姫野カオルコのレビュー一覧

  • ああ、禁煙vs.喫煙

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    姫野カオルコさんって、すごく面白い人ですよね。
    まあ誰にだって「そういうとこ、変わってるよね」って言われるようなところってあると思うのですが、姫野カオルコさんのこのエッセイは、「ああーそういう理論で!なるほど!」と思うこともあったり、「ああ、私もまったくそう思うけど、そういう言い方があったのね!」っていうことがあったり、、読んでいてスッキリしたり笑ったり。
    ちょっとした時間に(たとえば病院の待ち時間とか^^)読むのにちょうどいい感じです!いや、別に寝る間際とかでもいいと思います。いや、別に勉強の合間とか仕事の休憩時間でも!!!

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    2017年07月06日
  • 喪失記

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    そういえば昔読んだな、、と思いながらまた読みました(笑)
    主人公がいい年して処女、という設定は姫野さんの小説には多いですが、切なさがよく描かれていると思います。
    あとは料理や食べ物がうまくストーリーにからみあって、「スピーディにいいタイミングで同時に出来上がり、出来たてを誰かにサーブし一緒に食べる楽しさ」っていうのがすごく出ていてそのシーンがとても好きです。やってみたい!と思うけど、私は料理が得意ではないのでできないと思って読んでました(笑)
    全体的にトーンは高くないのですが、暗すぎることもなく、切なさがうまく表現されていて、これも姫野さんらしさだなぁと思います。

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    2017年06月22日
  • 昭和の犬

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    生まれた時から転々と預けられ
    5歳で両親と共に暮らし始めた「イク」

    気難しく、理不尽に怒鳴り散らす父
    夫や生活に倦み、何を考えているかわからない母

    イクにとって家庭は、決して居心地のいいところではなかった。

    けれど、彼女のそばにはいつも犬(と猫)がいた

    作者の半自叙伝的なお話。
    幼少時から大人になるまでを淡々と語っているが
    時代の香と共に、引き込まれてしまう作品です

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    2017年05月21日
  • 整形美女

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    完璧な美を備えている、と(大曾根医師には)思われた甲斐子が「全身整形したい」と手術を望む。絶世の美女ではなく、大衆受けする程度の女(大曾根医師によると「ブス」)に。一方、整形なんか興味なかったのに「なんとなく」やってみた二重瞼手術に始まり(甲斐子のような「美人」に)全身整形した阿部子。結果、甲斐子は男受けし、阿部子は男から敬遠される。……「美人」って何ですか?という姫野先生の深い考察が物語となっているが、正直「豆つぶのような目」は美人…?と疑問を感じながらも面白く読んだ。与瀬くんが良い味出してた。

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    2017年05月17日
  • 終業式

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    『ツ、イ、ラ、ク』以来の姫野カオルコ作品。2作しか読んでいないのに、あぁ、姫野カオルコらしいなと思ってしまった。青春と言ったら陳腐な言葉かもしれないけれど、誰でも懐かしさを感じてしまう思春期独特の雰囲気とか、リアルな感情とか、周りが見えないまま全力で生きてた感じとか。1975年から1995年までの時代を描いているのに、いつの時代も思春期のこの感じは変わらないんだな。読んでから知ったけど、装丁も、ヨシ。

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    2016年12月27日
  • 終業式

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    ぜんぶが手紙だけ
    (中には本人に渡せなかった手紙も!)
    で構成されてるのが、
    おもしろい思って手に取ったのがきっかけ!

    これほど “行間を読む” ことを
    強いられた本は初めてだなあ。。(笑)

    差出人と受取人の関係を上手く
    推測しながら読むのがワクワクした!


