逸木裕のレビュー一覧

  • 五つの季節に探偵は

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    「人間の本性」に魅入られた主人公の高校生〜30代までが描かれている。

    特に夢中になれるものがなかった主人公が、高校のクラスメイトから依頼を受けて探偵事をしたことで、人間の持つ本性や裏側、それを暴いた時に現れる表情に魅入られて探偵業にのめり込む。

    自分の欲望のために、依頼人から望まれていない真相解明をしてしまうことで失ったものがあっただろうけど、お構いなしに真相追究してしまう。
    龍涎香の話が特にその傾向が強かった。

    探偵としては優秀だろう。が、友人としてはそばにいて欲しくない人物ではある。

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    2025年05月11日
  • 四重奏

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    遊び紙が透かしの楽譜の一部になっていて素敵。読み終えて見返すとこの遊び紙の見方がまた変わる。素敵な装丁は鈴木久美さん。才能豊かな若きチェリスト黛由佳が火事で亡くなる。その真相を追っていくミステリー。

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    2025年04月17日
  • 五つの季節に探偵は

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    主人公の探偵としての初めての仕事から、16年後までの仕事についての短編集。
    "誰を傷つけることになっても謎を解かずにはいられない探偵"(裏表紙あらすじより)という記載の通り、その辺りでやめた方が、というところから突っ走る主人公の姿に、やりすぎだよーと思いつつ、読まずにはいられない。
    知らない文化について(香道やクラシックや建設)の話もあり、楽しめる要素たくさん。 続編もでているので、読むのが楽しみ。

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    2025年03月19日
  • 四重奏

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    音楽家の苦悩が伝わってくる話。
    そして解釈の話だった。
    自分が見てる世界は本当なのか。
    ただ自分が都合よく解釈しているだけなのではないか。
    なんだか色々よくわからなくなった。
    それでも解釈するしかないという言葉で締めくくられ、その通りなのだが何とも言えない読後感だった。
    他人のことを本質的に理解することなんてできない。
    そう言い放たれた気がしてそうかもしれないが結局どうしたら良いかわからなくなる。
    モヤモヤぐるぐるで終わった

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    2025年02月26日
  • 虹を待つ彼女

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    ネタバレ

    ストーリーは面白かったが、主人公の感情の変化にいまいち共感できず。
    見ず知らずの人に惹かれるというのはわからなくはないが、愛までいくか?と気になってしまった。
    結末は切ないが、途中途中で主人公の感情にもっと焦点を当てた表現なりストーリーがあれば、もっと色々な気持ちが湧き起こりそうな結末になったであろうに少し勿体なく感じた。
    とはいえこちらはデビュー作ということなので、他の作品もぜひ読んでみたいと思う。

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    2025年02月24日
  • 五つの季節に探偵は

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    ネタバレ

    父が探偵事務所を営む高校2年生の榊原みどりは同級生に英語教師について調べてほしいと依頼され…『イミテーション・ガールズ』。
    大学3年生になったみどりは、大学の友人に盗まれた龍涎香を取り戻してほしいと依頼され…『龍の残り香』。
    父の探偵事務所に就職したみどり。元警察官の奥野とバディを組んで、元交際相手にストーカーされているという男性の依頼を受ける…『解錠の音が』。
    社会人5年目のみどりは休暇を取ることにした。軽井沢のレストランでピアノを弾いていた女性からある指揮者と恋人の話を聞く…『スケーターズ・ワルツ』。
    須見要は2年目の新米探偵。女性探偵課の課長・森田みどりと組んで、リベンジポルノを受けたと

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    2025年02月24日
  • 風を彩る怪物

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    「蜜蜂と遠雷以来のスペシャルな音の洪水」
    帯のこの文章を見て即購入。『蜜蜂と遠雷』で音楽小説の素晴らしさを味わい、今回はオルガンを通して音を感じることができました♬
    なぜここまで文章で音を表現できるのか。本当に音楽を聴いているような不思議な体験ができます。
    好きが多すぎて個性がないことに悩む陽菜とオルガンを本当に作りたいのか分からない朋子。この2人の挫折と成長。
    共感できること、音の記述に驚かされることが何度もありましたが、個人的に内容があまり刺さらず…。途中で挫折しそうになり、気付けば読むのに1週間かかってました笑

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    2025年01月28日
  • 風を彩る怪物

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    オルガンを作る人たちの物語。なかなか馴染みのない世界のテーマで「オルガン」という楽器に興味を持つことができました。動画でも出てくる曲を調べて聴いてみました。しっかりと技術的なところまで描き込まれているのも素晴らしい!ただ、オルガン事情に造詣がない人には少し長い気がしました。

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    2025年01月20日
  • 五つの季節に探偵は

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    2022年1月に刊行された単行本に加筆修正のうえ文庫化されたそうだ。単行本は未読のため違いはわからない。
    サカキ・エージェンシーという探偵事務所を経営する父を持つ榊原みどりが主人公の5篇で構成された連作短篇集だ。2002年の春に始まり2018年の春で終わる。
    初登場時のみどりは高校生で探偵ではない。その後、年月の進行と共に彼女の立ち位置が変化していくが、性格は揺らがないのがおもしろい。
    ミステリーとしては派手なものではないけれど、日本における探偵小説はこのくらいがちょうどいい。

