姫野カオルコのレビュー一覧
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最近、作家さんの食べ物エッセイを読むことが増えた。作家さんは意外に?グルメで、色んな食べ物の事を知っている。取材をかねて?なのか、講演があったりするからか、旅行も多く地方の食べ物のことなどもよく紹介していたり、とにかく食べることが大好きな私にとっては新しい世界(食べ物)にあふれていてとても興味深い。作家だから文章もうまいし(笑)
"グルメ"といっても高級品にはしっているわけではなく、とにかく「自分が美味しいと思うもの」へのこだわりがはっきりしているところも好ましい。
そして姫野カオルコさんは、お酒好きで、お酒にまつわるこだわりがとにかくおもしろかった。
私も日本酒は好きだが、純米酒、吟醸、醸造吟醸とか、区別が????なので、もっとすっきりわかりやすい名前にして欲しいと切に思う。肴のアテの話などもおもしろく、試してみたいものも多々あったり、マナーの話にはめちゃくちゃ共感した。
カオルコさん、好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ないものねだり」の変身願望を行動に移した2人の主人公。傷を負ったけれど「自分」に戻ろうとした阿部子は救われ、変身が定着して「自分」を見失った甲斐子は救われなかった。
「あなた」が幸せになりたいなら、「あなた」のまま幸せになろうとしなきゃ。
幸せな「他人」になろうとすると、「あなた」は不幸のまま放ったらかしになるよ。
ってことかな。
さて、ここからは余談。
「女性の美しさとは」をテーマにした作品ということで、「リアルシンデレラ」を思い出させます。どちらもとても面白いけれど、「リアル~」は「女性の美しさを審査する者」=他者の視点で美を考えているのに対し、この作品は「美しさを審査される者」=女性自身の視点で描いています。ベクトルが逆なんですね。
ベクトルという点で言うと、羨望と軽蔑、尊大と卑下といったような感情も、そのベクトルが交錯します。美しい甲斐子は美しくない顔に整形することによって望みの人生を手に入れ、美しくなかった阿部子は美しい顔に整形することによって人生を狂わせるという、これだけだと単純なベクトルのお話ですが、そうはならないところが、姫野カオルコの姫野カオルコたる所以ですね。
幸→不幸とか不美→美とか、そのベクトルが時間軸で入れ替わります。モノは全然違いますが、そういう意味では、有罪→無罪を描いた「12人の怒れる男」に対する、無罪→有罪→無罪を描いた三谷幸喜「12人の優しい日本人」を思い出しました。
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Posted by ブクログ
面白かった。
姫野さんは鉄道も歴史も食べ物もお酒も、本当によく知ってて、その上表現が上手いから、乗せられて一気に読んでしまった。味覚がとても鋭い人だから食べ物とお酒の話は特に上手い。
最後の方の禁煙の店がないとか、車がないと生活できないとか(だから東京に来ると電車の乗り換えでヒーヒー言う)、老人の住むところをどうするかというのは滋賀だけでなく、ほとんどの地方が同じ問題を抱えている。高齢者は免許返上しろって言うけど、返上しても生活出来るのは都会だけ。車がなけりゃ生活できない、それが地方。
滋賀の哀しさ(いつも京都の陰に隠れる)、美味しさ、味わい深さがよくわかり、姫野さんの組んだ旅行のコースは、是非辿ってみたくなった。
琵琶湖や比叡山延暦寺は滋賀で、鮒寿司は熟鮨と知ってはいたけど、鮒寿司がそんな高いものだとは知らなかったし、食べ方も知らなかった。私は多分鮒寿司を食べることはないだろうけど、赤こんにゃくや駅弁「湖北のおはなし」、小鮎の唐揚げなどは食べてみたい。
京都と滋賀を合コンに行った女子に喩えるところなんか、姫野さんだから書ける面白さ。
関西は京都、大阪、奈良というのが関東人の意識で、そういえば神戸も関西だね、で終わることも多く、確かに滋賀は忘れがち。(和歌山もあった!和歌山県人もこういう本書いて欲しい。)この本にもある通り、近江商人と言う時に嘲りの気持ちなしとは言えないし。(滋賀の方たちは気にしてたんですね。もっとしたたかな県民性かと勝手に思ってました。すみません。)
