姫野カオルコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
巻末の桐野夏生さんの選評の中の一節に「この国で女に生まれることは、とても憂鬱なことだ」とあり、本編を読んだ後だから余計印象に残った。
加害者たちの加害意識のなさとか、学歴・偏差値至上主義な世の中とか、自己肯定感とか、ホモソとか、人間関係における“役割”とか…色々考えた(けどまったくまとまらなかった)。。
加害者も被害者も生まれ育った環境から何から何まで自分とは違うけど、部分部分で共感できてしまうところが恐ろしいなと思ったり…。
きつかったけど読んでよかった。実際の事件も起きたこと全てが酷すぎるんだが、被害者の方が少しでも自分の尊厳を取り戻せてたらいいなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ苦しかった。とにかく終始感じたことは、「男子ってほんとバカね」ということだった。
どんなにお勉強ができても、バカなんだ。
女の子たちにわざと答えられなそうな問題を出して、答えられなければ酒を飲ませ、答えられたらもっと意地悪な問題を出す……。大昔自分が通ってた塾の先生との会話で、地域にあった、偏差値は低いが農業科のある高校について私が無意識に見下すような発言をしてしまったとき、その先生は「偏差値が低いからって馬鹿にしてはいけない。数学の難しい問題が解けたって、作物の育て方や牛の世話の仕方はわからないでしょ。あそこの文化祭で売ってるクッキーはおいしいんだよ」と話してくれたことを思い出しました。東大 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後のつばさのひとことに全て折られたような気分がした。
この本で語られていた、つばさや美咲の作者が語った全てがその一言で更地に帰ってしまった。
かれのように”ぴかぴかな心“を持つ人は瑣末なことに思考を割かず過去を顧みることもないのだろう。
本全体に散りばめられたミソジニーに心が引っかかる瞬間が何度もあった。何が正しいのかは分からないけれど、漠然と女性というものには家庭的、従順、弱いイメージがあるものなのだなとひしひしと考えさせられる。
朝倉、南。アニメのキャラのように偶像化された、彼らにとってはただの器でしかない女子マネ。専業主婦だかえあ料理をする、掃除をする、息子の世話をする、そんなこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ普通の人の普通の人生。
歴史に名を残すことはないであろう、その時代であれば何ら不思議なことはない人生を歩んできた主人公の物語であるが、なぜこうもドラマティックなのか。
その理由の一つは、平々凡々な人生にも関わらず、主人公が満ち足りている様子が伝わってくるからかもしれない。
賃貸暮らしに、ごく普通の事務職の仕事に、趣味らしい趣味もない、そんな人生なのに、幸福が漂っている。溢れては決してない。何となく漂っていて、読者まで何となく満たされていく…。
「今日まで、私の人生は恵まれていました」
「それはようございました」
このやり取り、すごく好き。
『獲得したものを数えるのではなく、彼らの厚情により -
Posted by ブクログ
昭和の犬なんて題名だから下手したらヤクザものじゃないかと思ったけど違った。
そんなわけで字面通りに犬の話である。やはりネコよりは犬派であるという自負のもとに読んだわけだが、昭和の犬は決して忠犬というわけでもなく、もはや東南アジアの野犬というレベルで、これはもうネコ派に移りかねない。確かに昭和のイヌはそこまでかわいくなかったかもしれない。
が、イクさんが癒されるように最後には必ずお前なら分かってくれるみたいな安心感が犬にはあって、寂しかったり辛かったりした時には犬しかいないというか、この本のラストに至ってなんだかんだ言っても犬だなってなるんだからもう犬派なら読まないわけにはいきません。 -
Posted by ブクログ
あなたの『血液型』を教えてください!
『A型』、『B型』、『O型』、そして『AB型』と人間の『血液型』は四つの『型』に分かれています。そんな『血液型』は、『A型』40%、『B型』20%、『O型』30%、そして『AB型』10%という割合になるのだそうです。しかし、これはあくまで日本でのお話、世界全体で見てみれば『O型』が一番多く40%を占めるのだそうです。
とは言え、『血液』自体は怪我でもしない限り私たちが日常目にすることはありませんし、輸血をするでもなければ、そんな『血液型』を意識することなど普通にはないはずです。しかし、あなたが日本人であれば、『血液型』と聞いて輸血のことを思い浮かべるの