姫野カオルコのレビュー一覧

  • 整形美女

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    ネタバレ

    「ないものねだり」の変身願望を行動に移した2人の主人公。傷を負ったけれど「自分」に戻ろうとした阿部子は救われ、変身が定着して「自分」を見失った甲斐子は救われなかった。

    「あなた」が幸せになりたいなら、「あなた」のまま幸せになろうとしなきゃ。
    幸せな「他人」になろうとすると、「あなた」は不幸のまま放ったらかしになるよ。

    ってことかな。
    さて、ここからは余談。

    「女性の美しさとは」をテーマにした作品ということで、「リアルシンデレラ」を思い出させます。どちらもとても面白いけれど、「リアル~」は「女性の美しさを審査する者」=他者の視点で美を考えているのに対し、この作品は「美しさを審査される者」=

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    2022年02月04日
  • 蕎麦屋の恋

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    一緒にテレビをみたい。
    そんなことってあるのかな? と思いましたが、でも可愛くていいですね。
    ちゃんとした理由がありました。

    モテる男がでてきますが、いいな~、もったいないな~
    世の中そんなにもてる男がいっぱいいるのか、、、
    いーなあ、といろいろ考えながら読みました。

    第一印象で決まるところも多いですよね。
    それって中身をほとんどみていない、ってことでしょ?
    男と女って、残酷だ。

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    2021年08月26日
  • 昭和の犬

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    令和になって3年。昭和は随分昔の話となった。いつのまにか…。
    昭和の50年余りの間に、生活の様子も、犬の飼い方もとても変わった。
    地味なイク…昭和はこんな子ばかりだったようにも思うけど…が犬猫と関わりながら時に癒され成長して、大人になってもマロンに癒されるところはなんだかいい。
    生活様式とか犬猫の飼い方とか変わっても、犬猫と人間の繋がりって変わってないのかもしれない。

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    2021年08月10日
  • 終業式

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    高校生のキャピキャピした文面から
    日々を重ね、ゆっくりと大人になっていく
    登場人物たち。

    その変化が、手紙、交換ノート、FAXだけで
    鮮やかに描かれてゆく。
    出さなかった手紙、伝えられなかった言葉が
    こんなふうに表現されることに新鮮さと驚き。

    まるで、この作品の中に生きていて
    私も彼ら彼女らと手紙を交わしていたかのように
    思わせられるのも、文面のイキイキと
    したリアルさゆえだと思う。

    読書中、この世界の中の仲間に加われて
    楽しかった。

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    2021年05月08日
  • 忍びの滋賀~いつも京都の日陰で~(小学館新書)

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    面白かった。
    姫野さんは鉄道も歴史も食べ物もお酒も、本当によく知ってて、その上表現が上手いから、乗せられて一気に読んでしまった。味覚がとても鋭い人だから食べ物とお酒の話は特に上手い。
    最後の方の禁煙の店がないとか、車がないと生活できないとか(だから東京に来ると電車の乗り換えでヒーヒー言う)、老人の住むところをどうするかというのは滋賀だけでなく、ほとんどの地方が同じ問題を抱えている。高齢者は免許返上しろって言うけど、返上しても生活出来るのは都会だけ。車がなけりゃ生活できない、それが地方。

    滋賀の哀しさ(いつも京都の陰に隠れる)、美味しさ、味わい深さがよくわかり、姫野さんの組んだ旅行のコースは、

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    2020年07月31日
  • みんな、どうして結婚してゆくのだろう

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    「はじめに」から「おわりに」までの流れが秀逸。
    自分が結婚することになったら、その直前にこの本を読んでみたい。
    1997年に出版されてるけど、「女は結婚がしたい」っていう社会の前提みたいなのは2020年になっても変わってない。読んでて古臭いと思うことがなかった。

    ネットで調べると、姫野カオルコさん結婚してるんだ!

