姫野カオルコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
初姫野カオルコ。今まで、ドロドロの恋愛モノを書くヒト、と勝手に思い込んで読もうとしなかったのだけれど、ものすごーーーくおもしろかったー。昭和の女一代記ときくと、苦労に苦労を重ねてみたいな、じめっとした話も出てくるんだろうと思っていたらそうではなく、明るくてさわやかでじめじめしたところがなくてすごくよかった。登場人物全員いい人、みたいな。お姑さんが本当に優しくて、ハルカがわたしもこういう人になろうって思うところなんて、なんだか涙が出たくらい。ときどき著者の視線というか、二〇〇×年の視線で語られるところがあるんだけれど、それもわたしは違和感なく、おもしろかった。当時の社会状況を解説されているみたい
-
Posted by ブクログ
戦争って悲惨で暴力的で血みどろで悲哀なことばかりだけど、戦時を生きる人の生活と日常をちゃんと書いた本はあまりないと思う。
小さな喜び、友達を思う気持ち、困惑などだってあるはず。
一日100パーセント戦争のことじゃない。
空襲のあと、義母とちらし寿司を手掴みで食べて、美味しいなと思うシーンが好き。
ハルカさんは、楽しみやユーモアをより強く感じて素直に生きるのが人生のメインで、不倫や夫婦の危機は添え物みたい。
それなりに不幸もある普通の人生なのに、普通じゃなく芯からエンジョイしている。
昭和の女性の人生をスキップで駆け抜けるハルカさんは素敵です。 -
Posted by ブクログ
目からウロコ! 読めば鏡は怖くない!
美人とは何? ブスとは何? ハゲや巨乳の本当の価値や美容整形の是非とは? 世間の常識や思いこみを完璧に打破する、姫野節全開の痛快エッセイ集。読めば2クラスぐらい美人度が上がります。
何々なのに!?
なんて思うことはしばしばあるような気がします。
ただ、そう思うことは浅ましいから考えるのはよくはない。
という風な考えはあるのかもしれません。
考えによってはそうおもうことで、思いつく何かというのもありますから、一概にどう?
というのは何事に関しても言えないのかもしれませんね。
物は言いよう?考えよう?? -
Posted by ブクログ
実はあまり期待しないで読んだのですが、非常によかったです。こういうの好きです。みなさんが書いているとおり、ハルカという女性の一生が描かれているのですが、戦争のことなど事実をちゃんと織り込みながら、それでも普通に生きていた人々の理屈じゃない部分も無理なく読ませてくれました。あとがきで著者も書いていましたが、暗くてむごい戦争の中にも笑ったり食べたりしゃべったりする日常があってそういうのをちゃんと書きたかった、というようなこと(うろ覚えですが)、読んでいてすごく伝わってきました。文章もリズムがあってよかったし、関西の言葉も個人的に好きな雰囲気で、結構おすすめです。久々に読み終わりたくないなーと思う本
-
Posted by ブクログ
小学生時代の、あーだこーだ、バカみたいなじゃれあい。
中学生時代の、女になりかけの、ごちゃごちゃ。
どちらも、今思えば腹立たしいくらい、
幼稚な時代だった。
だけど、あんなに毎日大事件が起こった時代もないかもしれない。
目が合った!
誰々といっぱいしゃべってて、むかつく!
バレンタイン、どうやって渡すか・・・
消しゴムを拾ってあげた。
同じ委員会になれた。
たったそんなことが、日常を埋め尽くして夢中にさせてくれた。
あんなことは、もうないだろう。
隼子は、ちょっと早く大人になっちゃったかもしれない。
あの展開は、ちょっと意外だった・・・
でも、最後はちょっと切なかったな。 -
Posted by ブクログ
姫野 カオルコの【喪失記】を読んだ。
「私は男に飢えていた」の一文から始まるこの物語に一瞬のうちに引き込まれた。
30歳を過ぎて「処女」である主人公の理津子。彼女は家庭の事情で、幼少期時代を点々と他人の家で過
ごし、再び両親と暮らし始めるまでの間、恐ろしいほど規律正しいカトリックの教会で育った。
故に、知らず知らずのうちに自らの心を「神」によって縛り付けてしまう。極端なまでの自己への戒律。
性を淫とし、願うことを傲慢とする。
物語は30歳を過ぎてイラストレーターとして生活を形成する理津子が、本能のまま生きる男、大西と出
会い彼と食事を重ねることで自らの過去を振り返り、自ら縛りつけ -
Posted by ブクログ
2008.07.22. 久々再読。先に「桃」を読んでたのが、かえって良かったかも。強烈な印象は変わらないけど、前より好きになった。中学生とその教師の恋(でもない?)というのは非道徳的、とか、破廉恥とか思ってしまいそうだけど、年齢はあってないようなもの。準子はすごく魅力的だと思う。ラスト、こうだったかー・・・なんだかうれしい。
2005.11.14. おもしろかったー!小学生ってあんあざんこくやったっけ?とか思いながら。私も読んでて堕ちていった。でも、準子が像を結ばない。みんな、こんな子(そして先生)やろうなぁってわかるのに、主人公だけがうすぼんやりしてる。