姫野カオルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そういえば昔読んだな、、と思いながらまた読みました(笑)
主人公がいい年して処女、という設定は姫野さんの小説には多いですが、切なさがよく描かれていると思います。
あとは料理や食べ物がうまくストーリーにからみあって、「スピーディにいいタイミングで同時に出来上がり、出来たてを誰かにサーブし一緒に食べる楽しさ」っていうのがすごく出ていてそのシーンがとても好きです。やってみたい!と思うけど、私は料理が得意ではないのでできないと思って読んでました(笑)
全体的にトーンは高くないのですが、暗すぎることもなく、切なさがうまく表現されていて、これも姫野さんらしさだなぁと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ出てくる芸能人の大半がわからなかったけど、この方が(失礼だが)エロ親父の視点で女性を見ていて、新鮮だった。
最初は登場人物はピンと来ないし、読むの大変だったけど、人物名にいちいち悩まなければ率直でわかりやすい。
小説は読んだことがないけど、エッセイを読むと、意外と男性目線?の話が多い人なのかな?と思った。
自分の美しいと感じるタイプを正確に把握していて、美人(姫野さん的にいうと、多くの人が美人だと錯覚する情緒的主観的な要素を内側から出している人)とは、なんなのだ?と疑問を呈している。
話の中で昔、
男「合コンに美人の子を連れてきて!」
女「いいよー」
清楚系美人を集めると
「いいこかもし -
Posted by ブクログ
目鼻立ちくっきりでスタイル抜群の美人・甲斐子は、自分が美人だという自覚がなく、ある計画を元に20歳で全身整形をして地味な女に生まれ変わる。
一方甲斐子の同級生で地味な見た目だった阿部子も、同時期に整形手術を受けて元の甲斐子そっくりな美しい容姿に生まれ変わる。
整形してから十数年、全く正反対の容姿に変わった二人はどういう人生を歩み、どんな人間になっていくのか。
美容整形を扱った作品ってたまにあるけれど、これは単純に美容整形をして美人に生まれ変わった人間の物語ではなくて、そもそも美人とは?を問う物語。
見た目が整っていれば美人なのか?
でもよくよく考えてみると、見た目が整っていても美人とは思えな -
Posted by ブクログ
幼少期から中年期までのイクの日々を、犬との関わりを中心に描く。
好物のわんちゃん猫ちゃん小説。
でもこの小説は、よくある感動的で涙腺崩壊といったものではない。
イクの父親は怒りの感情をコントロールできない人物、母親は悪意なく娘に残酷な言葉を投げつける。
大人になりきれないというのか器が小さいというのか、簡単に言えばろくでもない両親だ。
昭和の頃は、厳しく放置しながらも、ここぞというときには立ち上がる親が多かったように感じる。実際わたしの親も、概ねこの部類に含まれる。
しかしイクの親はそういうものでもない。
経済的には困窮もしていないし、あからさまな虐待があるわけではないため、大好きというわ -
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初めての姫野さん。
読み応えがありました。
著者のあとがきによれば、
リアル=ドキュメンタリータッチ
シンデレラ=幸福や善や美や豊かさの寓意
だそうですが、タイトルを見ただけでは、あるいは話題になった表紙を見ただけではとても想像がつきません。
シンデレラと言えば、どうしてもシンデレラストーリー(有名ではない一般人女性が、短期間で(あるいは長い年月にわたる苦労の末)見違えるほどの成長と幸福を手にし、芸能界や社交界、その他の一流の場などにデビューしたり、あるいは資産家と結婚する成功物語をいう。By Wikipedia)を思い起こします。さらに穿った見方をすれば、グリム童話のシンデレラの結末の残 -
Posted by ブクログ
自分は青春小説が好きだ。
社会人となった今の自分に嫌気が指している訳ではない。
学生時代のかけがえのない時間を思い出すことが出来るし、浸りたい時があるからだ。
思い出は後になるほど美化されるものとは良く言うが、学生時代が特にそうではないかと感じる。
著者はあとがきで、「あのころ。なんて単純で、なんて、一日一日が新鮮で、なんでもドキドキしてたんだろう。…」
と記しているが、この文章に非常に共感した。
なんで体育祭の優勝があんなに大事だったか。夜まで教室に残っている日がなんて特別な日だったか。
当時の自分も全く気づかなかった。
もっとも、気づけなかったから思い出に浸るのかもしれないが。
自分は