源氏物語の近江の君の話もあったりして、確かに須磨もそうだけど、随分馬鹿にした書き方だよなあ、と改めて京都ファシズムを思う。
それにしても、両親からはかなり歪んだ愛情しか受けられなかったのに、ちゃんと看取って、郷土も愛すことのできる姫野さんは、ほんとに情の深い方だなと思う。
みうらじゅんみたいでないところが魅力的。 -
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おもろい!笑笑
処女にして、官能小説作家の力石リキ子。しかもオーバー30。すでに設定からしてそう。甘くくど〜い恋愛小説なんてもってのほか。力石にかかればちゃっちゃとヤりたい。
もしくは微妙に話の噛み合わない男に心の中で爆笑しつつ、10セットでゲームセットなんだから早く次いきましょー。と、なんともサバサバとした力石リキ子の姿についつい魅了されてしまう。
そんな力石さんは処女にして官能小説作家っていうね。
うまぃなぁ。うまい。
噛み合わない男とのやりとりもうまいし、ちゃっちゃとヤりたい力石を口説いてどーにかしようという男の回りくどい意味のない言葉の羅列の描き方もうまい!
それをリキ子は28字で要約してしまったり、彼から来たラブレターに赤ペン入れたり、恋愛と結婚、恋人と妻などへの考え方の潔いこと。よいこと。
リキ子乾杯。
リキ子万歳。
リキ子の大ファンです。 -
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1990年代初頭くらいのエッセイ。以前にもこの作家のエッセイを読んでおり、途中既視感が有ったが、初読であった。
50音順に言葉をあげていき、それにまつわる大体は過去のあれこれを綴る。序盤は、世の中の人は好きだと言うが、私は違うけんね、というひねくれた話で、それも序盤で終わる。中盤以降は大抵は愚痴とツッコミなのだが、半分辺りからかなり逸脱し、それらが本書の醍醐味。
前の本のときにも書いたと思うのだが、インターネット時代にこの文章がリアルタイムで流れたら、かなり読者を掴むのではないかと思う。迷いや衒いのないザクザクした切り口で、次々と過去の知り合いを料理していく。普通の作家だと、知り合いのことを書くところで躊躇し、ぼんやりした話になってしまう。
エッセイの面白さは、1) 本人の強さ 2) 周りの人との人間関係の強さ(もしくは全て壊してよいという破天荒さ) 3) 誰にも怒られない程度のフィクションによるコーティング、ではないかと思う。この人の場合は1)と2) なのだろうか。3)もある気がする。2)に関しては、自分のことを書くことによるバランス感覚というものもある。
先に書いたが、本書の場合は半分過ぎたあたりからシモネタだったり、他人に文体を模してみたりだったり、とにかく何でもやってまえという悪乗りが始まるが、これがことごとく成功しているため、後半の読後感が良いのが特徴。
ブログで日記という名のエッセイを書いている人には読んでほしい。あいうえおでお題に関するエッセイねえ、やってみようかな。 -
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ネタバレ2018/03/02
手紙とファックスのやりとりだけで、登場人物たちの20年近くを追う。
20年。
スタートは高校生、表現に時代を感じるものの、なんか自分もこんなノリの手紙のやり取りしてたなあと思い出す。
その後大人に近づいて文体は落ち着き内容も年相応に紆余曲折していく感じ、なんかリアルでした。
都築がしょーもない。
上辺では平静を装っていても、どうしようもなく弱くていい加減で、それを直視しないように文学にハマってみたり(ハマったフリをしてかっこつけたり)、自分の失敗や弱さにしょーもない言い訳をつけて正当化したり、もうほんとしょーもない。
でもこういうしょーもない人はいるし、自分にもそういうところある。
あとミポに鳥肌。
末田先生の手紙に涙。人生の大先輩の文章だった。
優子、よかったね。