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    2020年04月16日
  • 昭和の犬

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    読み始めは、自伝的エッセイ的で懐古主義的な苦手ジャンルと感じていたが、後半、ストーリーとしては何も起こらないのに、妙に感傷的な気持ちにさせられる。
    昭和という時代背景を、いつも近くにいた犬たちの温度・湿度を通して伝えてくる、さすが直木賞と感じる作品。

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    2020年01月15日
  • 何が「いただく」ぢゃ!

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    上戸(酒飲み)が食と酒のマリアージュのあり方を説く。 煩雑で難解な日本酒の区分けについての提言が秀逸。ソロとデュエット(醸造アルコール有無)、スリムとスキニー(米の削り具合)に区別すると、同じ銘柄なのに味が違うという理由がはっきりする。
    牡蠣フライとタルタルソースがミスマッチという意見には首を傾げるが、レモンと塩、あるいはウースターソースのみという趣向もありかなとも思う。

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    2020年01月07日
  • 受難

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    米原万里さんの「打ちのめされるようなすごい本」を読んで本書と作者を知った。確かに今までに無いような「打ちのめされるようなすごい本」だった。
    のっけからすごい展開だったけど、フランチェス子と古賀さんのやり取りから色々と考えさせられる内容があった。

    さすがに映像化できないよね(笑)って思ってたら、映画化されててびっくり(笑)色んな意味で刺激のある一冊でした。

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    2019年05月18日
  • 昭和の犬

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    柏木イクのお話でした
    その中で犬たちや猫との出来事を織り交ぜ
    楽しめました
    あの親からでも学んだこと、経験したことが
    生きてるようにも感じた

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    2019年03月17日
  • ひと呼んでミツコ

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    どこまでも真面目で律儀で正論を突き通すミツコ。それが故に、曲がったり歪んだヤツは放っておけない→盲腸が痛み出す→超能力発揮という設定が斬新。そこがまた爽快だった。

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    2018年12月26日
  • 整形美女

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    可愛いとは?ブスとは?ってめちゃくちゃ考えさせられた。
    タイトルからは想像できない話だった。
    顔面にコンプレックスを持つものとしてはそのまま生きててもいいのかなと考える事が出来たので読んでよかった。

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    2018年08月27日
  • ドールハウス

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    私も父親に性を封じられ生きてきたので、よく分かる。そのせいで内なる健やかな性が私の中でねじれているのも気付いていた。


    きみだけには夢を語ろう、今まで何人もの女に見せてきたのだろう、技巧として見せるわけではなく、彼の内の健やかな性の神経は無意識に女に媚態を示し得るのだ。

    だが、見せかけて、さりげなくにおわせる行為にたまらない不潔さを、リカコは感じた。

    女になりたい。
    すねたりむくれたりウィンドーに飾られた赤いハイヒールが欲しいと言ったりしてみたかった。頭脳ではなく肉体で考えるひとときが欲しかった。

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    2018年07月10日
  • レンタル(不倫)

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    おもろい!笑笑

    処女にして、官能小説作家の力石リキ子。しかもオーバー30。すでに設定からしてそう。甘くくど〜い恋愛小説なんてもってのほか。力石にかかればちゃっちゃとヤりたい。

    もしくは微妙に話の噛み合わない男に心の中で爆笑しつつ、10セットでゲームセットなんだから早く次いきましょー。と、なんともサバサバとした力石リキ子の姿についつい魅了されてしまう。
    そんな力石さんは処女にして官能小説作家っていうね。

    うまぃなぁ。うまい。

    噛み合わない男とのやりとりもうまいし、ちゃっちゃとヤりたい力石を口説いてどーにかしようという男の回りくどい意味のない言葉の羅列の描き方もうまい!