    最後にこの本のタイトルをつけた
    作者の意味がやっとわかるって感じ。


    私ももっと字が上手なら
    いろんな人に手紙書くのになあ(言い訳)

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    2016年12月02日
  • ブスのくせに! 最終決定版

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    ネタバレ

    出てくる芸能人の大半がわからなかったけど、この方が(失礼だが)エロ親父の視点で女性を見ていて、新鮮だった。
    最初は登場人物はピンと来ないし、読むの大変だったけど、人物名にいちいち悩まなければ率直でわかりやすい。

    小説は読んだことがないけど、エッセイを読むと、意外と男性目線?の話が多い人なのかな?と思った。

    自分の美しいと感じるタイプを正確に把握していて、美人(姫野さん的にいうと、多くの人が美人だと錯覚する情緒的主観的な要素を内側から出している人)とは、なんなのだ?と疑問を呈している。

    話の中で昔、
    男「合コンに美人の子を連れてきて!」
    女「いいよー」
    清楚系美人を集めると
    「いいこかもし

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    2016年11月03日
  • 昭和の犬

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    昭和33年生まれの柏木イクが、幼少時期からいつ激昂するか分からない父と、下劣な品性の母親と暮らし、いつか此処では無い何処かへ行こうと、幼い胸に誓ったのでありました。昭和から平成に至る過程を、いつも傍らに居た犬の存在を里程標に表現しているお話です。
    淡々とした語りでちょっとかわいそうな感じの女性の半生(よりちょっと長い)を垣間見ました。僕より16才年上というと今58歳くらいの人が読むととっても懐かしく、当時あるあるが沢山有りそうです。
    淡々と進んでいくのが結構心地よくて、僕的にはかなり好きな本です。

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    2016年10月21日
  • ドールハウス

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    姫野カオルコさんの文章って、おもしろいですよね~
    けっこうハマって、かなりのスピードで読み進んでいます。
    単独とはいえ続編というかシリーズがあるのですね!早速入手して読みたいです^^

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    2016年05月19日
  • 整形美女

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    整形をしたくなる心理を知りたくて読んでみましたが、美女なのに、自分が「美女で得している」と思えず整形する人と、その逆の人がいて、「なぜ、整形は後ろめたいのか?」と考えながら読みました。姫野カオルコさんの作品は初めて読みましたが、言葉が面白いですね!趣深くもあり、笑える感じもあり。ハマりそうです。

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    2016年05月07日
  • 整形美女

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    目鼻立ちくっきりでスタイル抜群の美人・甲斐子は、自分が美人だという自覚がなく、ある計画を元に20歳で全身整形をして地味な女に生まれ変わる。
    一方甲斐子の同級生で地味な見た目だった阿部子も、同時期に整形手術を受けて元の甲斐子そっくりな美しい容姿に生まれ変わる。
    整形してから十数年、全く正反対の容姿に変わった二人はどういう人生を歩み、どんな人間になっていくのか。

    美容整形を扱った作品ってたまにあるけれど、これは単純に美容整形をして美人に生まれ変わった人間の物語ではなくて、そもそも美人とは?を問う物語。
    見た目が整っていれば美人なのか?
    でもよくよく考えてみると、見た目が整っていても美人とは思えな

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    2016年04月17日
  • ドールハウス

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    「いつか王子様が、か。今時の王子様は白馬には乗ってないんだろうな」
    「きっとタクシーに乗ってるのよ」

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    2016年03月24日
  • 昭和の犬

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    幼少期から中年期までのイクの日々を、犬との関わりを中心に描く。

    好物のわんちゃん猫ちゃん小説。
    でもこの小説は、よくある感動的で涙腺崩壊といったものではない。

    イクの父親は怒りの感情をコントロールできない人物、母親は悪意なく娘に残酷な言葉を投げつける。
    大人になりきれないというのか器が小さいというのか、簡単に言えばろくでもない両親だ。
    昭和の頃は、厳しく放置しながらも、ここぞというときには立ち上がる親が多かったように感じる。実際わたしの親も、概ねこの部類に含まれる。
    しかしイクの親はそういうものでもない。
    経済的には困窮もしていないし、あからさまな虐待があるわけではないため、大好きというわ

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    2016年01月27日
  • 桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク

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    彼らと共に小中学時代を過ごし、20年を振り返っているかのような錯覚に陥った。その20年で、子供時代から大人にかけての男女の違いというものを克明に抉り出している。また時間の流れが哀しくなるくらい具に描き出されている。これらの描写は嘆息が出るほどであるが、それ故に私を物寂しくさせた。本書ではあの事件が起きたとき、他の人がそれをどう捉えていたのかが窺い知れる。当時は成長が不均一であっても皆大人になっているし、大人になって振り返るからこそわかることがあるのだとわかる。「汝…」の頼子の考え方に感銘を受けました。

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    2016年01月13日
  • 結婚は人生の墓場か?