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    2025年01月12日
  • 銀色の国

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    複数のミステリー要素が絡み合っていて、面白かったが、主題が「自殺」とかなり重いため、さっさと読み終わりたいと思った。
    後半、伏線回収が多くスピード感もあったので、退屈せずに読めた。

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    2024年12月30日
  • 星空の16進数

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    ネタバレ

    ――

     俎の上の謎。



     面白かったです。工藤賢が嫌いだっただけかもしれない。

     引き続き喋り過ぎ感はあし、物語が綺麗過ぎるのもちょっと物足りなかった。
     扱っているテーマはとてもドロドロしているんだけれど、なんだろうなぁ全ての謎が、こう解かれるためにそこにあるのがわかると云うか…絡まってないと云うか。
     これも喋り過ぎが故、なんだろうなぁ。
    全部のピースが綺麗に整っているから、どこに嵌るかが解りやすくて、ちょっと詰まらない。読み易い、って云うのかもしれないけれど。
     ミステリとしてはあまり。どちらかというと、森田みどりを応援するサスペンス・スリラー的かもしれないので、彼女に感情移入出

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    2024年11月16日
  • 虹を待つ彼女

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    ――

     ……あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ。


     死者の人工知能化、自ら作ったゲームの中で自殺したゲームクリエイター、囲碁AIと人間による対局…と並べてみると、なんとなく2010年代のSFとしてはよくある、部類になってしまうのかしら。
     率直な感想としては、凡庸な天才だなぁ、という感じ。
     要素が盛り沢山な割にストーリィも良くまとまっていて、伏線回収あり、どんでん返しありのサスペンス・ミステリとして面白く読める一冊ではあるのだけれど、ちょっと物足りないのはどの分野に関してもエキスパートではないんだろうなぁ、というところ。


     あと、主人公が応援できない。これは重大。
     いかにも現

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    2024年11月13日
  • 五つの季節に探偵は

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    父親が所長の探偵事務所に勤めるみどりは真相を突き止めずにはいられない性質を持つ。
    その為に仕事の依頼を踏みこえた事をしてしまうのもしばしば。
    そんなみどりの高校生から結婚して母親になるまでの間に起きた様々な事件を描いている。
    時にはクールに、時には執拗に事件の調査をするみどり。
    日常の謎を解くタイプのミステリー。
    結果はハッピーエンドにならないことも多いからモヤっとするラストもある。

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    2024年11月15日
  • 空想クラブ

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    不思議な「力」を持つ中学生シュンと、亡くなってしまった少女真夜
    小学生の時に2人は他の仲間たちと空想クラブという会をつくり共に過ごしていた。
    そんな彼等の青春ファンタジー

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    2024年10月19日
  • 星空の16進数

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     高校を中退し、Web制作会社で働いている藍葉の家に探偵のみどりが訪ねてくる。ある人から藍葉に100万円を渡して欲しいと依頼されたというのだ。みどりも知らないという依頼人… 藍葉には思い当たる人物がいた。子供の頃、自分を誘拐した梨本朱里だ。

     こんな出だしに引き込まれました。依頼人は本当に朱里なのか?誘拐事件の真相は?そしてストーリーを盛り上げ、謎を解くカギになるのが「色」なのです。

     藍葉は会話の中でも色をカラーコードで示します。16進数を用いて、赤、緑、青それぞれの強さを2桁で表して並べた6桁のカラーコード。仕組みをちょっと勉強すると、何となくコードから色が想像できるようになって(もち

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    2024年09月29日
  • 空想クラブ

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    ネタバレ

    ちょっとマニアック?な感じでついていけない所も多々あり。作者様は星や宇宙、科学が好きなのかな?
    こんな能力あれは使ってはみたいが疲れそう。でもこの本を想像して読むのはちょっと楽しかった。ミステリー?も加わっていたが、少し出来すぎている感じもなぁと思いました。

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    2024年09月25日
  • 四重奏

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    テーマ的には前作の「風を彩る怪物」と近いが、オリジナリティに悩む段階からさらに進み、音楽の楽しみとは何か、私たちが音楽を聴いて「感動」している時、いったい「何に」感動しているのかといったところに重心が移行している。

    この作品が少し弱いなと感じるのは、鵜崎の「音楽の喜びは、技術に基づく錯覚である」というような、ある種の「陰謀論」が前面にですぎていて、それが対立している「音楽作品や、名器、巨匠の偉大さ」だったり「作曲者からのメッセージ」や「それを読み解く、演奏者の解釈」だったりといったものとの二項対立ばかりに目が行ってしまうところだと思う。

    だけれど、このお話のテーマは、「正しい解釈、正確な演

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    2024年08月26日
  • 五つの季節に探偵は

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    探偵の父にもつ高校生のみどりが、探偵にのめり込む10年。

    連作面白かった!
    シリーズになってるのを知らなかったので、他のも読もう。

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    2024年08月15日
  • 電気じかけのクジラは歌う

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    初読。おもしろかった。あと思っていたより読み終わるのが早かったので、たぶん読みやすかった。
    ちょっとネットを見るだけでいいものがいくらでも目に入ってくる世の中で、何もしていない自分にも刺さるものがあった。

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    2024年07月07日
  • 祝祭の子

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    なんとも救いようのない、思想も理想もない左巻きの人間に狂わされた人生。あの時代にはこういうリーダーもどきもたくさんいたみたいですね。結局は殺戮と狂った思想の羅列で、心の休まる暇のない作品でした。あーしんど。

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    2024年05月23日