文字で伝えることは至難の技だったろうが、流れる音が想像できた。
    最後に小さな謎が解決されていくが、それが自然の中で起こる怪物的な音。
    構成にしても表現力にしても一級でした。

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    2022年08月27日
  • 風を彩る怪物

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    陽菜はフルートで音大受験したが失敗してしまった。田舎でカフェをやる姉のもとでしばらく暮らすことにした。するとオルガンを作る工房の人に誘われ、バイプオルガン作りに協力することになった・・・

    すごく面白かった。全く知らなかったパイプオルガンの世界の深いこと。楽器とか音楽に畏怖の念を覚える。

    そして挫折した陽菜や、オルガン作りに没頭する朋子の人生の物語もすごく読ませる。

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    2022年08月21日
  • 風を彩る怪物

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    ネタバレ

    コンテストで力の限界を感じたフルート奏者陽菜、姉のいる奥瀬見でオルガン製作者芦原と出会う。その娘の朋子もオルガンビルダーを目指し、陽菜と反発しながらすこじずつ歩み寄りお互いに成長していく。
    フルート奏者としての新たなる出発とパイプオルガンの完成にむかって進む物語。森の樹々を渡る風の音が聞こえ、バッハやサン=サーンスの響く読み応えのある1冊でした。

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    2022年08月18日
  • 風を彩る怪物

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    陽菜と朋子、2人の心の叫びと紡ぎ出されていく絆とが、そのまま物語を彩る音色となって、読み終えたあともその余韻が心地良いです。

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    2022年08月10日
  • 風を彩る怪物

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    オルガンとフルート、音楽に真剣に向き合う人の物語。
    確かにオルガンや木管楽器の響きは、森の響きと似ているのかも。
    バッハを脳内再生しながら、心地よく読みすすめた。

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    2022年08月08日
  • 風を彩る怪物

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    タイトルだけではまったく想像もつかないが、素晴らしい音楽小説だった。
    フルート奏者の陽菜は、あることをきっかけに演奏することができなくなり、音大の受験にも失敗してしまう。失意の陽菜は、奥瀬見でカフェを営む姉からの誘いに乗りその地を訪れる。そこでオルガンを製作中の芦原と知り合い、協力することになる。
    前半は陽菜の、後半は芦原の娘でオルガン製作者の朋子の視点で紡がれる。オルガンという特殊な楽器の構造や歴史、演奏法など、初めて知ることが多くて興味深く読んだ。2人の主人公の成長譚としても読み応えがあった。
    いろんな楽曲が登場するが、オルガン=バッハとならない点も高評価。大好きだったサン=サーンスの交響

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    2022年07月31日
  • 風を彩る怪物

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    怪物すなわちパイプオルガン。
    なんかわかる。
    あの圧倒的な存在感。
    人間が作るんだけど、
    そこから出る音色は人間を超える。

    それに対する楽器が
    フルートというのも面白い。

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    2022年07月12日
  • 風を彩る怪物

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    「私たち、本当は何になりたいの?」
    音大受験に失敗した名波陽菜は自信を取り戻すため、姉の住む自然豊かな奥瀬見にきていた。フルートの練習中に出会ったのは、オルガン制作者の芦原幹・朋子親子。同い年の朋子と〈パイプオルガン〉の音づくりを手伝うことに。だが、次第にオルガンに惹かれた陽菜はこのままフルートを続けるべきか迷ってしまう。中途半端な姿に朋子は苛立ちを募らせ、二人は衝突を繰り返す。そんな中、朋子に思いもよらぬ困難が押し寄せる! 絶望に打ちひしがれながら、オルガン制作を続けるか葛藤し、朋子は〈怪物〉を探しに森の中に入っていくが……。果たしてオルガンを完成させることはできるのか?

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    2022年06月06日
  • 虹を待つ彼女

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    横溝正史ミステリ大賞受賞作だそうな

    なるほどミステリちゃミステリやな。意外と読んだことないノリな気がしました。「i」からファンタジー要素抜いた感じ??(違ったらすみません…)。おもしろく読めました。

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    2022年03月31日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    人工知能を用いて、ユーザーが好みの曲を自ら作曲していく。
    未来のようとも思えるし、近い将来実現しそうとも思える。

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    2022年03月26日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    すでに音楽の作り方が人経費を抑えるために打ち込みになることが多く、ループ素材を貼り付けて作品を作ることは一般的となっている。
    未来の話というより、そんな現在の世の中を揶揄しているのかもしれない。
    面白く読ませてもらえた。

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    2022年03月24日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    既読作家のインタビューは面白く読めたが、それ以外の方のは上滑りする感じで読んだ。しかし、作家さんたちや、書評家の方々は本当に本を読み込んでいるのだなぁと思う。澤村伊智と阿津川辰海は読もうと思っていた作家で、更に早く読まねば、と思った。あと、大学のミステリ研で、ミステリーよりも「ジョジョ」「カイジ」「ガンダム」が会話に出るというエピソードや、京大ミス研にはジョジョ全巻置いてあるのとか面白かった。デスノートもインタビューのあちこちにでてきたし、マンガ・アニメのストーリーがミステリー界に与えている影響も大きいのですね。
    今、高校生だったら賢い大学行ってミステリ研入る目標も楽しそうだなぁ。読み仲間が増

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    2021年10月24日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    言い回しや考え方にそれぞれの個性や人柄を感じられ、同じ本をあげていても視点が違ったりする所があったりしたのが読んでいて楽しめた。

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    2021年09月30日
  • 少女は夜を綴らない

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    心に闇抱えてる人がなんといっても多い

    アドバイスが良いものになるか悪いものになるかっていうのは受け取り手の問題っていうのにはなるほどってなった。

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    2021年05月28日
  • 空想クラブ

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    ネタバレ

    死んでしまった友達を中心に話が進む青春ミステリ。
    読み終わった後に心が温かくなりました。また星座や宇宙に詳しくない自分には面白い部分がたくさんあり、思わず宇宙関係の本を買ってしまいました!

    空想は光よりも速いスピードで見たいもの感じたいものを経験させてくれる。
    大切なのは空想する為の素となる知識と空想する練習。
    それの最たるものは小説なのではと思いました。
    小説なら宇宙の果ても地底の中も見る事が出来ますしね。

    点と点を繋いで星座と考える様に人間の一番素敵な力は想像力なんだなと思いました。

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    2021年05月21日