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     結婚が人生の墓場となるかどうかは本当にその二人次第なのだという当たり前のことをこれでもかと強く感じた一冊。これっぽっちも理解できない雪穂にイライラが募ったけど、世間も知らず満足することも知らず自分が愛されるべきであると信じて疑わない彼女に最終的に憐れみと諦めがわいてくる。作中には結婚や女性の仕事、妊娠、子育てなどに関して異なる考えを持つ人が色々と出てきたけど、それらを踏まえて自分はどう思うか、改めて考えさせられた。将来するかもしれない結婚が墓場とならないよう、この本を反面教師としたい。

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    2015年12月20日
  • リアル・シンデレラ

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    初めての姫野さん。
    読み応えがありました。
    著者のあとがきによれば、
     リアル=ドキュメンタリータッチ
     シンデレラ=幸福や善や美や豊かさの寓意
    だそうですが、タイトルを見ただけでは、あるいは話題になった表紙を見ただけではとても想像がつきません。
    シンデレラと言えば、どうしてもシンデレラストーリー(有名ではない一般人女性が、短期間で(あるいは長い年月にわたる苦労の末)見違えるほどの成長と幸福を手にし、芸能界や社交界、その他の一流の場などにデビューしたり、あるいは資産家と結婚する成功物語をいう。By Wikipedia)を思い起こします。さらに穿った見方をすれば、グリム童話のシンデレラの結末の残

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    2016年05月15日
  • 終業式

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    自分は青春小説が好きだ。
    社会人となった今の自分に嫌気が指している訳ではない。
    学生時代のかけがえのない時間を思い出すことが出来るし、浸りたい時があるからだ。

    思い出は後になるほど美化されるものとは良く言うが、学生時代が特にそうではないかと感じる。
    著者はあとがきで、「あのころ。なんて単純で、なんて、一日一日が新鮮で、なんでもドキドキしてたんだろう。…」
    と記しているが、この文章に非常に共感した。
    なんで体育祭の優勝があんなに大事だったか。夜まで教室に残っている日がなんて特別な日だったか。
    当時の自分も全く気づかなかった。
    もっとも、気づけなかったから思い出に浸るのかもしれないが。

    自分は

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    2015年08月16日
  • リアル・シンデレラ

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    ネグレクトと解離性障害の話でもある、と思った。
    主人公の泉のことを理解はできないけど、
    尊敬する。
    痛々しいけど正しく生きた人だと思う。
    ただ、与えられた環境から逃げようとしなかったのはどうしてだろうと考えてしまう。

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    2015年08月02日
  • お金のある人の恋と腐乱

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    「恋愛なるものを俯瞰するような」ものでなければ関心は向かない、恋の顛末を切々と追うものは苦手、というようなことが筆者あとがきにあって、姫野カヲルコの小説が、多くの女性作家と異なる理由がわかった。女性の感情や欲望をここまで描いているのに、自分にうっとりしない感じ…そこが心地よい。

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    2015年07月23日
  • ツ、イ、ラ、ク

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    タイトルと表紙につられてジャケ買いしてしまった本。この著者については全く予備知識がなかった。濃厚な本だった。小学生から30代半ばまでの,女性の心の内側が赤裸々に描写されたリアル感がスゴイ。中学生の頃,同級生はそんな風に考えて毎日を過ごしていたのだろうか。女性は怖いと思ってしまった。男なんかはとても太刀打ち出来るはずがない。ただ,ラストはちょっと少女マンガっぽくて,救われた感じがした。

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    2015年07月05日