    それをリキ子は2

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    2018年07月04日
  • 禁欲のススメ

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    1990年代初頭くらいのエッセイ。以前にもこの作家のエッセイを読んでおり、途中既視感が有ったが、初読であった。

    50音順に言葉をあげていき、それにまつわる大体は過去のあれこれを綴る。序盤は、世の中の人は好きだと言うが、私は違うけんね、というひねくれた話で、それも序盤で終わる。中盤以降は大抵は愚痴とツッコミなのだが、半分辺りからかなり逸脱し、それらが本書の醍醐味。

    前の本のときにも書いたと思うのだが、インターネット時代にこの文章がリアルタイムで流れたら、かなり読者を掴むのではないかと思う。迷いや衒いのないザクザクした切り口で、次々と過去の知り合いを料理していく。普通の作家だと、知り合いのこと

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    2018年06月10日
  • 終業式

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    ネタバレ

    2018/03/02

    手紙とファックスのやりとりだけで、登場人物たちの20年近くを追う。
    20年。
    スタートは高校生、表現に時代を感じるものの、なんか自分もこんなノリの手紙のやり取りしてたなあと思い出す。
    その後大人に近づいて文体は落ち着き内容も年相応に紆余曲折していく感じ、なんかリアルでした。

    都築がしょーもない。
    上辺では平静を装っていても、どうしようもなく弱くていい加減で、それを直視しないように文学にハマってみたり(ハマったフリをしてかっこつけたり)、自分の失敗や弱さにしょーもない言い訳をつけて正当化したり、もうほんとしょーもない。
    でもこういうしょーもない人はいるし、自分にもそうい

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    2018年03月02日
  • 昭和の犬

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    ネタバレ

    滋賀県に多少なりとも縁のある人だったらおもしろく読めるんではないかと思った。

    なんか、前に読んだ「コンビニ人間」動物好き人間ver.って感じ。「コンビニ人間」に多少なりとも共感しそうになってやばいな~と思ってたらこっちはもっと共感しそうで、よりヤバイな~って感じました。
    現代にこういうのがはやるのは、みんなこんな人間なの??そうなの???

    追)あぁ、直木賞を受賞された作品なんですね。それならちょっとはやってる?のに納得。

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    2018年02月07日
  • 受難

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    女性の局部にできた悪態を吐く人面瘡(笑)
    なんとも凄まじい設定にどうなる事かと思いましたが、読み進めるうちに姫野さんが言いたいことが分かってくるような気がします。
    余りに極端な設定、笑いを誘う罵詈雑言。ふざけて居るようで、その中にちゃんと言いたいことを込めて行く。
    こんな手法もあるんだな。
    なかなか面白い話でした。

    映画化されてるんですね。
    どんなになるんだろう。
    映像化されると単なるおふざけになりそうで、あまり見てみようとは思わないけど。

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    2017年11月30日
  • リアル・シンデレラ

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    読み終わってから2日が経ちました。
    この本はなんだか、読んでからの方が心に来る本だなぁ。と思いました。
    ドキュメンタリータッチで描かれている事もあって、盛り上がりや先が気になる!という風には読めないのですが、生き方について考えさせられる…ふと、夜眠る前にこんな生き方が出来たらいいなぁ。でも、やっぱり自分には無理かなぁ。などと、心地よく考えさせられる本だなぁと思いました。
    小口のお酒についての考え方と言い回しも素敵でした。

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    2017年10月18日
  • 昭和の犬

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    愛情を示さない両親に従順に従って生きる主人公「イク」の、幼児時代から初老に近づくまでの日々を、8つの章に分けて描く。普通には幸福な家庭と言えないが、そばにはいつも犬や猫がいて、イクを支えてくれた。いや、犬や猫ばかりではでなく、多くの人たちが人生の道々でイクを応援してくれた。怒りっぽい父は、ソ連での捕虜の辛酸な経験が彼の人生を変えたようだし、変わり者の母にも母の事情と人生があった。でも両親も、物語を構成する多くの人物や犬猫も、イクの人生を肯定しているようだ。『すべてのものごとは、各人の胸に据えられた鏡にどう映るかなのである』という著者の多様性を容認する姿勢が気持ちよい。イクは作者姫野氏自身を描い

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    2017年08月25日